オンプレミス型のワークフローシステムとは?メリットや選び方を解説

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- ワークフローシステムは申請・承認業務をデータ化し、業務効率化を図るシステムである
- オンプレミス型ワークフローシステムは、セキュリティ性やカスタマイズ性に優れている
- 選ぶ際は、必要な機能の有無や使いやすさ、既存システムとの連携性などを確認する
ワークフローシステムとは、申請・承認といった一連の業務を電子化するシステムで、クラウド型とオンプレミス型があります。オンプレミス型は、高いセキュリティ性とカスタマイズ性が特徴です。本記事では、オンプレミス型ワークフローシステムのメリットや選び方を解説します。
オンプレミスとは

オンプレミスとは、自社内のデータセンターやサーバールームにシステムを配置して運用する形態です。特徴は、データ管理とセキュリティの高度な制御やカスタマイズ性の高さです。一方、クラウドはインフラやサービスをクラウドプロバイダーが提供する形態で、保守管理をベンダーに任せられるのが特徴です。
どちらを選択するかは、自社のセキュリティポリシーやカスタマイズの重要性、予算やリソースの状況、運用の柔軟性などを確認しながら決めましょう。
ワークフローシステムとは
ワークフローシステムとは、承認や申請といった一連の流れを電子化し、効率化するシステムです。紙での申請は申請書を作成する手間だけでなく保管の手間もかかるため、ワークフローシステムの導入による効率化が進んでいます。
紙の申請書は、申請から承認までの流れの中でさまざまな人や部署に渡るため、途中で紛失するケースや閲覧権限を持たない社員の目に触れるというリスクもあります。ワークフローシステムでは、このようなリスクを避けられるのも利点です。
オンプレミス型ワークフローシステムのメリット

ここでは、オンプレミス型のワークフローシステムを導入するメリットについて解説します。オンプレミス型は、セキュリティ性やカスタマイズ性を求める企業にとって有益な選択肢です。自社のニーズと比較して、導入を検討しましょう。
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オンプレミス型ワークフローシステムのメリット
自社でセキュリティ対策ができる
オンプレミス型のワークフローシステムは、データが自社内にあるため、セキュリティの自社管理が可能です。そのため、企業は独自のセキュリティポリシーや規制に基づいてデータを保護できます。
一方、クラウド型はプロバイダーがセキュリティを提供しますが、自社のセキュリティ要件に完全に合致することが難しい場合もあります。オンプレミス型は、特に厳重に情報を管理したい金融機関などの組織に向いていると言えるでしょう。
カスタマイズ性が高い
オンプレミス型では、企業がシステムを自社のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできます。既存の業務プロセスやワークフローを反映させるだけでなく、独自の要件や規則に合わせたカスタム機能やルールの追加が可能です。
一方、クラウド型では提供される機能やルールが限定されており、カスタマイズの自由度は低くなります。そのため、特に複雑な組織や高度な業務ルールを持つ企業にとって、オンプレミス型はメリットが大きいと言えるでしょう。
他システムとの連携がしやすい
オンプレミス型は連携性が高いため、これから導入するシステムの選択肢を狭めません。一方クラウド型では、データが外部に存在し、連携が制限される場合があります。
そのためオンプレミス型は、既存システムとのシームレスな連携が要件となっている場合にもおすすめです。特に、複雑な業務プロセスがある場合や大規模な組織では、既存システムとのデータの一元管理や処理の自動化ができると便利です。
組織変更・事業拡大にも対応しやすい
オンプレミス型は、システムのカスタマイズ性や制御性が高く、組織の変化に合わせてワークフローを調整できます。新たな部門の追加や統合・業務プロセスの再設計など、組織変更に伴うワークフローの変更が可能です。
さらに、オンプレミス型には多言語対応のものも多く、国際展開や海外拠点のワークフロー管理にも適しています。異なる地域や言語における業務ルールや承認フローの設定が可能で、グローバルなビジネス環境に適応可能です。
オンプレミス型ワークフローシステムのデメリット

オンプレミス型ワークフローシステムを導入するメリットは多いですが、デメリットもあります。デメリットを把握した上で、導入するか検討しましょう。
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オンプレミス型ワークフローシステムのデメリット
必要コストが高額
オンプレミス型ワークフローシステムのデメリットとして、必要なコストが高額な点が挙げられます。初期費用に加えて、ライセンス費用やネットワーク機器の導入費用、構築の人件費など、様々なコストがかかります。
また、導入後もメンテナンスやトラブル対応などの保守費用が必要で、導入時だけでなく継続的に費用がかかります。
運用やメンテナンスに専門知識が必要
オンプレミス型のワークフローシステム運用には、専門的な知識が必要です。導入時にはすでに使用している他のツールと連携させながら、自社に適したカスタマイズを行わなければなりません。
その上、バージョンアップなどのメンテナンスだけでなく、緊急のトラブルにも社内で対応しなければなりません。そのため、専門的な知識を持ったITエンジニアの確保が不可欠です。
リモートワークには向かない場合がある
オンプレミス型ワークフローシステムは社内のネットワークを使用するため、リモートワークや在宅勤務には向かないという側面があります。そのため、多様な働き方を積極的に取り入れたい企業とは、やや相性が悪いかもしれません。
社外からオンプレミス型ワークフローシステムにアクセスするには、VPNやリモートデスクトップなどの設定が必要です。しかし、VPNやリモートデスクトップを使用すると通信速度が落ちることもあり、業務に支障をきたす可能性もあります。
オンプレミス型ワークフローシステムの選び方

ここでは、オンプレミス型ワークフローシステムを選ぶ際のポイントについて解説します。以下のポイントに考慮して、組織のニーズと要件に合ったシステムを選び、効率的な業務プロセスとシステムの運用を図りましょう。
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オンプレミス型ワークフローシステムの選び方
自社に合った機能があるか
企業の業務ニーズやワークフローの特性に応じて、必要な機能が提供されているかを確認しましょう。例えば、経費精算や契約管理、購買プロセスなどの特定の業務に特化した機能が必要な場合、それに対応したワークフローシステムを選ぶことが重要です。
組織のニーズと要件にマッチする機能を持つシステムを選ぶことで、ワークフローを円滑化できるだけでなく、コストの無駄も回避できます。
従業員が使いやすいか
従業員がシステムを使いやすく、快適に操作できることは、業務効率や生産性の向上に直結します。使いやすいインターフェースや直感的な操作フローなど、ユーザビリティの優れたシステムを選ぶことで、社内にも定着しやすいでしょう。
使いやすいシステムを選べば業務が滞りなく進み、タスクの処理時間を短縮することができます。また、使いやすいシステムは従業員のストレスを軽減し、モチベーションの向上にもつながります。
逆に、従業員がシステムに抵抗感を感じると、業務の効率性や品質に悪影響を及ぼす可能性があります。組織全体の生産性や従業員満足度を左右するため、従業員にとって使いやすいかという目線を忘れずに選択しましょう。
既存システムと連携できるか
前述のように、オンプレミス型はクラウド型と比べて既存システムとのデータ統合や連携がしやすいのがメリットです。ただし、連携できるシステムは製品によって異なるため、事前に可否を確認しておきましょう。
既存システムとのシームレスに連携できれば、効率的な業務運用と工数削減につながります。また、業務プロセスの自動化や情報のリアルタイム更新が可能になります。
そして、連携によって自動でデータが同期されることで、ヒューマンエラーのリスクを減らし、時間と手間の削減が可能です。
加えて、ワークフローシステムを導入する際は、既存システムとの連携可否の他、連携方法も確認しておくと良いでしょう。
人事異動・組織変更に対応できるか
人事異動・組織変更に対応できるかも確認しましょう。変動する組織に対応するには、部門や役職の追加・変更、承認フローの再構築などに対応できるワークフローシステムを選ぶ必要があります。また、将来的なニーズを見越して必要な機能も考慮しましょう。
例えば、グローバル展開や異なる地域での業務遂行において、多言語対応の機能が必要となる場合があります。将来的な組織変更や企業の成長に伴うワークフローの変更・拡張が容易であることが望ましいでしょう。
サポート体制は充実しているか
オンプレミス型ワークフローシステムは、社内での長期的な保守管理が必要です。そのため、ベンダーによるサポート体制が充実しているかどうかも重要なポイントになります。バージョンアップやトラブル発生時のサポートが手厚いと安心です。
また、サポート内容や手段・対応時間帯・スピードなどに加え、サポートにかかる費用もチェックしておきましょう。特に、社内で専門知識を持つ人材の確保が難しい場合は、導入から運用開始後まで継続的な支援がある製品がおすすめです。
まとめ

オンプレミスとは、自社のサーバーやデータセンターにシステムを設置・運用する方式です。セキュリティ性とカスタマイズ性が高く、既存システムと連携しやすい特徴があります。
ただし、導入費用が高額になる点や保守管理が必要になる点には注意が必要です。導入時は自社に必要な機能があるか、従業員が使いやすいかなどを確認し、自社の業務フローに合ったシステムを選択して、業務の効率化を目指しましょう。
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