DDoS攻撃とは?DDoS攻撃を行う目的・被害や脅威も解説

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  • DDoS攻撃は、多数の端末でアクセス要求を送り、サーバーの処理能力を停止させること
  • DDoS攻撃の被害は、サーバーダウンによるサービス停止で経済的な損失を被ること
  • サイバー攻撃の脅威は、自社が被害を受けるだけではなく加害者になる恐れがあること

DDoS攻撃とは、多数の端末でアクセス要求を行いWebサイトなどのサーバーの処理能力を停止させるサーバー攻撃を指します。本記事では、DDoS攻撃の意味や概要を交え、DDoS攻撃を行う目的や被害内容をわかりやすく解説します。

目次

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  1. DDoS攻撃とは
  2. DDoS攻撃の仕組みと目的
  3. DDoS攻撃の今後
  4. DDoS攻撃の種類
  5. DDoS攻撃を受けた場合の被害
  6. DDoS攻撃の脅威
  7. DDoS攻撃対策が必要な企業の特徴
  8. DDoS攻撃への対処法
  9. Webサイトを運営するならDDoS対策ツールが有効
  10. まとめ

DDoS攻撃とは

DDoSとは、”Distributed Denial of Service“の略称で、読み方は「ディードス」です。DDoS攻撃は「分散型サービス妨害攻撃」とも呼ばれ、不特定多数の端末から一斉に大量のアクセス要求をし、サーバーに負荷をかけて処理を停止させる悪意のあるサイバー攻撃です。

通常、Webサイトやサービスは一定のトラフィック量を処理するように設計されていますが、DDoS攻撃はそれを超える大量のリクエストを一斉に送信するため、Webサイト側は処理不能となり、サイトを運営している企業や組織のビジネスに深刻な影響を及ぼします。

DDoS攻撃の目的は、競合他社のサービス妨害や政治的・社会的な動機の場合もあります。本記事では、DDoS攻撃の意味や概要を交え、仕組みや目的・種類・被害や脅威・対処法などをわかりやすく解説します。

DoS攻撃との違い

DDoS攻撃とDoS攻撃は、いずれもサービス拒否攻撃の一種であり、ネットワークやサーバーに対してアクセス不能を引き起こすことを目的としていますが、攻撃の方法や規模において大きな違いがあります。

DoS(Denial of Service)攻撃は、単一のコンピューターやマシンから、特定のサービスなどに対して大量の不正なトラフィックを送信する攻撃です。攻撃は1つのマシンから行われるため、比較的小規模な攻撃であり、攻撃源を特定しやすい傾向があります。

一方、DDoS攻撃は分散型の攻撃で、複数の感染されたマシン(ボットネット)を遠隔操作し、大量のトラフィックやリクエストを攻撃対象に一斉に送信します。DDoS攻撃は大規模かつ広範囲にわたる攻撃のため、攻撃源を特定することが難しくなります

DDoS攻撃の仕組みと目的

DDoS攻撃の仕組みはどのようになっているでしょうか、また目的は何でしょうか?ここからは、仕組みや目的について解説します。

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DDoS攻撃の仕組みと目的

  1. DDoS攻撃の仕組み
  2. DDoS攻撃の目的

DDoS攻撃の仕組み

DDoS攻撃は、ボットネットを使用して行われることが多いです。ボットネットとは、有害プログラムのボットに感染した複数のゾンビコンピューターで構成されるネットワークのことです。攻撃者は遠隔操作で指令を送り、大量のトラフィックを送信します。

このトラフィックが攻撃対象のシステムやネットワークに集中することで、システムはトラフィックの処理に追われ過負荷となり、処理能力を失います。その結果、正常なトラフィックが処理されず、一般ユーザーは長時間待たされることになります。

また、継続的な攻撃を行うことで、攻撃対象のシステムを長時間にわたってダウンさせる場合があります。長時間の攻撃を受けたシステムは、影響を拡大させることになり、甚大な被害を被ります。

DDoS攻撃の目的

DDoS攻撃の目的はさまざまですが、ここからは、その中の主なものとして金銭の要求・社会的な抗議・嫌がらせ・営業妨害・機密情報の窃盗などについて解説します。

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DDoS攻撃の目的内容
金銭の要求・金銭を要求する目的でDDoS攻撃を仕掛ける
・金銭が支払われると攻撃を停止
社会的抗議・特定の政治的な問題に対する抗議としての攻撃
・社会的な不平等や人権侵害、環境問題などに対しての抗議
嫌がらせ・組織や団体に対する不信感や悪評判を広める
・攻撃の対象を社会的に孤立させる
営業妨害・攻撃対象の経済的な損失や信頼性の喪失を招く
・自社の地位の強化を狙う
機密情報の窃盗・DDoS攻撃に注意を向け、その間に機密情報を窃盗
・個人情報や企業の機密情報の流出による、重大なセキュリティ上のリスク

金銭の要求

金銭の要求が行われる場合は「ランサム(身代金)DDoS(RDoS)」と呼ばれる攻撃が行われます。ランサムDDoS攻撃は、攻撃者が特定の組織や企業に対して大規模なDDoS攻撃を行い、その攻撃を止める条件として金銭を要求します。

目標となるサーバーやネットワークに対して、大量の不正なトラフィックやリクエストを送信する攻撃が行われ、正常なアクセスが阻害されます。攻撃者は、攻撃を止める条件として、一定期間内に指定された金額を支払うことを要求するメッセージを送信します。

攻撃対象が要求に応じて金銭を支払うと、攻撃者はDDoS攻撃を停止しますが、支払ったにもかかわらず、再び攻撃を行うといった非常に悪質なケースもあります。被害に遭った場合は、警察やサイバーセキュリティ専門家に相談し、適切に対応しましょう。

社会的抗議

攻撃者が政治的、社会的な問題に対する意見や主張を示すために、サイバー攻撃を仕掛ける場合があります。DDoS攻撃により、インターネット上で意見を表明し、政治的や社会的な変化を促進しようとするのが特徴です。

攻撃者は、特定の政治的な問題に対して抗議するために、政府のWebサイトや公共機関を攻撃の対象とすることがあります。政治的主張を広める手段としてDDoS攻撃を実行することで、社会的な議論を刺激しようとします。

また、社会的な不平等や人権侵害、環境問題などに対して抗議する場合もあります。DDoS攻撃を通じて、関連する組織や機関をターゲットにし、社会的な改革や正義をアピールしています。

嫌がらせ

DDoS攻撃の目的には、嫌がらせも含まれます。特定の個人や組織、またはコミュニティを標的にし、不快感や苦痛を与えることを目的とした嫌がらせの攻撃を行います。

攻撃者は、個人的な対立や敵意に基づいて特定の個人や組織、団体を標的に選び、嫌がらせのDDoS攻撃を仕掛けます。ターゲットとなるWebサイトやオンラインサービスは過負荷により処理不能となり、不便さや混乱状態が引き起こされます。

DDoS攻撃による嫌がらせは、攻撃者の意図によってさまざまな形を取ります。ターゲットを困惑させたり、社会的に孤立させたりします。また、組織に対する不信感を広めるために行うケースもめずらしくありません。

営業妨害

営業妨害を行う目的としたDDoS攻撃は、競合他社や特定のビジネスを標的にし、そのWebサイトやサービスに対して攻撃が仕掛けられます。その結果、被害者の経済的な損失や信頼性の喪失を引き起こし、競争力を消失する場合があります。

DDoS攻撃によって、競合他社のWebサイトやオンラインストアが一時的または長期的にダウンすることで、商品の販売やサービス提供に影響が出ます。攻撃対象となったサイトは、さらなる攻撃に対抗するため追加リソースの投入など追加コストが発生します。

営業妨害のDDoS攻撃は、攻撃者が特定の業界や市場での競争力を高めるために仕掛ける場合が多いです。攻撃者は、競合他社のビジネスを混乱させ、不利な状況に追い込むことで、自社の地位を強化しようとします。

機密情報の窃盗

DDoS攻撃の目的として、機密情報の窃盗が挙げられます。攻撃者はターゲットのシステムやネットワークに対してDDoS攻撃を仕掛け、その攻撃の混乱や騒乱などを利用して、攻撃対象から機密情報を盗み出します。

機密情報の窃盗を目的とするDDoS攻撃は、攻撃対象に深刻な経済的な損失や信頼性の喪失をもたらすだけでなく、顧客の個人情報の漏洩や企業の機密情報の流出など、重大なセキュリティ上のリスクをもたらします。

DDoS攻撃の今後

DDoS攻撃は、今後も被害が増えていくと予想されています。IoT機器やモバイルデバイスの増加に伴いボットネットが拡大しているため、より複雑で大規模なDDoS攻撃が増える見通しです。

また、DX推進によりアナログ主義だった企業のデジタル化が進み、DDoS攻撃の対象が増えています。さらに、アンダーグラウンド市場ではDDoS攻撃がビジネス化され始めていることもあり、DDoS攻撃対策は早急に取り組むべきものと言えるでしょう。

DDoS攻撃の種類

DDoS攻撃の種類はいくつかの種類やパターンがあります。その中の代表的なSYNフラッド攻撃・FINフラッド攻撃やACKフラッド攻撃、UDPフラッド攻撃、DNSフラッド攻撃、Slow HTTP DoS Attackについて、以下の表にまとめました。

DDoS攻撃の種類内容
SYNフラッド攻撃・FINフラッド攻撃・SYNパケットのみを洪水のように送り続けることにより、システムの処理不能が発生
・FINパケットのみを大量に送信することで、大量の半開接続を抱えさせ、ソースの枯渇や正規接続の遮断が発生
ACKフラッド攻撃・大量のACKパケットを送信してサーバーを過負荷状態にする
・サーバーは、大量のACKパケットの処理に追われ正規のサービスへの対応不可
UDPフラッド攻撃・UDP(User Datagram Protocol)を大量に送信して過負荷にする攻撃
・正規のトラフィックの処理が停滞
DNSフラッド攻撃・DNS(Domain Name System)サーバーに大量のDNSリクエストを送信する攻撃
・DNSサーバーを過負荷にして正規のDNS応答を妨害
Slow HTTP DoS Attack・HTTP(HyperText Transfer Protocol)の断片的で不完全な通信要求を低速で送り続ける
・通信要求を完了できず、この処理に追われ障害が発生

DDoS攻撃を受けた場合の被害

DDoS攻撃を受けると、さまざまな被害が発生します。ここからは、主な被害として挙げられる4つについて解説します。

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サイトがサーバーダウンしサービスを使えなくなる

攻撃者が大量のトラフィックをサーバーに送信することで、サーバーは処理に追われ、リソースを使い果たすとサーバーがダウンします。ダウンが発生すると、Webサイトやオンラインサービスが利用できなくなり、ユーザーはサイトにアクセスできなくなります。

また、サーバーが過負荷状態になると、正規のトラフィックの処理が遅れることがあります。その結果、Webページの読み込みが遅くなったり、サービスの応答時間が長くなったりします。そして、ユーザーはサービスの利用に時間がかかるので、ストレスを感じます

攻撃によるサービスの遅延やダウンは、企業や組織のブランドイメージに悪影響を及ぼす可能性があります。ユーザーは企業に対して信頼性の低いサービスを提供しているとのイメージを抱き、競合他社のサービスに切り替えることも考えられます。

サーバーが脆弱になる

DDoS攻撃を受けると、接続要求などのトラフィックがサーバーに集中します。その結果、攻撃トラフィックの処理にサーバーのリソースが使い果たされ、過負荷になります。この状態が長く続くと、サーバーは脆弱になり、正規のトラフィックを処理できなくなります

サーバーが過負荷になると、正規のトラフィックの処理が遅延してしまい、Webページの読み込みや応答時間が長くなり、サイトへの信頼度や好感度が低減します。このようなパフォーマンスの低下は、ユーザーの満足度を低下させることにもつながります

機密情報が搾取される

DDoS攻撃を受けたサーバーが脆弱な状態になることを悪用し、攻撃者がバックドア(裏口)として利用できるセキュリティホールを見つけることがあります。そして、このバックドアを介してサーバーに侵入し、機密情報を盗み出します

攻撃者は、このバックドアから侵入し、サーバー内に保存されている機密情報にアクセスできるようになることにより、企業の秘密情報や個人情報、クレジットカード情報などが盗まれる危険性があります。

経済的な損失を受ける

DDoS攻撃によってサービスが遮断されると、Webサイトやオンラインショップが利用できなくなります。これにより、企業は売上を失う可能性があります。特にオンライン販売を主な収益源とする企業は、サービスの遮断が直接的に経済的な損失につながります。

DDoS攻撃による過負荷は、サーバーのハードウェアやソフトウェアに影響を及ぼす場合があります。サーバーが故障した場合の修理や、リソースが不足している場合は、リソースの追加を行う必要があり、予期せぬコストが発生する可能性があります。

また、攻撃によってサービスが遮断されると、企業はクライアントとの信頼関係を損ねることにもなります。クライアントはサービスの信頼性が低下したと感じ、他のサイトへ切り替えることになり、このような場合の経済的な損失は大打撃と言えます。

DDoS攻撃の脅威

DDoS攻撃では、攻撃を受けることでサーバーが脆弱になってしまいますが、その被害は自社に留まりません。個人情報の漏えいなど大きな問題に発展するケースがある上に、脆弱な状態のコンピューターが新たなボットとなり、加害者になる可能性もあります。

そのため、企業や組織は、セキュリティ対策の強化やDDoS攻撃検知システムの導入など、DDoS攻撃からの保護を強化する必要があります。

個人情報漏洩の危険性

DDoS攻撃の際には、攻撃者は混乱を利用して、バックドアを設置することがあります。このバックドアは、正規のアクセス経路を迂回して不正にサーバーにアクセスする手段であり、攻撃者がサーバーに対して自由にアクセスできるようになります。

このバックドアを利用して、攻撃者は個人情報などにアクセスすることにより、個人情報を盗むことができます。また、ユーザーのログイン情報やパスワードを盗むこともあり、ほかのオンラインアカウントに不正にアクセスする恐れもあります。

これらの脅威により、DDoS攻撃は単なるサービス遮断だけでなく、個人情報漏洩などのセキュリティリスクをもたらすことがあります。そのため、組織や企業は、セキュリティ対策の強化や個人情報漏洩のリスクを最小限に抑える対策を講じる必要があります。

DDoS攻撃対策が必要な企業の特徴

DDoS攻撃はインターネットを経由して行うため、業務でインターネットを使用する企業は対策が必要です。DXの推進によりデジタル化を図っている企業が多いこともあり、対策が必要な企業がほとんどとも言えます。

その中でも特にDDoS攻撃対策に注力しなければならないのは、ホームページやECサイトの運営、オンラインサービスを提供しているなど、インターネットでユーザーにサービスを提供している企業です。

インターネット経由でサービスを提供している場合、社内だけでなくユーザーにまで被害が及びます。オンラインミーティングを提供している企業がDDoS攻撃を受けると、ミーティングを行えず、場合によっては法人ユーザーの業務にまで支障が出ます。

自社のサービスをインターネット経由で提供している企業は、特に力を入れてDDoS攻撃対策を行いましょう

DDoS攻撃への対処法

DDoS攻撃の脅威への対処法はいくつかありますが、ここでは、その主な方法として、IPアドレスの制限を行うことや国外からのアクセスを制限する、CDNを利用する、DDoS対策ツールやシステムを導入する、などの観点から解説します。

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IPアドレスの制限を行う

DDoS攻撃への対処法の1つとして、IP(Internet Protocol)アドレスの制限を行うことが挙げられます。IPアドレスの制限は、特定のIPアドレスからのトラフィックを制限することで、攻撃元となるIPアドレスからの攻撃を防止する手法です。

DDoS攻撃を受けた場合、まず攻撃トラフィックを特定する必要があります。攻撃トラフィックは、通常、異常に大量のトラフィックや特定のパターンを持っているため、攻撃の特徴を分析して、攻撃元のIPアドレスを把握します。

特定ができたら、攻撃元のIPアドレスをブロックします。これにより、攻撃元のIPアドレスからのトラフィックがサーバーに到達しなくなり、攻撃を阻止することが可能となります。ただし、一般ユーザーを制限しないようにアドレスの検証は慎重に行いましょう。

国外からのアクセスを制限する

DDoS攻撃への対処法には、国外からのアクセスを制限する方法もあります。DDoS攻撃は国外から行われていることが多いため、国外からのアクセスを制限することで、DDoS攻撃の影響を低減することができます。

国外からのアクセスを制限するためには、国別のIPアドレスリストを取得する必要があります。インターネット上には、国別のIPアドレスリストを提供するサービスがいくつか存在します。これらのリストを使用して、特定の国のIPアドレスを特定します。

 取得した国別IPアドレスリストを基に、制限対象となる国のIPアドレスをファイアウォールやセキュリティ機器に登録します。その結果、特定の国からのトラフィックが制限されるようになります。

CDNを利用する

DDoS攻撃の効果的な対処法として、CDN(Content Delivery Network)の利用が挙げられます。CDNは、複数のサーバーが地理的に分散配置され、コンテンツやWebサイトの配信を高速化する技術です。

CDNは、DDoS攻撃を検知し、攻撃トラフィックをフィルタリングする機能があります。これにより、CDNプロバイダは攻撃トラフィックを特定し、悪意のあるトラフィックをブロックして、正規のトラフィックのみをサーバーに転送することで、攻撃を防止します。

CDNの利用により、DDoS攻撃に対するサーバーの負荷を軽減し、正規のトラフィック保護ができます。特に、高トラフィックのWebサイトなどにとっては、CDNの利用が非常に有効です。適切なCDNプロバイダの選択により、攻撃からの保護が可能となります。

DDoS対策ツールやシステムを導入する

DDoS攻撃から自社のWebサイトを守るには、DDoS対策ツールやシステムの導入がおすすめです。DDoS対策ツールやシステムは、攻撃トラフィックを検知し、攻撃からの保護を強化する役割を果たします

DDoS攻撃対策の基本は攻撃の早期検知です。DDoS攻撃検知システムは、ネットワーク上のトラフィックを監視し、異常データや攻撃トラフィックを特定する役割があります。最近は、攻撃トラフィックの特徴を学習して検知するAI技術を活用することもあります。

クラウドベースのDDoS保護サービスは、DDoS攻撃のトラフィックをクラウド上でフィルタリングし、正規のトラフィックのみをサーバーに転送します。これにより、攻撃トラフィックがサーバーに到達する前にブロックでき、安心してWebサイトを運営できます。

Webサイトを運営するならDDoS対策ツールが有効

ECサイトやオンラインゲームなどの事業をしている場合には、DDoS対策としてツールの導入が効果的です。ここでは、ツールとしてのWAFやIPSの導入について解説します。

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Webサイトを運営するならDDoS対策ツールが有効

  1. WAFを導入する
  2. IPSを導入する

WAFを導入する

WAF(Web Application Firewall)は、Webサイトのセキュリティを強化し、WebアプリへのDDoS攻撃などを検知して防御するセキュリティの防火壁・対策ツールです。WAFはアプリケーションレベルでトラフィックを監視し、不正なアクセスや攻撃をブロックします。

WAFは、Webサイトを表示する際に利用されるプロトコルの内容を詳細に検査し、不正なトラフィックやパターンを特定します。例えば、「SQLインジェクション」や「クロスサイトスクリプティング(XSS)」などの、悪意ある攻撃を検知することができます。

WAFを導入することで、Webアプリケーションの脆弱性からくるセキュリティリスクを最小限に抑え、DDoS攻撃などへの保護を強化できます。

IPSを導入する

IPS(Intrusion Prevention System))は、ネットワークやシステムへの侵入を防ぐためのセキュリティ対策ツールです。IPSはネットワークトラフィックを監視し、不正なアクセスや攻撃を検知してブロックすることで、セキュリティを強化します。

IPSは、DDoS攻撃の検知と対策としても効果的に利用されます。攻撃トラフィックの異常な動作や既知の攻撃パターン(シグネチャ)に基づいて悪意ある攻撃を検知します。このような検知方法を活用し、トラフィックの制御を行うことで、DDoS攻撃を防ぎます。

IPSは、ネットワークセキュリティを強化する重要なツールであり、侵入や攻撃を防ぐ役割を果たします。組織や企業において、セキュリティ専門家が適切なIPSの設定や定期的な監視・更新を行い、セキュリティを維持・強化することが非常に重要になります。

まとめ

DDoS攻撃は、多数の端末から大量のアクセス要求を送信し、Webサイトなどサーバーを過負荷状態に追い込むサイバー攻撃です。攻撃者は、一般的にボットネットと呼ばれる多数の感染コンピュータや不正に制御されたデバイスを利用して攻撃を実行します。

DDoS攻撃は、サーバーの処理能力を超える膨大なトラフィックを生成し、正規のリクエストに対する応答を妨げます。これにより、Webサイトやオンラインサービスが応答しなくなり、アクセス不能となる可能性が高まり、多大な被害をもたらします。

対策として、WAFやIPSなどのセキュリティ防御ツールの導入が効果的です。これらの対策を行って、攻撃トラフィックの検知やブロック、リクエストのフィルタリング、分散処理などの方法でDDoS攻撃からの保護を強化しましょう。

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