OSSのワークフローシステムとは?メリット・デメリットを解説

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  • OSSのワークフローシステムは、無償のソースコードを利用するワークフローシステムである
  • 無料で使えるためコストを削減できるが、導入・運用には専門的な知識が必要
  • OSSのワークフローシステムを選ぶ際は、自社の目的に合った機能があるか確認する

OSSのワークフローシステムとは、無償で公開されているソースコードを利用して構築するワークフローシステムのことです。無料のため導入・運用コストを抑えることができます。この記事では、OSSのワークフローシステムのメリット・デメリット、選び方などを解説します。

目次

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  1. OSSのワークフローシステムとは
  2. オンプレミス型・クラウド型との比較
  3. 他のワークフローシステム自作方法との比較
  4. OSSのワークフローシステムのメリット
  5. OSSのワークフローシステムのデメリット
  6. OSSのワークフローシステムの選び方
  7. まとめ

OSSのワークフローシステムとは

OSSは「オープンソースソフトウェア」の略で、誰でも自由にソースコードにアクセスし、利用・改変・再配布が可能なソフトウェアのことです。OSSのワークフローシステムとは、オープンソースソフトウェアを利用したワークフローシステムのことです。

OSSであることで、企業や組織は高コストのライセンス料を支払うことなく、柔軟性のあるワークフローシステムを導入できます。OSSのワークフローシステムはカスタマイズ性が高く、個別ニーズに適したシステムを自社で構築することができます。

ワークフローシステムとは

ワークフローシステムは、組織や企業内での業務プロセスを自動化・管理するシステムです。申請、承認、進捗管理などの業務手続きを電子化し、タスクの流れやステータスを可視化します。

従業員は、システムを通じてタスクを依頼し、管理者や関係者はタスクを承認・処理します。紙を介さずに手続きが完了することにより、業務の効率化、透明性の向上、ヒューマンエラーの軽減などを実現します

ワークフローシステムは、経費精算や購買、契約管理など様々な業務領域に適用でき、効率的な業務遂行を支援します。

ワークフローシステムとは?機能やメリット・デメリットなどを解説

ワークフローシステムとは、社内の申請・承認・決裁業務を自動化できるシステムです。承認の進捗状況を可視化でき、業務の効率化にも繋がります。本記事では、ワークフローシステムをよく知らない方のために、機能やメリット・デメリット、自作できるかなどを解説しています。

オンプレミス型・クラウド型との比較

ワークフローシステムにはOSSの他に、オンプレミス型とクラウド型の2つの形態があります。オンプレミス型は、組織が自社内のサーバーやインフラにシステムを導入・運用する形態で、セキュリティ性やカスタマイズ性が高い一方、導入にコストと手間がかかります。

一方、クラウド型はインターネット経由で提供されるサービスで、ベンダーが運用・メンテナンスを担当し、低コストで導入できる利点があります。しかし、カスタマイズには一定の制約があります。

どの形態を選択するかは企業のニーズ、要件、予算によって異なりますが、それぞれの特徴を考慮して最適なワークフローシステムを選択することが重要です。

タイプ特徴
OSS無料で導入できるが、専門知識が必要
オンプレミス型自社内でシステムを運用、セキュリティやカスタマイズ性が高いが導入コストがかかる
クラウド型インターネット経由で提供され、低コストで導入できるが、カスタマイズ性が低い

他のワークフローシステム自作方法との比較

ワークフローシステムを費用を抑えて自作する方法には、OSSの他にもエクセルやGoogleフォームといった汎用ツールにワークフロー機能を実装する方法があります。

表計算ソフトであるエクセルには、「フローチャート」という機能があります。書類のフォーマットを作成したら、このフローチャート機能を使って承認ルートを作成することで、簡易的なワークフローシステムを自作することができます。

Googleフォームは、Googleが提供するフリーソフトで、「質問項目」に申請者名や申請内容などを設定することで承認フォームとして活用できます。また、スクリプトを使えば、必要に応じてメール通知の設定やスプレッドシートとの連携も行えます。

ただし、これらの汎用ツールはワークフローの制御に特化した機能を持っているわけではないので、機能の追加や高度化には制約があります

方法特徴
OSS柔軟性が高く、専門知識があれば高度なシステムも構築可能
エクセル知識がなくても簡単に作れるが、機能や自動化の範囲は限られる
Googleフォームエクセルよりも高機能なシステムを構築できるものの、機能拡張にはある程度の知識が必要

ワークフローシステムの自作方法|メリット・デメリットも解説

ワークフローシステムとは、業務で発生する申請・承認・決裁の流れを管理するシステムです。ワークフローシステムは自作することでコスト削減やセキュリティ向上などのメリットがあります。本記事ではワークフローシステムの自作方法やポイントなどを解説します。

OSSのワークフローシステムのメリット

近年、OSSのワークフローシステムは、柔軟性とコストパフォーマンスに優れたツールとして注目されています。ここでは、OSSのワークフローシステムのメリットについて解説します。

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OSSのワークフローシステムのメリット

  1. 無料で使える
  2. 高機能なシステムも自作可能

無料で使える

OSSのワークフローシステムは、無償で配布されているソースコードを利用するため、導入コストを抑えられます。そのため、企業や組織は高額なライセンス費用をかけずに、ワークフローシステムを導入できます。

また、OSSはソースコードを活用することで、カスタマイズや機能拡張も自由に行えます。これらの利点から、OSSのワークフローシステムはコストパフォーマンスに優れたシステムであると言うことができます。

高機能なシステムも自作可能

OSSはソースコードに手を加えることで柔軟にシステムを開発・改善できるため、組織のニーズに適したワークフローシステムを構築することができます。プログラミングの知識は必要ですが、独自の要件に合わせた高機能なワークフローシステムを作ることも可能です

自社の業務プロセスに最適化されたシステムを構築することで、より効果的なシステム運用ができ、業務効率の向上といったワークフローシステムの役割も最大限活かすことができるでしょう。

OSSのワークフローシステムのデメリット

OSSのワークフローシステムにはいくつかのデメリットも存在します。企業がOSSのワークフローシステムを選択する際は、適切な運用体制やスキルの確保が重要となります。以下に、OSSのワークフローシステムのデメリットについて解説します。

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専門知識が要求される

OSSの運用は、Java言語などの専門知識を必要とする場合があります。システムの導入やカスタマイズには、プログラミングやコーディングのスキルが必要であり、このような分野に精通していない担当者だけでは十分な理解と操作が難しいことがあります。

また、バグ修正やセキュリティアップデートなど、メンテナンスにも専門的な知識が必要です。そのため、OSSのワークフローシステムを導入する際には、適切な専門知識を持ったスタッフが必要となります

セキュリティが弱い

OSSのワークフローシステムのデメリットとして、無料で誰でも使える半面、セキュリティが弱い点が挙げられます。オープンソースの性質上、多くのユーザーがアクセスできるため、セキュリティ上の脆弱性が見つかりやすくなる危険性があります

特に、修正前の古いバージョンではセキュリティが脆弱になりやすく、それに対処しない場合には、セキュリティリスクが高まります。これらの問題を解消するためには、セキュリティに対する適切な対策と、最新バージョンへのアップデートを適宜行うことが重要です。

ライセンス違反に注意する必要がある

OSSのワークフローシステムは無償で提供されていますが、ライセンスが宣言されており、その条件を守ることが求められます。ライセンス違反をすると、利用停止や法的な問題が発生する可能性があります。

特に商用利用や再配布などの条件に注意する必要があります。そのため、利用開始前にライセンスに関する事項をよく確認し、遵守することが重要です。

問題が起きた場合は利用者の責任になる

オープンソース製品の開発元は、免責事項を設けており、問題が発生しても損害賠償を負わないことが一般的です。利用者は自己責任でソフトウェアを管理し、問題の解決や修正に対処しなければなりません。

また、セキュリティ上の脆弱性やバグが発生した場合も、著作権者によるサポートや補償は期待できません。したがって、問題が発生した際には利用者自身が法的責任を負う可能性があるため、注意が必要です。

OSSのワークフローシステムの選び方

ここでは、OSSのワークフローシステムを選ぶ際のポイントについて解説します。以下のポイントを考慮して、自社に最適なOSSのワークフローシステムを選びましょう。

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自社の業務フローに合った機能があるか

ワークフローシステムを選ぶ際は、業務プロセスを効率化するための必要な機能が揃っているかを注意深く見ておくことが大切です。例えば、申請書作成や自動承認、条件分岐などの機能があるか確認しておきましょう。

必要な機能があらかじめ備わっていれば、開発工数も削減できます。自社のニーズに適した機能が備わっているかをしっかりチェックして、業務の円滑化に貢献するOSSのワークフローシステムを選びましょう

複雑な承認ルートにも対応しているか

システムが複雑な承認ルートにも対応しているかも確認しましょう。特に大きな会社では、承認までに複数の部署をまたぐことが多いため、複雑な承認ルートを処理できる機能が必要です

用件によって異なる承認フローを柔軟に設定できるか、条件分岐などでのルート設定が可能かを確認し、自社の組織構成に対応できるワークフローシステムを選びましょう。

定期的にアップデートされているか

システムの安定性とセキュリティ性を保つためには、定期的なアップデートが行われているかを確認することが重要ですアップデートにより新機能やセキュリティ対策が提供されるため、定期的なアップデートが行われているシステムを選ぶことで安心して利用できます。

なお、OSSは無償配布されているため、アップデートが停止する場合もあるので注意が必要ですコミュニティの活発さや開発者のサポート体制も参考にして、将来的なアップデートが保証されているOSSのワークフローシステムを選択しましょう。

開発工数を削減できる仕組みがあるか

開発工数を削減するためのポイントは、機能の確認だけではありません。OSSのワークフローシステムの中には、ローコードで開発できるものや複数のテンプレートがあらかじめ用意されているものなど、開発をスムーズに行える仕組みが整っているものがあります。

こういったシステムを使えば、社内に十分な人的リソースがない場合などでも、短期間でワークフローシステムを導入することができます。
また、マニュアルの充実度も事前に確認しておくべきポイントです。丁寧なマニュアルがあれば、開発中や運用中に疑問や問題が発生した際も、スムーズに解決できます。

まとめ

OSSのワークフローシステムは無償で利用可能で、柔軟なカスタマイズが可能なため高機能なシステムを構築できる点がメリットです。一方、デメリットとしては、セキュリティやサポート面でのリスク、専門知識が必要なことが挙げられます。

OSSのワークフローシステムを選ぶ際は、自社に合った機能があるか、複雑な承認ルートに対応しているかなどに加え、定期的なアップデートが行われているかを確認しましょう。セキュリティリスクを考慮しつつ、使いやすいワークフローシステムを選ぶことが重要です。

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