看護師転職における自己PRとは|作り方のポイントや注意点も解説

Check!
- 自己PRでは、結論・具体的なエピソード・志望先でどう貢献できるかを示すと効果的
- 自己PRと志望動機は別物だが、内容が食い違わないよう一貫性を持たせることが重要
- 責任感・協調性・体力などアピールできる要素は様々あるが、多く盛り込みすぎない
看護師の転職においては、志望動機はもちろん、自己PRの作成も必要です。自分の経験・スキル・強みを効果的にアピールし、転職成功に繋げましょう。この記事では、看護師が転職する際の自己PRの作り方のポイントや注意点を解説します。
おすすめ記事
目次
開く
閉じる
開く
閉じる
看護師転職における自己PRとは

看護師の転職活動において、自己PRは採用担当者に自分を知ってもらうための大切な要素です。自己PRとは、自分の強みや経験を具体的に示し、その強みが新しい職場でどのように活かせるかを伝えることです。
一方で志望動機は、なぜその職場を選んだのかを説明するものであり、自己PRと志望動機は役割が異なります。自己PRは自分自身の能力を中心に語り、志望動機は応募先との結び付きを強調する点が違います。
特に看護師の転職では、臨床経験や専門スキル、患者対応での工夫、チーム医療での貢献など、具体的なエピソードを通じて自分の強みを表現することが重要です。
この記事では、看護師転職における自己PRの作り方や注意点を解説し、採用担当者に伝わる効果的なアピール方法を紹介します。
看護師転職の自己PRのポイント

看護師転職における自己PRのポイントは、採用担当者が求める人物像に、自分の強みや経験をどう結び付けられるかを明確に示すことです。ここでは、自己PRを3つのパートに分けて組み立てる方法を紹介し、効果的に自分を伝えるポイントを解説していきます。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
看護師転職の自己PRのポイント
3つのパートで構成する
自己PRは結論から話すことが大切ですが、その際に整理された構成で話すとより相手に伝わりやすくなります。結論から言うと、自己PRは3つのパートで構成するのがおすすめです。
まずは、自分の長所や強みを最初にはっきり提示することで、相手は何についての話なのかをすぐに理解できます。次に、その強みを裏付ける具体的な経験やエピソードを語ることで、信ぴょう性が増し「本当にこの人の強みなのだ」と納得してもらえます。
そして、その強みを志望先の仕事でどのように活かして貢献できるかを結びつけることが重要です。以下では、これらの3つのパートについて詳しく解説します。
1. 結論を述べる
自己PRを始める際は、自分の強みや長所を最初に提示することが重要です。「私は〇〇が強みです」と明確に言い切ることで、採用担当者に伝えたいポイントがすぐに伝わり、印象に残りやすくなります。
例えば、「私は患者さん一人ひとりの気持ちに寄り添った看護が得意です」「緊急時でも冷静に判断できる力があります」といったように、具体的で簡潔な表現が効果的です。最初に結論を置くことで、その後のエピソードや志望先での貢献に繋げやすくなります。
反対に結論を最後に回すと話が分かりにくくなり、相手に強みが伝わりにくいというリスクがあります。特に面接の場では時間も限られているため、最初に強みを提示することで相手の注意を引き、自分のPR全体を印象づけることができます。
2. 具体的なエピソードを述べる
示した自分の強みを説得力あるものにするためには、それを裏付ける具体的なエピソードを加えることが欠かせません。強みだけを述べても「本当にその力があるのか」と疑問を持ちますが、エピソードを加えることで現実味が増し、納得感を与えることができます。
例えば、「患者さんに寄り添える」という強みを挙げた場合には、「急性期病棟で不安の強い患者さんのケアを担当し、繰り返し声をかけたことで安心して治療を受けられるようになった」といった事例を語ると具体性が増します。
数値や成果を加えられればさらに効果的です。エピソードを伝える際には、課題・取り組み・結果の流れを意識することでわかりやすくなります。
単に頑張ったという説明ではなく、どのような状況でどんな工夫をしたのかを描写することが、自己PRに説得力を持たせるポイントです。
3. 志望先でどう貢献できるかを示す
自己PRのまとめとして重要なポイントは、自分の強みや経験を志望先の職場でどのように活かせるかを具体的に示すことです。自分の強みを職場のニーズに結び付けることで、採用担当者に働く姿をイメージさせることが自己PRの目的です。
具体的には、「これまで培った急性期での判断力を活かし、貴院の救急医療に貢献したい」「患者さんに寄り添う姿勢を、地域医療を重視する貴院で活かしたい」といった形で、強みと応募先の特徴を結び付けると効果的です。
ここが曖昧だとただ自分を語っただけで終わってしまい、採用担当者には響きません。応募先の求める人物像と自分の強みを結び付けられると、この人は職場で活躍してくれそうだと強い印象を残せます。
志望先の特徴と自分の強みをマッチさせる
看護師転職における自己PRでは、志望先の理念や方針、病院の特徴と自分の強みをマッチさせることが最も重要です。
採用担当者は、この人が職場に来たらどのように貢献してくれるかを知りたいと考えているため、志望先の求める人物像と自分の強みを重ねて伝える必要があります。そのためには、事前に病院や施設の理念、診療科の方針などを丁寧に調べましょう。
例えば、チーム医療を重視している病院なら協調性やコミュニケーション力を強みとして示すと説得力が増します。また、急性期医療に力を入れている施設の場合は、判断力や対応力をアピールすると良いでしょう。
このように、ただ自分の強みを語るのではなく、志望先の特徴に沿った形でアピールすることで、採用担当者にイメージさせやすくなります。
記入欄の8割程度埋める
自己PRを応募書類に記載する際は、記入欄の8割程度を埋めるのが最適です。理由としては、少なすぎるとやる気がないと捉えられ、多すぎると読みにくいと感じられてしまうためです。
適度な分量で書かれていると、伝えたい内容が整理されており、読み手にも誠実さや意欲が伝わりやすくなります。また、文字の大きさにも注意が必要です。無理に小さな文字で詰め込むと読みづらくなり、採用担当者に負担を与えてしまいます。
一方で大きすぎる文字は、内容が薄いと見なされる可能性があります。読みやすい文字の大きさで、程よい余白を残しながら書くことが大切です。
長く働ける意欲を示す
自己PRの中で長く働ける意欲を示すことは、採用に非常に有利に働きます。医療現場では人材の定着が課題となっているため、結婚や出産といったライフイベントを経ても働き続けたいという姿勢を見せることは大きな安心材料になります。
採用担当者は、せっかく採用してもすぐに辞めてしまうのではないかという不安を常に抱えているため、長期的な勤務意欲を伝えることで信頼を得られます。
例えば、育児や家庭と両立しながら働きたい場合は、そのために努力していることを具体的に述べるとより説得力が増します。長期的に働ける意欲を示すことは、自己PRを通じて安定して活躍できる人材という印象を与え、採用につながりやすくなる大切なポイントです。
看護師転職の自己PRを作成する際の注意点

看護師転職で自己PRを作成する際は、ただ経験やスキルを並べるだけでは十分ではありません。以下では、自己PR作成時に押さえておくべき注意点を解説していきます。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
看護師転職の自己PRを作成する際の注意点
志望動機と自己PRに一貫性を持たせる
志望動機と自己PRは別々の項目でありながら、一貫性を持たせることがとても重要です。自己PRで自分の強みを語ったのに、志望動機で全く別の方向性の話をしてしまうと、この人の考えはバラバラだなと違和感を与えてしまいます。
例えば、自己PRで「患者さんとの信頼関係を築く力がある」と強調したなら、志望動機でも「この病院で患者さんに寄り添った医療を実践したい」とつなげると説得力が増します。
そのため、両者をリンクさせることが大切です。
自己PRで示した自分の強みが、なぜその職場で活かせるのかを説明できれば、「この人は本当にここで働きたいのだな」と信頼感を持たれます。就活では、自分の強みと志望先の特徴を重ね合わせて語ることが、納得感を与える効果的な方法です。
職務経歴の羅列は自己PRにならない
職務経歴をただ並べるだけでは自己PRにはなりません。自己PRは、経験の紹介ではなくその経験を通じて得た強みや成果を伝える場であるためです。
例えば、「外科病棟で3年勤務、ICUで2年勤務」と述べても、それは単なる事実の羅列にすぎず、自分の人柄やスキルは伝わりません。
大切なのは「外科病棟での経験を通じて、チーム医療における協力姿勢と緊急時の判断力を身につけた」といったように、経験と強みを結び付けて表現することです。
単なる経歴紹介にとどまらず、自分がどんな力を持ち、どう貢献できるのかを示すことで初めて自己PRとしての意味を持ちます。
例文をそのまま使わない
ネットや書籍に載っている自己PRの例文をそのまま使うのは避けましょう。例文は参考にはなりますが、そのまま使うと「他人の言葉を借りている」と見抜かれてしまい、オリジナリティや誠実さが欠けている印象を与えます。
自己PRは自分の経験や価値観を基に、自分の言葉で作ることが大切です。例えば、「協調性があります」という表現も、誰にでも言える抽象的なものです。
そこに「新人教育で後輩が相談しやすい雰囲気づくりを意識し、指導者から信頼を得られた」といった具体的なエピソードを加えることで、説得力が格段に増します。例文は型として参考にしつつ、自分の個性をしっかり表現しましょう。
面接官の質問に合わせる
自己PRは丸暗記して一方的に話すのではなく、面接官の質問に合わせて柔軟に対応することが大切です。
例えば、「あなたの強みは何ですか?」と聞かれた場合と、「チームで働く上で大切にしていることは何ですか?」と聞かれた場合では、同じ強みでも話し方を変える必要があります。
丸暗記してしまうと質問に合わない回答になり、印象が悪くなることもあります。基本的な自己PRの軸は決めておきながら、その場の質問に応じてエピソードや表現を調整できる柔軟さが大切です。
面接は対話の場であり、聞かれたことに的確に答える力も評価されるため、臨機応変に対応できる準備をしておくことが重要です。
ネガティブな内容は避ける
自己PRでは、前職への不満やネガティブな内容は避けるべきです。例えば、「人間関係が悪く辞めました」といった発言は、採用担当者に「また同じ理由で辞めるかもしれない」と不安を与えてしまいます。
自己PRはあくまで自分の強みや意欲を伝える場であり、ネガティブな要素を持ち込む必要はありません。どうしても触れる必要がある場合は、「課題をどう克服したか」「そこから何を学んだか」という前向きなエピソードに変換することが重要です。
「前職では忙しい環境でしたが、その中で優先順位を判断する力を身につけました」などと伝えることで、ポジティブに捉えてもらえます。
看護師転職の自己PRでアピールできること

看護師の自己PRでは多くの要素を詰め込みすぎるのではなく、自分の本当の強みに絞って伝えることが大切です。医療現場で活かせる能力はさまざまありますが、すべてを並べても印象は薄くなってしまいます。
採用担当者が知りたいのは、「あなたが特に優れているのはどんな点か」「その力をどのように発揮できるのか」です。強みをひとつに絞り、具体的な経験を交えて伝えることで、説得力が増し、あなたの人柄や看護師としての姿勢が明確に伝わります。
これから各項目について解説していきますが、自分に当てはまるものを選んで深く掘り下げることを意識すると、より効果的な自己PRになります。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
責任感
責任感は看護師にとって最も大切な資質のひとつであり、自己PRで大きな強みとしてアピールできます。医療の現場では患者さんの命に直結する判断や行動が求められ、一つのミスが大きな影響を与えかねません。
そのため、任された仕事に対して最後まで責任を持ち、確実にやり遂げる姿勢は非常に評価されます。責任感は単なる真面目さではなく信頼できる人材であるという印象を与える力を持っています。
採用側から見れば、責任感のある看護師は安心して業務を任せられる存在です。自己PRでは、自分がどのような場面で責任を全うしてきたかを具体的に語ることで、強みを効果的に伝えられます。
協調性
協調性は、医療現場で欠かせない能力であり、自己PRでも重要なアピールポイントになります。看護師は一人で患者さんを支えるわけではなく、医師や他の看護師、リハビリスタッフや薬剤師など多職種と連携しながら業務を進めます。
そのため、周囲の意見を尊重し、互いに協力し合う姿勢が評価されます。協調性は、単に「仲が良い」という意味ではなく、「チームでより良い医療を提供するために自分がどう動けるか」という視点で語ると説得力が増します。
採用担当者は、職場に馴染んで周囲と協力できる人材を求めているため、協調性を強みとしてアピールすることは非常に有効です。
体力
看護師にとって体力は欠かせない要素であり、自己PRの大きな強みとなります。現場では夜勤や不規則なシフトをこなしながら、立ち仕事や患者さんの体位交換、緊急時の迅速な対応など、常に身体的な負担を伴います。
その中で培った体力は、業務を安定して遂行できる力として高く評価されます。ただ体力があることを伝えるのではなく、どのように体力を発揮し、職場に貢献してきたかを具体的に語ると自己PRとして説得力が高まります。
自己PRでは「夜勤を含むシフト勤務を継続して担当していた」「緊急対応が多い部署で体力を活かして動けた」など、具体的な経験を交えて伝えると説得力が増します。このように体力をアピールすることは、看護師として信頼される資質を示す大切な要素となります。
コミュニケーション力
コミュニケーション力は患者さんとの信頼関係を築くだけでなく、チーム医療を円滑に進めるためにも欠かせない能力であり、自己PRに最適な要素です。看護師は患者さんやその家族にわかりやすく説明したり、不安を和らげたりする役割を担います。
同時に、多職種との連携においても正確かつ円滑なコミュニケーションが必要です。例えば、「不安の強い患者さんに丁寧に声をかけ続けた結果、安心して治療に臨めるようになった」という経験を示せば、具体性と説得力が増します。
コミュニケーション力は、「話すのが得意」ということではなく「相手の立場に立って理解しやすいように伝える力」です。その姿勢は採用側に「患者さんや職場に信頼される看護師」と映り、非常に評価されやすいポイントとなります。
冷静さ
冷静さは、緊張感の高い医療現場で特に重要な資質であり、自己PRにおいて大きなアピールポイントになります。看護師は突発的な急変や緊急対応に直面することが多く、その際に慌てず冷静に判断できる力が求められます。
冷静さを強みとして示すことで、「信頼できる判断力を持ち、安心して任せられる人材」という評価を得られます。
ただし、単に「冷静です」と伝えるだけでは弱いため、どのような状況で冷静さを発揮したのかを具体的に語ることが大切です。冷静さは経験に裏付けられた実践力であると示すと、説得力のある自己PRになります。
勤勉さ
勤勉さは看護師としての成長意欲を示す重要なアピールポイントです。医療は常に進歩しており、新しい技術や知識を学び続ける姿勢が欠かせません。そのため、資格取得に挑戦したほか、研修や勉強会に積極的に参加した経験を自己PRに盛り込むと評価が高まります。
例えば、「専門資格取得のために勉強を続け、勤務と両立しながら合格を果たした」といった具体例を挙げると効果的です。勤勉さをアピールすることで、「成長し続ける意欲があり、将来的に病院に貢献できる人材」という印象を与えられます。
また勤勉さは努力の積み重ねを表す資質であり、長期的に信頼できる人材として期待されます。
看護師転職サイトやエージェントの活用もおすすめ

看護師の転職活動を進める際には、看護師転職サイトやエージェントの活用がおすすめです。看護師転職サイトやエージェントを利用すると、求人情報の提供だけでなく、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策、自己PRの作成サポートなどのサポートを受けられます。
特に自己PRは、自分の強みや経験をどう伝えるかで採用結果に大きな影響を与えるため、専門的なアドバイスを得ることが有効です。また、希望条件に合った病院や施設を紹介してもらえるため、自分で探すより効率的に転職活動を進められるのも大きなメリットです。
さらに、職場の雰囲気や人間関係といった公開されていない情報も提供されるため、入職後のミスマッチを防ぐことにもつながります。このように、看護師転職サイトやエージェントは、転職活動を一人で進めるよりも安心感と成功率を高められる存在といえるでしょう。

【2025年最新】看護師向け転職サイトおすすめ16選(全31選)を比較!ミスマッチを防ぐ選び方や注意点も
病院やクリニックなど、看護師が転職先を探す際は、看護師の転職に特化したサイトやエージェントを活用しましょう。この記事では、看護師向け転職サイトを選ぶ際のポイントを交え、おすすめ転職サイトのランキング、転職に成功するための注意点などを解説します。
まとめ

看護師の転職では、最終的に自己PRが重要です。自分の強みを明確にし、具体的な経験と結びつけて伝えることで、採用担当者に「この人と一緒に働きたい」と思わせることが重要です。
志望動機だけでなく、責任感や協調性、体力、コミュニケーション力、冷静さ、勤勉さなど、自分が持っている力の中から一番の強みを選び、それを裏付けるエピソードを加えると説得力が増します。
また、自己PR作成や求人探し、面接対策などで、看護師転職サイトやエージェントのサポートを活用することで、より効率的に準備を進められます。本記事で紹介した自己PRのポイントを意識しつつ、転職成功につなげましょう。
この記事に興味を持った方におすすめ