CRMの導入費用の相場は?クラウド型・オンプレミス型別に解説

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  • CRMの導入費用は、クラウド型・オンプレミス型・オリジナルで、それぞれ違う
  • CRMを導入する際は、導入目的の明確化や社内体制の整備といった準備が必要になる
  • CRMは、使いやすさや自社に必要な機能があるかを確認してから選ぶのがおすすめ

CRMは「顧客関係管理」を意味し、顧客管理のマネジメント手法を指します。CRMの導入にかかる費用は形態によって異なります。本記事では、CRMを導入する際の費用の相場やその内訳についての他、CRM導入までの流れやCRMを選ぶときのポイントについても解説します。

目次

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  1. CRM導入費用の相場
  2. クラウド型CRMの費用内訳
  3. オンプレミス型CRMの費用内訳
  4. CRMの費用対効果に対する考え方
  5. CRMの費用を抑える方法
  6. CRM導入までの流れ
  7. CRMツールを選ぶときのポイント
  8. CRMを導入する際の注意点
  9. まとめ

CRM導入費用の相場

CRM(顧客管理システム)を導入する際にあらかじめ確認すべき点は、導入費用・ランニングコストなどの費用面です。CRMは、クラウド型・オンプレミス型・オリジナルタイプと種類はさまざまで、かかる費用も異なります。

初期導入費用を比較的抑えられるのはクラウド型ですが、その一方でユーザー数に応じてランニングコストが発生します。対してオンプレミス型は、社内にサーバーを設置する必要があるため、初期導入費用が高額になります。

システムの種類によって、導入費用・ランニングコストなどは異なるため、導入する際は、事前に相場を調べておく必要があります。ここでは、クラウド型・オンプレミス型・オリジナルシステムを導入する際の費用の相場をご紹介します。

クラウド型の費用相場

クラウド型は、インターネットを介してクラウド上のCRMツールにログインをして使用します。そのため、インターネットが使用できる環境であれば、どこでも手軽に使用ができます。また、導入までの準備期間も短く、初期費用を大幅に抑えられる点がメリットです。

しかし、使用するにはランニングコストがかかり、使用するアカウントの数が多いほど毎月の料金は高額になります。さらに、インターネット環境がないと利用できないため、インターネット環境が不安定だと十分に活用できない点に注意しましょう。

クラウド型の導入費用の相場は、CRMツールの種類にもよりますが、無料〜5万円程度です。この料金は、導入前の現状調査や打ち合わせ費用も含まれるケースが多いですが、業者によっては無料で行うこともあるため、コストを抑える際は事前の確認がおすすめです。

オンプレミス型の費用相場

オンプレミス型は、自社でサーバーを設置し、ネットワークを介してCRMツールを利用します。社内で運営・管理を行うことから、セキュリティ面において安心感があり、タイプによってはインターネット環境を必要としないため、オフラインでも利用が可能です。

また、導入時に、あらかじめ自社の業務に合わせて自由にカスタマイズできる点がメリットです。しかし、サーバーの設置が必要となる点で、初期費用が高額になります。さらに、自社で管理を行う専任の人材を配置したり、メンテナンス費用がかかる点がデメリットです。

オンプレミス型を導入する際の費用は、使用する人数や規模によって異なります。導入するサーバーの価格やCRMツールの値段、社内環境の整備・保守などを含めると平均50万円〜200万円前後が必要です。

オリジナルのCRMの費用相場

オリジナルタイプは、自社の業務形態に特化した形で構築したシステムです。自社の用途に合わせた仕様のため、導入後は無駄のない業務進行が行える点がメリットです。

しかし、パッケージ製品とは違い自社オリジナルのため、カスタマイズ料金が高額になり、さらに社内の業務方針などに変更が生じた場合は、組み直しを行わなくてはならないなどのデメリットがあります。

オリジナルタイプはオンプレミス型と同様に、初期導入費用が高額になります。システムの構築費用に加えて、打ち合わせ費用・運用テスト費用などが構築の規模によって決まります。

クラウド型CRMの費用内訳

クラウド型CRMツールを導入する際の費用については、初期費用に加えて毎月かかる月額費用などが必要です。ここでは、それぞれの費用について解説します。

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クラウド型CRMの費用内訳は3つ

  1. 初期費用
  2. 月額費用
  3. オプション費用

初期費用

クラウド型を導入する際の初期費用の相場は、無料〜5万円程度です。ここでかかってくる初期費用とは、クラウドに接続するためのインターネット環境の現状調査やプラン構成費・システム導入費です。

クラウド型は、インターネット回線を介してクラウドに接続をして使用するため、企業側でサーバーなどの機材を準備する必要がありません。そのため、初期費用は比較的安価で、業者によっては無料で利用できるケースもあります。

月額費用

クラウド型の月額費用は、アカウント数に応じて異なります。基本的には、1アカウントあたりの月額利用料が決められているため、アカウント数が多ければ多いほど月額費用がかかる点に注意しましょう。

平均的な使用料金は、1アカウントあたり500円〜1,000円程度です。ただし、CRMによっては、一定数以上のアカウント数であれば1アカウントあたりの料金が割引されるケースもあります。

また、契約の際に数年単位の長期契約を選ぶと、月額費用に対しても割引が適用されるベンダーもあるため、事前に確認をしておくのがおすすめです。

オプション費用

クラウド型CRMのオプション費用とは、主にCRMの基本システムに機能を追加した場合の費用や、サポート費用などです。サポート費用は使用方法や、使用中のトラブル対応などが含まれます。

機能追加費用・サポート費用ともに決まった金額は定められていないため、相場や平均がありません。したがって、導入時には初期費用・月額費用に加えてオプション費用もしっかりと確認し、予算内に収まるかを検討することがコストを抑えるためのポイントです。

オンプレミス型CRMの費用内訳

オンプレミス型CRMツールを導入する際は、サーバー費用・ライセンス費用・パッケージ費用などが必要になります。ここでは、それぞれの費用について解説します。

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オンプレミス型CRMの費用内訳は4つ

  1. ライセンス費用
  2. サーバー費用
  3. 保守費用
  4. パッケージ費用

ライセンス費用

オンプレミス型CRMのライセンスとは、システムを利用するための権利のことです。基本的に1人1ライセンスとして考えますが、1ライセンスの相場は2万円〜10万円程です。

ライセンス数によって価格は変動し、2万円のライセンスを5ライセンス使用する場合のライセンス費用は10万円となります。また、ベンダーによっては、ライセンス使用期間が月間・年間などで決められているため、自社に適したプランを選びましょう。

サーバー費用

オンプレミス型CRMを導入する際は、自社でサーバーを設置する必要があり、平均の設置費用相場は5万円前後です。導入時に設置をすれば数年は使用できますが、数年単位で買い換えを行わなくてはなりません。

また、サーバーを設置する場所の環境整備も十分に行う必要があります。サーバーは熱に弱く、常に設置個所の空調に気を遣わなくてはならないため、空調費用も考慮しておくのがおすすめです。

保守費用

オンプレミス型CRMを運用する際は、サーバーの定期的なメンテナンスが必須です。そのため、サーバー管理・メンテナンス費用となる保守費用がかかり、年間の平均費用は5〜30万円程度です。

また、社内にCRMシステムを管理する専任の人材が必要となるため、保守費用以外に担当者の人件費がかかってきます。

パッケージ費用

オンプレミス型CRMとパッケージ費用とは、システムそのものの費用のことです。パッケージの購入費用の平均相場は、5万円〜10万円程度です。

システムの運用には、購入したパッケージを自社のサーバーにインストールし、社内ネットワーク上に設定を行います。その後、ライセンスの取得によってシステムの運用が可能になります。

CRMの費用対効果に対する考え方

CRMの費用対効果を考える際は、CRMを導入する際の初期費用とランニングコストを把握した上で、売上の向上や業務の効率化に対する効果を評価する必要があります。

例えば、顧客の購買履歴や嗜好を分析し、ターゲティングを精度よく行うことで、販売効率が向上するかどうかを評価します。また、顧客満足度向上によるリピート購買率の増加や、マーケティングキャンペーンの効果測定によっても、費用対効果を評価できます。

CRMの費用を抑える方法

CRMの費用を抑える方法として、機能の精査やIT導入補助金の活用が挙げられます。これらを適切に行うことで、費用面が気になる企業でも負担を抑えてCRMの導入・運用が可能です。

ここからは、CRMの費用を抑える方法について詳しく解説します。

機能とユーザー数を絞り込む

CRMの費用を抑える方法として、必要な機能を洗い出したり、利用するユーザー数を絞り込むのがおすすめです。CRMには豊富な機能が搭載されていますが、企業によっては機能が多すぎることで持て余してしまい、コストを無駄にする恐れもあります。

また、クラウド型のCRMの場合、利用するユーザー数に応じてコストが生じるプランを採用しているベンダーが多いです。

したがって、自社の課題や業務に適した機能の精査や、実際に利用する従業員はどの程度かを確認することで、CRMの費用を抑えて費用対効果の高い運用が可能になります。

IT導入補助金を活用する

CRMの導入費用を抑えるなら、IT導入補助金の活用も検討してみましょう。IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者などを対象とした補助金で、デジタル化やDXを促進するためのITツール導入を支援する制度です。

CRMもIT導入補助金の対象になり、条件を満たせば導入費用の1/2、最大450万円が補助されます。ただし、顧客情報の表示や管理のみできるツールは対象外であり、マーケティング活動や顧客の育成機能を備えたCRMが求められるため、事前に確認しておきましょう。

参考:IT導入補助金2025

CRM導入までの流れ

CRMの導入をする際は、導入目的や運用開始時期を明確に計画する必要があります。自社に合ったCRMを導入するために、ここでは導入までの流れについて解説します。

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導入目的・目標を明確にする

CRMを導入する際には、まず導入する目的や使い方を明確にしましょう。CRMの導入後の目的や業務目標をあらかじめ決めておかないと、どのようなシステムを導入すべきかが定まりません。

また、目的や使い方を明確にしておかないと、導入後に使い道がわからず余計な業務が増えたり、CRMが社内に定着しないことが考えられ、コストの無駄が発生してしまうリスクがあります。

さらに、導入目的を定めたら社内での共有が必要です。実際に使用する社員に目的や使い方を伝えておくだけで、意識の共有が可能となり導入がスムーズになります。

運用開始時期を決める

導入目的が明確に決まったら、運用開始時期を決めましょう。選定するタイプによっては、社内整備が必要となる場合があります。例えば、オンプレミス型を導入する場合は、サーバーの構築が必要になり、クラウド型よりも導入にかかる期間は長くなります。

また、システムの選定前に無料トライアルを活用することもおすすめです。実際に導入する前に現場での社員に利用してもらうことで、使いやすさや他システムとの比較がより具体的に分かります。

社内体制の整備する

運用開始時期が決まったら、社内体制の整備を進めましょう。また、CRMを運用するための担当者や管理者をあらかじめ専任しておくことも大事です。担当者を決めておくことで、いざ導入をする際も、社員へのレクチャーなどもスムーズに進みます。

また、システム導入の際の社内設備の整備も行いましょう。クラウド型であればインターネット環境の整備、オンプレミス型であればサーバー設置・ネットワーク環境の整備を行います。

システムを選定または開発する

目的や運用開始時期・社内体制が整ったら、システムの選定を行います。使用目的や使い方によっては、システムの開発を依頼する必要があります。その場合、最初から1社に絞らず、複数の会社から見積もりをとることがおすすめです。

使用目的などをあらかじめ伝え、それぞれのシステムの特徴やメリット・デメリットをしっかりと比較検討しましょう。その上で、自社の要望に近いシステム構築が可能な業者を選定することで、導入・運用に失敗するリスクを抑えられます。

CRMツールを選ぶときのポイント

CRMツールを選定するときの大きなポイントは、実際に使用してみたときの使いやすさと機能面、さらにコスト面です。ここではそれぞれのポイントについて解説します。

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CRMツールを選ぶ2つのポイント

  1. 使いやすさ
  2. 機能面
  3. コスト

使いやすさ

CRMを導入し運用をスムーズに行うには、実際に使用する社員にとって使いやすいツールであるかどうかが重要です。費用をかけて導入をしても、操作が難しかったり、わかりにくいツールは、継続して使用がすることが困難になり、社員のストレスにも繋がります。

また、導入後のサポート体制が十分かどうかも大事なポイントです。トラブルが発生した時に、即座に対応してもらえると安心して使用ができます

機能面

CRMを使用する際に、自社が必要としている機能がしっかりと搭載されているかを見極めましょう。また、その機能の操作性が容易であるかも重要なポイントです。必要な機能が搭載されていても、使い方が複雑で工程が多いと意味がありません。

実際に使用する社員の誰が使用しても分かりやすく、尚且つ作業効率がアップする機能であることが大事です。また、既に自社で導入しているシステムとの連携を考えている場合は、容易に連携が可能かどうかも選ぶときのポイントの一つです。

コスト

CRMを導入する際は導入費用やランニングコストに加えて、オプション費用や人件費などさまざまな費用が発生します。そのため、事業規模や従業員数、目的などに合わせてあらかじめ予算を決めて、その予算内でシステムを選定することが大事です。

しかし、いくら予算内であっても、導入後にどれだけの効果が得られるかが重要なポイントです。CRMの導入によって、どのくらいの売上や利益アップが図れるか、それに伴い経費や人件費はどのように変化するかなどの費用対効果についても考える必要があります。

CRMを導入する際の注意点

CRMには顧客の個人情報や機密情報が含まれるため、CRMを導入する際は、個人情報の管理が重要になります。不正アクセスが行われた場合、契約内容が知られてしまうだけでなく、情報が改ざんされるリスクもあります。

また、個人情報が漏洩した場合、法的責任や損害賠償が大きなリスクとなるだけでなく、自社の信頼にも関わります。このようなリスクを回避するために、システムへのアクセス権限の制限や、社内のルール整備や教育を徹底しましょう。

まとめ

CRMにかかる費用の相場については、選定したシステムによって異なります。クラウド型は導入時は安価ですが、運用にはランニングコストがかかります。対して、オンプレミス型では初期費用が高額になり、さらに保守費用などがかかります。

費用を抑えてCRMを導入・運用する場合は、自社に必要な機能の絞り込みやIT導入補助金の活用がおすすめです。また、CRMを導入する際は、専任の担当者を配置するなど社内体制をしっかりと整えておきましょう。

これによって、コスト面での失敗を防いで、費用対効果の高い運用が可能になります。本記事で紹介した内容を参考に、CRMの費用や導入ポイントを押さえて、社内の業務効率化に繋げましょう。

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