インサイドセールスとは?CRM活用のメリットや導入時の注意点を解説

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  • インサイドセールスとは、対面型と違い電話やメールなどを使って行う非対面営業のこと
  • インサイドセールスはSDRとBDRに細分化され、双方のチームを使い分けることが重要
  • CRMの導入・活用により、インサイドセールスの効率化や営業成績アップが期待できる

インサイドセールスとは、見込み客に対して電話やメールなどを使って行う非対面営業のことです。内勤営業やリモートセールスとも呼ばれており、CRMの導入で効率化が期待できます。本記事では、インサイドセールスにCRMを活用するメリットや、導入の注意点などを解説します。

目次

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  1. インサイドセールスとは
  2. インサイドセールスの種類
  3. インサイドセールスにおけるCRMの役割
  4. CRMを活用したインサイドセールスのメリット
  5. インサイドセールスでCRMを活用できない理由
  6. インサイドセールス導入のステップ
  7. CRM導入時の注意点
  8. まとめ

インサイドセールスとは

インサイドセールスは、電話・メール・オンライン会議などを活用した非対面の営業手法です。直接的な対面以外で商談機会を作りだし、獲得した見込み客をフィールドセールス(対面営業)へ引き継ぐ役目を持っています。

インサイドセールスは、1990年代に米国が専門職として確立させたことに由来します。日本では、2005年頃から従来の商習慣と高い融和性を持つと評価されました。そして現在では、営業課題解決のための営業手法の1つとして、大きな効果が期待されています。

なお、インサイドセールスに明らかな定義はなく、会社によって価値判断や業務内容は異なる場合があります。よって、従来の業務をインサイドセールスに切り替える場合は、インサイドセールスの担当範囲を決めておきましょう。

フィールドセールスとの違い

フィールドセールスは、顧客に訪問して商談を行う対面型営業です。フィールドセールスには、出張費や交通費などの営業費用が発生しますが、顧客と顔を合わせて商談できるため、顧客のニーズを把握しやすいというメリットがあります。

一方、インサイドセールスは、顧客の元に訪問せず、オフィスなどから電話・メール・Web会議ツールなどを利用して、顧客との商談を行う非対面型営業です。

インサイドセールスの特徴として、フィールドセールスよりインパクトに乏しい面があります。しかし、社内で営業活動を完結できるため、交通費や出張費などの営業費用を軽減できる、多くの顧客に同時対応できるなどのメリットがあります。

インサイドセールスの種類

インサイドセールスは、SDR(反響型)とBDR(新規開拓型)の2種類に分けられます。SDRは、マーケティングで確保した見込み客にアプローチを行い、BDRは、自社が新たにターゲットにしたい顧客に対してアプローチを行う手法です。

両者では、アプローチ方法や成約につながるまでの期間・難易度が異なるため、自社で抱えている課題に合わせた手法を導入するのが効果的です。

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インサイドセールスの種類

  1. SDR(反響型)
  2. BDR(新規開拓型)

SDR(反響型)

Webサイトの集客ページからの資料請求や、問い合わせ・自社セミナーの参加者など、既に自社のサービスや商品に興味を持つ企業に対して、ヒアリングや育成を行います。顧客は、事前に自社商品の知識を持っているため、アポイントを取りやすい属性だと言えます。

マーケティングと協力して顧客の状況を把握し、電話・メール・チャットなどを活用して、顧客担当者にアプローチを行います。自社のマーケティング施策に興味を持つ見込み客のため、比較的短期間でアポイントの獲得につながるケースが少なくありません。

ただし、効果的に顧客の育成を行うためには、マーケティングからの案件引き継ぎの定義やルールを決めておく必要があります。例えば、現在見込み客が多いにもかかわらず成約率が低い、といった悩みを抱えている場合は、SDRに注力しましょう。

BDR(新規開拓型)

BDRは、自社が顧客にしたい企業に対して営業活動を行います。すでに高い売上が期待できる企業や、自社の商品にマッチする顧客層が明確な場合は、BDRが向いています。

しかし、ターゲット企業側が興味を抱いていない状態でアプローチするため、アポイントを取りづらいのが特徴です。よって、企業の代表や決定権を持つ中心人物に対し、電話や手紙などを活用して興味を引き寄せ、長期的なビジョンでアポイント獲得を図ります。

また、 BDRのメリットは、難易度が高いのに反して、ターゲットを絞り込んで自社のマーケティング戦略に基づいたアプローチができる点です。現在、明確に獲得したいターゲットが決まっている場合はBDRを検討しましょう。

インサイドセールスにおけるCRMの役割

CRMとは、「Customer Relationship Management」の略称であり、日本語で顧客関係管理と呼ばれています。CRMツールでは、顧客との関係を構築するための情報の記録・管理・分析が行えます。

CRMを活用すると、営業担当者が得た顧客情報を一元管理し、商品・サービスの継続的な利用を促進する効果が期待できます。また、顧客情報の詳細な分析によって、マーケティングの精度を向上できるのがメリットです。

これにより、インサイドセールスとフィールドセールスの連携がよりスムーズになり、顧客へ行き届いたサポートを提供し、優良顧客の取り込みを図ることができます。

CRMを活用したインサイドセールスのメリット

CRMとは、顧客との良質な関係の構築を目的としたツールです。それを実現することにより、顧客満足度の向上だけでなく、一人ひとりの顧客ニーズにマッチしたアプローチができるため、売上の拡大にも期待が持てます。

顧客が求めるタイミングで適切な情報を提供することで、顧客満足度が向上し、企業側は売上に結びつけることができるため、両者にとってメリットのあるツールだと言えます。

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顧客情報を一元管理できる

インサイドセールスが求められる現状において、CRM導入を合わせれば営業の生産性向上が図れます。その理由は、CRMの活用で顧客情報を一元管理し、顧客情報を把握するための時間や手間の削減によって、営業スタッフの負担を軽減できるからです。

また、CRMには顧客との商談履歴が含まれるため、営業スタッフは顧客とのコミュニケーションを円滑に共有し、いつでも顧客に最適な提案が行えます。

その他、CRMには課題やスケジュールの管理機能があります。これにより、営業担当者は次の営業活動に必要な情報を素早く把握し、的確な活用が可能です。そして、CRM導入はインサイドセールスの効率化にもつながります。

個々の顧客ニーズに合わせたアプローチができる

現在の、絶え間なく変化する消費者行動に対応するためには、顧客のニーズを正確に捉え、それに応じたサービスや商品の提供が必要です。そこで、CRMを活用すれば、顧客の行動履歴や要望が明確になるため、個々に合わせたアプローチがしやすくなります

例えば、CRMに記録された顧客からの問い合わせやフィードバック履歴などの情報分析を行います。これにより、顧客がどのような課題を抱えているかが把握でき、それらの解決に役立つサービスや商品の提供が可能です。

また、CRMに記録された顧客の興味や行動履歴などの情報を分析すれば、顧客がこの先、必要とするであろう商品やサービスの予測もできます。

多方面からの問い合わせに対応できる

顧客とのコミュニケーションは、LINEやSNSなどを中心に多様化してきています。そのため、従来の顧客窓口として使用されてきた電話・メール・Webフォームだけでなく、あらゆる手法に対応する窓口の設定が要求されています。

しかし、各手法を管理するのは想像以上に大変です。そして、この課題は、各手法を一元管理する方法で解決が可能な場合があります。例えば、CRMを導入しておけば、ほぼ全ての手法からの問い合わせにおける一元管理ができ、返信も行えます

よって、以前から使用する顧客窓口だけでなく、各手法からの問い合わせ管理に悩みを持つ場合は、CRMの活用を検討してみましょう。

優先的に対応すべき顧客がわかる

CRMの機能を活用すれば、顧客に優先順位をつけて整理したり、顧客との関係を計画的に構築したり、営業部門との連携を強化したりする効果が期待できます。また、インサイドセールスにも活用が可能です。

その際、インサイドセールス部門においては、見込み顧客の関心度を計測して、顧客対応の優先順位を決める必要があります。自社顧客との共通点が多かったり、企業規模(年商や従業員規模)が大きかったりする顧客に対しては、優先的に対応しましょう。

AIによるチャットボットで24時間対応可能

AI搭載型チャットボットの導入により、顧客とのコミュニケーション機会が増えるのもメリットです。自動で24時間問い合わせに対応できるため、夜間や土日の休業日など、担当者不在の時間帯でも顧客からの問い合わせに対応ができます。

昼間仕事に従事する方は、夜間しか問い合わせができない場合もあります。また、顧客から質問を受けたときに即日対応できなければ、顧客を失う恐れもあります。よって、24時間常に対応できれば、顧客との関係が維持され、売上向上のための機会損失も防止できます

インサイドセールスでCRMを活用できない理由

インサイドセールスでCRMを活用することにより、得られるメリットは数多くありますが、いくつかの理由により、CRMを活用しきれない場合が発生することがあります。

例えば、自社が求める目的とインサイドセールス・CRMが合致していない場合が考えられます。CRMにはいくつかの種類があり、自社の規模や導入によって得たい効果に合わせてツールを選択する必要があります。

また、インサイドセールスでCRMを活用するとなると、その分コスト面でも負担が大きくなります。よって、その費用対効果に合う機能の選定や、急なトラブルが発生した際の対策を事前に考えておかないと、いざという時に業務の停滞が起こる恐れもあります。

これらを防ぐには、インサイドセールスを導入する前に準備しておくことや、CRMを導入する際にもいくつかの注意点を確認しておく必要があります。

インサイドセールス導入のステップ

インサイドセールスについての業務範囲は、企業によって異なるため、自社に最適なインサイドセールスの業務範囲を考察することが重要です。ここでは、インサイドセールスの導入に関わる3ステップについて解説します。

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インサイドセールスの担当範囲を決める

インサイドセールスにおける主な役割は、案件をマーケティング部門からフィールドセールスへと橋渡しすることです。具体的には、見込み客の管理と育成が必要です。そのため、見込み客の獲得や提案・成約を行うフィールドセールスと、明確に分別をしましょう。

仮に、インサイドセールスの目的・役割・目標達成のための指標を、インサイドセールス部門の責任者や各担当者が把握しなければ、組織としての機能を果たさないでしょう。

そのため、分担を明確にして、各業務手順でのKPIを設定することでミッションが明確になり、組織としての連帯感も高まります。

担当部門・担当者を決める

インサイドセールスの担当者を決定する場合、事柄を正確に把握し、「的確に伝達できる」「膨大なデータ量や顧客情報を適切に整理できる」「短期ではなく長期的な視点で成果を捉えられる」といった、3要素に注視して決定することが重要です。

それらを網羅する担当者が決定したら、インサイドセールスを担当する所属部門を決定します。例えば、マーケティング部門・営業部門・新規立ち上げの専門部門の3つが挙げられます。

KPIを設定する

KPIとは、日本語で「重要業績評価指標」と訳されます。受注獲得数など、KGI(重要目標達成指標)に向けて設定される中間目標を指し、KPIをクリアすると、最終的にKGIの達成へ到達するイメージです。

インサイドセールスでは、まずKPIを設定します。KPIは主に、案件化率(商談率)・案件化数・メール開封率・架電数・通話時間などが挙げられます。

例えば、電話を用いる場合、最初に架電数をKPIに設定して活動量を増やし、次に通話時間をKPIに設定して、育成の精度を上げる方法が考えられます。KPIを設定することで、業務手順の改善やメンバーのモチベーション持続につながります。

CRM導入時の注意点

CRMを導入する際に、どういった事に注意をしなければならないのでしょうか。ここでは、CRMの導入時の注意点に関して詳しく解説します。

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どのような機能が必要かを確認する

CRMツールの種類は多く、機能や料金形態もまちまちです。よって、自社にマッチしたツールを選択するためには、最初に現実的な目的を設定し、必要な機能を選別しましょう。

目的が明確になれば、現状の課題が可視化され、どのような機能が必要なのかが判断できます。CRMは導入が目的ではなく、CRMの活用でどのような成果に繋げたいのかが重要です。つまり、不要な機能にコストをかけず、機能が多すぎないかにも注意しましょう。

運用・カスタマイズの費用を確認する

CRMの導入や運用にかかる費用が予算に合ったプランなのかも確認しましょう。また、事業の成長に合わせてカスタマイズはどの程度可能か、その場合の費用はどのくらいかも確認する必要があります。

一般的に、利用者数や機能が充実するほど費用が高くなるため、自社の規模や必要な機能で選び、導入することが大切です。必要以上に多機能なツールを導入すると、コストの無駄遣いになるため、なるべく機能面で自社にマッチしているCRMを選びましょう。

CRM担当者を決めておく

CRMを現場で浸透させるためには、専任の担当者が必要です。担当者の設定により、営業・マーケティング・カスタマーサポート・情報システムなど、各部署の意見をヒアリングして、導入をスムーズに行えます。

また、専任の担当者が不在だと、何かトラブルが発生したときに、対処ができなくなります。特に、現場からの問い合わせがあったときにすぐに対応ができず、業務の遂行が難しくなる恐れがあります。

よって、CRMの導入にあたっては、導入後にシステムを活用するために、利用者のトレーニングやシステムのサポートが必要です。そして、CRMの導入前に、ベンダーの提供するトレーニングやサポート体制の確認も重要となります

まとめ

インサイドセールスとは、非対面で行う営業活動を指します。営業手法の違いにより、SDR(反響型) とBDR(新規開拓型)に分けられ、両者を使い分けることが重要です。

また、CRMの活用で、顧客情報の一元管理・個々の顧客ニーズに合わせたアプローチが行えます。その他にも、多方面からの問い合わせに対応・優先的に対応すべき顧客の把握・AI搭載型チャットボットで24時間対応、などの効果が期待できます。

ただし、どんな機能が必要か、運用・カスタマイズの費用はどれくらいか、CRM担当者を決めておくなどの注意点も存在します。これらの注意点も加味しながら、CRM導入により、インサイドセールスの効率化や営業成績の向上を目指しましょう。

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