ファネルとは?種類と分析・管理方法、CRMの活用についても解説

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  • ファネルでは、顧客の意思決定から購買に至るまでの段階を三角形を用いて表わされる
  • ファネル分析を行うと顧客のフェーズが把握でき、効果的なマーケティングに繋がる
  • ファネル分析を行うには大量の顧客情報を管理する必要があり、CRMの活用が有効

ファネルとは顧客が商品を認知してから契約に至るまでの段階を、逆三角形の図式で表したものであり、段階によってその種類・形は変化します。本記事では、顧客に適切なアプローチを行う際にファネル分析が重要な理由と管理方法、CRMを活用した業務の効率化について解説します。

目次

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  1. ファネルとは
  2. ファネルの種類
  3. ファネル分析が重要な理由
  4. ファネル分析における管理方法
  5. CRMを活用したファネル分析で業務効率化
  6. まとめ

ファネルとは

ファネルとは、広範囲のものを絞り込むプロセスやモデルを指し、マーケティングの文脈においては、購買プロセスの段階ごとに顧客が絞り込まれていく状態を表現しています。

英語で「漏斗」を意味する通り、ファネルは逆三角形の図で表され、広い上部は見込み客(商品やサービスを認知した状態)であり、下部の顧客(購買した状態)へと絞り込まれます。

そのため、「マーケティングファネル」「セールスファネル」とも呼ばれています。ファネルは顧客の進行状況の把握や効果的なセールス戦略の考案に役立てる目的で広く利用されています。

ファネルの種類

ファネルは、さらにパーチェスファネル・インフルエンスファネル・ダブルファネルの3つに大別できます。それぞれ、購入前の意思決定プロセスや、購入後の行動プロセスなどを表現しており、進行上の問題点や効果的な戦略の計画に役立ちます。

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パーチェスファネル

パーチェスファネルとは、顧客の購買プロセスを表すモデルです。顧客が商品やサービスを購入するまでの段階を表し、マーケティング活動やセールス戦略の計画に役立ちます。

各段階の顧客行動やニーズの理解に基づき、適切なアプローチをすることで見込み客を購買へと導くことが可能です。

パーチェスファネルの3段階

パーチェスファネルの表現の仕方はさまざまで、3段階に分けたものもあれば、より詳細に段階分けする場合もあります。ここでは、おおまかに3段階に分けた場合の例における各段階の説明と考えられるアプローチを、以下の表にまとめます。

パーチェスファネルの段階詳細
トップ・オブ・ザ・ファネル(TOFU)潜在顧客(サスペクト)=商品・サービスを認知していない層。認知を促すために広告やSNSなどを活用して、商品やサービスの情報を届ける。
ミドル・オブ・ザ・ファネル(MOFU)見込み客の層。顧客の属性や関心に合わせたメール送信・体験会の案内などのアプローチで購買への意欲を高める。
ボトム・オブ・ザ・ファネル(TOFU)購買がほぼ決定している顧客の層。商談を通じた営業活動で購買決定に導く。さらに割引や特典を付与するなど、顧客満足度の向上やリピート購入なども踏まえてアプローチする。

インフルエンスファネル

パーチェスファネルにおいて、実際に顧客が商品の購入まで辿り着いたら、そこで終わらせずに、購入後の情報拡散や顧客の広がりにまで注視する場合があります。インフルエンスファネルでは、購買後の顧客の行動と影響・顧客数を表現します。

インフルエンスファネルは正三角形の図で表され、継続購入の層・忠誠の層・共有や紹介の層・発信の層などに段階分けされます。企業は、顧客の購入後の行動や情報発信まで踏まえたアプローチ方法を考えるのが重要であり、ファネルによって戦略が立てやすくなります。

例えば、長期的な関係性の維持のために、購入者や優良顧客への特典を充実させたり、SNS拡散を促進するためにアフィリエイトプログラムを導入するなどの方法が考えられます。

ダブルファネル

ダブルファネルは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせて、より効果的なマーケティング方法を探るための分析手段です。

パーチェスファネルの逆三角形は、段階が進むごとに見込み客が少なくなる様子を、インフルエンスファネルの正三角形は、段階が進むごとに新たな顧客が増加する様子を意味します。

そして、ダブルファネルは見込み客の減少を抑えるために、どの段階で見込み客が大きく減っているのかの問題把握に役立ちます。また、効果的に新規顧客を増やすために、どの段階でもっと効果的にアプローチするべきかを可視化できます。

ファネル分析が重要な理由

ファネルを活用した分析は、マーケティング戦略を改善する上で重要な役割を果たします。例えば、顧客が商品の存在に気づかない場合は、広告キャンペーンの効果が不十分であり、広告の表示回数やコンテンツのクリック率が低いケースが考えられます。

このような、顧客が商品に気づいても興味を持たない問題では、魅力的なコンテンツや価値提案が必要な場合があります。また、問い合わせがしやすいことや、資料のダウンロードができるなど、顧客が積極的かつ継続的に関われる仕組み作りも重要です。

なお、購入段階の問題では、価格や条件の交渉・プレゼンテーション不足が考えられ、価格設定やプロモーション戦略の見直しが必要です。このように、ファネル分析では、どの段階に問題があるかを明確にし、効果的なマーケティングに活かすことができます。

ファネル分析における管理方法

ファネル分析を行う際は、手動による管理ではなく、ITツールを活用した方法がおすすめです。ここでは、顧客に適切なアプローチを行うのに必要な管理方法として、3つ解説します。

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ファネル分析における管理方法

  1. MA
  2. SFA
  3. CRM

MA

MA(Marketing Automation)とは、企業の収益向上を目的として、マーケティング活動を自動化することに特化したツールです。見込み客の獲得から育成までをサポートし、顧客の状態把握や段階に合わせた、適切なアプローチを選択して実行することができます

例えば、自社のWebサイトに訪れた顧客の行動分析を行い、訪問回数や行動履歴から顧客のリアルタイムな行動を把握することができます。このデータを用いて、日々の営業活動の効果を可視化したり、顧客一人ひとりに対してきめ細かな対応をすることが可能です。

SFA

SFA(Sales Force Automation)とは、営業支援システムとも呼ばれ、案件の進捗状況や顧客情報の管理を行い、営業活動を支援するツールです。顧客対応の品質向上に向けた、営業活動の課題を見つけ出し、部署内で解決に向けた取り組みを行うこともできます。

つまり、SFAはファネル分析における、収益にも直結する営業プロセスを管理し、常時変化する営業活動の状況を可視化することができます。そして、ファネル分析と合わせて、業務効率化のツールとしても活用できるのも大きなメリットです。

CRM

CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客との関係構築のために使用されるシステムです。顧客情報を収集・管理し、営業管理・カスタマーサポート管理・マーケティング管理と並行して、顧客満足度の向上を図ります

CRMは既存顧客へのアプローチを得意とするため、インフルエンスファネル・ダブルファネルと掛け合わせ、顧客関係の改善やより深い信頼関係の構築に役立ちます。CRMの活用は、ファネル分析における最終段階としても非常に重要なポイントです。

CRMを活用したファネル分析で業務効率化

CRM=顧客関係管理とは、顧客との長期的な関係性を強化するために、顧客情報を集約し、分析するためのツールです。CRMを活用すれば、ファネル分析も容易であり、素早い業務効率化につながります。以下で、CRMを活用する具体的なメリットを解説します。

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CRMを活用したファネル分析で業務効率化

  1. 大量の顧客情報を一元管理
  2. 顧客のフェーズに合わせたアプローチ

大量の顧客情報を一元管理

CRMでは、顧客の基本情報(氏名や連絡先など)から購買履歴までを管理でき、さらに大量の顧客情報を一元的に集約できます。ファネル分析は、顧客情報が多ければ多いほど信頼性が増すため、大量のデータを扱えるCRMを活用すると、分析が効率化します

また、システムによっては、ファネル分析に必要なデータの視覚化を支援する機能を提供している場合もあります。グラフ・レポート・ダッシュボードなど、マーケティング戦略に必要な情報を、視覚的にもリアルタイムで確認しやすいのが利点です。

顧客のフェーズに合わせたアプローチ

CRMでは、顧客データを分析してセグメントに分類する機能があります。例えば、ファネルの各フェーズにおける特定のセグメントに属する顧客に、DMやメルマガなど効果的なマーケティングを行うことが可能です。

また、CRMでは、顧客からの問い合わせや連絡などのコミュニケーション履歴や、購買行動の履歴も管理できます。そのため、問い合わせから購入に至るまでの各フェーズにおける問題点を特定しやすく、素早く改善策を導き出すことが可能です。

まとめ

ファネルはマーケティングの進行状況を示し、問題や改善点を特定する重要なツールです。顧客の購入前から購入後までのフェーズを分析し、効果的なマーケティングに繋げることができます。

また、CRMを活用することで、顧客データの一元管理やニーズに合わせたアプローチ方法が効率化されます。さらに、CRMではレポートやダッシュボードを通じてデータを視覚化することで、マーケティング戦略の評価や改善に役立ちます。

本記事を参考に、顧客がどのように自社の商品・サービスを購入し、どのような行動を行うのか、ファネル分析の活用に役立ててください。

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