インフルエンサーマーケティングとは?メリット・デメリットも解説

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  • インフルエンサーマーケティングとは、影響力を持つ人に商品などをPRしてもらうこと
  • リアルな体験談を発信してくれるため、信頼や共感を得やすく購入につながりやすい
  • 依頼する方法としては、直接連絡する・専門の会社に代行してもらう方法などがある

インフルエンサーマーケティングとは、SNSなどで大きな影響力を持つ人物に自社の商品やサービスを紹介してもらうマーケティング手法です。本記事では、インフルエンサーマーケティングのメリット・デメリット、導入時の注意点、PRを依頼する方法などを解説します。

目次

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  1. インフルエンサーマーケティングとは
  2. インフルエンサーマーケティングのメリット
  3. インフルエンサーマーケティングのデメリット
  4. インフルエンサーマーケティングを行う際の注意点
  5. インフルエンサーにPRを依頼する方法
  6. まとめ

インフルエンサーマーケティングとは

インフルエンサーマーケティングとは、SNSなどで大きな影響力を持つインフルエンサー(influencer)に依頼して、企業や商材についての情報をPRしてもらうマーケティング手法です。

インフルエンサーは、SNS上で他のユーザーに対する大きな発言力・影響力をもつユーザーを指します。芸能人や有名人だけではなく、一般ユーザーであっても発信能力があればインフルエンサーになれます。

近年では、インフルエンサーを通してそれぞれのフォロワーを含めたユーザーにPRを行い、広く拡散される可能性を持つマーケティング手法として注目されています。

インフルエンサーとは

インフルエンサーとは、各コミュニティ上において大きな支持や影響力を持つ芸能人・有名人・ユーザーを指します。代表的なコミュニティは、YouTube・Twitter(X)・InstagramなどのSNSです。

主に、ビジネス・ファッション・美容・グルメ・旅行・スポーツなど、多岐の分野で活躍しています。インフルエンサーは、以下のように分類できます。

フォロワー数特徴
トップ/メガインフルエンサー数十万人~・テレビなどのメディア露出が多い
・特定のカテゴリーやコミュニティでトップに立つケースが多い
マクロ/パワーインフルエンサー10万人~・メディア露出はそれほど多くない
・SNSなどネット上で特別な存在として扱われ、フォロワーとの距離が比較的近い
マイクロインフルエンサー1万~10万人程度・フォロワーとの距離が近く、親しみを感じられやすい 
・狭い分野やカテゴリーに限定しているケースが多い
ナノインフルエンサー数千~1万人程度・ニッチなコミュニティでの影響力が強い
・フォロワーと密着した関係

市場規模が高まるインフルエンサーマーケティング

インターネット・SNSの普及により、インフルエンサーマーケティングの市場規模は年々高まっています。特に、新型感染症の蔓延による影響が大きく、個人のスマートフォン・SNSの利用が増えたことにより、SNSから商品・サービスを購入する層も増加しました。

ユーザーは直接店舗に足を運ぶ必要がなく、感染対策の観点や動画などを見てすぐに購入を決断できる手軽さという点からも、年々需要が高まっているのが現状です。

インフルエンサーマーケティングのメリット

個人の趣味や嗜好が多様化し、テレビなどの中心的なメディアから情報チャネルが増えた現在では、従来のマーケティング手法では狙い通りに機能しづらい傾向にあります。

新しい手法であるインフルエンサーマーケティングには、これまでのマーケティングには見られない多くのメリットがあります。ここでは、インフルエンサーマーケティングのメリットを解説します。

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共感・信頼を得やすい

多くのフォロワーに対し、大きな影響を与えるインフルエンサーによるブランドや商品に関する発信では、支持されるファンから「同じ体験がしたい」「〇〇さんの言っていることなら信頼できる」のように、共感・信頼を得やすく購入に結びつきやすい特徴があります

特に、新ブランドや新商品などは、初めにユーザーからの信頼や共感を獲得していかなければなりません。しかし、広く認知されていない状態において、短期間で信頼などを獲得することは相当難しいため、インフルエンサーの活用が非常に有効な手段となります。

さまざまなマーケティング施策ができる

インフルエンサーマーケティングは、商品の購入に結びつけるために複数の対策が行われます。例えば、製品やサービスの使用感を投稿してもらう、共同企画を行うなど、さまざまなマーケティング施策が挙げられます。

形態内容
ギフティングインフルエンサーに製品を送り、体験した感想をSNSに投稿してもらう
現地訪問店舗への来店やイベントに参加してもらい、レポートしてもらう
商品監修インフルエンサーと商品の共同制作を行う
ライブコマースライブ配信でインフルエンサーに商品紹介をしてもらう
アンバサダーインフルエンサーにブランドの広告としてパートナーシップを結び、ブランドのチャームポイントなどをSNSで発信してもらう

特定の層をターゲットにできる

ファッション・グルメ・コスメ・旅行など、各ジャンルに特化したインフルエンサーは、それぞれのジャンルへの興味・関心が高いフォロワーからの支持を数多く得ています

そのため、年代別・男女別・地域別・ミニマリスト・美容好きなど、ジャンル別でターゲットの把握ができ、狙いたい顧客層に向けて集中的にマーケティング施策が行える点は大きなメリットです。

例えば、ファッションに特化したインフルエンサーに製品をPRしてもらうことで、ファッションに興味や関心の高いユーザーへ、自社商材の効果的な訴求ができます。

ユーザー目線でレビューしてくれる

インフルエンサーは、製品やサービスを実際に使った感想を消費者の目線でわかりやすくレビューしてくれるため、企業発信のPRと異なり、ユーザーは信頼性が高いと感じやすいです。

実際に使用したユーザー視点で感想をPRすると説得力が高いため、ユーザーの興味・関心・共感の獲得に貢献しやすくなります。また、正直な感想による現行製品へのフィードバックによって、品質改善や新製品の開発においても役立ちます。

通常の広告よりも受け入れられやすい

インフルエンサーによるマーケティングは、商品やサービスの口コミが主な拡散方法です。

具体的には、動画で実際の使用感などが話し手の言葉を含めて発せられることにより、一般的な企業の広告よりも広告臭を抑え、ユーザーに受け入れられやすくなります

現在では、インターネット上のポップアップ広告をブロックする「アドブロック」を導入しているユーザーも多数存在します。しかし、インフルエンサーのPRはSNS投稿によって実施されるため、ブロックされることなく情報を届けられます

連鎖反応で多くのユーザーに拡散される

インフルエンサーが行うマーケティングは、SNSのシェア機能で拡散されやすい点が特徴です。視聴者に大きな影響を与えるインフルエンサーが、SNSに口コミなどを投稿することにより、実際に感化されたユーザーが購入などのリアクションを取ります。

その後、新たに体験したユーザーが口コミや体験談を投稿することで、それを見た別のユーザーが感化されると商品・サービスを利用します。このように、1つの口コミから大きく拡散され、口コミの連鎖反応が起こることで数多くのユーザーへと届けられます

インフルエンサーによる影響力を含め、別のユーザーに波及していく効果を考慮すると、情報の拡散力は非常に高いと言えるでしょう。

オンライン販売で購入に繋がりやすい

商品をSNSでPRする際、動画の概要欄などにリンクを載せるだけで、そのままサービスページやECサイトへの誘導ができます。これにより、ユーザー自身が再調査することなく、製品・サービスの詳細を閲覧できます。

したがって、視聴した時に感じた製品・サービスへの関心や熱意を低下させることなく、商品販売へ結びつけられるメリットがあります。

また、オンライン販売にすることで、クリック数・閲覧数・商品購入数など、消費者の動きをデータとして蓄積できます。その結果、オンラインで商品を購入するユーザーの動向・ニーズを明確化することが可能です。

行動履歴などのデータが収集しやすい

インフルエンサーによるマーケティングのメリットは、ユーザーの行動を細かく分析できる点です。SNSには分析機能があるため、上手に活用すればユーザーの行動を詳細にデータ収集できます。

例えば、プロモーション視聴率・商品ページに遷移した人数・商品の購入率などを把握します。これらのデータを確認することで、PRの効果や改善点を見い出せます。また、反省点などを確認して次の施策に結びつけることもできるため、大きなメリットと言えます。

検索エンジンからのサイト流入にも効果的

SNSに販売ページのURLをリンクするだけで、興味や関心が高まったユーザーを自社のオンラインショップへ直接誘導ができます。そして、インフルエンサーのPR投稿を閲覧した後に、商品を検索するユーザーが増えることで、自社サイトへの流入も増加します。

また、インフルエンサーの投稿に企業のURLをリンクさせることで、SEOの強化にも期待ができます。Googleの検索画面上にインフルエンサーのSNS投稿が表示されるケースもあるため、検索エンジンからのサイト流入としても効果を発揮します。

インフルエンサーマーケティングのデメリット

インフルエンサーによるコンテンツマーケティングは、企業が主となって企画・発信する従来のマーケティング手法とは異なり、ユーザーが投稿したコンテンツであることによる難点もあります。

ここでは、インフルエンサーマーケティングのデメリットについて解説します。

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インフルエンサー選びが難しい

インフルエンサーにはさまざまなタイプの人物が存在するため、その中から自社商品やサービスに合ったインフルエンサーを選択するのは困難です。よって、インフルエンサーの選定が一番時間を要する部分となることが多いです。

ただし、インフルエンサーマーケティングの中核とも言える部分であるため、しっかりと検討することが重要です。自社商品との相性の優位性・フォロワー層・ユーザー層などを十分に考慮した上で、最適なインフルエンサーの登用をする必要があります。

また、自社での選択が困難な場合には、利用料が発生しますが、キャスティング会社に依頼することで最適なインフルエンサーの紹介を受けられます。

炎上につながるリスクがある

インフルエンサーによるマーケティングにおいては、ユーザーに宣伝広告であることを隠して販促活動を行うステルスマーケティングだと疑われてしまい、炎上するリスクがあります。

また、過去や今後において、インフルエンサーの不適切な発言・不祥事が発覚すれば、起用した広告主である企業のブランドイメージも低下してしまう可能性があります。したがって、モラルやマナーを考慮したインフルエンサーの人格チェックも欠かせません

特に、普段の言葉遣いが重要であり、現在のネット社会は悪意がない発言であっても些細な発言で炎上につながります。そのため、インフルエンサーの発言や行動、発信の内容なども十分に検討しながら依頼先を選定する必要があります。

インフルエンサーの管理が必要

インフルエンサーの一つひとつの発信が、その人の人格を表現するものであり、独自の思想・発言によってフォロワーからの人気を獲得しています。そのため、企業がアピールしたい商品やサービスの魅力を自社が求める通りに伝えてくれるとは限りません

また、何を発信させるかのコントロールが難しい点にも注意が必要です。インフルエンサー自身が、本質的に自社の商品やサービスに魅力を感じていない場合、熱意の感じられない発信を行うことでフォロワーの興味・関心を得られない場合もあります。

インフルエンサーマーケティングを行う際の注意点

インフルエンサーをマーケティング戦略に起用する最大のメリットは、膨大なフォロワー数にアプローチできる点です。そして、インフルエンサーの強い情報発信力でブランド認知度向上や商品の販売促進に貢献できます。

しかし、インフルエンサーマーケティングにおいては、以下のような注意点があります。

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フェーズ別に施策を考える

インフルエンサーによるマーケティングを実施する上では、自社製品とユーザーの熱量に応じた施策内容の最適化によって効果を高められます。ブランドの認知度を高めるフェーズと購入を促すフェーズでは、インフルエンサーマーケティングの施策内容が変わります。

例えば、まだ誰も知らない商品をフォロワー数千人のインフルエンサーがアピールしても効果が薄いため、マーケティングのフェーズ別に施策を考える必要があります。

したがって、新ブランドの認知拡大を図る際には、メガインフルエンサーをはじめとした複数のインフルエンサーに依頼し、まずは商品の認知度を広めてもらうことを目的としてマーケティング施策を行うと効果的です。

目的に合わせてKPIを設定する

KPIとは企業や組織の目標達成のために行う日々の具体的な活動指標を指します。マーケティングを行う目的に応じて、どこにKPIを設定すべきかが変わります。

例えば、いいね数を獲得したいのか、投稿の保存率を獲得したいのか、動画の視聴数を獲得したいのかなど、目的ごとにKPIの設定が重要です。また、購入促進を目的とした場合、商品の購入数やECサイトへの移動数などをKPIに設定します。

KPIの設定で、目的達成のための手法が明確になるだけでなく、マーケティングの効果測定も行いやすくなるため、継続的に施策の効果を高められます

過去のPR投稿をチェックする

著名なインフルエンサーともなれば、幅広い商品のPRを担っています。トップページにアクセスすることで過去の投稿内容を確認できるため、投稿内容について事前の確認が大切です。

過去に対象のインフルエンサーがどのようなPRをしていたのか、質や仕事の丁寧さなどのチェックを行います。また、ステマをしていなかったかなども確認し、リスク回避を徹底することも大切です。

効果的なPR場所を選定する

企業案件として自社の商品・サービスのPRをインフルエンサーに依頼する場合、案件費用が発生することがほとんどです。特に、フォロワーが多く事務所に所属しているようなインフルエンサーは、案件費用が高い傾向にあります。

また、フォロワーが多ければ良いのではなく、自社の商品・サービスとユーザーがマッチしているかを確認しなければなりません。そして、SNSごとに効果的なPR場所も異なるため、費用対効果を高められるように、入念な選定が求められます

事前に細かくすり合わせを行う

インフルエンサーによるマーケティングでは、インフルエンサーの自然な話し方によるフォロワーに向けたPR発信が大切です。よって、意図していない内容の発信や誤情報の共有を防ぐために、事前に何をアピールして欲しいのかを十分に話し合っておくことが大事です。

また、仮に相手が一般人であっても、ビジネスパートナーとして接する姿勢が大切です。一般人といった理由で相手をコントロールしようとすると、企業の対応自体を拡散されてしまうかもしれません。

インフルエンサーにも裁量権を与える

PRしてほしいものや拡散してほしい情報を盛り込みすぎると、企業側からの要望が多すぎることで自由度が制限されます。その結果、インフルエンサーのオリジナリティが薄れ、本来の魅力を伝えられなくなります

インフルエンサーが普段と異なる雰囲気のPRを行うと、フォロワーの違和感を誘発し、PRへの反応・信頼性が低下します。したがって、企業側はあくまで最低限の要請をし、インフルエンサーに裁量権を与えてある程度任せることも重要なポイントです。

自社のSNSアカウント構築も入念に

企業は、事前に自社SNSアカウントの丁寧な運用を行っておくことも重要です。なぜなら、最近ではGoogleなどの検索エンジンだけではなく、SNSから情報を収集するユーザーが増えているためです。

インフルエンサーのPR投稿を閲覧してブランドに興味を抱いたユーザーは、ブランドのSNSアカウントやホームページを確認します。そして、企業のセンス・ブランドイメージ・ブランドメッセージをチェックします。

ユーザーがブランドの公式SNSアカウントをチェックした際に、魅力がない・センスがないと感じられるとユーザーの興味や関心を損なってしまうため、ブランドのSNSアカウントも入念に構築し、日頃からファンを増やすように心掛けることが重要です。

インフルエンサーにPRを依頼する方法

インフルエンサーによるマーケティングを行うためには、最初に宣伝活動に参加してもらうインフルエンサーをリサーチして依頼し契約する必要があります。商品やサービスのPRをインフルエンサーに依頼する方法は、主に下記の3種類です。

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インフルエンサーに直接連絡する

一番簡単なのは、インフルエンサーに直接連絡する方法です。ダイレクトメール機能やプロフィールに記載されているメールアドレスを元に連絡するのが通例です。インフルエンサーマーケティング会社による中間マージンが不要なため、その分メリットがあります。

しかし、この方法は契約トラブルやそれに伴う炎上が起こりやすいため、事前に方針やルールを決めて共有するなど、リスクを軽減する体制の構築が必要です。

インフルエンサープラットフォームを利用する

インフルエンサープラットフォームというのは、インフルエンサーの分析ができるサービスを指します。さまざまなジャンルのインフルエンサーがエントリーしているため、自社商品とフォロワーの属性が合うインフルエンサーを短時間で選択できるのが特徴です。

登録した企業が案件を依頼したいときに、エントリーされたインフルエンサーから、自社の商品に最適なインフルエンサーを選択するだけのため、大幅な時間短縮が可能です。

しかし、インフルエンサープラットフォームを利用する際に、当然ながらコスト発生が伴います。中には月額数十万円の利用料がかかるものもあり、言うまでもなくインフルエンサーへの報酬も発生するため、多くのコストがかかるといったデメリットがあります。

インフルエンサーマーケティング会社に代行してもらう

インフルエンサーのフォロワー属性・性格などやマーケティング手法について精通したインフルエンサーマーケティング会社は、最適なインフルエンサーの選定・管理・施策の実施・効果分析の代行を担います。

それにより、インフルエンサーマーケティングについての知識がないが試してみたい、過去の実施による効果がなかった、社内に人材がいないといった場合に有効です。しかし、マーケティング会社とインフルエンサーとの間に中間業者が多く介在する場合があります。

この場合、事前に詳細な打ち合わせをしておかないと、自社の意図とずれた施策内容になったり、コストが割高になったりする可能性があるため、注意が必要です。

まとめ

インフルエンサーを登用したマーケティングは、趣味や嗜好を目標にできる・情報の信用を得やすい・リアルな口コミで拡散されやすいなどのメリットがあります。一方で、発信内容のコントロールは難しい・ステマと誤解されるリスクもあります。

 そのため、ステマには特に注意が必要です。また、インフルエンサーマーケティングの実践方法には、直接インフルエンサーに依頼する・プラットフォームを利用する・広告代理店に依頼する、の3通りがあります。

また、それぞれにメリットとデメリットが存在します。実際にインフルエンサーとの連携によるPR施策の成功例が数多くあり、インフルエンサーマーケティングは今後の多用も期待されるでしょう。

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