SNSを活用したCRM戦略|ソーシャルCRMを分かりやすく解説

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- ソーシャルCRMとは、SNSで双方向のコミュニケーションを取るマーケティングである
- ソーシャルCRMは、スマホ普及における消費者の購買行動の変化から重要性が高い
- SNSを活用したソーシャルCRMは、比較的コストが低いためスモールスタートしやすい
近年のスマホ普及における、消費者の購買行動の変化からソーシャルCRMの重要性が高くなっています。顧客育成をしたいと考えている企業は、ソーシャルCRMに注目しているでしょう。本記事では、SNSを活用したソーシャルCRMのメリットや向いている企業を解説します。
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SNSを活用したソーシャルCRMについて

近年のマーケティング市場では、スマホの普及でSNSを活用したソーシャルCRMが注目されています。まずは、ソーシャルCRMとはどのようなツールなのか、他のCRMとどこが違うのかを知っておきましょう。
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SNSを活用したソーシャルCRMについて
ソーシャルCRMとは
ソーシャルCRMとは、TwitterやLINEなどのSNSを活用し、それぞれのソーシャルメディアを通じて顧客とコミュニケーションを取る手法です。
単純に商品やサービスを売り込むのではなく、コミュニケーションを軸にして顧客の興味を引き、企業のイメージアップや顧客満足度の向上を目指します。あくまで主体は顧客なので、顧客が好きなタイミングでコミュニケーションを図れるのが特徴です。
CRMとの違い
CRMは顧客関係管理という意味で、顧客情報を管理してそれを活かし、オンライン接客やメール配信などのアプローチを行う施策です。一方ソーシャルCRMは、TwitterやLINEなどのSNSと連携して、顧客とコミュニケーションを取ってアプローチする施策となります。
従来の電話やメールでの接客対応と異なり、SNSを使ってさまざまなメディアで訴求するのがソーシャルCRMの特徴です。SNSを通じて顧客とコミュニケーションを取り、一人ひとりに寄り添うような、親しみのあるアプローチができます。
ソーシャルCRMが重要性される背景

近年ソーシャルCRMが注目されているのには理由があり、顧客の購買行動の変化やSNSの普及などが挙げられます。ここでは、ソーシャルCRMか重要視される背景について解説します。
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購買行動の変化
近年は新型感染症の影響やスマホの普及などから、顧客の購買行動が変化しています。ネット社会が急激に加速しており、ユーザーは企業の商品やサービスの情報を、ソーシャルメディアの口コミやインフルエンサーの評価などを参考にして集めます。
従来の購買行動理論は、AIDMA(商品をを知る・興味を持つ・欲しい欲求・記憶・購買行動)が主流でしたが、今はAISAS(商品をを知る・興味を持つ・検索・購買行動・共有する)にシフトしているのが現状です。
SNSの普及
ネット社会の成長に合わせて、X(旧Twitter)やインスタ・LINEなどのSNSは大幅に普及しています。今や5人に2人は、日々なんらかのSNSを利用しており、商品やサービスの情報を得ています。
特に日本で幅広い世代に認知されているLINEは、LINE株式会社の発表では国内の月間利用者数が約8,600万人となり、日本の人口の約68%を占めていることになります。
ソーシャルCRMは、企業の商品やサービスにアプローチするだけでなく、顧客にとって親しみやすいコミュ二ケーションが取れるため、見込み客の獲得やリピーターの関係性を強化することも可能です。
ソーシャルCRMのメリット

ソーシャルCRMを取り入れると、顧客とのコミュニケーションを取りやすく、アプローチ内容を顧客一人ひとりに合わせやすい、などのメリットがあります。ここでは、どのようなメリットがあるのかを解説します。
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コストが低い
今までの販促方法と言えば、テレビ・ラジオなどのマスメディアや、チラシ・DMなどの広告が主流でした。特にテレビCMには費用が嵩みがちですが、ソーシャルCRMは低コストで取り組めるのが魅力です。
一度フォロワーとして顧客と繋がりができれば継続的に情報を発信でき、安価で運用が可能です。消耗品などリピーターが望める商品やサービスの企業には特に向いています。
顧客と双方向でコミュニケーションが取れる
ソーシャルCRMはSNSに情報を投稿すると、ユーザーのタイムラインに自然な形で表示されてアプローチできます。いいね機能やリツイートなどで反響が分かりやすく、瞬時にフィードバックが獲得できます。
例えば、商品について不明点があった場合、ユーザーはメーカーに直接問い合わせることを面倒に感じてしまいます。しかし、ソーシャルCRMならSNS上でユーザーが企業に気軽に質問しやすく、メーカーが公式アカウントとして直接回答が可能です。
ソーシャルCRMは、顧客情報を深く分析する必要があり手間はかかりますが、顧客と双方向でコミュニケーションが取りやすく、顧客の意見や興味を収集できるのがメリットです。
アプローチ内容を一人一人に合わせることができる
同じ商品やブランドに興味を持っている顧客でも、どこに魅力を感じているのかはそれぞれ異なります。SNSは一般的なアンケートより本音を書きやすい傾向があるため、顧客の深いニーズを取り込めます。
ソーシャルCRMを活用すれば、フォロワー全員に向けて情報を発信するだけでなく、顧客一人ひとりに合わせてメッセージ配信を分けることも可能です。
顧客個人ごとに合ったアプローチをすると、親しみを感じてもらいやすくなり、見込み客やリピーターの獲得に繋がります。
スモールスタートしやすい
ソーシャルCRMは前述のとおり低コストで始められるため、まずは少人数で小規模に運営していくスモールスタートが可能です。
マーケティングでSNSを上手く活用し、効果的に情報配信・収集するためには、ある程度の知識や慣れが必要です。どうしても最初は手探り状態になってしまうため、大規模な施策を始めてしまうと、コストがかかるだけで思うような効果が出ない場合があります。
ソーシャルCRMを運用してみてから分かる課題も出てくるので、スモールスタートで様子を見ながら進めていくと、問題点があっても被害は少なく済みます。失敗を繰り返しても、改善しながら徐々に成果を上げ、規模を広げていけるのがメリットです。
情報発信に対しての反応が見やすい
ソーシャルCRMは、SNSを使って情報発信するため、いいね機能などで顧客のリアルタイムの反応が伺えます。顧客が情報に興味を示しているのかがスピーディーに分かるため、フィードバックが直ぐに得られます。
例えば複数の新商品を発売したときに、Twitterのアンケート機能でどの商品が欲しいかをユーザーに投票して貰って反応を見たり、コメント機能で発信した情報に関する意見や感想を募ったりなどが可能です。他にも、参加型のキャンペーン実施などの施策も行えます。
ソーシャルCRMが向いている企業

ソーシャルCRMは、全ての業種に向いている訳ではありません。サービスや製品を提供している企業や飲食店などのサービス業など、特にソーシャルCRMが活用しやすい企業について解説します。
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ソーシャルCRMが向いている企業
サービスや製品を提供している企業
ソーシャルCRMは、BtoCなどのサービスや製品を提供している企業に向いています。販売している製品は、日常的に消費する食料品や日用品の他、衣類やバッグ・靴などの服飾品、家具や自家用車など多岐に渡ります。
特に近年、成長が著しいのがインターネットでの通信販売事業です。新型感染症の影響でECサイトで買い物をするユーザーが急増し、そのまま対面販売よりネット通販を好んで利用するユーザーが増えています。
ECサイトからクーポン券配布やキャンペーン告知などで、そのままユーザーをSNSに誘導しやすく、顧客情報を活用しやすいのがメリットです。
飲食店などのサービス業
飲食店を始めとする、美容院・カラオケ・ハウスクリーニング・マッサージ店などのサービス業にもソーシャルCRMは向いています。
Twitterやインスタなどで新メニューやキャンペーン情報などを告知し、顧客の反応を見るだけでなく、問い合わせの受付や予約の対応などの顧客とのコミニュケーションツールとしても活用できます。
また、サービス業にはクレーム対応が常に課題となってきますが、TwitterなどのSNSなら顧客は気軽に不満を書きやすいため、クレームを早期段階で対策することも可能です。
新企画や新ブランドを立ち上げた企業
企業が何か新しい企画を立ち上げた時や、新ブランドを発足したときにもソーシャルCRMは有効です。新事業は世間からまだ名を知られておらず、認知度を高めるためには広告等で告知を行う必要があります。
例えば自社で新商品を発売したときに、Twitterでアカウントフォローとリツイートしたユーザーに抽選で商品が貰えるキャンペーンを実施すれば、商品に興味をもつユーザーのフォロワー獲得と合わせて、情報の拡散も可能です。
ソーシャルCRMに取り組む際の注意点

ソーシャルCRMを効果的に運用するためには、SNSの特性を理解し、長期的な視点で取り組むことが重要です。以下で、具体的な注意点について解説します。
変化するSNSとユーザーの傾向を把握する
ソーシャルメディアの世界は急速に変化し続けており、新しいプラットフォームの出現や既存プラットフォームの機能更新、ユーザーの利用傾向の変化が日々起こっています。企業はこれらの変化に常に目を配り、適切に対応する必要があります。
例えば、ユーザーの関心事やコミュニケーション方法の変化を把握し、それに合わせたコンテンツ作成や情報発信を行うことが重要です。また、各SNSの特性や利用者層を理解し、効果的なコミュニケーションを取ることが求められます。
長期的に取り組む必要がある
ソーシャルCRMは即効性のある施策ではなく、時間をかけて顧客との信頼関係を構築していく必要があります。顧客データの収集・分析、戦略立案、実行、効果測定というサイクルには相応の時間が必要です。
短期的な成果を求めるのではなく、継続的な顧客サービスの質の向上と、長期的な関係構築を目指しましょう。
CRMツールを活用しSNS戦略を効率化

CRMツールは基本的には顧客情報を管理できるシステムですが、SNSと連携することでさらに顧客情報を有効的に使いやすくなります。
CRMで収集した顧客データで、顧客一人ひとりが何を求めているのかを分析し、SNSを通じて情報を発信できます。データの抽出や分析はツールが自動的に行うため業務が効率化し、接客対応など他の業務に集中できるのもメリットです。
また、メールクーポン券の送信や消耗品の再購入のお知らせなども設定できるため、リピーター獲得にも繋がります。

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CRMツールとは顧客管理や購入履歴など顧客に関する情報を一元管理し、顧客関係を支援するツールのことを指します。本記事ではおすすめのCRMツールを比較表でご紹介。CRMの主要機能や選び方・導入効果や使い方・導入事例などの基本情報や、業界シェアの高い人気の顧客管理ツール・無料の製品も解説します。
まとめ

ソーシャルCRMは、SNSを通じて顧客とコミニュケーションを取るマーケティング手法です。身近に使えるSNSを使うからこそ、顧客に親しみのある接客対応ができ、情報発信の後は直ぐに反応を伺えます。
ソーシャルCRMは、人員や規模を抑えてスモールスタートしやすいため低コストで運用ができ、顧客一人ひとりに合わせてアプローチできるなどのメリットがあります。製品を提供している企業や飲食店などのサービス業などに特におすすめです。
現代はスマホの普及で、マーケティング市場はインターネット通販が主流となりつつあり、SNSを活用した顧客育成が重要になってきます。CRMツールも活用して、顧客満足度の向上を図り、企業の成長を目指しましょう。
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