グローバル展開の企業でCRMを活用する重要性|メリットも解説

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  • グローバル展開している企業の事業特性の分析を行い、CRM導入の目的を明確にする
  • グローバル対応のCRM導入のメリットは、各国の顧客情報を一元管理できることである
  • グローバル展開している企業は、CRMが各国の規制に対応できるか確認する

営業活動の支援や業務の効率化ができるCRMツールは、グローバル展開している企業でも高い効果が得られます。本記事では、CRMのグローバル展開を成功させるため、企業でのCRM導入の目的を明確にする必要性や、グローバル展開で活用するCRMのメリットを解説します。

目次

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  1. グローバル展開の企業でCRMを活用するには
  2. グローバル対応のCRMを導入するメリット
  3. CRMをグローバル展開する際のポイント
  4. まとめ

グローバル展開の企業でCRMを活用するには

CRMは、顧客情報を活用し、顧客との円滑なコミュニケーションを可能にするシステムです。グローバル展開の企業でCRMを導入する場合は、まず企業の目的を明確にする必要があります。なぜなら、CRMは、目的に合わせて適切に運用しなければ、思うような効果を上げられないからです。

また、目的がはっきりしていないと、従業員の混乱を招いたり、導入に納得してもらえない可能性もあります。そのため、グローバル対応のCRMを導入する際は、企業の目的を明確化しておきましょう。

そもそもCRMとは

CRMとは、「Customer Relationship Management」の略語で、顧客の情報を一元管理し、業務を効率化させるシステムです。日本では、顧客管理システムと呼ばれています。

CRMでは、顧客の基本情報や取引履歴などを蓄積し、その情報を基に分析することで、顧客に最適なアプローチができます。販売を促進するプロモーション支援機能などもあり、データを基にスピーディーなサポートも受けることが可能です。

SFAやチャットツールなどのシステムとも連携ができるものも多く、顧客情報の共有がスムーズになるため、業務効率化や経営拡大などに大いに役立ちます。CRMは、さまざまな国で開発されているシステムのため、英語対応のものも多く、海外に拠点を持つグローバルな企業でも導入が進んでいます

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グローバル展開の企業でCRMを活用するには

  1. 事業特性の分析を行う
  2. オペレーションを標準化する範囲を検討する

事業特性の分析を行う

事業特性の分析は、企業のビジネスニーズや目標を理解するための重要なステップです。CRMをプラットフォームにするべきかを分析する際には、まず事業特性を把握し、ビジネスニーズを満たすかどうかを評価する必要があります。

事業特性に合わせたカスタマイズが必要であれば、CRMをプラットフォームにした場合の適用性を確認することが重要です。

対象地域の範囲

グローバル展開なのかローカル展開なのか、自社の今後の展開を踏まえ、対象地域の範囲を検討していく必要があります。対象地域の範囲を明確にすることで、CRMの導入戦略や適用範囲を適切に決定し、ビジネスの成果を最大化できます。

グローバル展開では、さまざまな地域の顧客の情報を集約する必要があるため、1つのプラットフォームですべての地域をカバーできるCRMの利用メリットは大きいでしょう。情報共有がスムーズになり、統制もしやすくなります。

ターゲット市場

どのような相手をターゲットにするかで、最適なCRMやシステムは異なります。B to Bで、グローバルがメインなら、1プラットフォームの利用が適しています。しかし、B to Bでもローカル顧客のみの事業なら、グローバルで情報共有する必要があまりないため、1プラットフォームでなくでも構わないでしょう。

そのため、事業特性を踏まえてプラットフォームを選択し、グローバル全体でCRMを最適化する必要があります。

業種

業種によって、顧客ニーズやビジネスプロセスは異なるため、業種ごとの分析が重要になります。たとえば、不動産業界なら家族構成や社会的階層、化粧品業界なら年齢や性別など、業種によって分析すべき項目はさまざまです。

業種ごとに細分化した分析を行うと、各業界での潜在的なニーズや問題を特定し、新製品やサービスの開発および改善の方向性が探れるメリットがあります。それにより、ターゲットとなる顧客に効果的なマーケティング施策を実施することが可能です。

オペレーションを標準化する範囲を検討する

グローバル対応のCRMでは、システムもグローバルで展開するため、オペレーションをどこまで標準化するかの検討が必要です。

1つのプラットフォームで統一すれば、ガバナンスが容易になり、オペレーションの標準化もしやすくなります。一方で、各国や地域ごとに異なる業務が存在するため、これをどう吸収していくかや、本社と各拠点との調整が困難になるケースも少なくありません。

しかし、全ての国に合わせることは難しく、主要国を絞ってオペレーション化するべき範囲を絞る必要があります。また、範囲を絞ることで、システム開発・運用・保守などのコストを抑えることも可能です。

グローバル対応のCRMを導入するメリット

グローバル展開の企業は、各国に子会社があるため、会計的な連結機能が必要です。また、各国で在庫を移動させる場合もあるため、各国のシステムが独立していると、対応が非常に困難です。

グローバル対応をシステムで処理するのは難しく、アプリケーションレベルのさまざまな機能を使用しなければ、到底対処できません。

グローバル対応のCRMを導入すれば、多言語に対応しており、各国の子会社の顧客情報を一元管理できます。グローバル対応のCRMを導入するメリットを、以下で詳しく解説します。

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多言語対応している

グローバル展開の企業なら、英語対応は必須です。英語対応のCRMを導入していれば、母国語が異なっても各国にある子会社との業務連携がスムーズで、言葉の壁がないため、現地従業員もすぐに業務に対応できます。

英語のほか、中国語・韓国語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語・ロシア語など、さまざまな言語に対応しているものもあります。多言語対応のCRMは、顧客のデータを多言語で管理でき、各国の顧客との円滑なコミュニケーションを可能にします。

各拠点の顧客情報を一元管理できる

グローバル対応のCRMを導入することで、異なる地域や国でのビジネスプロセスを統一できるようになります。これにより、各拠点の顧客データの一元管理や情報共有が容易に行えます。

また、顧客名・連絡先・住所・製品やサービスの購入履歴・取引履歴などの顧客情報を蓄積した膨大なデータベースの中から、必要な情報のみをすぐに抽出できるため、それぞれの顧客に合った適切なセールスプロモーションを判断・実行することが可能です。

さらには、異なる拠点や地域のデータを統合して表示できるため、売上状況・顧客満足度度・マーケティングキャンペーンの効果など経営状況の確認がしやすいメリットもあります。

統合的な顧客分析ができる

グローバル対応のCRMには、異なる拠点や地域の顧客データを統合し、一元化する機能があります。これにより、各拠点のデータに簡単にアクセスでき、拠点を跨いだ分析に必要なデータを収集することが可能です。

各拠点のデータを容易に集計し、統合的な顧客分析ができるので、各拠点にとって最も効果的なアプローチや戦略を立てて、成果を最大化するのに役立ちます。

現地メンバーとの情報共有ができる

グローバル対応のCRMは、現地メンバー間の協力や連携を強化するのに役立ちます。CRMでは、異なる地域の顧客動向・市場動向などのデータを分析し、広範なビジネスインサイトを得ることができます。

そして、 お互いの進捗状況・成功事例・トラブルなどを含め、各拠点でリアルタイムな情報共有が可能になります。このように、グローバル対応のCRMを活用すれば、プロジェクトチームが拠点をまたいで連携し、効果的なチームワークを発揮することが可能です。

CRMをグローバル展開する際のポイント

CRMをグローバル展開する際には、各国の規制に対応できるかなど、押さえておきたいポイントがあります。以下で、その際のポイントを解説します。

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各国の規制に対応できるか

グローバル展開においては、時代に合わせて新しく制定される各国の規制に注意しなければなりません。特に、CRMシステムは顧客データを中心に扱っているため、個人情報に関する規制への対応は必要不可欠です。

ロシアの知的財産権保護制度の改正、EUの一般データ保護規則(GDPR)・中国のサイバーセキュリティ法制定など、国外への個人情報を含むデータの持ち出しに対する取り締まりは、各国でますます厳しくなっています

個人情報関連を中心に、各国の規制の動向を注意深く見守り、それに合わせて対応策を立てることは、グローバル展開を実現していく上で重要な要素です。

導入目的を明確にする

CRMの導入には、導入目的を明確化することが重要です。グローバル対応のCRMを導入しようとしている企業では、ビジネスプロセスの標準化・各国の規制に対する対応・拠点をまたぐデータの収集と分析・企業全体の活動の可視化など、さまざまな課題があります。

導入目的を明確にし、目的達成のために必要な機能の選定や、CRMをどう活用していくのかをチーム内で共有しておかなければ、十分な導入効果は期待できないでしょう。

各部署で連携する

グローバル展開のCRMの導入は、企業全体としてのプロジェクトになるため、さまざまな部署が関係してきます。お互いの利害が一致せず、対立することも少なくないため、利害関係を調節しながらプロジェクトを進めていく必要があります。

そして、導入後も活用体制に支障が出ないよう、各部署で連携して協力し合える環境を整え、体制を維持できるようにすることが大切です。

運用ルールの設定をする

各拠点で情報を共有・連携できることは、企業にとって大きなメリットをもたらしますが、それには運用ルールを設定しておく必要があります。運用ルールが設定されていないと、以下のような不都合が生じる可能性があります。

  1. 顧客情報の一元管理がうまくいかず支障をきたす
  2. 営業活動の効率が低下する
  3. コンプライアンス違反につながる

せっかくCRMを導入しても、効果が実感できなければ、従業員のモチベーションも低下してしまいます。ルールを設定してCRMを適切に運用し、ビジネスの成果を最大化しましょう。

英語対応のCRMおすすめ4選|導入メリットや選び方も解説

CRMとは顧客の情報を一元管理し、業務を効率化させるシステムです。英語対応のものも多数あり、海外に拠点を持つグローバルな企業にも導入が進んでいます。この記事では、英語対応のおすすめなCRMや導入メリット、選び方などを解説します。

まとめ

グローバル展開している、もしくはこれから展開の予定がある企業では、CRMを活用することで、各国の法律や規制を遵守し、文化や風習を踏まえた対応策を検討できます。それにより、競合他社に対して自社の競争力をさらに高めることが可能です。

CRMの導入には、企業の目的を明確にし、システムを最適化させる必要があります。この記事を参考に、CRMを効果的に活用できるプラットフォーム構築を実現し、グローバル活用の成功に役立てましょう。

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