おすすめのIVR(電話自動対応システム)2選|選び方を詳しく解説
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- IVRは、同時通話数・自社に必要な機能・ガイダンス設定を比較検討して選択する
- 導入形態やセキュリティ対策、サポート体制、無料トライアルも確認すると選びやすい
- IVRを導入する際は、費用対効果や導入までにかかる期間を確認しておくのがおすすめ
IVRとは、主にコールセンターで使用される電話自動対応システムのことです。顧客満足度の向上や業務効率化につながるIVRの導入を検討する際、自社に合うものがわからない場合も多いでしょう。本記事では、おすすめのIVRと選び方、導入時の注意点を詳しく解説します。
目次
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IVRで問い合わせ対応業務を効率化
IVR(Interactive Voice Response)は、自動音声応答システムのことです。顧客が電話をかけた際に、音声ガイダンスに従ってキーパッド入力や音声で操作を行うことで、目的に応じた情報提供やサービスを受けることができます。
IVRは、営業時間外の問い合わせ対応や自動応答、自動転送、アンケート収集などに活用され、企業の顧客対応を効率化し、コスト削減にも貢献します。また、24時間体制でのサービス提供が可能なため、顧客満足度や営業効果の向上にもつながります。
さらに、IVRは多言語対応をはじめとしたカスタマイズ性に優れているため、さまざまな業種・規模の企業で導入することが可能です。
IVR(音声自動応答システム)とは?メリット・デメリットと選び方を解説
IVRとは、コンピューターによる音声自動応答システムのことです。営業時間外も顧客に応対することができ、コールセンターや宅配便の再配達など幅広い場面で活用されています。こちらの記事では、 IVRシステム導入のメリット・デメリットと選び方のポイントを解説します。
IVRは同時通話数・機能・ガイダンス設定で選ぶ
IVRの導入を検討する際は、同時通話数・機能・ガイダンス設定が重要なポイントです。同時通話数は、一度に何通の電話を受け付けられるかを示し、需要に合った規模のシステムの選択が求められます。
機能面では、自動音声案内、キーパッド入力、外部システムとの連携、録音機能など、自社のニーズに適した機能を備えているかを確認することが大切です。
また、ガイダンス設定は顧客に提供する音声メッセージやアクションをカスタマイズすることであり、使いやすさと顧客体験に影響します。次の章からは、それぞれのポイントについて解説します。
【重要なポイント3つ】
- 同時通話数を確認
- 自社に必要な機能が備わっているか
- ユーザーが利用しやすいガイダンスを設定できるか
【その他の比較ポイント】
- 導入形態を確認
- セキュリティ対策は万全か
- サポート体制は充実しているか
- 無料トライアルがあるか
IVR選びで重要な3つのポイント
ここでは、IVR選びで重要な3つのポイントを解説します。以下のポイントを考慮しながらIVR選びを行い、効率的な顧客対応と良好な顧客体験を実現しましょう。
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IVR選びで重要な3つのポイント
同時通話数を確認
ビジネスによっては、同時に多くの顧客から問い合わせがくる場合があります。そのため、同時通話数が制限されているシステムでは、顧客対応が滞る可能性があります。
一方、同時通話数が無制限のシステムでは、多くの顧客と同時に効率的なコミュニケーションができるため、忙しい時期やキャンペーン時などもスムーズな対応が可能です。
したがって、同時通話数が無制限のシステムは、顧客満足度の向上やビジネスの拡大への貢献が期待できるため、おすすめです。
自社に必要な機能が備わっているか
IVRを選ぶ際は、自社に必要な機能が備わっているかを確認しましょう。必要な機能が揃っていることにより、顧客への迅速な対応やスムーズな予約管理が行え、社内の業務プロセスが改善されます。
そして、社内の人員やリソースの効率的な活用が実現し、業務の生産性向上に寄与します。特に、分析機能や他ツール連携機能が備わっていると、顧客へのサービス品質が向上し、より快適な顧客体験や円滑なコミュニケーションにつながります。
また、顧客ニーズに迅速かつ正確に対応できることにより、顧客満足度が高まり、リピーターや口コミによる集客が促進されるでしょう。以下では、利便性の高い機能を取り上げて解説します。
分析機能
IVRの分析機能では、顧客との通話データを解析し、顧客の行動パターンや要望を把握します。通話内容や結果をデータ化し、重要なトレンド・パターンを抽出します。これにより、顧客のニーズを理解し、サービス改善やカスタマーサポートの品質向上に貢献します。
また、オペレーターのパフォーマンス評価やコスト削減の手段としても利用できます。データに基づいた意思決定が可能となることで、効率的な改善策の立案や業務効率の向上に期待できます。
他ツール連携機能
IVRの他ツール連携機能は、CRM(顧客関係管理)やチャットツールといったビジネスツールとの連携を可能にします。その結果、顧客情報が自動的に共有され、より綿密な顧客対応が実現します。
例えば、顧客からの問い合わせがあった際、事前にIVRとCRMを連携しておけば、オペレーターが過去の取引履歴や問題点を把握し、個別化された効果的な対応が行えます。
また、チャットツールとの連携では、営業時間外の問い合わせ内容を通知し、緊急性の高い問い合わせをリスト化することで、スムーズなコミュニケーションの実現と機会損失の防止につながります。
ユーザーが利用しやすいガイダンスを設定できるか
使いやすいガイダンスは顧客満足度を高め、問い合わせの成功率を向上させます。具体的には、顧客ごとの適切な案内を行うことで、効率的な問題解決ができます。
対して、わかりにくいガイダンスはユーザーの混乱や手間が増えることにより、利用者の不満や中断を招き、顧客離れの原因となります。
なお、ガイダンスの設定方法はシステムによって異なります。搭載されている機能と合わせて柔軟性が重要であり、カスタマイズ性の高いシステムを選ぶことで、ユーザーごとに適した案内を提供できます。
IVR選びのその他の比較ポイント
IVRを選ぶ際には、重要な3つのポイント以外にも抑えておきたい比較ポイントがあります。ここでは、自社のニーズに合った効果的なIVRシステム選びに必要な、4つのポイントについて解説します。
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IVR選びのその他の比較ポイント
導入形態を確認
IVRの導入形態には、クラウド型とオンプレミス型があります。クラウド型はインターネット経由で提供されるため、導入時に自社内へのサーバーの設置やメンテナンスが不要であり、比較的手軽に導入できます。
一方、オンプレミス型は自社内にサーバーを設置して運用することから、ネットワークの安定性やデータの保護に対する管理能力が求められます。なお、セキュリティ面は自社でコントロールできるため、特定のセキュリティ要件を満たす必要がある場合に適しています。
どちらの導入形態を選ぶかは、自社の状況やニーズに合わせて適切な導入形態を選ぶことが重要です。利用目的や予算、セキュリティ要件などを考慮しつつ慎重に検討を行いましょう。以下では、クラウド型とオンプレミス型について詳しく解説します。
クラウド型
IVRのクラウド型は、インターネットを通じて提供される形態です。メリットとしては、導入の際、サーバーの設置や保守・管理が不要で、導入コストを削減できる点が挙げられます。
また、用意された機能の中からプランに合わせて自由に選択できるため、さまざまな業種業態にも対応できます。さらに、セキュリティやバックアップなどについては提供元が対応するため、業務負担を減らしながら安心して利用できます。
一方、インターネット接続が必須であることから、ネットワークの安定性が課題となることもあります。また、利用料が従量課金制である場合、通話量に応じてコストが変動することも考慮しなければなりません。
オンプレミス型
IVRのオンプレミス型は、自社のサーバーやネットワーク内にシステムを構築する形態です。データの管理やセキュリティに関して、自社で完全にコントロールできる点が大きなメリットです。
特に、個人情報などの機密データを多く扱う企業にとって、セキュリティ面での信頼性が高いとされています。また、ネットワークの安定性が自社内で保証されるため、通話品質が安定しているという利点もあります。
ただし、オンプレミス型の導入には高額な費用がかかることがデメリットです。サーバーの購入や設置、保守管理などに費用が発生し、初期投資が大きくなります。さらに、システムの拡張やアップデートにも、時間と人的コストがかかります。
セキュリティ対策は万全か
IVRを使用した顧客対応では、顧客がIVRを通じて個人情報を入力することから、セキュリティ面でのリスクがあります。特に、不正アクセスや情報漏洩がリスクとして挙げられ、仮に情報漏洩が起こると重大な問題となるため、顧客情報や個人情報の保護が不可欠です。
セキュリティ対策としては、データの暗号化・アクセス制御などの対策が必要であり、定期的な監査やアップデートも重要です。導入するIVRのセキュリティ対策を徹底することで、顧客データの保護だけでなく企業の信頼性向上にもつながります。
サポート体制は充実しているか
システムの導入前後では、システムの構築・初期設定・カスタマイズが必要ですが、それらをスムーズに行うためには専門的なサポートが必要となります。また、システムが故障した場合やトラブルが発生した際も、迅速な対応が求められます。
したがって、サポート範囲・内容の充実性を確認し、トラブルや障害が発生した際にも迅速な対応ができるようにしておくことで、業務の停滞や顧客への影響を最小限に抑えられます。
特に、24時間対応可能であるか、専門のエキスパートがいるか、問い合わせ方法や対応時間帯などをしっかりと確認しておきましょう。
無料トライアルがあるか
IVRを導入する際は、可能な限り無料トライアルを利用しましょう。トライアル期間中にシステムを実際にテスト運用することで、自社のニーズに合った機能や使いやすさを確認できます。
また、カスタマイズの必要性を検討しながら、実際の運用に向けた不具合や課題点を発見することにより、本格的な運用時のリスクを軽減できます。費用対効果を含め、リスクを最小限に抑えた導入をするためには、トライアルでのテスト運用がおすすめです。
おすすめのIVR2選
GOOD
ここがおすすめ!
- 機能が豊富で、文字起こしやAI音声認識が利用できる
- 顧客管理機能を備えており、ブラックリストはもちろんホワイトリストの作成も可能
- 受電履歴・メモ機能により、過去のやり取りの共有がしやすい
MORE
ここが少し気になる…
- 支払はクレジットカード決済のみで、他の支払方法を希望する場合は問い合わせ
価格(税別) | ・ベーシック 1ヶ月あたり3,000円 ・プラス 1ヶ月あたり5,000円 ・エンタープライズ 問い合わせで確認 |
導入形態 | - |
オペレーター対応 | - | 分析・レポート | - |
データ集計 | - | シナリオ作成 | ◯ |
文字起こし | ◯ | 通知機能 | ◯ |
連携サービス | ・メール ・Slack ・LINE ・Chatwork ・Teams |
その他の機能 | ・新規電話番号の取得 ・音声ガイダンス ・電話転送(リダイレクト) ・複数転送 ・音声録音(留守電) ・顧客管理 ・ブラウザからの発信 ・受電履歴・メモ ・ホワイトリスト・ブラックリスト ・メンバー追加 ・権限管理 ・AI音声認識(β) |
GOOD
ここがおすすめ!
- 用途にあわせた多種多様なパッケージの用意があり、自社に合ったプランを見つけやすい
- 「ボイスボット」を備えているのでセルフ対応が難しくても活用可能
MORE
ここが少し気になる…
- パッケージによって価格のばらつきがあり、細かな料金や機能については問い合わせる手間がかかる
価格(税別) | 問い合わせで確認 | 導入形態 | - |
オペレーター対応 | - | 分析・レポート | - |
データ集計 | - | シナリオ作成 | - |
文字起こし | - | 通知機能 | ◯ |
連携サービス | - | その他の機能 | ・電話受信サービス(インバウンド) ・電話発信サービス(アウトバウンド) ・SMS送信・活用サービス ・PCI DSS準拠サービス ・ロボット自動受付サービス |
IVRの導入の仕方と注意点
IVRの導入は効率的な顧客対応や業務改善に役立ちますが、システム導入前には目的を明確化し、自社のニーズに合った機能を検討する必要があります。ここでは、IVRの導入の仕方と注意点について解説します。
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導入目的とシステムが合っているか確認
IVRは自動応答や顧客対応の効率化など、さまざまな目的に利用されますが、システムごとに得意とする機能や特長が異なります。そのため、まずは自社の導入目的を明確化し、IVRシステムがサポートできるかを確認しましょう。
例えば、同時着信数が多い企業には、同時通話数に制限のないシステムが適しています。また、自動音声ガイダンスの内容やガイダンス設定の柔軟性も重要なポイントです。どの利用者でも、わかりやすいガイダンスを設定できるシステムが望ましいでしょう。
さらに、導入後のサポート体制やトレーニングの提供も考慮すべきポイントです。システムとの適合性を確認し、目的に合ったIVRシステムの導入を行うことで、効果的な顧客対応や業務改善の実現につながります。
機能とコストが見合っているか
IVRの導入・運用にかかる費用としては、導入費用、月額基本料、付加機能使用料などがあります。よって、機能とコストが見合っているかを確認し、自社の予算とニーズに合った最適なシステムを選ぶ必要があります。
機能とコストのバランスを見極めることで、不必要な機能に高額なコストをかけることを防ぎ、必要な機能を適切なコストで利用することができます。また、過剰なコストを抑えることで費用対効果が向上し、経済的なメリットも高まります。
適切な機能と費用対効果を確認するためには、複数のIVRシステムを比較し、それぞれの提供する機能と料金体系を把握することが重要です。
導入にどれくらい時間がかかるか確認
IVRの導入にかかる時間は導入形態やシステムによって異なるため、事前に導入期間を確認しておきましょう。クラウド型の場合は比較的短期間で導入が可能ですが、オンプレミス型の場合はインフラ構築や設定に時間がかかります。
早急に導入したい場合は、クラウド型を選択することで導入期間を短縮できますが、その際にはセキュリティやデータ管理に注意が必要です。また、急いで導入する場合でも、慎重な計画とスケジュール管理を行うことでスムーズな導入につながります。
操作性やシステム障害を考慮する
IVRの中でも、多くの機能を搭載しているものや複数回の選択肢を提案するようなものでは、利用者の操作性が複雑化して利便性を低下させてしまいます。そのため、システムにおける実際の操作性を十分に考慮し、選択することがおすすめです。
また、IVRは利用する電話回線やインターネット環境に影響され、システムに依存することから、障害が発生した際には業務が停止することも考えられます。これらの点も踏まえながら、IVRの導入を検討しましょう。
導入後の維持管理に手間がかかる
IVRの導入後には、顧客からの問い合わせ内容や市場の動向などに合わせて、顧客対応の変更や更新をする必要があります。つまり、導入したら終わりではなく、定期的な振り返りが求められます。
そして、システムの維持管理には人材などのリソースが必要となるため、自社内の誰がシステムの管理を行うのかなど、担当者の専任も行わなければならない点にも留意しましょう。
まとめ
IVRは問い合わせ対応業務の効率化に役立ちますが、選定と導入には慎重な計画が必要です。IVR選びの際に重要なポイントとしては、同時通話数の確認、自社に必要な機能の搭載、利用しやすいガイダンスの設定が挙げられます。
導入の際には、導入目的とシステムの適合性、機能とコストのバランスを確認することが重要です。また、クラウド型やオンプレミス型の導入形態も検討しつつ、最適なIVRの選択と導入を行い、企業の対応品質の向上と効率的な業務運営を実現しましょう。