おすすめのRPAツール11選|選び方のポイント・導入の流れも解説

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- RPAツールは、自動化できる業務・種類・既存ツールとの連携性を重視して選ぶ
- サポート体制の充実度・費用対効果・操作性・セキュリティ対策も導入前に確認する
- 導入時は目的や自動化したい業務を明確にし、テスト導入から始めるのがおすすめ
RPAツールとは、定型的な業務や単純作業をロボットの活用により自動化できるツールです。導入により生産性向上やコスト削減などの効果が期待できますが、多数の製品があり迷う方も多いかもしれません。この記事では、おすすめのRPAツールや選び方のポイントを解説します。
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RPAツールで業務を自動化して生産性向上

RPA(Robotic Process Automation)ツールとは、定型的な業務や単純作業をロボットの活用により自動化するツールです。そして、RPAツールの導入では、生産性の向上・コスト削減・人手不足の改善・ヒューマンエラーの防止などの多くの効果が期待できます。
RPAツールは、業務手順をプログラム化して自動実行させています。以前は、プログラミングの高度な専門知識が必要でしたが、近年ではプログラミング知識の必要のないノーコードでロボット作成ができるツールも登場し、中小企業でも導入が進んでいます。
RPAツールで作業可能なことはツールに任せることで、従業員は人にしかできない生産的業務に専念できるようになります。また、それが従業員のモチベーションの向上につながることになります。

RPAツールとは、定型的な業務をロボットで自動化できるツールです。ルーティン業務を自動化することで従業員はコア業務に集中でき、飛躍的な生産性向上に繋がります。この記事では、RPAツールでできることや導入のメリット、選ぶ際のポイントなどを解説します。
RPAツールは対応業務・種類・連携性で選ぶ

RPAツールは、国内外を問わず数多くのベンダーから、さまざまな製品が提供されています。その中から、自社に適合したRPAツールの選択に迷う場合も少なくありません。迷ったときには、対応業務・種類・連携性を重視して選ぶのがおすすめです。
次章からは、下に示したRPAツールを選択する際の3つの重要ポイントと、その他4つの比較ポイントについて解説します。
【重要なポイント3つ】
- 必要な業務を自動化できるか
- 自社に適した種類を選ぶ
- 利用しているツールと連携できるか
【その他の比較ポイント】
- サポート体制は充実しているか
- 費用対効果が高いか
- 誰でも簡単に操作できるか
- セキュリティ対策は十分か
RPAツールの選び方で重要な3つのポイント

自社に合ったRPAツールを選ぶ際には、下に示す3つのポイントを確認することが重要です。ここでは、3つの重要なポイントについて解説します。
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RPAツールの選び方で重要な3つのポイント
必要な業務を自動化できるか
RPAツールは、業界や業種を問わず幅広い分野で導入され、業務の効率化に利用されています。しかし、自社で必要な業務を自動化するための機能があるか確認しておかないと、期待した効果は上がりません。以下に、RPAツールの主な業務を紹介します。
機能 | 内容 |
---|---|
売上管理 | ・取引先リストを参照し、売上データから 請求書のPDFを自動発行 ・アドレスを自動選択して、請求書のPDFを 添付して送信 |
受注管理 | ・注文があったら、自動で販売管理システムに受注登録 ・商品価格や在庫数の変動を自動更新 |
在庫管理 | ・在庫数が適正在庫を下回ると、発注書を 自動作成し送付 ・事前に設定した時刻に、在庫数や 出荷予定数などを担当者に通知 |
勤怠管理 | ・勤怠データを自動集計 ・自動管理 ・集計したデータを基に自動で給与を計算 ・自動で明細書を作成し、給与を振り込む |
調査・分析 | ・マーケティングに必要な情報を自動収集して分析 ・製品やサービスの口コミや意見を収集して分析 |
営業 | ・問い合わせへの自動返信や営業への通知 ・データ記録 ・請求書・見積書・レポート・提案書などを自動作成 |
自社に適した種類を選ぶ
RPAツールは、RPAを作動させる場所によって、デスクトップ型・サーバー型・クラウド型の3種類に分けられます。それぞれ、管理の仕方が異なると同時に、かかる導入コストや運用コストも違います。自社の業務内容や規模に合ったものを選ぶことが重要です。
最近では、複数タイプに対応が可能な製品もあります。ここでは、3つのタイプの特徴やメリット・デメリットを解説します。
デスクトップ型
デスクトップ型は、それぞれのパソコンにインストールして使うタイプのPRAツールで、それぞれのパソコン内で行う作業を自動化します。したがって、インターネットに接続する必要はありませんが、ほかのパソコンのデータを取り扱うことはできません。
担当者のパソコン数台で運用する小規模な導入に適しており、組織的管理の必要がありません。導入コストや運用コストも低く抑えられるので、中小企業や個人事業主でも導入しやすいタイプです。
サーバー型
サーバー型は、自社サーバーにインストールして運用するタイプのRPAツールで、ローカルネットワークで結ばれた複数のパソコンの自動化が可能です。サーバー型では、サーバー内に蓄積された大量のデータを利用できるため、幅広い業務の自動化ができます。
部門をまたいだ業務や、複数の担当者で行う業務の自動化に向いています。ただし、導入費用が高額になり、維持費もかかる注意点があります。大規模に導入したい企業や、今後大規模展開を考えている企業におすすめです。
クラウド型
クラウド型は、ベンダーのクラウドサーバーにあるツールをインターネットを介して、Webブラウザで利用するRPAツールです。インターネットにつながった許可された端末の自動化が可能で、最近では多くの企業で導入されているタイプです。
インターネット環境が整っている企業であれば、契約してから短期間で運用が可能になります。また、サーバーメンテナンスやバージョンアップなどは、ベンダーが行うため管理が楽で初期費用も抑えられます。
ただし、毎月の利用料が発生するため継続的な予算化が必要です。1ライセンスから利用できる製品もあり、多くの企業におすすめできるタイプです。しかし、セキュリティ対策はベンダーに依存するので、独自で強固なセキュリティ対策をしたい企業には向いていません。
利用しているツールと連携できるか
企業内でよく使われるMicrosoft Excel でもマクロやVBAを使えば、作業の自動化が可能ですが、システムやアプリをまたいでの自動化はできません。その点、RPAツールはほかのシステムやツールと連携できることが大きな特徴となっています。
連携できるシステムやツールには、会計管理や生産管理などの基幹業務システムや、顧客管理(CRM)やSFA(営業支援)などのWebアプリケーション、Microsoft ExcelやGoogle スプレッドシートなどがあります。
RPAツールは、これらのツールと連携しての利用が前提となっています。しかし、RPAツールによって連携可能なツールと不可能なツールがあり、導入の際には現在利用しているツールと連携できるかの確認が必須です。
RPAツールのその他の比較ポイント

RPAツールを導入する際に、機能だけに着目して製品選択をすると、運用が上手くできなくなる場合があります。ここでは、運用面で注目すべき4つの比較ポイントを解説します。
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RPAツールのその他の比較ポイント
サポート体制は充実しているか
最近では、プログラミングを必要としないRPAツールもありますが、設定やメンテナンスにプログラミング技術が必要になる場合も多いです。人材不足で必要な設定変更が行われないと、残ったロボットが邪魔をして業務の効率化を妨げる恐れがあります。
プログラミング技術を持った人材がいない企業では、ツールのトラブル時や設定変更時に丁寧なサポートが受けられるベンダーがおすすめです。中には、RPAツール利用のためのセミナーやトレーニングを提供しているベンダーもあります。
また、プログラミング技術を持った人材がいる場合でも、より効率的な運用の仕方などの支援が受けられるベンダーであれば、導入後も安心して活用できます。そのため、RPAツール導入時には、必ず受けられるサポートの確認をしましょう。
費用対効果が高いか
RPAツールにかかるコストは、導入時にかかる初期費用と月額費用・保守費用などがあり、大規模なサーバー型RPAになると、初期費用が数千万円かかる場合もあります。また、月額費用や保守費用のランニングコストも5~100万円程度までとより大きな差があります。
したがって各企業は、より高い費用対効果が得られるツールの導入が必要です。RPAツールの導入で期待できるコスト削減は、人件費です。導入前にツールの利用で削減できる業務時間数を調査し、削減できるコストを算出することが大切です。
業務時間数の算出は、各業務のピーク時とオフピーク時を含んだ年間作業時間で行い、人件費の算出は各担当者の賃金を考慮するのがおすすめです。ただし、削減できた時間と人材を導入後にどのように活用するのかも、費用対効果の算出に加える必要があります。
誰でも簡単に操作できるか
導入したRPAツールの操作性の高さは、より効果的な運用を促すためにも非常に大切なチェックポイントです。プログラミングが必要ないとされているツールでも、プログラミング技術が必要なシーンがあったり、操作性に違いがあったりします。
RPAツールの操作性の違いが一番出るのは、自動化の設定方法です。特にプログラミング技術を有する人材がいない企業では、直観的な操作性で簡単に設定できる製品がおすすめです。
セキュリティ対策は十分か
企業のサーバーには多くの個人情報や機密情報が蓄積されています。RPAツールは、サーバーのデータを活用する場面も多いため、しっかりとしたセキュリティ対策が必要です。情報漏えいは、企業の信頼を失墜させ大きな損失を招きます。
また、悪意を持った第三者に自動化の設定が書き換えられると、企業全体に悪影響を及ぼし、全業務を停止しなくてはならない事態を招く恐れもあります。
デスクトップ型やサーバー型は、自社のニーズに合わせてセキュリティ対策ができますが、クラウド型のセキュリティ対策はベンダーに依存します。特にクラウド型ツールを導入する場合は、ベンダーのセキュリティ対策が大きな製品選択のポイントになります。
おすすめのRPAツール11選
株式会社FCEプロセス&テクノロジー
RPAロボパットDX

ここがおすすめ!
- 専任担当者・カスタマーサクセスチームがつき、「3ヶ月導入支援サポート」も無料で受けられる
- すべてのブラウザやソフトに対応しており、初心者でも扱える簡単操作
- 1ヶ月間3ライセンスの無料トライアルが受けられ、契約は1ヶ月単位
ここが少し気になる…
- 詳細機能・連携・料金は問い合わせで確認
BizteX株式会社
BizteX cobit
ここがおすすめ!
- 構築不要・即日の導入が可能で、専門知識がなくても扱いやすい
- 導入後も「チャットサポート」が無料で受けられる
- クラウドのためインストールが不要かつ複数人で使える
ここが少し気になる…
- Web以外の基幹システムやデスクトップのアプリケーションには非対応
ここがおすすめ!
- 自由に設計でき、パソコン上の業務や事業にあわせて活用可能
- 分かりやすい画面上で簡単にロボットに命令でき、大幅に負担を軽減
- 社内システムや外部APIとの連携によりスムーズな構築が行える
ここが少し気になる…
- プラン・サポート料金や詳細機能・命令方法などは問い合わせで確認
株式会社デリバリーコンサルティング
ipaSロボ
ここがおすすめ!
- 自社のニーズにあわせて選択できる2種類の料金プラン
- 「無料オンライントレーニング」や「専任講師によるトレーニング」の提供があり、自身のスキルアップにも
ここが少し気になる…
- サポートは無償と有償があり、 サポート対象OSはWindowsのみ
ここがおすすめ!
- アップロードするだけで使用中のExcelフォーマットのまま自動化できる
- プログラミング不要で誰でも簡単に素早い導入が可能
- 目的にあわせて選べる2つのプランの提供
ここが少し気になる…
- メールの連携を行いたい場合はオプション扱いで、料金は問い合わせで確認
株式会社NTTデータ
WinActor
ここがおすすめ!
- プログラミングしなくても自動化でき、完全日本語対応で実務経験がなくても扱える
- Windowsで操作ができるさまざまなアプリケーションに対応
- 高い技術力を持つサポートチームによる導入後のフォローも
ここが少し気になる…
- サポートは日本語OS上に導入した場合のみ
株式会社デジタルワークス
RaQubo
ここがおすすめ!
- 利用者に寄り添った開発と簡単設計で、専門知識がなくても扱える
- 1アカウント2ライセンスの提供がある
- いつもの作業通りにロボットが実行するため、設定内容と実行結果の比較が容易
ここが少し気になる…
- 契約期間は6ヶ月からで、スタンダードの場合はシナリオの開発・保守が対象外
大興電子通信株式会社
DAiKO RPA Powered by おまかせRPA
ここがおすすめ!
- 導入後にトラブルや不明点があっても遠隔サポートが受けられる
- パソコン1台あれば動作可能で、直感的に扱える
ここが少し気になる…
- より効率を上げたい場合は紙をデータ化できる「DAiKO RPA Powered」と組み合わせる必要がある
LINE株式会社
CLOVA OCR
ここがおすすめ!
- 初期費用無料で始められ、月額費用+1枚あたり50項目の枚数課金制
- 開発不要で時間コストを削減でき、誰でも簡単に扱える操作感のよさ
- 仕訳・空欄の読み取りが無料
ここが少し気になる…
- AI-OCR搭載でデータ化が効率よくできるが、その他の機能は非搭載
Ui path株式会社
UiPath StudioX
ここがおすすめ!
- 専門的な知識がなくても直感的に扱えて、誰でも数分で自動化できる
- 構築済みの「UiPath Marketplaceテンプレート」が活用でき、カスタマイズも可能
ここが少し気になる…
- 詳細情報や料金プランなどの情報が少なく、分かりにくい
株式会社ウィルオブ・ワーク
ウィルオブ・ワークのRPAサービス(WinActor)
ここがおすすめ!
- RPAのスペシャリストによるサポートで、安心して自動化を進められる
- 操作に不慣れな方や短期間で導入したい方にぴったりな「オペレーター研修」が無料で受けられる
ここが少し気になる…
- 公式サイトでは各機能や料金が分からず、問い合わせで確認する必要がある
RPAツールの導入フローと注意点

RPAツールを導入する際には、下にあるような4つのフローで行うのが一般的です。ここでは、それぞれのフローについて注意点を含めて解説します。
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RPAツールの導入フローと注意点
1. 目的・課題を洗い出す
効果的なRPAツールの導入を行うには、製品選択の前に自社の業務における現状課題を把握しましょう。その中の何がRPAツールで改善可能なのかなど導入の目的を洗い出すことが大切です。
目的や課題を洗い出すことで、自社に合ったツール選択がスムーズに進められます。
2. 自動化したい業務を選定する
次に行うことは、洗い出した課題の解決に向けて、RPAツールで自動化したい業務を具体的に選定していくことです。RPAツールで自動化できる業務は、パソコンを用いたルール化されている業務です。
頻繁にルール変更がある業務や突発的な業務などを自動化しようとすると、かえって効率化の低下を招きます。また、RPAツール導入によるコスト削減の見込額の算出や、自動化で生まれた時間の運用方法などの検討もこの時点で行うのがおすすめです。
3. ツールの運用ルールを決めておく
RPAツールにトラブルやエラーが発生した場合、業務が停止するリスクがあります。 そのような最悪の事態を防ぐためにも、あらかじめツールにトラブルが発生した場合の対処法と、トラブル防止のための方策を運用ルールで決めておきまましょう。
トラブル防止では、ツール管理者の明確化やロボットチェックの時期や方法などをルール化します。また、ロボットの仕様を変更可能な従業員の限定も重要です。
4. テスト導入を実施する
RPAツールは、ロボットの作り方やほかのシステムとの連携など、実際に使ってみないとわからない部分も多くあります。RPAツールを提供する多くのベンダーでは、テスト運用期間を設けているので、本格導入前に利用して確認するのがおすすめです。
テスト運用では、業務の自動化を設定して動作状況を確認します。そのまま導入に至る場合は、そこで作った設定をそのまま利用することになるので、確実に動作するようになるまで調整を繰り返しましょう。
作成されたロボットが間違っていると、RPAツールは修正されるまで間違った作業を繰り返してしまいます。テスト段階での動作確認は、非常に重要なステップです。
まとめ

RPAツールとは、定型的な業務や単純作業をロボットの活用で自動化できるツールです。今では、プログラミングが必要ないツールの開発が進み、多くのベンダーからさまざまなツールが提供されています。しかし、その分システム選定の難しさは増しています。
RPAツールの選択では、自動化の容易さや既存システムとの連携状況の確認も重要ですが、サポート体制や費用対効果・セキュリティ対策の確認も大切です。自社のツール導入の目的を基に自動化したい業務を洗い出し、テスト導入から始めるのがおすすめです。
自社に適合したRPAツールが導入できれば、多くの業務の自動化・効率化に期待できます。これにより生まれた時間を利用して、人手不足の解消ができたり、業務拡大につなげられたりするなど大きな効果が見込まれます。