ChatGPTのGPT-3.5とGPT-4の違いは?最新モデルについても解説

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  • GPT-4はGPT-3.5の上位モデルで、より精度の高い情報提供が可能
  • 現在はGPT-4から派生した「GPT-4o mini」が基本モデルになっている
  • GPTシリーズ以外に、「OpenAI o」シリーズや「Sora」といったモデルもある

AIチャットツールのChatGPTに使われているAIモデルには、「GPT-3.5」「GPT-4」などいくつかの種類があります。GPT-4はGPT-3.5の上位モデルで、より精度の高い情報提供が可能です。この記事では、GPT-3.5とGPT-4の違い、最新のモデルなどについて解説します。

目次

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  1. ChatGPTの「GPT-3.5」や「GPT-4」とは
  2. GPT-3.5とGPT-4の違い
  3. 現在は「GPT-4o mini」が基本モデル
  4. 「OpenAI o」シリーズや「Sora」も新たに登場
  5. APIではより多くのモデルを選択可能
  6. どのモデルを使用するうえでも気をつけたいこと
  7. まとめ

ChatGPTの「GPT-3.5」や「GPT-4」とは

ChatGPTは、米国のOpenAIが開発したAIチャットツールで、自然言語の処理に長けたAIモデルによって自然な対話ができるのが大きな特徴です。そのChatGPTを支えているのがGPTと呼ばれる大規模言語モデルです。

GPTにはいくつかのバージョンがあり、2018年にGPT-1が登場して以来、GPT-2、GPT-3と開発が進み、2022年11月にGPT-3.5を搭載したChatGPTの提供が開始されました。そしてその後、GPT-4や他のモデルも搭載されています。

以下では、ChatGPTが提供されるにあたって基盤となった「GPT-3.5」と「GPT-4」についてより詳しく解説します。

参考:ChatGPT

ChatGPTとは?メリット・デメリット、始め方などを解説

ChatGPTとは、2022年11月に公開されたAIチャットサービスです。無料で利用でき、人間のような自然な受け答えができることから話題となりました。この記事ではChatGPTのメリット・デメリットや始め方、気になる危険性などについて解説します。

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ChatGPTのモデル「GPT-3.5」と「GPT-4」

  1. GPT-3.5とは
  2. GPT-4とは

GPT-3.5とは

2022年11月にGPT-3.5を搭載したChatGPTがリリースされ、公開と同時に世界中で注目を集めました。生成AIによるチャットサービスの先駆けとも言え、リリース後は2か月で1億人のユーザーを獲得するなど、非常に大きなブームを巻き起こしました。

最初のGPTモデルであるGPT-1から進化を遂げたGPT-3.5は、インターネット上の情報を中心に膨大なデータを学習しており、それをもとに文章の作成や要約、質問応答、翻訳などを人が行うような自然な言葉のやり取りで生成できます。

なお、OpenAIは生成AIモデルの開発を続けており、ChatGPTの最初の基本モデルであったGPT-3.5は、現在ではより新しいモデルに置き換えられています

GPT-4とは

GPT-4は、GPT-3.5のバージョンアップとして2023年3月にリリースされた大規模言語モデルです。ユーザーはテキストだけでなく画像も入力に含めることができ、またGPT-3.5と比較して日本語対応の精度が高くなったため、日本でもより活用しやすくなりました。

GPT-4は現在、ChatGPTの有料プランで利用することができます(2025年4月執筆時点)。特に、「Pro」プランではGPT-4を無制限で使えます。

また、GPT-4からさらに進化を遂げた「GPT-4.5」や「GPT-4o」といったモデルも登場しており、プランによって制限がある場合もありますが、ChatGPT上で使うことができます。

参考:GPT-4|OpenAI

参考:ChatGPT 料金設定|OpenAI

GPT-3.5とGPT-4の違い

GPT-4は、GPT-3.5から飛躍的な進歩を遂げ、できることが増えてより活用しやすくなりました。GPT-4がGPT-3.5から進歩した主な点は下記の5点です。ここでは、これらの内容について詳しく解説します。

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回答の精度

GPT-4はGPT-3.5と比べて、より複雑なデータのパターンや関係性を学習できます。そのため、誤字脱字の少ない精度の高い回答の生成が可能です。

たとえば、プロンプトに複数の指示を出してもそれを的確に理解してくれるため、GPT-3.5では複数回にわけて出していた指示も、1回の指示ですむようになりました。

GPT-3.5とGPT-4では、学習データの期間(カットオフ)も異なります。それぞれの学習データの期間は、GPT-3.5が2021年9月までで、GPT-4が2023年4月までです。なお、2024年5月に登場した「GPT-4o」は、2023年10月までとなっています。そのため、より広範囲の話題に対する高精度な回答を期待できます。

回答の整合性

GPT-3.5では、事実に基づかない情報を生成する現象である「ハルシネーション」が多く見られ、問題となっていました。GPT-4では、完全にハルシネーションの発生を防げるわけではないものの、GPT-3.5より発生率を19〜29%抑えられることがOpenAIから公表されています。

ハルシネーションが起こる原因はさまざまですが、学習データの期間の影響も大きいため、GPT-3.5よりも新しい情報を学習しているGPT-4に優位性があります。また、ユーザーが入力したプロンプトを正確に理解する能力も向上した点も影響していると言えるでしょう。

回答の創造性

GPT-3.5でもアイデア出しなどの創造的な回答の作成は可能でしたが、GPT-4モデルはさらに大きく進化し、詩や物語・脚本などの作成にも柔軟に対応できるようになりました。

また、GPT-3.5では言語の切り替えが難しかったため、詩などを生成させると言語が入り混じることがありました。一方、GPT-4では言語の切り替えがスムーズになり、プロンプトで使われている言語に基づいて、創造的な詩や文章の作成をしてくれます。

長文への対応

ChatGPTで入力・出力できる文字数は、「トークン」と呼ばれる単位で表わされます。トークとはAIが自然言語を処理する際の最小単位です。

GPTが対応可能なトークンは、GPT-3.5では4,096トークン(約3,000文字)であったのに対して、GPT-4は32,768トークン(約25,000文字)と大幅にアップしています。

文字数が増えたことにより、GPT-3.5で分割して要約や翻訳を生成させなくてはならなかった論文なども、GPT-4では一度で読み込むことができるようになりました。また、生成できる文章の文字数も大幅に多くなり、長文でのやり取りが可能です。

画像入力・画像生成

GPT-4では、GPT-3.5ではできなかった画像入力が可能になりました。画像データとその画像から知りたいことなどをプロンプトに入力すれば、テキストで返してくれます。たとえば、著名な遺跡や絵画の画像を入力して、それらの解説を生成させることができます。

また、GPT-4では新しく「DALL-E」と呼ばれる画像生成機能が使えるようになりました。DALL-Eは画像を生成するAIであり、プロンプトに作成したい画像のイメージを入力することで、それに応じた画像を生成してくれます。

参考:DALL·E 3|OpenAI

ChatGPTでは画像生成も可能|メリットや活用例・注意点も解説

ChatGPTでは、DALL-Eという機能を使って画像生成をすることも可能です。広告のビジュアル作成やWebデザインなど、さまざまな業務に活用できます。この記事では、ChatGPTで画像を生成する手順やメリット・ビジネスでの活用例・注意点などを解説します。

現在は「GPT-4o mini」が基本モデル

前述のように、ChatGPTのサービス開始当初から基盤となってきたGPT-3.5は、現在は通常のチャット上での提供が終了しています。

その背景には、2024年5月に発表された「GPT-4o(ジーピーティーフォーオー)」の登場、そしてそのコンパクト版モデルとなる「GPT-4o mini」が2024年7月18日に発表されたことがあります。

現在は「GPT-4o mini」が基本モデル

  1. GPT-4o miniとは
  2. GPT-4o miniの利用は全プランで無制限

GPT-4o miniとは

GPT-4o miniは、GPT-4oのコンパクト版として2024年7月18日に発表されました。GPT-4oは、GPT-4のアップデート版として2024年5月に発表されたモデルです。GPT-4o、GPT-4o miniともに、テキストや音声、画像を任意に組み合わせて入力と出力を行えます

GPT-4o miniは、GPT-4oに比べて機能が制限されており、回答の精度はやや劣りますが、処理速度はGPT-4oの約2倍の速度と言われています。

参考:GPT-4o mini: advancing cost-efficient intelligence|OpenAI

GPT-4o miniの利用は全プランで無制限

GPT-4o miniは、無料プランを含む全プランで利用することができます(2025年4月執筆時点)。音声機能や画像生成機能、データ分析機能など細かな機能に関しては無料プランで制限があるものの、基本的なチャットに関しては制限のない利用が可能です。

ChatGPT初期のGPT-3.5と比べると、軽量版であるGPT-4o miniでも大幅な性能の向上が認められます。個人的な利用からビジネスまで、さまざまなニーズに柔軟に対応できるモデルと言えるでしょう。

GPT-4oは有料プランで利用可能

GPT-4oは無料プランでもトライアル的に一定回数利用することができますが、それ以上の利用には有料プランへの加入が必要です。

有料プランには「Plus」「Pro」「Team」「Enterprise」の4つがあります。GPT-4oの利用については、Plusでは無料プランの5倍、Proは無制限、TeamとEnterpriseでは拡大とされています。

また、有料プランではGPT-4とGPT-4.5 research previewへのアクセスも可能で、GPT-4の利用はPlus:標準、Pro:無制限、Team:拡大、Enterprise:拡大となっています。なお、GPT-4.5 research previewについては具体的な利用制限は明記されていません。

参考:Hello GPT-4o|OpenAI

参考:ChatGPT Pricing|OpenAI

「OpenAI o」シリーズや「Sora」も新たに登場

ChatGPTはGPTシリーズのモデルが基盤を支えていますが、OpenAIはGPTシリーズとは異なる系譜の「OpenAI o」シリーズも新たに発表しています。2025年4月現在、以下のようなモデルが登場しています。

  1. OpenAI o1
  2. OpenAI o1 mini
  3. OpenAI o1 pro mode
  4. OpenAI o3-mini
  5. OpenAI o3-mini-high

OpenAI oシリーズの大きな特徴は「推論モデル」であることで、特に数学や科学の分野の処理に強みを持っています。OpenAI o3-miniは無料プランでも限定的に利用できますが、それ以外は有料プラン向けのモデルとなります。

また、動画生成モデルである「Sora」も2024年12月に公開されました。Soraはテキストをもとに動画を生成できるモデルで、Plus・Pro・Teamのプランで制限付きではありますが利用することができます。

参考:OpenAI o1 Hub|OpenAI

参考:OpenAI o3 mini|OpenAI

参考:Sora |OpenAI

APIではより多くのモデルを選択可能

ここまで、ChatGPTに搭載されているモデルや各プランで利用可能なモデルについて解説してきましたが、OpenAIはこれらのプランとは別にAPIのサービスも提供しています。APIを使えば、OpenAI開発のモデルを他のアプリケーションなどに組み込むことが可能です。

APIは主に開発者向けに提供されているもので、通常のチャットサービスよりも選択できるモデルが多いのも特徴の1つです。たとえば、通常のチャットでは使えなくなっているGPT3.5なども、APIでは「GPT-3.5 Turbo」が安価な選択肢として提供されています。

APIはChatGPTの有料プランとは別の料金体系が設定されており、利用には別途料金を支払う必要がありますが、特に企業の顧客向けサポートサービスなどにおいては有用です。

参考:Modele – OpenAI API

参考:API 料金

どのモデルを使用するうえでも気をつけたいこと

OpenAIがリリースしている生成AIモデルは非常に高性能で、特に新しいモデルは飛躍的に進歩しています。しかし、どのモデルもそれぞれに、または共通して対応が難しいものもあり、万能ではありません

そのため、各モデルの特徴や生成AIの弱点を理解しながら上手に活用することが重要です。たとえば、GPT-4は数学的要素の高い複雑な計算には向いていません。数学的なタスクを与える場合には、推論モデルである「OpenAI o」シリーズが向いているでしょう。

また、どのモデルに関しても、回答は必ずしも正しいものであるとは限りません。ChatGPTにはAIがWeb上を探索して情報を収集する機能もありますが、そもそもWeb上にある情報が間違っていたり、AIの学習データに誤情報が含まれていたりする可能性もあります。

さらに、人間の感情や道徳観・倫理観への理解が必要となるようなテーマに関しては、不適切な回答が生成される恐れもあります。このような注意点を理解した上で、生成された回答については人による最終チェックを行うのが最良の方法であると言えます。

まとめ

AIチャットサービスであるChatGPTは「GPT-3.5」や「GPT-4」といった大規模言語モデルに支えられています。GPT3.5はChatGPT提供開始当初のモデルで、その後GPT-4をはじめ多くの上位モデルが登場しています。

それぞれのモデルは異なる特徴を持っており、またChatGPTのプランによっても利用できるモデルが異なります。本記事を参考に、ChatGPTのモデルについて理解を深め、適切な方法で活用できるようにしましょう。

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