リードとは?CRMを用いたリード管理や活用時のポイントを解説

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- リードとは、将来顧客になる可能性のある「見込み客」のことである
- 新規顧客を継続的に獲得していくためには、リード管理が欠かせない
- CRMでリード管理を行う際は、正確な情報の記録や他部署間での情報共有が重要
リードとは、将来顧客になる可能性のある「見込み客」のことです。リードに効果的にアプローチすることで、継続的な新規顧客の獲得が望めます。本記事では、CRMを用いたリード管理の方法や、効果的なリード管理のポイントなどを詳しく解説します。
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リードとは

リードとは、将来的に自社の製品を購入する可能性があるものの、具体的な購入時期や購入商品が決まっていない顧客を指し、「見込み客」とも呼ばれます。一口にリードといっても温度感はさまざまで、購入意欲の高いリードもいれば、極めて低いリードも存在します。
リードを顧客に育てるには、リードの温度感やニーズを的確に把握した上で適切なアプローチを行い、成約につなげるといった流れを踏まなければなりません。このリードを育てて成約につなげる一連の作業は、リード管理と呼ばれます。
リード管理を行う際は、マーケティングツールの利用がおすすめです。中でもCRMはリード管理に適しており、導入することで効率のよいリード管理が行えます。
CRMとは
CRMとは「Customer Relationship Management 」の頭文字を略したもので、日本語に訳すと「顧客関係管理」となります。顧客との関係を管理することを指すこともあれば、管理するためのツールそのものを指す場合もあります。
CRMでは顧客情報や購買履歴の他、問い合わせ・クレーム内容の管理を行えます。顧客に関する情報を網羅的に管理できるため、ニーズ分析やマーケティングに役立てられます。
CRMは既存顧客の管理用と思われがちですが、リードの管理に適した機能が搭載されているものも数多く存在します。リードの基本情報だけでなく、獲得元・興味がある商品などもあわせて管理できるため、リードごとに最適なアプローチが行えるようになります。
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CRMとは、利益の最大化を目的に顧客との関係性を管理することを指します。この記事では、顧客関係管理やマネジメントを自動化・効率化してくれるCRMの主な機能やシステム導入によるメリット・デメリット、導入の際に選ぶポイントを解説します。
リード管理が重要な理由

リードを放置すると顧客になる可能性が低くなることから、リード管理は企業にとって非常に重要な管理業務と言えます。リードを顧客に成長させるには、リードの興味を引くような働きかけが必要であり、リード管理がニーズの把握に役立ちます。
リード管理によってリードのニーズを把握できれば、購買意欲や属性などが異なるリードごとに適したアプローチが行え、リード全体の購買意欲を高められます。これによりリードは新規顧客へと成長し、企業の利益につながります。
リード管理における課題
リード管理における主な課題は、顧客情報の属人化と見込み客の見逃しです。
問い合わせ履歴や顧客の特徴など、些細な情報でも重要な判断材料となりますが、これらの情報が個々の担当者のメモや記憶にとどまり、人事異動や担当変更の際に適切に引き継がれないことがあります。
また、ちょっとした質問や相談をリードとして認識できず、フォローアップの機会を逃してしまうケースも少なくありません。
実際には、適切なアプローチによって顧客となる可能性があったにもかかわらず、重要性を見誤って対応を怠り、ビジネスチャンスを逃してしまうことがあります。こうしたリード管理の課題解決にCRMが効果を発揮します。
リード管理の基本的な流れ

リード管理は、基本的に3つのステップを踏んで行います。新規顧客の獲得につなげるためにも、リード管理の各ステップを正しく理解しておきましょう。
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リード管理の基本的な3つの流れ
リードジェネレーション
リードジェネレーションは、新規のリードを集める最初の段階であり、不特定多数に向けて、自社製品に興味を持ってもらえるようなアプローチを行います。リードジェネレーションの施策は大きく分けて、アウトバウンド型とインバウンド型の2種類があります。
アウトバウンド型
アウトバウンド型は、企業側からリードに向けてアプローチしてリード獲得を目指します。アウトバウンド型の代表は広告やDMなどであり、自社製品があまり知られていない場合に適しています。
電話営業もアウトバウンド型の1つで、会話の中で不安や疑問を取り除くことで信頼関係を築き、契約に直結することも多いです。
ただし、アウトバウンド型の多くは不特定多数に向けたアプローチであり、コストがかさみやすいのが難点です。以下に、アウトバウンド型の具体例をまとめました。
- 広告
- DM
- 電話営業
- セミナーの開催
- イベント・展示会へ出展
インバウンド型
インバウンド型のリードジェネレーションは、リードが企業へ接触するように促す施策のことです。メルマガやWebコンテンツ、SNSなどでリードが求めている情報を発信することで、リードからの問い合わせなどのアクションを促します。
インバウンド型は特定のリードを集める際も効果を発揮し、例えば子育て中の女性のリードを増やしたい場合は、その層に響く情報を発信することで子育てをしている女性を中心としたリードを獲得できます。
リードナーチャリング
リードナーチャリングは、獲得したリードを育成する段階です。この時点ではリードの興味関心は低く、購買意欲はさほど高くありません。そのため、以下のようなリードナーチャリングを行い、購買意欲を高める必要があります。
- 限定イベント(初回購入限定割など)の案内
- Webの会員専用ページへの誘導
- メルマガ・SNSでの情報発信(お役立ち情報・セールの予告)
リードナーチャリングは、各リードの属性にあわせて行わなければなりません。たとえば、購買意欲が高まっているリードには、背中を一押しするような施策が重要です。
一方、購買意欲が高くないリードに対しては、メルマガ配信などを繰り返し、自社製品の理解を深めるような施策がおすすめです。アプローチ方法を誤るとかえって購買意欲を減退させることもあるため、リードナーチャリングは慎重に行いましょう。
購入検討度別のリード分類
リードは購買意欲や興味関心の度合いに応じて、以下の3つに分類されます。これらの分類は、効率的な営業活動を行うための優先順位決定に重要な役割を果たします。
- ホットリード:強い購買意欲を持ち、すぐにでも購入に至る可能性が高い層
- ウォームリード:ある程度の興味関心を示しているが、購入には至っていない層
- コールドリード:製品・サービスへの関心が低く、購買意欲が低い層
この分類に基づいて、それぞれの段階に適したアプローチを行い、育成していくことが重要です。
リードクオフィリケーション
リードクオリフィケーションは、良質なリードを選別する段階です。より確度の高いリードをマーケティング部門から営業部門に引き渡し、営業担当者が実際に商談を進めていきます。
リードの確度を測る手段としては、スコアリングが代表的です。スコアリングではリードの行動を点数化することで、購買意欲を客観的に測定します。行動ごとの点数を以下のように定め、点数が一定ラインを超えたリードを営業部門に引き渡すのが一般的です。
- 資料請求した:10点
- メールを開封した・クリックした:1点
- WEBサイトを訪問した:2点
- 専用フォームから問い合わせした:5点
リード管理におけるCRMツールの活用例

CRMツールは、リード管理の中でも特にリードナーチャリングに効果が期待できます。CRMツールを活用して顧客との良好な関係を構築することで、リードを良質な顧客へと育てられます。ここからは、CRMツールを活用したリード管理の例をご紹介していきます。
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リード管理におけるCRMツールの3つの活用例
リードの顧客データをリスト化
CRMには、リードの氏名・電話番号・住所などの基本的な情報を集約できます。Excelファイルを自動で読み取ってシステムに反映できるツールも登場しており、手動で顧客をリスト化していた企業でもスムーズな情報移行が可能です。
CRMに登録されたデータは条件別に抽出できるため、効率的にリード情報を管理できます。また、リードとの接触状況を記録しておけば、次のアクションもおこしやすくなります。
リードへのアプローチ
CRMではリードを条件別に絞り込んで、適切なアプローチを行う機能も搭載されています。代表的なアプローチ方法は、以下の表の通りです。
アプローチ方法 | 例 |
---|---|
架電 | 以前商談を断られたリードに再度商談の検討を促す |
メール配信 | 特定グループのリード限定のセール案内の送信 |
セミナー開催 | 製品の体験セミナーにリードを招き、実際の製品の使い心地や効果を実感してもらう |
SNS | 商品の魅力やセミナー開催を広く発信し、営業部門がカバーし切れなかったたリードに訴求する |
データを分析して再度アプローチ
CRMツールを利用すれば、以前商談を逃したものの、再検討の余地がある顧客のキャッチも可能です。たとえば、CRMツールにはメルマガやDMの開封率・クリック率を観測する機能があります。
以前は商談を断られたとしても、開封率・クリック率が高い顧客は、まだ自社製品やサービスに高い興味・関心があることが分かります。それらのリードにターゲットを絞って再度アプローチすれば、次こそ商談に持ち込める可能性があります。
CRMを活用したリード管理のポイント

リード管理にCRMを活用する場合は、詳細な記録・情報共有などが重要となります。効率よく新規顧客を獲得するためにも、CRMでのリード管理では次のようなポイントを抑えましょう。
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CRMを活用したリード管理の3つのポイント
些細な情報も記録しておく
CRMを活用したリード管理の強みは、リードごとのニーズや温度感を掴み、それにあわせてアプローチできることです。しかし、情報が少なければニーズや温度感を正確に把握できないため、些細な情報も記録しておきましょう。
たとえば、氏名や電話番号といった基本情報はもちろん、接触状況も詳しく記録するのがおすすめです。DMの送信日や送信内容、開封の状況だけでなく、問い合わせやクレームの履歴もニーズを把握する重要な手がかりとなります。
他部署との情報共有を行う
CRMのリード情報は複数部署で共有することで、より多角的にリードナーチャリングを行えます。たとえば、営業部門・マーケティング部門・システム部門など、部署ごとに異なるデータを持っています。
その情報を他部署と共有することで、新たな改善点などの発見に繋がり、リード管理の効果が高まります。多様な角度からリード管理を行うためにも、他部署との情報共有は積極的に行いましょう。
中・長期的なスパンで取り組む
CRMでのリード管理の効果が現れるまでには、一定の時間がかかることを認識しておきましょう。CRMはデータの蓄積量が多いほど分析の精度が上がるため、ある程度のデータが集まるまでは効果が出にくいです。
リード情報を収集するには、現場社員の協力も必要です。どれほど些細な情報でも、必ずCRMに登録するように習慣づけましょう。CRMでのリード管理の重要性・意義を組織全体で共有することで、積極的なCRMの活用を促せます。
まとめ

リードは将来的に顧客になる可能性を秘めた見込み客ですが、そのままでは顧客になる可能性は低いため、リード管理を行い顧客に育てる必要があります。
CRMはリード管理のうち、リードナーチャリングに役立つツールであり、導入することでリードへの適切なアプローチが行えるようになります。
効果的なリード管理には、詳細な情報の記録や他部署との連携が重要なポイントです。CRMでのリード管理は十分なデータが必要であることから、長期的な取り組みとなる点を理解した上で進めましょう。
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