CRMにおけるPDCAサイクルとは?概要や活用例、メリットを解説

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  • PDCAとは計画・実行・評価・改善を繰り返して業務改善を行うマネジメント手法のこと
  • PDCAにより目標が明確になり、コミュニケーションが活性化するなどのメリットがある
  • CRMツールを利用することで、営業活動におけるPDCAサイクルの円滑化が期待できる

PDCAとは、計画・実行・評価・改善のプロセスを繰り返して業務改善を行うマネジメント手法です。1990年代後半に普及し、業績アップに繋がる手法として現在多くの企業が取り入れています。この記事ではCRMにおけるPDCAサイクルの活用例、メリットなどを解説します。

目次

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  1. PDCAサイクルとは
  2. PDCAとOODAの違い
  3. PDCAの効果
  4. CRMにおけるPDCAサイクルの活用例
  5. PDCAで起こりがちな問題とCRM導入によるメリット
  6. PDCAサイクル活用に向けたCRMの選定ポイント
  7. まとめ

PDCAサイクルとは

PDCA(Plan-Do-Check-Act)は、組織の持続的な改善を促進するための管理手法です。この手法では、計画立案・実行・評価・改善の4つのステップを繰り返すことで、組織の業績向上や品質改善を実現します。

具体的な目標を設定し、計画を立てて実行し、その結果を評価・分析して改善策を導き出すというサイクルを繰り返すことで、組織の成長や競争力の向上が可能です。ここでは、PDCAサイクルについて詳しく解説します。

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P(Plan)=計画

P(Plan)は、「計画」を意味します。最初のステップでは、目標や目的を明確にし、具体的な計画を立てます。計画では、現状の課題や問題点を分析し、改善すべき領域を特定します。

次に、改善のための具体的な目標を設定します。目標は明確で、測定可能なものでなければなりません。計画は改善のための基盤となるため、十分な情報収集や分析を行い、慎重に策定することが求められます。

D(Do)=実行

次にD(Do)「実行」では、計画した内容を実際に行動に移します。実行では、計画に基づき目標に向かって具体的な活動やタスクを実施します。計画に明示された手順やスケジュールに沿って、行動を進める段階です。

実行段階では、計画に対する進捗や結果を適宜評価し、必要な調整や改善を行います。計画と実行のギャップや問題点が浮き彫りになることもありますが、PDCAのサイクルを回すことで継続的な改善を図ることができます。

C(Check)=評価

C(Check)のステップでは、「評価」を行います。実行した結果や進捗を客観的に評価し、計画の達成度や効果を確認する段階です。設定した目標や基準と比較して実績を分析し、定量的・定性的な方法で評価します。

そして、計画の適合性や実行の効果を評価することで、問題点や改善のポイントを特定します。計画と実行との差異や原因を分析し、問題の本質を理解することが重要です。

A(Action)=改善

最後のステップでは、A(Action)「改善」を行います。評価結果により出てきた問題点に基づいて具体的な改善策を立案し、それを実行する段階です。改善策の立案では、評価結果から浮かび上がった課題や問題点を分析し、改善の方向性を明確にします。

問題点や課題を解決するためには、アクションプランの策定が必要です。具体的な目標や目的を設定し、改善策を明確にしましょう。必要なリソースやスケジュールも考慮しながら、実行可能なアクションプランを作成します。

「改善」はPDCAサイクルの中で、問題解決やプロセスの改善のための具体的な行動を実施する重要なステップです。このステップを通じて、業務の効率性や生産性の向上を実現します。

PDCAとOODAの違い

OODA(Observe-Orient-Decide-Act)は、情報収集・状況把握・意思決定・行動のサイクルを繰り返すことで、迅速な意思決定をするための手法です。PDCAとOODAは、ともに問題解決するための行動サイクルですが、目的や用途が異なります

PDCAは、計画を立てて実行し、評価と改善を繰り返すサイクルです。段階的な手法であり、問題の分析と改善策の実施に重点を置いています。

一方、OODAは競争状況や不確実性の高い状況での意思決定と行動に特化しており、迅速な対応力を発揮することを目指します。

PDCAの効果

PDCAサイクルは、組織や個人が継続的な改善と成長を実現するための強力なツールです。PDCAを実行することで、目標が明確になったり、 コミュニケーションが活性化したりといったメリットがあります。ここでは、PDCAの効果について解説します。

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目標が明確になる

PDCAサイクルでは、計画段階で目標を設定し、実行段階でその目標に向けて行動します。そして、評価段階で結果を測定し、目標達成度を評価します。このサイクルを繰り返すことで、目標が明確になります。

具体的な目標設定と実行を通じて、何を達成したいのか、どのような成果を得たいのかが明確になります。また、評価段階では目標達成度を客観的に評価し、現状の課題や改善点を把握することができます。

PDCAのサイクルによって目標が明確になることで、組織は目的意識を高め、効果的な改善策を見つけることができます。さらに、目標達成度の評価を通じて進捗状況を把握し、現状の施策が正しいかどうかを確認することができます。

シンプルで落とし込みやすい

PDCAサイクルは「計画」「実行」「評価」「改善」という明確なステップから構成されており、直感的に理解しやすいです。そのため、PDCAは簡単に日常業務に取り入れやすいというメリットもあります。

このシンプルな構造により、各ステップでの具体的なタスクや役割が明確になるため、誰でも気軽に実践しやすいです。組織内で問題や課題が発生した場合も、PDCAを適用することで効果的な解決策や改善策を見つけることができます。

コミュニケーションが活性化する

PDCAサイクルを採用することで、上司と部下の間でのコミュニケーションが活性化されます。計画・実行・評価・改善の各段階で上司と部下が連携し、情報を共有し合う機会が増えるため、お互いの理解が深まり、信頼関係が築かれるでしょう。

コミュニケーションの活性化によって、チームの協力も促され、組織の目標達成に繋がります。また、部下の意見やアイデアが積極的に受け入れられる環境が生まれるため、モチベーションの向上にも効果的です。

CRMにおけるPDCAサイクルの活用例

CRMの活用により、営業活動のPDCAサイクルを円滑に回すことができます。CRMは営業プロセス全体を統合し、顧客情報の管理や営業活動の可視化を支援するツールです。ここでは、CRMにおけるPDCAサイクルの活用例について解説します。

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データを元に具体的な数値目標を作る

CRMは、顧客データや売上情報を集約・分析し、傾向やパターンを把握することができます。営業チームはCRMを活用して過去の売上データや顧客の嗜好を分析することで、売上目標やターゲット顧客を設定することが可能です。

例えば、CRMのレポート機能を使用して、特定の市場の成長率や購買傾向を把握し、それを基に営業目標を定めることができます。また、CRMの予測機能を活用することで、将来の売上や需要動向を予測し、それに基づいて数値目標を立てることもできるでしょう。

このようにCRMを活用することで、データに基づいた数値目標の設定が可能となり、PDCAサイクルのPlan(計画)段階をより具体的かつ効果的に進められます。

効率的に業務を進める

効率的な業務の進行には、タスクの割り当てと追跡が重要です。CRMでは取り組むべきタスクやスケジュールも管理でき、アクションプランを明確にします。これにより、PDCAサイクルのDo(実行)段階を効果的に進めることができます。 

また、営業担当者は上司やチームメンバーとリアルタイムにコミュニケーションを取りながらタスクを進行状況に応じて更新できます。さらに、CRMのモバイルアプリを利用すれば、外出先でもタスクやスケジュールの管理が可能です。

CRMの活用により、営業プロセスの迅速な実行と品質向上が可能となり、PDCAサイクルのDo段階をスムーズに推進できます。

営業活動の内容を共有する

PDCAサイクルのCheck(評価)段階では、CRMの分析機能を活用することで、営業活動の効果や課題を定量的に評価できます。目標にどれほど近づいているか、何が問題になっているのかを導き出し、その解決に向けて新たな計画を立てることができるでしょう。

そして、その評価と改善計画について、チーム内でスムーズに共有することができます。メンバー1人ひとりが現状を理解し、より効果的なAction(改善)へと繋げることが可能になります。

改善策を立案する

CRMの分析機能を使って現状の課題や改善ポイントを把握したら、Actionの部分に当たる改善策立案を行います。CRMでは、顧客情報や売上データ、市場動向などの豊富な情報が提供されるため、これらを活かした営業戦略を検討できます。

具体的には、顧客行動やトレンドに沿ったメルマガの配信や、広告の出稿などが考えられるでしょう。様々な改善施策を行い、その結果をまた新たなPlan(計画)へ活かす、という流れです。

PDCAで起こりがちな問題とCRM導入によるメリット

PDCAサイクルは、効果的な改善を促す手法ですが、計画が非現実的になってしまったり、継続的な取り組みが難しかったりといった課題もあります。ここでは、PDCAで起こりがちな問題と、その解決策としてのCRMのメリットについて解説します。

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PDCAで起こりがちな問題とCRM導入によるメリット

  1. Plan(計画)が非現実的
  2. Check(評価)が主観的
  3. PDCAサイクルが継続しない

Plan(計画)が非現実的

非現実的な高すぎる目標を設定すると、実行しても改善点が多すぎて次の計画が立てられず、PDCAサイクルが停滞してしまいます。また、現実的ではない目標に挫折感を抱き、モチベーションが低下する可能性もあります。

CRMで現実的な計画が立てられる

PDCAサイクルを効率的にかつ継続的に行うためには、現実的な目標設定をすることが大切です。CRMは顧客データや営業情報を基にした分析を提供し、現実的かつ具体的な目標設定を支援します。

過去のデータや顧客の行動パターンを分析し、客観的な情報に基づいて計画を立てることが可能です。例えば、過去の顧客の購買履歴や成約率などのデータを元に、今後の営業活動の目標や売上目標を数値化して設定できます。

これにより、頑張れば達成可能な目標を現実的に設定でき、従業員のモチベーション向上や業務の効率化につながります。

Check(評価)が主観的

「よかった」「悪かった」などの評価は、個人の感覚や意見に基づいており、客観的なデータや指標とは言えず、正確な評価が難しくなります。主観的な評価では改善点や課題の把握が不十分になり、適切な対策や改善策の策定が困難になる可能性があります。

客観的な評価が可能になる

CRMは、顧客の購入頻度や金額などのデータを集約し、売り上げデータや社員の業績を数値化して可視化することができます。そのため、社員の個別の貢献度や成果を客観的に評価することが可能です。

主観的な感想や意見に比べて、数値に基づいた客観的な評価が行えるため、公平性や透明性が高まります。これにより、社員は自身の業績を把握でき、目標達成に向けて努力しやすくなるでしょう。

また、組織全体の業績や傾向を把握することで、経営者や管理者は、効果的な戦略の立案や課題の発見・解決につなげることができます。

PDCAサイクルが継続しない

PDCAサイクルは、継続的に改善を行うことが主要な目的です。しかしながら、目標が高すぎたり、改善点が多すぎると、モチベーションを低下させ、PDCAのサイクルも滞ってしまいます。

また、数値化されていない状態では進捗や成果の評価がしづらく、客観的な判断が難しくなります。また、数値化されないことで、分析機能も有効活用できなくなります。

改善策が明確になり新たな計画に繋がる

目標設定や改善の分析に工数を取られると、PDCAのサイクルが途切れてしまいます。しかし、CRMを使えば顧客情報や営業活動の記録を一元管理でき、どこに課題があるのかが明確になります

営業活動のデータや顧客の反応を分析し、問題点や改善すべき点を特定することで、次の計画に向けた具体的な改善策を立案できるでしょう。これにより、PDCAサイクルが途切れずに継続的な改善が可能となります。

PDCAサイクル活用に向けたCRMの選定ポイント

CRMには多数の製品があり、その機能や使い勝手は様々なため、自社に合ったものを選択することが重要です。ここでは、PDCAサイクル活用に向けたCRMの選定ポイントを2点解説します。

PDCAサイクル活用に向けたCRMの選定ポイント

  1. 必要な機能が備わっているか
  2. 誰でも使いやすいか

必要な機能が備わっているか

まずは、自社の目的に合った機能があるかを確認しましょう。CRMの代表的な機能としては、基本の顧客情報管理の他、営業進捗管理や案件管理などがあります。また、問い合わせ管理やメールの一括配信ができるものもあります。

これらは多くのCRMに搭載されていますが、数多くの製品があり、機能の充実度や分析の精度はツールによって様々です。自社の課題や必要なデータは何かを洗い出し、効果的にPDCAが回せる機能を持つCRMを選択しましょう

誰でも使いやすいか

CRMを選ぶ際は、使いやすさも大変重要です。操作が難しかったり複雑だったりすると、社内になかなか浸透せず、スムーズにPDCAサイクルが回らなくなるでしょう。また、使い方の研修やトレーニングにも時間と労力が必要になります。

誰でも簡単に操作できるか、UIや分析結果はわかりやすいかなどを確認しましょう。CRMには無料トライアルで試せるものも多数あるため、現場の社員にいくつかの製品を試用してもらうのがおすすめです。

まとめ

PDCAは業務改善を行う手法で、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)から成り立ちます。PDCAサイクルを使えば目標を明確にできるだけでなく、コミュニケーションも活性化されます。

PDCAサイクルを円滑に回すには、CRMの活用がおすすめです。顧客行動や営業活動の内容を一元的に管理することで、現状の問題点を把握しやすくなり、より効果的なマーケティング戦略を立てることができます。

導入時は自社の課題解決が可能なCRMを選び、PDCAサイクルを有効に活用しながら、営業活動の効率化を目指しましょう。

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