ワークフローシステムで文書管理はできる?両方同時に行う方法も解説

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  • ワークフローシステムでは、アーカイブや検索の簡易機能やシステム内の文書管理は可能
  • ワークフローシステムでは、電子帳簿保存法対応や世代管理など本格的な文書管理は困難
  • ワークフローと文書管理を同時に行いたい場合、両方のシステムを連携する方法がある

ワークフローシステムでは、申請・承認した稟議書などをデータ上で保管・管理できます。ではワークフローシステムのみで文書を管理することはできるのでしょうか。本記事では、ワークフローシステムでの文書管理の可否や、ワークフローと文書管理を同時に行う方法を解説します。

目次

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  1. ワークフローシステムとは
  2. 文書管理とは
  3. ワークフローシステムで文書管理はできるのか
  4. ワークフロー管理と文書管理を同時に行う方法
  5. まとめ

ワークフローシステムとは

ワークフローシステムとは、書類の作成・申請・承認・決裁といった業務を電子化・自動化できるシステムです。なお、ワークフローとは「Work(仕事)」と「Flow(流れ)」を組み合わせた言葉で、「業務の一連の流れ」を指します。

ワークフローシステムの対象となるのは、主に承認を必要とする文書の作成・管理です。代表的な文書は、各種の申請書や稟議書です。

ワークフローシステムの導入により、オフィスワークを標準化できます。簡潔にいえば、それまで手動で行っていた書類作成業務や承認作業をシステム化できるため、業務効率の大幅な向上が期待できます。

文書管理とは

文書管理とは、社内のあらゆる文書を保管・整理・活用・廃棄することです。たとえばエントリーシート・顧客情報・財務表・契約書・マニュアルなどが文書管理の対象です。なお、文書管理には、紙媒体の文書・電子データ文書の両方が含まれます。

文書管理の主な目的は、情報の整理・情報の漏洩や紛失の防止です。文書管理を適切に行うことで、必要なときに必要な情報をすぐに取り出せます。さらに、企業の機密情報などの紛失や外部への流出を防げます。

文書管理が抱える課題

文書管理が抱える課題として、管理の難しさが挙げられます。文書の量が増えれば増えるほど管理は複雑化し、困難を極めます。特に紙媒体の文書管理では、保管スペースの確保・スムーズな情報の取り出しなども課題となっています。

文書管理は利益に直結する業務ではないながらも、企業にとって非常に重要な情報を扱う業務です。そのため、文書の適切な管理や効率化が求められています。

ワークフローシステムで文書管理はできるのか

ワークフローシステムと文書管理は業務内容が似ているため、最近はワークフローシステムで文書管理を行う企業も増えています。ただし、ワークフローシステムでの文書管理には課題や制限があるため、あらかじめ正しく理解しておきましょう

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簡易的な文書管理しかできない

ワークフローシステムの中には、文書管理機能を備えたものもあります。しかし、ワークフローシステムの文書管理機能は、文書管理システムに比べると簡易的なものが多く、本格的な文書管理には適していません。

たとえば、ワークフローシステムの文書管理機能では、アーカイブや文書の検索ができます。しかし、検索項目は単語・作成日・申請日などが中心で、より詳細な項目での検索や全文検索には対応していないことが多いです。

対して文書管理システムでは、保管されている文書の詳細な検索などが可能です。たとえば期限が迫っている文書もすぐに引き当てられます。文書をより精度の高い方法で管理したい場合は、ワークフローシステムのみでは不十分です。

ワークフローに該当する文書のみ管理ができる

ワークフローシステムで管理できるのは、基本的にワークフローに該当する文書に限定されます。たとえば別システム・サーバーに保管されている文書や、個人がローカルに作成・保有したテキストなどは追い切れません。

社内すべての文書をワークフローシステムのみで管理することはできないため、全文書の管理をまとめて行いたい場合には不向きです。

法改正への対応など本格的な文書管理は難しい

ワークフローシステムを使った文書管理では、法改正への対応は難しいとされています。たとえば企業が作成する契約書や帳簿は、電子帳簿保存法やe-文書法に則る必要があります。これらの法令は定期的に改変されるため、文書もあわせて改変しなければなりません。

文書管理システムの多くは、こういった改変に対応する機能を備えています。たとえば文書の改訂履歴を追跡できるタイムスタンプ機能や、文書の更新ごとに古いもの・新しいものを入れ替えて整理する世代管理(バージョン管理)などが可能です。

一方、ワークフローシステムの文書管理機能は簡易的であるため、法改正や世代管理には対応していません。本格的に文書管理を行う場合は、文書管理システムを導入する必要があります。

参考:電子帳簿保存法の概要|国税庁

参考:「厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令」の概要|厚生労働省

ワークフロー管理と文書管理を同時に行う方法

ワークフロー管理と文書管理は目的や流れが異なるため、基本的に別々に行う必要があります。しかし、次のような方法で、ワークフローと文書の管理を同時に行うことも可能です。

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ワークフローシステムと文書管理システムを連携

ワークフローと文書管理を同時に行うには、それぞれのシステムを連携させる方法があります。具体的には、ワークフローで作成・決済した文書を文書管理システムに移行して管理します。

ワークフローシステムと文書管理システムを連携させることで、次のようなメリットが生まれます。

  1. 承認済みのテキスト管理を効率化できる
  2. データの改ざん・漏洩のリスクを低減できる
  3. 互いの弱点を補完しあえる

特にデータの改ざんや漏洩リスクの低減は企業のセキュリティ強化にもなるため、2つのシステムの連携によるメリットは非常に大きいと言えます。

ワークフローシステムと文書管理システム連携の注意点

ワークフローシステムと文書管理システムの連携によるメリットは多いですが、注意点もあります。代表的な注意点は以下の2つです。

  1. システム2つ分の導入・利用コストがかかる
  2. 高度なITスキルが必要

システムを2つ使うので、それぞれに導入と利用に費用が必要です。また、異なるシステムを連携するには、高度なITスキルが求められます。

企業ごとに使用するシステムが異なるため、連携方法も固定化されていません。これからシステムを導入する場合は、連携しやすさを確認しましょう

高機能な文書管理機能搭載のワークフローシステムを導入

近年は、高性能な文書管理機能を備えたワークフローシステムも登場しています。文書管理とワークフロー管理を一元的に行いたい企業は、導入を検討してみましょう。

文書管理システムとワークフローシステムを連携させる場合は、高いITスキルや導入費用が必要でした。2つのシステムを同時運用するためコストがかさむほか、操作もそれぞれ別に行わなければなりません。

一方、高性能な文書管理機能を搭載したワークフローシステムは、2つのシステムを1つのツールで実行できます。システム連携にかかる費用や運用コストをカットできるほか、操作が簡単なため文書管理が効率的に行えるというメリットがあります。

文書管理とワークフロー管理を効率的に行いたい場合は、高機能な文書管理機能を備えたワークフローシステムの導入がおすすめです。

まとめ

ワークフローシステムは、承認が必要な文書の作成・申請・承認などを一元管理できるシステムです。対して文書管理システムは、社内のあらゆる文書を管理するためのツールです。

ワークフローシステムには文書管理機能を備えたものもありますが、多くは簡易的な機能しか搭載しておらず、詳細な文書管理・法改正への対応などは困難です。

ワークフロー管理と文書管理を同時に行う場合は、2つのシステムを連携させるほか、高機能な文書管理機能を備えたワークフローシステムを導入する方法があります。
文書管理とワークフロー管理を同時に行えるシステムは、運用・管理が簡単で、かつ文書管理業務を効率化できる点がメリットです。高機能な文書管理機能を備えたワークフローシステムの導入により、文書管理の精度をより向上させましょう。

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