CRMと広告の違いは?|役割や組み合わせて活用する方法を解説

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  • CRMはさまざまな顧客情報から顧客個人に合わせて施策を実行できるツールである
  • 広告は、商品やサービスをCMやSNSなどで世間に広めて購買意欲を引き出す活動である
  • 広告配信にCRMを活用することで、他社との差別化によるリピート購入などにつながる

マーケティングにおいて商品の販売促進に欠かせない「CRM」と「広告」ですが、役割や目的が異なります。また、CRMと広告は組み合わせることでマーケティング戦略に活用できます。本記事では、CRMと広告の違い、組み合わせて活用する方法やメリットを解説しています。

目次

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  1. CRMとは
  2. 広告とは
  3. CRMを用いた広告と活用のコツ
  4. CRMを広告に用いるメリット
  5. CRMと広告を組み合わせたマーケティングの例
  6. CRMを広告に活用する手順
  7. 顧客情報の活用にはCRMツールがおすすめ
  8. まとめ

CRMとは

CRMとはカスタマー・リレーションシップ・マネジメント(Customer Relationship Management)の頭文字を取ったもので、顧客関係管理と訳されます。顧客の行動履歴を一元管理し、一人ひとりにあわせたアプローチができるのが特徴です。

CRMを利用すると顧客のターゲティングが可能となり、より長期的で継続的な顧客との関係構築が見込めます。マーケティングや顧客ニーズの把握に役立ち、顧客と企業の双方の利益につながることから、今注目を集めているシステムです。

CRMの役割と目的

CRMは、顧客情報の収集・管理・分析を通じて、顧客との関係を改善し、顧客満足度を向上させる役割があります。顧客の購買履歴や嗜好を把握し、ターゲティングされたサービスや製品を提供することで、顧客ロイヤルティを高めて長期的な関係を築きます。

CRMは営業・マーケティング・顧客サポートなどの部門間で情報共有を促進し、企業全体で顧客に一貫した価値を提供することを目的としています。これにより、効率的な利益の最大化につながります。

CRMの代表的な機能

CRMシステムの機能はシステムによって異なりますが、主な機能には次のようなものがあります。

  1. 顧客情報管理
  2. 顧客分析
  3. 営業支援
  4. マーケティング支援
  5. レポーティング・分析機能
  6. 自動化機能

これらのCRMの機能により、顧客情報を効率的に管理し、個別化されたサービスを提供できるようになります。

営業チームは見込み顧客を追跡し、タイムリーなフォローアップが行えます。さらに、マーケティング部門は顧客嗜好を分析し、ターゲティングされたキャンペーンを展開することも可能です。

CRMが活用されている場面

CRMマーケティングを活用すれば、顧客の情報から効果的なターゲットを絞り込み、それぞれに合わせた繊細なアプローチをすることが可能です。お気に入りの商品やよく利用する店舗などの情報も取得できるため、オンラインでも実店舗でも効果を発揮します。

例えば、顧客の購入履歴情報から消耗品の購入頻度を割り出して定期的にDMを送付できます。また、誕生日を迎える顧客に対し、お誕生日限定クーポンやお祝いメッセージの送付なども行えます。

広告とは

広告とは、企業が顧客に対して製品への興味や購買意欲の喚起を目的とし、メディアを通してアプローチを行うものです。広告によって企業の商品やサービスを周知し、購入への動機付けや企業のイメージアップなどが期待できます。

主なメディア広告として、テレビ・新聞・ポスター・インターネット・SNSなどが挙げられます。広告は見込み顧客を含む不特定多数に対してアピールするため、多くの効果を得るためには広告数を増やす必要があります。その分、コストがかかってしまう場合があります。

広告が活用されている場面

広告は、日常生活で人々の目に触れる多くの場面に取り入れられています。代表的なものは、テレビで繰り返し放映されるCMです。その他、映画の上映前に流れるCMや、街頭のポスターやデジタルサイネージなどの看板に近隣店舗の広告を表示させるものもあります。

古くからある広告としては、ハガキ・DM・新聞折り込み広告などの紙媒体が挙げられます。昨今ではSNSの普及に伴い、インフルエンサーによるPR動画広告も多く見られるようになりました。

CRMを用いた広告と活用のコツ

CRMを用いた広告とは、CRMの顧客データを基に広告配信を実施することです。CRMと広告を組み合わせると、双方の長所を活かした効果的なマーケティングが可能です。ここからは仕組みとCRM広告の使い方のコツについて触れていきます。

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CRMを用いた広告の仕組み

CRMを使った広告の仕組みを取り入れるには、まずCRMに適した広告システムを使う必要があります。顧客の情報をアップロードして分析に役立てるタイプと、CRMと連携して使うタイプがあるので用途に合わせて選びましょう。

CRMに収集されたデータを使って顧客のセグメント分類やパーソナライゼーションを行うことで、ニーズのある顧客に向けた広告を個別に配信できます。CRMの顧客情報と広告を組み合わせ、より効果的で精度の高いマーケティングを打ち出せます。

CRMを用いた広告活用のコツ

CRMを用いた広告配信の効果を上げるためには、いくつかポイントがあります。以下では、両方を組み合わせて効果的なアプローチが行える方法を解説します。

ペルソナ設定

CRMを活用した広告配信を行うには、ターゲットへの最適なアプローチが重要です。例えば、既存客や優良顧客を分析することで、成約率が高そうな顧客にターゲットを絞れます。ターゲットの関心をよく理解した広告配信により、集客や成約につながります。

また、CRMで蓄積された顧客情報は「ペルソナ設定」にも使えます。ペルソナ設定とは、自社の商品やサービス利用者の典型的な顧客像を意味しています。年齢や性別などの顧客データを活用することで、顧客を深く理解でき、マーケティング施策に役立ちます。

アドレサブル広告

CRMを用いた広告のうち、顧客に対し個別に最適化した広告を配信する手法を使ったものをアドレサブル広告といいます。自社のCRMデータから顧客のデータを取得し、個人に合わせた最適な内容の広告を展開できるのが特徴です。

個人情報・属性・行動履歴などのさまざまな情報でターゲットを設定するため、本当に効果が見込める顧客にだけ広告を配信できます。CRMを用いたアドレサブル広告の機能を使えば、顧客一人ひとりに刺さるアプローチも可能です。

広告媒体の選定

そもそも、CRMを活用した広告配信するためには、適切な広告媒体を選ぶことが重要です。CRMツールは、それぞれ機能や強みが異なるため、予算だけではなく機能面にも注目して選ぶことが大切です。

広告媒体も同様に、ターゲットにあわせた配信方法を選ぶことが重要です。ビジネスマンには電車やタクシーを、若い女性にはSNSを活用した広告配信の方が効果は高まり、効率も上がります。

つまり、自社で目指している「CRMの目的はどれか」「広告のターゲットはどこか」などに応じて、適切なツールを選ぶのがポイントです。その結果、広告配信の精度が上がり、CRMと広告の相乗効果を存分に得ることができます。

CRMを広告に用いるメリット

CRMを広告に用いると、他社との差別化やコストパフォーマンスの向上など多くのメリットがあります。ここではCRMを広告に用いるメリットについて詳しく解説します。

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他社との差別化につながる

競合他社と似た広告を打ち出していた場合、商品の魅力が埋没して顧客の目に触れにくくなってしまうことがあります。こういった機会損失や競争によるコストの拡大を防ぐためにも、他社との差別化は重要です。

CRMを用いた広告は自社のデータを使用するため、他社にはないオリジナリティの高い広告を打ち出せます。自社の顧客データを活用して配信される広告は、真似できない独自のものとなり、しっかりと差別化を計れます。

費用対効果が高くなる

広告を目にする顧客のうち、実際の購買につながる顧客はごくわずかです。不特定多数に向けて発信せざるを得ない広告に対し、CRMを用いた広告は訴求したいターゲットに合わせて最適化した内容を届けられます。

また、ターゲットを絞り込むことによって、本当に効果の見込める顧客にだけピンポイントで無駄なく広告を打ち出せます。広告に対する顧客の反応や実績などがフィードバックされるため、新たなコストをかけずに広告の精度向上を狙えます。

CRMと広告を組み合わせたマーケティングの例

CRMは広告と組み合わせることで高い広告効果を見込めますが、マーケティングにおいても力を発揮します。ここでは顧客へのアプローチが必要となる3つの場面において、どのような効果が期待できるかを解説します。

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CRMと広告を組み合わせたマーケティングの例

  1. 新規顧客の獲得
  2. 既存顧客のリピート促進
  3. 休眠顧客へのアプローチ

新規顧客の獲得

新規顧客の獲得にあたり、既存の顧客情報を利用することで、似たセグメントのターゲットに対して効果の高い広告を届けられます

例えば、オンラインでの小売業者の場合、顧客が特定の商品カテゴリに興味を持っていることをCRMから把握します。その顧客に関連する広告を表示することで、購買意欲を高められます。

反応の良い既存顧客と嗜好や属性が同じ新規顧客に広告を配信すれば、無駄な広告を打つ必要もありません。

既存顧客のリピート促進

既存顧客が定期的に購入している商品がある場合、購入サイクルに合わせた効果的な頻度で広告を配信できます。例えば、化粧品・事務用品・サプリメントなどの消耗品は、今までの履歴から購入時期を予測してリピート購入を促すことも可能です。

また、関連商品や上位商品の広告を一緒に打ち出して提案すれば、購入単価のアップや顧客満足度の向上も期待できます。

休眠顧客へのアプローチ

CRMの機能を利用すると、全顧客の中から休眠顧客だけにアプローチをかけることができます。例えば、新商品の紹介や再購入者を対象としたキャンペーンを打ち出し、休眠顧客のアクションを掘り起こせます。

CRMの活用によって休眠顧客の購買意欲を呼び戻すことができれば、効果があった手法を分析して次回に活かせます。休眠顧客に移行させないための対策にもつながり、顧客の流出を事前に防げます。

CRMを広告に活用する手順

CRMを広告に活用する際は、まず、顧客データをCRMシステムに集約し、顧客の属性や購買履歴などを把握しましょう。次に、CRMから得られたデータを活用し、ターゲットを特定します。

その後、広告プラットフォームで顧客セグメントに合わせたターゲティングを設定します。また、広告の効果を測定するには、CRMでの顧客行動や購買履歴と広告反応を照らし合わせましょう。

収集したデータを分析し、戦略の改善点を特定して継続的に最適化を図ることで、CRMと広告を活用した効果的なマーケティング戦略を実践できます。

顧客情報の活用にはCRMツールがおすすめ

CRMツールの機能により、顧客のさまざまな情報を一元化して管理できるので、顧客の反応や実績に合わせたフォローアップや営業支援が可能になります。関係部署での情報共有や的確な現状把握にもつながり、社内での情報管理もスムーズです。

また、顧客の特性や購買情報はもちろん、営業活動の結果や顧客との関係性などの情報もまとめて管理できます。そのため、広告への活用だけでなく、営業管理も高い効果発揮できるのは大きなメリットです。

顧客の好みやニーズの移り変わりにもいち早く対応できるため、常に最も効果的な広告を配信できるようになります。初期の導入費用を考慮しても、広告に関するコストパフォーマンスが大幅に改善するケースが多いです。

まとめ

CRMと広告を組み合わせて活用することで、顧客の視点に寄り添った効果的なアプローチが行えます。広告効果によって購買実績の向上につながるだけでなく、顧客と企業の関係を良好なものにし、相互に利益をもたらしてくれます。

CRMツールの導入には初期費用が発生しますが、長く使えば使うほど顧客の情報が充実し長期的な力を発揮します。費用対効果に優れ、使い方によって高い収益効果が叶うCRM広告の導入をぜひ検討してみてください。

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