看護師転職での志望動機の書き方は?ポイントや注意点を解説

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- 看護師の志望動機には、応募先の特徴と自分の経験がマッチする点を書くのが効果的
- 給料や休日など、待遇や条件だけを動機にせず、方針や理念などへの共感を示すと良い
- 志望動機が思いつかない時は、自己分析や、多数の施設について調べてみるのがおすすめ
看護師として転職する際は、履歴書や面接で志望動機を伝える必要があります。しかし、何を書けば良いか分からない方や、上手く書けずに悩む方も多いでしょう。この記事では、看護師の志望動機を書く際のポイントや注意点、思いつかない時の対策などについて解説します。
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看護師として転職する際の志望動機の書き方とは

一般的な転職でほぼ志望動機を尋ねられるのと同様に、看護師として転職する場合も、その施設を志望する動機を質問されます。また、志望動機は履歴書や面接など、さまざまな場面で繰り返し問われるため、応募先を納得させられるような答えを準備しておきましょう。
しかし、「何を書いたらいいか分からない」「志望動機をうまくまとめられない」といった悩みを持つ看護師も多いでしょう。本記事では、看護師転職の志望動機の書き方のポイントや注意点、書くことが思いつかない場合の対策を解説します。
看護師としての転職を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。
看護師の志望動機を書く時のポイント

看護師が履歴書に志望動機を書くときは、「これまでの経験・想い」「応募先と自分が合っている理由」「今後の意気込み」の3本立てで構成するのが基本です。また、内容だけでなく、採用担当者の印象が良くなるような書き方のテクニックも必要です。
ここでは、看護師の志望動機を書くときのポイントを7つ解説します。
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看護師の志望動機を書く時のポイント
経験・感じたことを書く
志望動機では、これまでの看護師としての経験や、それを通じて得たものを時系列で簡潔にまとめましょう。これによって、転職を志したきっかけを伝えたうえで、なぜその応募先を選んだのかという根拠を強調できます。
看護師の経験には、これまで働いた病院の種類・病棟・領域・担当業務・関わった患者・疾患などが含まれます。
その中で、「一人ひとりの患者さんともっとじっくり関わりたい」「看護師としてスキルアップしたい」などの想いを抱くようになったという論理展開が望ましいです。
応募先の特徴とマッチする内容を書く
応募先の施設について入念に情報収集したうえで、その応募先ならではの特徴・傾向と、自分の性格やスキルがどうマッチするのかを簡潔に記します。これによって、数ある転職先候補の中からその施設を選んだ理由を強調できます。
重要なのは、前項の「過去の経験から感じたこと」と一貫性を持たせることです。例えば、スキルアップを理由にした転職であれば、「最新の医療を提供している病院だから」といった志望動機が適しているでしょう。
なぜ転職を考えたのか、その上でなぜ自組織を志望しているのかという点を採用担当者に矛盾なく伝えることが大切です。また、応募先の情報を盛り込むと、入念なリサーチをしている姿勢を示せるため、好印象を与えられます。
今後の意気込みを伝える
志望動機の締めくくりとして、今後の意気込みを伝えます。入職後に、これまでの経験を活かしてどのように志望先に貢献するのかや、将来的に目指す看護師像を具体的に伝えましょう。
例えば、「○○領域の看護技術をさらに磨きたい」「患者に信頼される看護師になりたい」などの意気込みが代表的です。入職後に自分がどのような活躍をするのかを採用担当者に印象づけて、採用を後押ししましょう。
長く働けることを伝える
看護業界は人手不足の傾向にあるため、ほとんどの施設では安定して長く働ける人材を求めています。したがって、志望動機で長く働きたいという姿勢を示すと、歓迎される可能性があります。
例えば、応募先で「長期的に経験を積みたい」「キャリアアップしていきたい」といった言い回しがあります。
ただし、単にスキルアップや経験を積みたいとだけを書くと、応募先で一定の経験を積んだらまた転職するのではないかと危惧される可能性があります。そのため、必ず「応募先で」経験を積んでいきたいと強調することが大切です。
200〜300文字程度にまとめる
履歴書の志望動機が短すぎると、「本当に転職したいのか?」と疑念を持たれる恐れがあります。また、履歴書の志望動機スペースには制限があるため、小さな文字で長すぎる文章を書くと、採用担当者を疲れさせてしまいます。
志望動機の分量は、適度な大きさの文字で、スペースが8割〜10割埋まるくらいが適切です。具体的には、200〜300文字程度で簡潔にまとめましょう。
読みやすい文章を心掛ける
文章が読みにくい場合は、採用担当者にじっくりと志望動機を読んでもらえない可能性があります。そのため、相手の目線に立ち、読みやすく分かりやすい文章を心がけましょう。
具体的には、「一文は60〜80文字程度に収める」「主語と述語を近づける」などのテクニックが必要です。また、結論を先に述べることで、志望動機の要点を明確に伝えられます。
特に、論理的な文章構成のフレームワークであるPREP法やSTAR法は、志望動機や自己PRを簡潔に伝えるうえでも効果的です。これらの手法も上手に取り入れながら、分かりやすい文章を心がけましょう。
口頭でも伝えられるようにしておく
基本的に、面接では履歴書に書いた志望動機にもとづいた質問がなされます。また、口頭で志望動機を伝える際は、より説得力を持たせるために、志望動機の内容を膨らませて話すことが大切です。
履歴書に書いた志望動機を確認し、口頭でも分かりやすく伝えられるように準備しておきましょう。なお、履歴書と面接での志望動機が乖離すると信ぴょう性が下がるため、必ず一貫性を持たせることが大切です。
しかし、履歴書を単に丸暗記するだけでは、熱意が低いと見なされる恐れもあります。履歴書と面接での志望動機は必ず一致させ、具体的なエピソードや事例によって内容を深めることが望ましいです。
看護師の志望動機を書く際の注意点

看護師の志望動機で怒りやすいのが、「例文をそのまま使う」「ネガティブな情報が多い」といった失敗です。これによって、採用担当者の心証が悪くなり、選考に落ちる可能性があります。
ここでは、看護師の志望動機を書く際の注意点を解説します。
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看護師の志望動機を書く際の注意点
例文をそのまま使わない
インターネット上では、看護師転職向けの志望動機の例文も多数公開されています。参考にするのは問題ありませんが、そのまま転用するのは避けましょう。
例文は汎用性が高い分、個性が出にくく、そのまま使い回すと自分の熱意や特徴が伝わりづらい可能性があります。また、ありふれた志望動機は採用担当者の心に響きにくいため、必ず自分の言葉や経験に置き換えて使用することが大切です。
過去の経験などについて具体的なエピソードや事例を盛り込みながら、自分だからこそできる活躍や貢献を伝えましょう。
ネガティブな内容は避ける
前職での不満や待遇面の改善を目指して転職を考える人も多いでしょう。しかし、志望動機に前職の欠点や不満といったネガティブな内容を盛り込むと、採用担当者に「不満の多い人」という印象を持たれやすくなります。
結果として、「うちに転職しても不満を持つのではないか」と思われ、選考に不利に働く可能性があります。そのため、志望動機は必ずポジティブなものにすることが大切です。
なお、ネガティブな志望動機であっても、言い回しを工夫すれば問題ありません。ここでは、事例別にネガティブな動機をポジティブな内容に言い換える方法を解説します。
業務負担の大きさが理由の場合
「業務量が多い」「夜勤がきつい」「忙しい」といった理由で、もっと楽な職場への転職を目指す看護師もいます。
しかし、そのまま伝えてしまうと、働くのを嫌がっている人というイメージを持たれやすいため、ゆとりを持って働くことでどのようなメリットが生まれるかを添えることが大切です。
例えば、「心身のバランスを保って長く働きたい」「適切な業務フローで質の高い看護を提供したい」「自己学習の時間を確保してスキルアップしたい」などの内容が適切です。
人間関係のストレスが理由の場合
人間関係のストレスで転職することをそのまま明かすと、人間関係の構築が苦手な人・自己主張の強い人と判断されやすいです。
「チームケアで看護の質を高めたい」「メンバー全員の意思を尊重しながらスキルを活かしたい」といったポジティブな内容に言い換えましょう。他にも「風通しのいい職場で本来の実力を発揮したい」などの言い換えもあります。
給料への不満が理由の場合
給与や待遇面への不満を志望動機にしてしまうと、お金目当ての転職と捉えられ、採用担当者の心証が悪くなる可能性があります。給与は転職先を探す上で大切なポイントではありますが、よりポジティブな内容に言い換えましょう。
具体的には、「正当に評価される職場で働きたい」「成果主義の職場ならモチベーション高く働ける」といった言い換えが適切です。給料以上の活躍をして応募先に貢献するという姿勢を印象づけましょう。
待遇や条件だけを動機にしない
待遇や条件だけを志望動機にすると、「もっと良い条件が見つかれば、すぐに転職するのではないか」と懸念される可能性があります。これらも重要な転職ポイントですが、それを前面に押し出すのは止めましょう。
応募先施設の方針・理念に共感を示すと、なぜその施設を転職先に選んだのかという説得力を持たせることができ、「長く働いてくれる人材」という安心感も与えられます。
また、前述したように自分の強みや特性を挙げた上で、応募先の社風や風土にどうマッチするのかも具体的に伝えましょう。
能動的な姿勢を示す
「最新医療を学びたい」「勉強したい」といった動機は、学習意欲の高さをアピールできる一方で、それだけに完結すると受け身の人物という印象を持たれやすくなります。能動的な姿勢を示して、自分が即戦力として活躍できる人材であることをアピールしましょう。
例えば、「○○分野で経験を積んで△△の業務を担当できるようになりたい」のように、具体的なキャリアパスを示すのがおすすめです。積極的に業界研究をしているという能動的な姿勢をアピールでき、選考に良い影響を与える可能性があります。
志望動機を使い回さない
複数の応募先に同時に応募する場合でも、志望動機の使い回しはやめましょう。先にも触れたように、どこにでも通用する志望動機は採用担当者の印象に残りにくい傾向があります。
転職理由などは同一でも問題ありませんが、「なぜその施設を選んだのか」という強い動機が必要です。すべての応募先について入念な組織研究を行った上で、どこに魅力を感じたかや、自分になぜ合うのかを具体的に述べて、志望動機に説得力を持たせましょう。
嘘をつかない
看護師転職において、志望動機や自己PRでは嘘をついてはいけません。例えば、担当したことがない業務を記載したり、指向と正反対の志望理由を書いたりするケースが代表的です。
採用担当者は多くの転職希望者を面接しているため、嘘が見破られる可能性が高いです。たとえ内定をもらっても、入職後にミスマッチが起こり、自分の首を絞めることにつながります。
最悪の場合は、経歴詐称で懲戒解雇や損害賠償に発展する可能性もあるため、前述のようにネガティブな内容は避けるべきですが、嘘をつくのはやめましょう。
看護師の志望動機が思いつかない時の対策

転職したい気持ちはあるものの、うまく志望動機をまとめられないという場合もあるでしょう。その場合は、自己分析や情報収集といった転職準備に時間をかけることが大切です。
また、看護師転職サイト・エージェントを利用し、プロのアドバイザーによる転職支援を受けるのも選択肢の1つです。ここでは、看護師の志望動機が思いつかない時の対策について解説します。
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看護師の志望動機が思いつかない時の対策
自己分析を行う
志望動機が分からない場合は、まず自己分析を行うことが大切です。これまでの経験を振り返って、今の職場に対する不満や悩みを洗い出しましょう。
そして、「どのような職場ならやりがいをもって働けるか」「将来的にどのような看護師になりたいか」を整理します。これによって、転職の目標がはっきりし、その達成に向けてどのような職場を探すべきかも明確になります。
なお、自己分析が曖昧なまま転職活動を進めると、たとえ選考に通過しても入職後に以前と同じような悩みを抱えかねません。ミスマッチを避けるために、自分をしっかり見つめ直したうえで志望動機を考えましょう。
自己分析する際の自分への質問例
自己分析の際は、次のような質問を自分に投げかけると考えを整理しやすくなります。
- 看護師を目指したきっかけは何か
- これまでで一番やりがいを感じたのはどんな場面か
- これからどんな看護師になりたいのか
- 自分にとっての理想の職場環境はどのようなものか
質問の答えは深く考えず、直感的に思いついたものをどんどん紙に書き出していきましょう。同じ質問で矛盾した答えがある場合は、その理由を考えることも大切です。
これらの作業によって、自分が転職に本当に求めるものを整理でき、その結果、転職の方向性が定まり、説得力のある志望動機が思い浮かぶでしょう。
多数の施設について情報を集める
自己分析と並行して、どのような職場が転職先候補になるのかを調べ、施設の種類・診療科ごとの情報を集めましょう。その過程で、自分がどういったポイントに魅力を感じるのかが明確になります。
看護師の転職先には、次のような場所があります。
- 総合病院
- クリニック
- 介護施設
- 訪問看護ステーション
- 保育園・幼稚園
- 産業看護師として企業
- 医療機器関連企業
- 治験関係
施設の種類ごとに特徴や働き方が異なるため、自分の希望に近い条件はどこかを探しましょう。例えば忙しさが理由で転職する場合は、比較的夜勤や残業が少ないクリニックや、保育園・幼稚園、産業看護師などが向いています。
また、施設の種類によって求められるスキルや人柄も異なります。それぞれの傾向を理解した上で、自分がどう働きたいか、どのようにスキルや経験を活かしたいかを考えると、志望動機につながりやすくなります。
看護師転職サイトやエージェントを利用する
1人で志望動機を考えるのに不安がある場合は、看護師転職サイト・エージェントの利用がおすすめです。
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まとめ

看護師の転職においても、志望動機は必ず質問されます。採用担当者を納得させるために、「これまでの看護経験から得たスキル・考え」「なぜ自分がその施設に合っているか」「入職後はどうなりたいか」の3要素を盛り込んだ志望動機を考えましょう。
なお、インターネット上の例文や同じ志望動機の使い回し、前職へのネガティブな想いなどは、採用担当者の心証が悪くなりやすいため控えましょう。志望動機が思いつかない場合は、入念な自己分析や組織研究から始めることが大切です。
また、看護師転職サイト・エージェントを利用すると、プロのアドバイザーが一人ひとりに合った転職と転職活動を支援してくれます。志望動機の作成や書類添削を受けられるサービスもあるため、看護師転職に不安のある場合は利用を検討しましょう。
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