サイトパフォーマンスとは|指標や重要性・改善の目的と方法を解説

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- Webサイトパフォーマンスを測る指標には、表示速度やリアクション速度などがある
- Webサイトパフォーマンスの改善には、画像の圧縮やWebフォントの削減などが有効
- Webサイトパフォーマンスを改善するために、ボトルネックを明確にする必要がある
Webサイトの運用やオンラインビジネスの成功には、Webサイトのパフォーマンスが非常に重要な要素になります。本記事では、Webサイトパフォーマンスの重要性、主要な指標、具体的な改善方法、そして実施する際の注意点について解説します。
目次
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Webサイトパフォーマンスとは

Webサイトパフォーマンスとは、Webサイトにおける表示速度や動作速度のことを意味します。サイトの質でもあり、ユーザーの行動や満足度に大きく影響する要素です。
例えば、ページの読み込みが遅いサイトは、ユーザーにストレスを与えて離脱を招きます。そのため、Webサイトパフォーマンスが低いサイトと言えます。
表示にかかる時間は、1秒単位でユーザーのサイト滞在時間に影響します。10秒ともなると即時的にサイトを離脱するユーザーが多いと予測できるため、サイトのアクセス数は伸び悩むでしょう。
Webサイトパフォーマンスは、専用の測定ツールを使用することで、表示速度などの状態を具体的な数値で確認することができます。多くの無料ツールが利用可能であり、これらを活用することで、Webサイトのパフォーマンス改善につながるでしょう。
Webサイトパフォーマンス改善の目的と重要性

Webサイトパフォーマンスは、ユーザーがWebサイトを快適に利用するため非常に重要な要素です。近年はスマホやタブレットの台頭により、マルチデバイスに対応したパフォーマンスの必要性が増しています。
ここからは、Webサイトパフォーマンス改善の目的・重要性について解説します。
コンバージョン率の向上のため
コンバージョン率とは、Webサイトやページを訪れたユーザーの中で、商品の購入や問い合わせなどの成果に至った割合を指します。Webサイトの表示が遅いと、ユーザーはスムーズにサイトを閲覧できず、離脱してしまうリスクが高まります。
これにより、コンバージョン率の低下が発生します。Webサイトの表示速度を改善することで、ユーザーは快適にサイトを閲覧し、目的の行動を取りやすくなります。結果としてコンバージョン率の向上だけでなく、顧客満足度の向上も見込めます。
効果的なSEO対策のため
Webサイトの表示速度は、SEOにおいても重要です。SEOとは「検索エンジン最適化」を意味し、Googleなどの検索エンジンの検索結果で上位表示を図るために行う施策をSEO対策といいます。
Webサイトの表示が遅いと、ストレスによるユーザーの離脱が増え、SEOに悪影響が出て検索順位が下がるリスクがあります。その結果、Webサイトによる集客が困難になることが懸念されるでしょう。
そのため、Webサイトのパフォーマンスを改善することは、SEO対策にもつながり、サイトの品質向上を見込めます。
Webサイトパフォーマンスにおける指標

Webサイトパフォーマンスの指標には、表示速度・リアクション速度・可用性があります。ここでは、それぞれの指標について詳しく解説します。
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表示速度
表示速度とは、ユーザーがアクセスしたページのロードや表示する早さのことです。サイトスピードとも呼ばれ、ユーザーの満足度に大きく影響します。
例えば、表示速度が遅いと「読み込みが遅いから会員登録の途中に諦めた」「ページの切り替えが遅いからブラウザバックした」など、ユーザーの行動は離脱の方向に移る問題が生じます。
容量の大きな画像がページに組み込まれている場合、ページロードに時間がかかる時間は長くなりやすいです。そのため、画像を記号やWebデザインでカバーできないかなど見直しが求められます。
リアクション速度
リアクション速度は、ユーザーが行った操作に対するWebサイトのリアクションの速さを意味します。例えば、リンクやボタンを押した際の読み込み開始までの速度や、スクロールの滑らかさなどです。
表示速度と同じく、ユーザーの滞在時間に関わる重要なポイントです。Webブラウザのデータ処理やJavaScriptの実行速度などが関わるため、開発ツールを利用して問題解決する必要があります。
可用性
可用性とは、システム障害が発生した際にも稼働を続けることです。ユーザーがアクセスした際にサイトが閲覧できない状態であれば、必然的にサイトから離れます。サイトが稼働を続けていることで、アクセスしたユーザーの機会損失を未然に防止できます。
障害が発生しても稼働を継続できるWebサイトの構成や、サーバーダウンしても早い段階で復旧できる構成など、障害を想定したサイトの構築が必要です。
また、メンテナンスで利用できなくなることも可用性の低さにつながります。極力メンテナンスが不要な構成にしたり、一度のメンテナンスで多くの問題を解消できたりするよう努めることが大切です。
Webサイトパフォーマンスを改善する方法

Webサイトパフォーマンスを改善することで、アクセス数の増加だけでなくユーザーの満足度向上やSEOの強化、新規顧客の獲得などが期待できます。ここでは、Webサイトパフォーマンスを改善する方法を詳しく解説します。
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軽量化
Webサイトパフォーマンスの改善の一つに、サイトの容量を軽くする軽量化があります。容量の大きなページと小さなページでは、小さなページの読み込みが早いことがほとんどでしょう。
以下では、Webサイトの軽量化のためにできることを解説します。
画像の圧縮
画像の圧縮やトリミング、サイズ変更などによりWebサイトのパフォーマンスを改善できます。画像軽量化ツールを使用すると、いくつかの画像をまとめて軽量化することが可能です。
また、画像の枚数が多いほど、容量は大きくなります。画像を圧縮しても表示速度が気になる場合は必要な画像を見直し、似たようなイメージの画像や不要な画像は減らしましょう。
プログラムの削除
Webサイトにインストールされているものの使わないプログラムを削除することで、サイトを軽量化できます。プログラムはあると便利なものも多いですが、一つひとつが容量をとるためデータロードの遅延につながります。
無料で追加できるプログラムはつい追加してしまいがちですが、現行で使っていない場合は削除してWebサイトパフォーマンスを優先しましょう。
最適化
Webサイトパフォーマンスの改善における最適化とは、Webサイトに適した状態を見直すことやユーザーにとってストレスのない、スムーズで見やすいページにすることです。
Webサイトはユーザーがあってこそ成り立つため、SEOに加えて意識しておきたいポイントです。また、Webサイトは環境に合ったシステム上で管理することで、動作が最適化されます。
以下では、Webサイトパフォーマンスを改善するための最適化の方法について詳しく解説します。
必要最低限のWebフォント利用
Webサイトの文字のデザイン性を高めるために、「Webフォント」と呼ばれる特別なフォントが使われることがあります。Webフォントを使うと、サイトの見栄えは良くなりますが、データの容量が大きくなり、サイトの表示速度が遅くなる原因になります。
Webサイトを表示する際には、このWebフォントのデータもダウンロードする必要があるため、フォントの種類が多いほど、ダウンロードに時間がかかり、表示が遅くなります。
Webフォントはデザイン性を高める上で便利ですが、使いすぎるとサイトの表示速度が遅くなり、ユーザーにとって不便になるため、必要最小限にとどめることが重要です。
レンタルサーバーの見直し
Webサイトパフォーマンスに問題がある場合、レンタルサーバーの見直しが必要なこともあります。レンタルサーバーのスペックが表示速度に影響するためです。
特に無料のサーバーや格安のサーバーは、Webサイトのデータ量やアクセス数をカバーしきれないこともあるでしょう。Webサイトを分析し、最適なレンタルサーバーを導入する必要があります。
レスポンシブデザインの採用
レスポンシブデザインとは、スマートフォンやタブレット、PCなど、さまざまな画面サイズのデバイスで適切に表示できるよう、画面幅に応じて自動的にレイアウトが変更される設計手法です。
具体的には、画像やテキストのサイズを相対値で指定することで、デバイスごとに最適な表示を実現します。これにより、デバイスの種類に関係なく、ユーザーは快適にWebサイトを閲覧することができます。
結果として、アクセス数の増加やコンバージョン率の向上につながる可能性があります。
Webサイトパフォーマンスを改善するための注意点

Webサイトパフォーマンスを改善するためには、改善点をしっかりと見極めた上で実施する必要があります。手あたり次第見直しても、改善に時間がかかってしまうでしょう。
パフォーマンスを改善する際は、専用の測定ツールなどを用いてどこがボトルネックか見つけることが重要です。また、アクセス数や訪問経路、ユーザーの属性などWebサイトの分析などからWebサイトの現状を把握し、根本原因を調査しましょう。
Webサイトや課題を多角的に分析し、改善点に最適な方法で対処することが大切です。
Webサイトパフォーマンスを測定できるツール
Webサイトのパフォーマンスを測定するツールは、無料ツールから有料ツールまでさまざまな種類があります。
一例を挙げると、Googleが提供する「PageSpeed Insights」は、モバイルとデスクトップ両方のパフォーマンスを分析し、具体的な改善点を提示してくれる人気の無料ツールです。
これらのツールを使用することで、表示速度、サーバーレスポンス時間、リソース使用状況などを数値化して確認できます。また、ブラウザの開発者ツールを使用して詳細な分析も可能です。
定期的に計測を行い、数値の変化を監視することで、効果的なパフォーマンス改善を実現できます。使用目的に応じて適切なツールを選択することが重要です。
まとめ

Webサイトパフォーマンスは、表示速度や動作速度などのサイトの質を意味します。アクセスしたユーザーのコンバージョン率や満足度に影響するため、重要な役割があります。
Webサイトパフォーマンスを改善するためには、画像の圧縮などの軽量化や、レンタルサーバーを見直すなどの最適化という方法があります。改善の効果を得るためには、Webサイトの現状を把握して何を改善するべきか分析することが必要です。
Webサイトの問題を洗い出すためには、専用の測定ツールなどが活用できます。本記事を参考にWebサイトパフォーマンスを見直し、顧客満足度の向上や新規顧客を獲得するチャンスを増やしましょう。