おすすめのヒートマップツール4選|選ぶ際のポイント・注意点も解説

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- ヒートマップツールは、マップの種類・機能・計測上限と保存期間に注目して選ぶ
- 料金や実際の使いやすさ、ベンダーのサポート体制も比較する
- ユーザー心理までは分からないため、効果測定と改善の繰り返しが重要となる
ヒートマップツールとは、Webページを訪れたユーザーの行動を可視化できるツールです。Webページの改善点を把握でき、UXやCVR向上を目的とした施策を実施しやすくなります。この記事では、おすすめのヒートマップツールや選ぶ際のポイントを解説します。
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ヒートマップツールでWebページを効果的に改善

Webページの効果的な改善にはヒートマップツールの活用が非常に有効です。ヒートマップツールとは、ページを訪れたユーザーのクリック位置、スクロールの深さ、マウスの動きなどを色分けして可視化できるツールです。
ヒートマップツールを使うことで、ユーザーがどこに注目し、どこで離脱しているのかを直感的に把握できます。特に競争の激しいWebマーケティングの現場では、短期間で成果を上げるためにどこを優先的に改善すべきかを明確化できる点が大きなメリットです。
この記事では、こうしたヒートマップツールの特徴や活用メリットに加えて、導入時の選び方やおすすめツールについても詳しく解説していきます。

ヒートマップとは?機能やメリット・デメリット、活用方法も解説
ヒートマップとは、ユーザーのWebサイト上における行動を可視化できるツールです。ヒートマップで可視化された部分を分析することで、Webサイトの改善すべき点が明確になります。本記事では、ヒートマップの機能やメリット・デメリット、活用方法などを解説します。
ヒートマップツールは機能・データの種類・上限と保存期間で選ぶ

ヒートマップツールを選ぶ際は「搭載されている機能」「取得できるデータの種類」「データの上限と保存期間」の3つを軸に比較することが重要です。次の章では、この3つのポイントについて、実際の活用例や選定時のチェック方法を交えながら詳しく解説していきます。
【重要なポイント3つ】
- 対応可能なヒートマップの種類
- ヒートマップ以外の機能も確認
- 計測範囲の上限や保持期間は十分か
【その他の比較ポイント】
- 自社に合った価格帯か
- 担当者が使いやすい仕様か
- サポート体制もチェック
ヒートマップツールの選び方で重要な3つのポイント

ヒートマップツールを選ぶ際は「対応可能なヒートマップの種類」「ヒートマップ以外の付加機能」「計測範囲の上限や保持期間」の3つを押さえることが重要です。以下では、ヒートマップツールの選び方で重要な3つのポイントについて詳しく解説します。
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ヒートマップツールの選び方で重要な3つのポイント
対応可能なヒートマップの種類
ツールが対応しているヒートマップの種類を確認することは最重要です。ヒートマップには複数の種類があり、それぞれ得られる情報や分析の目的が異なります。
自社が改善したいポイントに合った種類を提供しているかを見極めないと、せっかく導入しても必要なデータが取れない可能性があります。以下に代表的なヒートマップの種類と概要をまとめます。
種類 | 概要 |
---|---|
スクロールヒートマップ | ユーザーがWebページをどこまで スクロールしたかを可視化 |
クリックヒートマップ | ユーザーがどこをクリックしたかを色分け表示 |
アテンションヒートマップ | ページ上でユーザーの視線や注意が集中したエリア |
マウスフローヒートマップ | ユーザーのマウスの動きや軌跡を可視化 |
タッチアクションヒートマップ | スマホやタブレットでのタップやスワイプなどの 操作を可視化 |
ヒートマップ以外の機能も確認
ヒートマップの表示だけでなく、それを補完する付加機能があるかどうかも選定の重要ポイントです。ツールによっては、ユーザー行動をより深く分析できる機能が備わっており、改善策の精度が大幅に向上します。特に注目したいのは以下の機能です。
セグメント分析
セグメント分析は、ユーザーを属性や行動パターンごとに細かく分けてデータを比較できる機能です。新規ユーザーとリピーター、モバイルユーザーとPCユーザーなどに分類し、それぞれのヒートマップやアクセス傾向を個別に分析できます。
セグメント分析により、特定のユーザー層の行動特徴や課題が明確になり、効果的なターゲット施策が立てやすくなります。単純な全体分析では見えなかった細かな差異を把握できるため、サイト改善の精度向上に直結します。
画面録画・再生
画面録画・再生機能は、実際のユーザーがWebページ上で行った操作を動画で記録し、後から再生できる機能です。
クリックやスクロール、フォーム入力の動きなどを細かく観察できるため、ヒートマップだけでは把握しづらいユーザーの迷いやストレスポイントを特定できます。
例えば、何度も同じ場所をクリックしている、フォーム入力で止まっているなどの行動がわかれば、UIの改善に直結します。動画で視覚的に確認できるため、社内共有や改善会議でも説得力のある説明が可能となり、具体的な改善策を練るうえで非常に効果的です。
ABテスト
ABテスト機能は、複数のページデザインやコンテンツを比較検証し、どちらがより効果的かを科学的に判断するための機能です。例えば、ボタンの色や配置、キャッチコピーの違いなどを複数用意し、ランダムに訪問者に表示して反応を比較します。
ABテスト機能があることで、仮説に基づく改善案が本当に成果を上げているかを数字で裏付けられ、無駄な試行錯誤を減らせます。
ABテストの結果はヒートマップのデータと組み合わせることで、ユーザーの行動変化や効果の理由をより深く理解でき、サイト改善の成功率を高めることが可能です。
アクセス解析
アクセス解析は、Webサイトの訪問数や滞在時間、直帰率、コンバージョン率などの基本的なユーザー行動データを解析する機能です。
ヒートマップと組み合わせることで、ユーザーがどのくらいの時間を費やしているかや、どこで離脱しているかなど、全体的な動向を把握しやすくなります。
アクセス解析により、ヒートマップで示された行動傾向の背景を理解しやすくなり、具体的な改善ポイントの発見につながります。また、時間帯やデバイス別の解析も可能な場合が多く、多角的な視点からサイトの問題点を探りやすい点もメリットです。
計測範囲の上限や保持期間は十分か
ヒートマップツールの計測可能なPV数や登録できるサイト数、データの保存期間は必ずチェックすべきです。これらが不足していると、必要なデータが途中で欠けてしまい、分析の継続性が損なわれます。
特にアクセス数が多いサイトや、キャンペーン期間中など短期間にアクセスが集中するケースでは、PV上限が低いと早期に計測が止まってしまうリスクがあります。また、保存期間が短いツールだと、数カ月単位での改善効果検証ができません。
理想は、自社の平均アクセス数に加え、繁忙期や広告出稿時のアクセス増もカバーできる余裕を持つことです。さらに、複数サイトを管理している場合は、計測対象サイト数の制限も重要です。
ツールによっては上位プランへの切り替えが必要な場合もあるため、導入前に必ず仕様と料金体系を確認しましょう。
ヒートマップツールのその他の比較ポイント

ヒートマップツールのその他の比較ポイントとしては、価格、使いやすさ、サポート体制などが挙げられます。機能面だけで判断してしまうと、導入後にコストや操作性の面で不満が出る可能性があります。以下で、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
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ヒートマップツールのその他の比較ポイント
自社に合った価格帯か
ヒートマップツールを選ぶときは、必ず自社の予算に合った価格帯かどうかを確認しましょう。どんなに高機能で便利なツールでも、費用が予算を大きく超えてしまえば長く使い続けるのは難しくなります。
また、価格だけでなく費用対効果も考える必要があります。例えば、ツールの導入によってユーザーの動きが分析しやすくなり、コンバージョン率が上がって売上増加が見込める場合は、多少高くても投資する価値があります。
しかし、現状のサイト規模や改善のスピードに合わない高額プランを選んでしまうと、コストばかりかかって、効果が感じられないという失敗につながります。そのため、まずは必要な機能と価格のバランスを見極め、自社の状況にぴったり合うプランを選びましょう。
無料ツールから始める方法も
まずは無料ツールでスモールスタートする方法も効果的です。無料ツールは基本機能が限定される場合が多いですが、小規模サイトやテスト運用の段階では十分役立ちます。
有料ツールと比べると、データ保存期間や計測ページ数、サポート機能などに制限があるものの、初期費用やランニングコストがかからない点は大きな魅力です。
特にヒートマップツールを初めて導入する企業には、まず無料版で運用感覚を掴み、必要に応じて有料版へアップグレードする方法がおすすめです。
担当者が使いやすい仕様か
担当者が使いやすい仕様であることも重要な比較ポイントです。どれだけ多機能でも、インターフェースが複雑で見づらいほか、操作に時間がかかるツールでは現場での活用率が下がってしまいます。
ヒートマップの色分けや表示方法が直感的であるか、データ抽出やレポート作成が簡単にできるかなど、実際の利用シーンを想定してチェックしましょう。有料ツールの場合、多くは無料トライアル期間を設けています。
無料トライアル中に担当者が実際に操作し、社内メンバーからのフィードバックを得ることで、本格導入後のミスマッチを防げます。
サポート体制もチェック
サポート体制も必ず確認しておくべきです。導入後は、設定やデータの見方、機能の使い方などで不明点が出てくる可能性があります。その際、ベンダーのサポートが迅速かつ丁寧であるかは運用効率に大きく影響します。
メールやチャットだけでなく、電話やオンラインミーティングでのサポートをしているかもチェックポイントです。
また、海外製ツールの場合、日本語対応があるかどうかも重要です。管理画面やマニュアル、サポート対応がすべて英語だと、社内での活用ハードルが高くなってしまいます。
安心して長期的に利用するためには、機能だけでなくサポート体制も含めた総合評価が欠かせません。
おすすめのヒートマップツール4選
株式会社ユーザーローカル
User Insight
ここがおすすめ!
- 細かな分析機能を標準装備し、「誰が」「どのように」見ているのかを把握できる
- 「AI」によるレポート作成や改善の時短が可能に
- 「Webビーコン方式」で手間のかかるインストール作業が不要
ここが少し気になる…
- 契約は6ヶ月ごとの更新のため、スポットや数カ月のみ使用したい場合には不向き
ここがおすすめ!
- EFO機能も搭載されており、LP最適化とともにEFOにも取り組める
- サイト訪問者のマウスの動きを「サーモグラフィ」のように表示して視線が集まる箇所を特定
ここが少し気になる…
- プラグインで自動生成されたページは計測できない場合がある
株式会社 Faber Company
ミエルカヒートマップ
ここがおすすめ!
- 追加料金なしでヒートマップを基にした改善提案を受けられる「改善提案付きプラン」の提供
- プランごとに利用可能数の制限はあるが、無料プランでもすべての標準機能を使用できる
ここが少し気になる…
- 利用条件にドメイン数・計測URL数・計測PV数が設定されているため、1ドメインでもPV数が多い場合は高額プランの加入が求められる
株式会社Ptmind
Ptengine
Ptengine
ここがおすすめ!
- ポップアップや固定バーなどをノーコードで作成でき、Web接客の高質化が可能
- 種類豊富なヒートマップを一画面に並べられ、比較分析が容易に行える
ここが少し気になる…
- 計測可能PV数の上限を超えた場合、リセットがかかるまで計測停止となる
ヒートマップツールの導入フローと注意点

ヒートマップはユーザーの行動を可視化し、Webサイト改善のヒントを得られる便利なツールですが、やみくもに導入しても十分な効果は得られません。そのため、適切な導入フローと注意点を抑えておくことで、ヒートマップツールを最大限に生かすことができます。
ここからは、ヒートマップツールの導入フローと注意点について詳しく解説します。
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ヒートマップツールの導入フローと注意点
1. 複数のツールを試してみる
ヒートマップツールは機能や操作感、対応範囲がツールごとに大きく異なるため、導入前に複数を比較することが非常に重要です。
初めて導入する場合は、無料トライアルや無料プランを活用して、実際の画面やデータ表示のしやすさ、レポートの見やすさを確認しましょう。また、同じ機能を持つツールでも、計測精度やデータ保持期間、表示スピードに差がある場合があります。
無料で試す期間を利用することで、導入後のミスマッチを防げます。複数のヒートマップツールを試し、自社の目的に合ったツールを選びましょう。この初期比較の段階が、その後の運用のスムーズさを大きく左右します。
2. ツールの導入・タグの設置
ツールを契約したら、次は計測を開始するためのタグ設置作業が必要です。タグとは、WebページのHTMLに埋め込むコードで、タグが正しく設置されて初めてユーザー行動の計測が可能になります。
設置作業は比較的シンプルな場合もありますが、複数ページや複雑な構造のサイトでは注意が必要です。多くのベンダーでは、タグ設置をサポートするサービスがあり、初期設定から動作確認までを支援してくれる場合があります。
導入担当者が技術的に不安を感じる場合は、必ずサポートを活用すると安心です。タグが正しく機能しないとデータが欠損し、分析結果が不正確になるため、導入時の設定は慎重に行う必要があります。
3. 効果測定と改善を繰り返す
ヒートマップはユーザーのクリックやスクロール位置、注目エリアなどを可視化する強力なツールですが、取得できるのはあくまで行動データであり、ユーザーの心理までは直接把握できません。
そのため、導入して結果を一度見ただけで満足せず、継続的に効果測定と改善を繰り返すことが重要です。例えば、特定のコンテンツがほとんど見られていない場合は配置やデザインを変更し、その後再度ヒートマップで効果を確認します。
このサイクルを続けることで、改善の精度が高まり、UXやCVRの向上につながります。ヒートマップは単発で使うものではなく、PDCAサイクルの一部として継続的に活用することがポイントです。
まとめ

ヒートマップツールはWebサイトを使いやすくし、成果を上げるためのツールです。ヒートマップツールを使うと、ページを見た人の行動が色付きの地図のようにわかります。
さらに、UXやCVRの向上にもつながり、結果的に売上や申し込み数を増やす効果が期待できます。ただし、ヒートマップは行動を可視化するだけで、なぜそういう行動をとったのかという理由まではわかりません。
そのため、他の分析ツールやテストと組み合わせながら使うことが重要です。本記事で紹介した選び方や導入の流れを参考に、自分のサイトに合ったヒートマップツールを取り入れ、改善と検証を繰り返すことで、より良いWebサイトに成長させていきましょう。