与信管理システムおすすめ7選|選ぶ際のポイントや注意点も解説

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- 与信管理システムは、与信情報のカバー範囲と信頼性、搭載されている機能の確認が重要
- 企業の規模・商習慣に合っているか、海外取引に対応できるかなども比較する
- 導入目的を明確にしてシステムを選び、システムに合わせて業務も見直す
与信管理システムの導入により、与信審査の精度を向上させて未回収リスクを減らすことができます。特に、取引先が多い企業や海外取引を行う企業で導入されています。本記事では、与信管理システムのおすすめや選ぶ際のポイント、注意点などを解説します。
目次
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与信管理システムで与信審査の精度を向上させる

与信管理システムとは、取引先の信用枠や売上債権残高などの与信に関する情報を一元管理するツールです。与信審査にかかる時間を大幅に短縮できるうえ、与信判断における精度の向上にも役立つため、取引における未回収リスクの低減につなげられます。
特に取引先が多い企業や、与信情報の収集が難しい海外取引の頻度が高い企業では、高い導入効果が見込めます。本記事では、与信管理システムの選び方のポイントやおすすめの製品について解説します。
与信管理システムは情報の信頼性や機能の充実度で選ぶ

「与信情報のカバー範囲と信頼性」「適切な与信判断につながる機能の有無」「アラート機能の有無」は、与信審査の精度に直結するポイントです。与信管理業務の効率化につなげるためにも、ツール選定の際は特にこの3つのポイントに注目しましょう。
あわせて、自社との相性・セキュリティ対策・海外の与信管理の可否・債権保証サービス・周辺業務のサポ-ト機能などにも注目するのがおすすめです。それぞれのポイントについて、次の章から解説していきます。
【重要なポイント3つ】
- 与信情報のカバー範囲と信頼性
- 適切な与信判断ができる機能があるか
- 異常検知できるアラート通知の有無
【その他の比較ポイント】
- 自社の規模・商習慣に合っているか
- 十分なセキュリティ対策が行われているか
- 海外の与信管理にも対応しているか
- 債権保証サービスがあるか
- 周辺業務をサポートする機能があるか
与信管理システムの選び方で重要な3つのポイント

与信管理システムを選ぶ際に特に重要なのが、与信情報のカバー範囲と信頼性、適切な与信判断ができる機能の有無です。与信管理における基準は企業ごとに異なるため、自社基準に合ったツールを選ぶことが重要です。
また、異常検知時に自動でアラートを通知する機能があれば、取引先に何らかのリスクが生じた場合でも、素早い対応につなげられます。ここでは、与信管理システムの選び方で重要な3つのポイントについて解説します。
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与信管理システムの選び方で重要な3つのポイント
与信情報のカバー範囲と信頼性
与信管理システムによって、使用するデータベースが異なります。例えば、大手の信用調査会社のデータベースを使う場合は、情報の客観性と正確性に信頼が置けます。一方、ベンダー独自のデータベースを使うツールも存在します。
ベンダー独自のデータベースでは、一般的な調査会社がカバーしていないような情報を収集していることが多く、より広範な情報を収集できるのが魅力です。しかし、調査会社データベースに比べると、情報の精度が劣る可能性もあります。
導入候補の与信管理システムがどのデータベースを使っているかを確認し、自社が求める情報範囲・精度が担保されたものを選びましょう。
適切な与信判断ができる機能があるか
適切な与信診断を支援する機能があるシステムは、与信審査の精度向上に役立てられます。例えば、スコアリングにAI活用や統計的手法を用いるツールや、専任の調査担当者による調査レポートが取得できるシステムであれば、より的確な与信審査が可能になります。
分析手法は与信管理システムによって異なるため、どのような手法でスコアリングが実施されているかを確認しましょう。あわせて、審査基準の設定可否や、適正な与信限度額を自動算定する機能があるかにも注目するのがおすすめです。
これらの機能の活用により、自社基準に合わせた与信診断を行えます。独自の与信基準を設けている企業でもこれ1つで与信判断を完結でき、取引におけるリスク低減にもつながります。
異常検知できるアラート通知の有無
取引先の与信状況をモニタリングし、異常を検知した際に自動でアラートが表示される製品がおすすめです。例えば、取引先が与信枠を超えそうな場合や、支払遅延が発生したときなどに、担当者に自動で通知が届きます。
取引先の財務状況をリアルタイムで把握できるため、倒産や赤字のリスクが高いと判断されるときにも素早い対応が可能です。また、担当者が常に取引先を監視せずに済むため、取引先の数が多い企業でも、担当者の負担を減らしながら取引リスクを回避できます。
与信管理システムのその他の比較ポイント

与信管理システムを選ぶ際は、上記に加えて、次のような5つのポイントにも注目するのがおすすめです。ここでは、与信管理システムのその他の比較ポイントについて解説します。
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与信管理システムのその他の比較ポイント
自社の規模・商習慣に合っているか
与信管理システムによって、対応できる取引金額・取引先数・承認フローが異なります。例えば、大口取引の件数が多い企業や承認プロセスが複雑な企業は、それに見合った規模を持つシステムの選定が求められます。
反対に小口取引が多い企業であれば、大企業向きの与信管理システムを導入すると、機能を持て余し、コストの無駄にもなりかねません。機能の詳細を確認したうえで、自社の規模・商習慣に合わせて運用しやすいものを選びましょう。
十分なセキュリティ対策が行われているか
与信情報は非常に機密性が高いため、これらを安全に管理できる与信管理システムを選ぶ必要があります。製品の公式サイトなどを確認し、情報セキュリティポリシーや個人情報保護方針が自社基準を満たしている製品を導入しましょう。
また、セキュリティ機能の確認も重要です。例えば、データの暗号化やアクセス制御、ログ監視などの機能を備えたものは、情報漏洩や改ざんのリスク軽減に役立ちます。
さらに、定期的なセキュリティ診断を実施するツールは、最新の脅威にも素早い対応が期待できます。これらの機能を中心に、自社が求めるレベルのセキュリティ対策がなされたツールを選びましょう。
海外の与信管理にも対応しているか
海外企業は国内企業とは異なる商習慣や文化を持ち、与信管理の評価指標や取引リスクにも違いがあることが多いです。また、情報収集にはある程度の専門知識が求められることから、海外取引のある企業は、海外の与信管理にも対応したシステムの導入が望ましいです。
言語面で不安がある場合は、多言語対応の可否にも注目しましょう。例えば、海外の取引先に関するレポートを自動で日本語に翻訳するサービスが代表的です。自社からの与信レポートを取引先の言語に変換できるシステムは、自社の信用を高めることにもつながります。
債権保証サービスがあるか
債権保証とは、取引先が売掛金を支払えないときに、その債権の支払いを保証することです。与信管理システムによっては、取引先が倒産・支払遅延したときに、利用者への売掛金の支払いを保証しています。
未払いや支払遅延のリスクを軽減できるため、自社における資金繰り悪化も抑えられます。必要に応じて、債権保証サービスを備えた債権管理システムを探しましょう。
周辺業務をサポートする機能があるか
与信管理業務に加えて、債権回収・入金管理・記帳代行などもサポートするシステムであれば、与信管理周辺の業務をまとめて1つのシステムで完結できます。カバーできる業務範囲はシステムによって異なるため、自社に必要な機能を備えたものを導入しましょう。
なお、債権管理システムによっては、他システムとの連携が可能です。例えば、請求管理システムや債権管理システムと連携できる製品であれば、同様に与信管理周辺の業務を一気通貫に処理できます。
既存の社内システムと連携を希望する場合は、相互に連携可能な与信管理システムを導入しましょう。
与信管理システムおすすめ7選
アラームボックス株式会社
アラームボックス

ここがおすすめ!
- AIと専門家の目線で与信管理を自動化し、業務を効率化
- 500万社のデータで反社・信用・風評など網羅的に調査
- 取引先の状況変化を自動で通知してくれるため安心
ここが少し気になる…
- 最低契約期間として1年間の契約が必要
ここがおすすめ!
- 審査が最短1営業日で完了し、スムーズに取引を開始できる
- 月額9,800円からの定額制で、追加料金・最低利用期間はなし
- 倒産だけでなく、1ヶ月以上の支払い遅延も保証
ここが少し気になる…
- 海外法人や一般消費者は保証の対象外
AGS株式会社
Neuro Watcher

ここがおすすめ!
- 入会金・基本料金0円の完全従量制で、コスト管理しやすい
- AIが約100万社を9段階で格付け、年間倒産率も高精度に予測
- 信用リスク率に基づき、取引先ごとの限度額を自動で算出
ここが少し気になる…
- 大量の取引先を定期的にチェックする場合はコストが膨らむ
三井物産クレジットコンサルティング株式会社
SMART

ここがおすすめ!
- 三井物産の与信管理ノウハウを活用した高精度な格付判定
- オンラインで情報提供から変動通知まで効率的に対応
- 企業規模や取引形態に合わせた与信限度額設定もサポート
ここが少し気になる…
- 料金やオプションの範囲については問い合わせで確認
リスクモンスター株式会社
e-与信ナビ
e-与信ナビ
ここがおすすめ!
- 「RM格付け」「RM与信限度額」などの与信判断に必要な指標を提示
- 基本情報はもちろん、企業分析で使える情報を豊富に提供
- 国内最大級の「約540万社超」のデータベースから取引先を検索
ここが少し気になる…
- 月額定額制ではなく1件あたりに必要で、サポート体制は問い合わせで確認
株式会社オービック
与信管理ソリューション
与信管理ソリューション
ここがおすすめ!
- 定量・定性評価と外部データを組み合わせた高精度な信用格付
- 電子申請ワークフローで与信申請業務を効率化
- 販売・会計システムや調査機関と連携し、取引先情報をシームレスに一元管理
ここが少し気になる…
- 既存システムとの連携やデータ移行には一定の工数がかかる
一般社団法人CRD協会
CRD統合ツール
CRD統合ツール
ここがおすすめ!
- スコアリング・経営診断・粉飾チェックの3つの機能を1パッケージに統合
- 全国100万社の財務データと比較した精度の高い現状診断が可能
- 粉飾決算の可能性を自動チェックし、リスク管理を効率化
ここが少し気になる…
- 信用保証協会や金融機関などの会員を対象としたサービス
与信管理システムの導入フローと注意点

与信管理システムの導入効果を高めるには、導入目的の明確化や最適なシステムの選定、業務フローの見直しなどが求められます。ここでは、与信管理システムの導入フローと、各フローにおける注意点などを解説します。
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与信管理システムの導入フローと注意点
1. 導入目的を明確にして候補を絞る
与信管理システムによって、「与信情報の豊富さ」「精度の高いスコアリング」「取引先情報の継続管理」など、強みを持つ分野が異なります。つまり、導入後に見込まれる効果に違いがあるため、自社の課題に合わせたシステム選びが重要です。
例えば、与信判断の精度に課題がある場合は、信頼性の高いデータ収集や充実した分析手法を備えたシステムの選定が望ましいです。与信管理システムの導入目的を明確にしたうえで、その実現につながるような機能・サービスを有した候補を絞りましょう。
2. コストパフォーマンスの高いシステムを選ぶ
与信管理システムは機能で選ぶことも大切ですが、同時にコストパフォーマンスの妥当性にも注目しましょう。特に高機能なツールは費用も高額なため、予算と機能のバランスが取れているかは、重要な選定基準となります。
また、機能面だけでなく操作性もコストパフォーマンスに影響を与えます。例えば、画面が見づらいものや直感的に操作できないものは、作業効率の低下を招きやすく、コストパフォーマンスが高いとはいえません。
無料トライアルやデモを活用して試験運用を行い、自社にとって使いやすいツールを選定しましょう。
3. システムに合わせて業務を見直す
与信管理システムによっては、審査基準や承認フローの柔軟な設定が可能ですが、この場合でも従来の与信管理業務をそのまま適用できるとは限りません。システムの導入に伴い、業務方法やルールについて一定程度の変更を余儀なくされるケースが大半です。
導入予定の与信管理システムの仕様に合わせて、最適な与信管理業務フローを構築し直しましょう。その過程で、審査基準や与信限度額の算出方法、承認フローの見直しを求められることもあります。
また、運用開始後には、業務フローの変更による社内の混乱やトラブルが予測されます。スムーズに運用を開始できるように、事前の業務フロー訓練やシステムの操作トレーニングも実施しましょう。
まとめ

与信管理システムとは、取引先に関する与信情報の収集を一元的に行い、的確な与信判断を支援するツールです。情報収集の範囲や精度、分析手法などは製品によって異なるため、自社基準に適合したものを選定する必要があります。
また、取引先のモニタリングや異常検知アラートを行うシステムであれば、突然の取引先の状況変化にも素早く対応でき、自社における取引リスクを最小限に抑えられます。与信情報は機密性が極めて高いため、セキュリティ対策が万全なものを選びましょう。
さらに、与信管理に加えて周辺業務もまとめて支援する製品であれば、与信関連業務のさらなる効率化につなげられます。本記事を参考に、自社基準に適した与信管理システムを導入し、与信管理業務の効率化と精度向上を同時に実現させましょう。