ネットワーク管理ツールとは?メリット・デメリット、選び方を解説

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  • ネットワーク管理ツールはネットワーク機器の異常を検知し、通知するツール
  • ネットワーク管理ツールによりトラブルに即対処でき、人件費削減などのメリットもある
  • ネットワーク管理ツールを選ぶ際は、監視できる範囲や必要な機能の有無を確認する

ネットワーク管理ツールとは、ネットワーク機器の異常を検知し、メールなどで通知してくれるツールのことです。専門知識がなくても管理でき、トラブルに即対処することで会社の信頼度アップにも繋がります。本記事ではネットワーク管理ツールのメリットや選び方を解説します。

目次

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  1. ネットワーク管理ツールとは
  2. ネットワーク管理ツールのメリット
  3. ネットワーク管理ツールのデメリット
  4. ネットワーク管理ツールの選び方
  5. まとめ

ネットワーク管理ツールとは

ネットワーク管理ツールは、コンピューターネットワークを効率的に監視・制御するためのソフトウェアやアプリケーションのことです。

ネットワーク管理ツールでは、ネットワークのトラフィックやデバイスの状態、セキュリティ対策などのさまざまな情報をリアルタイムで収集・分析し、ネットワークの健全性を保ちながら問題を早期に発見・解決することができます

こういったツールの利用により、ネットワークの安定性と可用性を向上させ、効率的なネットワーク運用・管理を行えます。

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ネットワーク管理とは

ネットワーク管理とは、コンピューターネットワークを適切に設計・監視・制御し、安定した運用を実現することです。具体的には、ネットワークの構築や設定、トラフィックの監視、セキュリティの強化、トラブルの解決などを行います

これにより、ネットワークの健全性を維持し、ユーザーに安定したネットワークを提供することができます。ツールを使うことで自動的にネットワークの情報を収集・分析し、問題を早期に検知できるため、手動での監視やトラブル解決にかかる時間と労力を大幅に削減します。

ネットワーク管理の対象になるもの

ここでは、ネットワーク管理の対象になるものについて解説します。 これらの管理対象のネットワーク機器・サービスの適切な設定や監視を行うことで、ネットワークの安定性とセキュリティが確保され、円滑なネットワーク運用が可能となります。

サーバー

ネットワーク内でデータやアプリケーションを提供するサーバーは重要な管理対象です。サーバーの設定や運用状況を監視し、安定した稼働を確保します。 

ルーター

ネットワーク間を接続し、パケットの転送を制御するルーターはトラフィック管理やセキュリティ設定が必要です。

スイッチ

ネットワーク内のデバイス同士を接続し、データ転送を行うスイッチも管理します。ポートの設定や帯域幅の監視などが行われます。

ファイアウォール

ネットワークのセキュリティを確保するためにファイアウォールの設定やログの監視が行われます。

アクセスポイント

ワイヤレスネットワークを提供するアクセスポイントも管理対象となります。セキュリティ設定やアクセス制御が重要です。

ネットワーク管理の重要性

ネットワーク管理は、Webサイトやアプリの安定した運用を実現するために行われます。ネットワークが正常に稼働しているかだけでなく、障害が発生する予兆がないかも確認可能です。

大規模なWebサイトやアプリを運営している場合、少しでも停止すると事業に大きな影響を与えます。そのため、事前に障害発生の予兆を察知してネットワークの停止を防げるネットワーク管理の重要性は、非常に高いといえます。

ネットワーク管理ツールの仕組み

ネットワーク管理ツールには、エージェントありとエージェントなしの2つの方式があります。それぞれについて、以下で詳しく解説します。

エージェント監視

エージェント監視(エージェントあり)の場合、管理対象のデバイスにエージェントと呼ばれる専用ソフトウェアをインストールします。エージェントはデバイスの情報を収集し、定期的に監視サーバーに報告します。

この方式は詳細な情報を取得できる反面、エージェントのインストールが必要であり、管理対象デバイスの種類によっては対応が難しい場合もあります。

エージェントレス監視

エージェントレス監視(エージェントなし)の場合は、SNMP(Simple Network Management Protocol)というプロトコルを用いて情報を収集します。

SNMPはほとんどのネットワークデバイスに対応しており、エージェントのインストール不要で監視が可能です。

エージェントなしの方式は柔軟性が高く、管理対象デバイスが多様な場合に適しています。ただし、エージェント監視よりも情報の取得範囲が限定される場合があります。

ネットワーク管理ツールのメリット

ネットワーク管理ツールは、企業や組織がネットワークインフラを効率的かつ効果的に管理するためのツールです。ここでは、ネットワーク管理ツールのメリットについて解説します。

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企業の信頼性アップに繋がる

ネットワーク障害が発生して自社サイトが表示されなくなると、顧客や取引先からの信頼を失墜させる可能性があります。ネットワーク管理システムはトラブルを早期に検知するため、素早く対処できます

これにより、サービス停止の時間を最小限に抑え、信頼性の高いネットワーク運用が実現できます。信頼性が向上することで顧客満足度が高まり、企業の評価も向上します。

専門知識がなくても管理できる

ネットワーク管理は高度な技術やネットワークに関する専門知識が必要ですが、ネットワーク管理ツールを活用することで、煩雑な設定や監視作業を自動化でき、操作が容易になります。

そのため、専門知識がない担当者でもネットワークの設定や監視が行え、トラブルに迅速に対応できるようになります。専門知識を持つエンジニアだけでなく、ネットワークを利用する他の部門の担当者も管理作業を行えるため、業務効率が向上します。

人件費を削減できる

従来のネットワーク管理は、専門知識を持ったエンジニアがネットワークの設定や監視を行う必要がありましたが、ネットワーク管理ツールを導入することで、これらの作業が自動化されます。

自動化により、エンジニアの手作業にかかる工数が大幅に削減され、人件費を節約することができます。また、トラブルに対して迅速な対応が可能になるため、トラブル対応コストの削減にもつながります。

ネットワーク管理ツールのデメリット

ネットワーク管理ツールには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。ここではコスト面や専門知識の必要性についてのデメリットを解説します。以下のデメリットを考慮してツールの導入を検討しましょう。

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監視範囲によってはコストが膨らむ

ネットワーク管理ツールは、監視対象となるデバイスやシステムの数に応じて価格が設定されており、監視範囲が広くなるほどツールのライセンス費用やハードウェアコストが増加します。

特に大規模なネットワーク環境や複数の拠点を持つ企業では、監視対象が多くなるため、コストが膨らむ可能性があります。そのため、適切な監視範囲を設定することや、必要な監視項目を見極めることが重要です。

データの読み取りにはスキルが必要

ネットワーク管理ツールを利用することによって、ネットワークの設定や監視自体には高度な専門知識が必要なくなりますが、監視データを読み取り、有効に活用するに一定の技術や知識必要です

監視状況はレポートとして出力できることが多いですが、特に複雑なネットワーク環境や大量のデータを扱う場合は、データの解釈や分析に高度なスキルが求められます。

したがって、ネットワーク管理ツールを選定する際には、自社のスキルレベルに合わせて機能や使いやすさを検討することが重要です。スキルが限られている場合は、操作や分析が容易なツールを選択することで、効率的なネットワーク管理が可能となります。

ネットワーク管理ツールの選び方

ネットワーク管理ツールを選ぶ際のポイントは、多岐にわたります。適切なツールを選択することで、効率的なネットワーク管理が実現します。以下は、ネットワーク管理ツールを選ぶ際の重要なポイントを解説します。

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監視できる範囲を確認する

ネットワーク管理ツールはさまざまな機能を有しており、監視対象とする機器やプロトコルによって監視範囲が異なります

自社のネットワーク環境で用いている機器やサービスが適切にカバーされているかを確認することで、ネットワーク全体の健全性やセキュリティを適切に維持できるツールを選ぶことができます。

必要な機能を備えているか

企業や組織の規模やネットワークの複雑さによって、必要な機能は異なります。例えば、複数拠点のネットワークを監視する場合は、ツールがそれらを一元的に管理できるかが重要です。また、トラブル対応では、リモートで機器を再起動できる機能なども必要となります。

さまざまなネットワーク管理ツールが存在し、それぞれ異なる機能を提供しているため、自社のニーズに適したツールを選定することが重要です。

ネットワーク管理ツールの主な機能

多くのネットワーク管理ツールは、以下のような機能を備えています。ただし、機能の精度や詳細はツールによって異なるため、具体的にどの程度のことができるのかは確認が必要です。

  1. 障害管理:問題が発生している箇所を特定・通知・解決支援
  2. インベントリ管理:ネットワーク上のデバイスを台帳で管理
  3. トラフィック監視:全体、および個々のネットワーク機器やサーバの利用状況を測定・監視
  4. ネットワークパフォーマンス管理:ネットワークの処理能力などの情報を収集・分析
  5. アプリケーションのパフォーマンス管理:各アプリケーションの応答時間などの情報を収集・分析

アラートの通知方法をチェック

ネットワーク管理ツールは、障害を早期に検知してくれる便利なツールですが、その際にアラート通知がメールだけである場合、重大な障害を見逃す可能性があります。特にメールの利用頻度が高い企業は担当者がメールを見逃す場合があるため、他の通知方法も必要です

ツールがSMSやプッシュ通知などの複数の方法でアラート通知してくれるか確認することで、より確実な障害検知と迅速な対応が可能となります。

サポート体制は充実しているか

トラブルが発生した際に、迅速かつ適切な対応をしてくれるかは非常に重要です。サポート体制が充実していれば、問題が発生した際に専門のエンジニアが迅速に対応し、トラブルの復旧をサポートしてくれることが期待できます

また、ネットワーク管理ツールの導入において、自社側で専門知識がどの程度必要なのかも重要なポイントです。ツールの操作や設定に高度な技術が必要であれば、それに対応するための専門知識が必要となります。

専門知識が不足している場合は、ツールの運用に問題が生じる可能性があります。選定前に専門知識の要件を確認し、自社の技術レベルに合致したネットワーク管理ツールを選びましょう。

拡張性の高さをチェック

組織が拡大したり、ネットワーク環境が変化したりすると、ネットワーク管理ツールもそれに適応できる柔軟性が必要です。拡張性の高いツールでは、新たな機器や拠点を追加しても容易に監視対象として組み込めるため、組織の成長に柔軟に対応できます

また、特定の要件に合わせてカスタマイズが可能な場合、組織のニーズに合ったカスタム機能を追加できるため、より効果的なネットワーク管理が実現できます。

費用をチェック

多くのツールは年額制や月額制で提供されており、ネットワークの規模や必要な機能によって料金が異なります。自社の予算に合ったツールを選ぶことで、無駄な費用を節約し、経済的なネットワーク管理を実現できます

また、機能やサポートは限定されますが、無料で利用できるフリーソフトも存在します。小規模な組織や予算が限られている場合には、これらのフリーソフトを活用することでコストを抑えることができます。

「OSS」という選択肢も

OSSとは、「オープンソースソフトウェア」のことです。ソースコードが一般に公開されているソフトウェアで、ネットワーク管理用のネットワーク管理ソフトも存在します。OSSはライセンス費用が必要ないため、基本的に無料で使うことができます

また、ソースコードのカスタマイズも自由にできるので、自社に合った仕様に編集することができます。ただし、ソフトウェアを導入・運用するための専門知識は必要になるので、専門人材はいるがコストはかけたくないという企業におすすめです。

おすすめのネットワーク管理ツール2選|選ぶ際の比較ポイントも解説

ネットワーク管理ツールとは、ネットワークが正常に稼働しているかを監視・管理するためのツールです。ネットワーク管理ツールにはさまざまなタイプがあり、自社に適した製品を選ぶのが難しいです。本記事では、選び方を交えて、おすすめのネットワーク管理ツールを紹介します。

まとめ

ネットワーク管理ツールの活用には、企業の信頼性向上や人件費削減など多くのメリットがあります。一方デメリットとして、監視範囲によってコストが膨らむことや、データの読み取りにスキルが必要な点が挙げられます。

自社のニーズに合った適切なツールを選ぶことでメリットを最大限生かした運用ができるので、エージェントあり・なしの監視方式や拡張性の高さなど、機能やサポート体制をチェックして慎重に選定することが重要です。

本記事を参考に、ネットワークの健全な運用を実現しましょう。

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