名刺管理アプリのセキュリティリスクとは|危険性と選び方を解説

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  • 名刺管理アプリには、サイバー攻撃と情報漏えいによるセキュリティリスクがある
  • 安全性の高い名刺管理アプリを選ぶためには、セキュリティ機能や導入実績を確認する
  • 無料版の名刺管理アプリよりも、有料版の方がより安心して使用することができる

名刺管理アプリは、名刺の情報をデータ化して業務を効率化できるため、導入する企業も増えていますが、セキュリティ面では危険性が高いです。本記事では、アプリ利用の安全性向上のため、セキュリティリスクの種類と無料アプリの危険性、名刺管理アプリの選び方を解説します。

目次

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  1. 名刺管理アプリのメリットとデメリット
  2. 名刺管理アプリにおけるセキュリティリスクの種類
  3. 無料の名刺管理アプリにおけるセキュリティ面の危険性
  4. 安全性の高い名刺管理アプリの選び方
  5. 無料版の名刺管理アプリ以外なら安心して使えるのか
  6. まとめ

名刺管理アプリのメリットとデメリット

名刺管理アプリは、名刺をスキャンなどでデータ化してオンライン上で管理できるアプリです。名刺を読み込むだけで自動的に一元管理できるため、必要な情報を簡単に取り出すことができます。

例えば、営業担当者は、名刺管理アプリの活用で煩雑になりがちな業務を効率化できます。また、社内で情報を共有することで、属人化や重複した対応などのミスを防げるため、営業力の強化にも繋がる点がメリットでしょう。

一方、コストやセキュリティの面では懸念点もあります。特にセキュリティの面では、顧客や取引先の個人情報を大量に扱うため、情報漏えいのリスクを伴うのがデメリットとして大きいです。よって、十分にセキュリティ対策が行われているアプリを選ぶことが重要です。

名刺管理アプリにおけるセキュリティリスクの種類

名刺管理アプリには、サイバー攻撃や情報漏洩などのセキュリティリスクがあります。ここでは、それぞれのセキュリティリスクの種類について詳しく解説します。

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名刺管理アプリにおけるセキュリティリスクの種類

  1. サイバー攻撃
  2. 情報漏えい

サイバー攻撃

サイバー攻撃とは、第三者がネットワークを介してシステム内に侵入し、情報の改ざんや盗難などを行うことです。中でも、マルウェア感染やランサムウェアなどによる被害が、近年の代表的な例として挙げられます。

サイバー攻撃によって、機密情報や個人情報が流出して悪用されると、顧客や取引先に多大な迷惑・損害を与えることになります。そして、安全性を失った企業は信頼性が著しく低下し、企業の存続にも関わる大きな不利益を被ることにもなるでしょう。

このように、サイバー攻撃の手口は年々悪用性を増して多様化しているため、名刺管理アプリの導入においても、セキュリティ対策を強化することが必要不可欠です。

情報漏えい

情報漏えいとは、何らかの原因で企業の保有する機密情報や個人情報が外部に流出してしまうことです。情報漏えいのリスクは至る所に隠れているため、あらかじめ危険性を把握して対策を立てておく必要があります。

ここでは、情報漏えいのリスクを含む機能・要因を詳しく解説します。

SNS連携

SNSとの連携により、情報漏えいに繋がるリスクがあります。それは、連携することで連携先に機器内の情報を開示することになるためです。不特定多数の人に情報が渡ってしまうため、情報漏えいや悪用されるリスクに繋がる恐れがあります。

SNSとの連携は、アプリの利用における都度入力の手間が省けることもあるため、便利さを選択して連携をしてしまうことも多いですが、連携による情報開示にも注意が必要です。

また、アプリの中には、初期設定の時点でSNSと自動連携される仕組みになっているものもあります。そのため、SNSと自動連携するアプリかどうかや、アクセス制限の設定方法も確認しておく必要があります。

運営会社側の問題

自身では利用に気を付けていても、運営会社側の問題で、情報漏えいに繋がることがあります。例えば、セキュリティ対策が十分になされていない管理している情報を無断で利用したり業者に販売したりしているなどです。特に、無料の名刺管理では注意が必要です。

なお、運営者側からアクセス権の要求をされたときは、管理している名刺の情報を開示することになるため、十分な警戒をしなければいけません。アプリ選びの際には、実績や口コミを確認しながら、信用できる運営会社かどうかを調査・判断しましょう。

端末の紛失・盗難

従業員が、名刺管理アプリをダウンロードした端末を紛失したり盗まれたりした場合、情報漏えいのリスクに繋がります。それは、端末を手にした第三者が、情報を悪用できてしまうためです。

よって、従業員には、あらかじめ情報漏えいが引き起こす被害についてや、端末の取り扱いに関して日常的に注意を払うことなど、徹底したセキュリティ教育を行う必要があります。また、端末のパスワードを定期的に変更するように注意喚起することも必要です。

アプリ上でセキュリティ対策を行っているものもありますが、決してセキュリティ対策はアプリに任せきりにせず、管理する人全員が意識しなければなりません。情報漏えいに関しては、幅広い視点でリスクを想定し、十分な対策をしておきましょう。

無料の名刺管理アプリにおけるセキュリティ面の危険性

名刺管理アプリの中には、無料で使えるサービスも存在します。しかし、無料のアプリにはセキュリティ面の危険性が挙げられるため、選択には注意が必要です。ここでは、以下の危険性を解説します。

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手軽に利用できることでの脆弱性

無料で利用できる名刺管理アプリは、名刺管理アプリの利用が初めての人にとっては手が付けやすく、手軽に導入ができて便利です。しかし、誰でも利用できるということは、それだけ多くの人がアプリをインストールして使用するということです。

つまり、システムの開発にも極力コストをかけていないことにより、セキュリティ面では非常に脆弱性が大きいと判断ができます。アプリの中には、情報の暗号化を行っているものもありますが、第三者の数が多いほど、悪用される危険性は大きくなります。

広告による名刺情報の無断利用

無料のアプリでは、アプリの使用中も動作に関係のない広告が表示されることがあります。その広告に、無断で自社が保有する名刺情報が使用されたり、広告をクリックすることで端末がウイルスに侵される危険性も伴っています

よって、アプリ・サービスの利用に際して、しっかりと利用規約やプライバシーポリシーが明記されているアプリを選択する必要があります。また、サービスを提供している企業の信頼性も十分に考慮してから、利用を開始しなければなりません。

システムの安定性・信頼性が低い

名刺管理アプリはクラウド上で利用するものがほとんどです。そのため、利用するアプリのクラウド管理やアクセス制御などが不明瞭な場合、不正アクセスによって悪用される危険性が高まります

また、自身では連携したつもりがなくても勝手にSNS連携が行われていたり、大事な時に予告なくシステムメンテナンスが入ったりする場合があります。さらに、無料のアプリは急なサービス終了の危険性も伴っているため、データ紛失などのトラブル対策も必要です。

安全性の高い名刺管理アプリの選び方

安全性の高い名刺管理アプリを選ぶためには、着目しておきたいポイントがいくつかあります。ここでは、安全性の高い名刺管理アプリを選ぶ方法を紹介します。

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プライバシーマークの取得

プライバシーマークが取得されたアプリは、安心できる1つの基準です。プライバシーマークとは、個人情報の扱いに関して一定の審査基準を満たしていると認められる場合に付与される1つの指標です。この基準は、日本産業規格(JIS)をもとに評価されています。

プライバシーマークの取得には厳しい条件が求められるため、取得したアプリはしっかりとセキュリティ対策がされていると言えます。しかし、セキュリティのリスクは予想外の要素に潜んでいることもあるため、アプリに頼りきりにならないよう注意することも重要です。

セキュリティ関連機能

安全性の高い名刺管理アプリを導入するためには、セキュリティ関連機能に着目しましょう。セキュリティ関連機能を理解しておくことで、アプリがどれだけセキュリティ対策に力を入れているかがわかります。

多くのオンラインツールでは、サイバー犯罪や情報漏えいから社内の情報を守るため、様々なセキュリティ関連機能が備わっています。ここでは、名刺管理アプリに必要なセキュリティ関連機能を解説します。

IPアドレス制限

IPアドレス制限は、名刺管理アプリにアクセスできるIPを制限する機能です。IPアドレス制限を適用することで、不正アクセスによる情報の持ち出しを防ぐことができます。また、社内でもアクセスできる人を限定すれば、情報の持ち出し防止にも繋がります。

ただし、IPアドレス制限を誤ると、アクセス可能なはずの従業員がアクセス拒否されたり、第三者のアクセスを許可してしまったりなど、重大なトラブルに繋がることもあります。

よって、IPアドレス制限機能があるだけで安心せず、常にアップデートされて正しく管理されていることを確認することが重要です。

ログイン承認

ログイン承認は、システムへアクセスする際に本人であることを確認する機能です。適切に利用者を識別するため、ID・パスワードのログイン方法をとられることが多いです。その他にも、最近では生体認証やセキュリティカードなど、ログイン方法が多様化しています。

また、ログイン情報は履歴管理が可能です。例えば、従業員の中には、名刺情報を不正に持ち出すことを考える人がいたり、従業員の端末が第三者に乗っ取られたりする可能性も考えられます。

そのため、ログイン履歴の管理によって、対象のIDによってログインした従業員がわかることで、不正の防止情報漏えいの特定が可能になります。

二段階承認・多要素承認

ログインを強固なものにしたい場合、複数の認証要素を合わせた方法がおすすめです。例えば、二段階認証・多要素認証では、ID・パスワードによる認証とセキュリティコードを組み合わせるなどの方法でログインを承認します。

第三者が不正にアクセスした際、ID・パスワードを特定することができても、さらに認証が必要になることでアクセスは困難になるでしょう。このように、ログイン方法に段階を設けることで、不正なアクセスを未然に防止できます。

なお、認証の3要素である「知識情報」「所持情報」「生体情報」のうち、2つ以上を組み合わせて認証することで、ログインしたのが本人であるという確実性が高まります。

暗号化通信(SSL)

暗号化通信(SSL)は、アプリで通信が発生する際のデータ通信を暗号化する機能です。名刺管理アプリのデータを共有する場合など、通信して利用することは多々あるでしょう。それらのデータは、盗聴や改ざんされるリスクが高い傾向にあります。

基本的に、名刺管理アプリはオンライン上でデータが管理されているため、第三者の侵入が比較的容易な仕組みになっています。よって、情報元となるインターネット通信を暗号化しておくことで、被害に遭うリスクを低減できます。

設定変更ができるか

安全性の高い名刺管理アプリを選ぶためには、設定変更が可能かを確認しておく必要があります。例えば、名刺管理アプリの中には、SNS自動連携機能のように、他社への情報開示に繋がる機能があります。

アプリ内の設定で名刺情報の公開がオンになっている場合、名刺交換した相手とSNSで自動的に繋がる可能性があります。その際、名刺の交換相手とSNSで繋がりたくない人は、SNS機能がないアプリオフラインのみで名刺管理ができるアプリがおすすめです。

なお、前提として、初期設定ではセキュリティリスクがあることを理解しておき、利用する際は自身でリスクを取り除かなければいけません。そのため、設定変更の可否やSNS連携があるかどうかなど、事前に確認が必要です。

導入実績

導入実績が豊富なアプリは、安心して使える名刺管理アプリである可能性が高いと言えます。特に、官公庁や金融機関など、厳格な情報管理がされている機関に導入されている名刺アプリは信頼性が高いでしょう。

また、厳重なセキュリティ対策が必要な会社以外でも、多くの大企業で利用されている実績のあるアプリであれば、それだけ信頼性は高いです。評価や口コミも大切な要素ですが、どこに導入された実績があるかなども、比較の際に見極めておきたいポイントです。

無料版の名刺管理アプリ以外なら安心して使えるのか

無料版名刺管理アプリは危険性が高く、有料アプリが安全とは、一概には言えません。その理由は、セキュリティリスクは様々な要素が原因となるためです。しかし、有料アプリは管理体制の強化やセキュリティ対策機能が備わっているため、安全性は高くなると言えます。

例えば、無料のアプリでセキュリティ対策が行われていない場合、通信の暗号化も行われていない可能性が高いです。セキュリティ対策がされていないアプリは、サイバー犯罪の被害に遭う確率が高くなると言えるでしょう。

また、セキュリティ対策におけるプライバシーマークは、取得するためにコストがかかるため、取得しているアプリはそれだけセキュリティ対策に力を入れていることがわかります。

無料か有料かというコスト面だけにこだわらず、それぞれのアプリがどのようなセキュリティ関連機能を備えていて、自社の名刺を安全に管理できそうなのかをしっかりと見極めることが大切です。

まとめ

名刺管理アプリは、名刺をデータ化してアプリ内で一元管理できるため、多くの名刺を保有・管理する企業にとっては便利なシステムです。しかし、大量の顧客情報や取引先の情報を扱うため、セキュリティ対策の徹底的な強化が求められます。

名刺管理アプリは、常にサイバー攻撃や情報漏えいのリスクにさらされているため、IPアドレス制限や二段階認証などで、第三者が不正にアクセスできないような対策が取られていることが必要不可欠です。

中でも、プライバシーマークを取得したアプリや、セキュリティ機能が万全で実績が豊富なアプリは、信頼性が高いと言えるでしょう。

しかし、情報漏えいは従業員の不注意によって発生することもあるため、アプリだけに頼りきりにならず、社内のセキュリティ教育や周知の徹底も必要です。本記事を参考に、安心できる名刺管理アプリを選び、自社のセキュリティ対策を強化させましょう。

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