IT導入補助金で採用管理システムを導入しよう|手続きの流れも解説

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  • IT導入補助金を活用すれば、コストを抑えながら採用管理システムを導入できる
  • IT導入補助金の申請時には、GビズIDの取得とSECURITY ACTION宣言が必要
  • 年に数回の申請期間があるが、各期間に締切日があるためスケジュールをよく確認する

IT導入補助金は、採用管理システムの導入にも活用できます。IT導入補助金を使えば、本来導入にかかるコストを抑えながら、採用のIT化・ペーパーレス化が可能です。この記事では、IT導入補助金で採用管理システムを導入する際の流れや申請時の注意点などを解説します。

目次

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  1. IT導入補助金を活用して採用管理システムを導入しよう
  2. IT導入補助金とは
  3. IT導入補助金で採用管理システムを導入するメリット
  4. IT導入補助金の手続きの流れ
  5. IT導入補助金で採用管理システムを導入する際の注意点
  6. まとめ

IT導入補助金を活用して採用管理システムを導入しよう

採用管理システムとは、採用・選考関連の情報を一元管理し、採用活動の効率化を手助けするツールです。中小企業・小規模事業者に対しては、導入支援として「IT導入補助金」という制度があり、利用すれば金銭面の負担を抑えながら採用管理システムを導入できます。

本記事では、採用管理システムのIT導入補助金について、内容や手続きの流れを解説します。採用管理システムの導入を検討している場合はぜひ参考にしてください。

採用管理システムとは?機能やメリット・デメリット、選び方を解説

採用管理システムは、採用業務や採用に関する情報をデータ化して管理するシステムです。面接の設定や自動連絡などで作業を効率化でき、中小企業にもおすすめです。本記事では、採用管理システムをよく知らない方のために、機能やメリット・デメリット、選び方を解説しています。

IT導入補助金とは

IT導入補助金とは、ITツールの導入によって生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者を対象とした補助金制度です。ITツールを導入する際の経費を一部国が補助し、導入後に適切に事業実績報告を行えば原則として返済は必要ありません

また、不採択・過去に利用したことがある企業でも、一定の条件を満たせば複数回申請できます。なお、IT導入補助金は、対象となる事業者・経費・ツールに条件があり、これらに合致した場合にのみ適用できます。

補助率・補助額も申請する枠によって異なり、補助率は50〜80%が一般的です。

参考:IT導入補助金制度概要|IT導入補助金2025

IT導入補助金の申請枠

IT導入補助金の申請枠には、ITツールの導入目的にあわせて「通常枠」「インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)」「セキュリティ対策推進枠」「複数社連携IT導入枠」の5種類があります。

「通常枠」は事業のデジタル化を目的にソフトウェアやシステムの導入を支援するもので、採用管理システムは基本的にこちらに該当します。なお、通常枠では、ITツールの導入によって効率化できる業務プロセスの数や、事業規模によって補助額・補助率が増減します。

業務プロセスは「共通プロセス」6種と「業務特化型プロセス」1種があり、これらの数に応じた補助額は次の通りです。

【補助額】

  1. 業務プロセスが1~3つまで:5万円~150万円
  2. 業務プロセス4つ以上:150万円~450万

また、企業の規模別の補助率は次の通りです。

【補助率】

  1. 中小企業:1/2
  2. 最低賃金近傍の事業者:2/3

その他のIT導入補助金の申請枠の対象を以下の表にまとめました。

対象内容
通常枠事業のデジタル化を目的とする
ソフトウェアやシステムの導入
インボイス枠(インボイス対応類型)インボイス制度に対応した会計ソフト・
受発注ソフト・決済ソフト・PC・ハードウェア
インボイス枠(電子取引類型)インボイス制度に対応した受発注システムを
商流単位で導入する企業
セキュリティ対策推進枠サイバーインシデント関連のリスク低減策
複数社連携IT導入枠複数の中小企業・小規模事業者等が連携し、
地域DXの実現・生産性の向上を図る取り組み

参考:『IT導入補助金2025』の概要|中小企業庁

IT導入補助金で採用管理システムを導入するメリット

IT導入補助金を利用するメリットは、本来の導入にかかるコストを抑えながら、採用のIT化・ペーパーレス化を実現できる点です。特に予算の限られた中小企業・小規模事業者では、コスト面のメリットが大きいでしょう。

また、採用管理システムの導入によって、採用・選考にかかる工数を自動化し、紙やExcelでの応募者管理作業も削減できます。

例えば、「求人メディアごとに応募状況を確認して紙の台帳に転記する」といったアナログな作業を削減でき、採用担当者の負担軽減につながります。また、ツールによっては応募者とのコミュニケーションも自動化できるため、さらなる採用活動の効率化も見込めます。

IT導入補助金の手続きの流れ

IT導入補助金を利用するには、「GビズIDの取得」「SECURITY ACTION宣言」といったやや特殊な流れを踏みます。ここでは、IT導入補助金の手続きの流れを解説するため、利用を検討している場合はぜひ参考にしてください。

参考:新規申請・手続きフロー詳細|IT導入補助金2025

1. GビズIDの取得・SECURITY ACTION宣言

 GビズIDは全ての事業者を対象にした共通認証で、アカウントを作成すれば1つのID・パスワードで複数の行政システムにログインできます。

GビズIDには「エントリー」「プライム」「メンバー」の3種類があり、IT導入補助金の申請には「プライム」の取得が必要です。GビズIDプライムを取得する際は、デジタル庁の公式Webサイトからオンライン申請すると、最短即日で発行されます。

一方、SECURITY ACTION宣言とは、申請事業者自らが情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度です。「一つ星」と「二つ星」の2段階の取り組み目標があり、IT導入補助金を利用するにはどちらかを宣言する必要があります。 

SECURITY ACTION宣言を実施するには、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のWebサイトからオンラインで自己宣言IDの登録と申請を行いましょう。

なお、SECURITY ACTION宣言の実行には、「申し込み」「自己宣言IDの取得」「ロゴマークのダウンロード」というステップがあります。申し込みから自己宣言IDの取得までは1週間程度、その後ロゴマークのダウンロードまでには約1〜2週間要します。

つまり、申し込みからロゴマークの取得までには短くとも2週間程度かかるため、IT導入補助金の申請予定日から逆算して手続きを始めましょう。

参考:GビズID|デジタル庁

参考:SECURITY ACTION|IPA

2. 導入する採用管理システムの選定

次に、自社に導入する採用管理システムを選定します。基本的には、自社の事業規模や課題に適したツールを導入することが大切です。ただし、IT導入補助金が支給されるのは、認定ツール・認定ベンダーを導入した場合のみです。

すべての採用管理システムやベンダーがIT導入補助金の対象ではないため、補助を受けたい場合は必ず認定されたツール・ベンダーであるかを確認して導入しましょう。

参考:ITツール・IT導入支援事業者検索|IT導入補助金2025

採用管理システムの選び方

採用管理システムによって、搭載機能や採用形態、サポート内容などが異なります。次のようなポイントに注意しながら、自社のニーズに合ったものを選定しましょう。

  1. 必要な機能があるか
  2. 自社の採用形態に対応しているか
  3. 利用したい求人メディアに対応しているか
  4. 誰でも簡単に操作できるか
  5. 導入支援・運用支援などサポート体制が充実しているか
  6. セキュリティ対策は万全か

自社における採用課題を明確にし、その解決につながるようなシステムを導入することが大切です。

3. 交付申請・補助事業の開始

交付申請は、基本的にベンダー(IT導入支援事業者)と一緒に進めていきます。まずはベンダーから「申請マイページ」に招待されるため、ログインしたうえで交付申請に必要な情報の入力や書類の添付を行いましょう。

ベンダーによる導入ツールの情報や事業計画値の入力が完了したら、申請に対する宣誓を行ってから事務局へ提出します。その後、交付申請内容の審査が完了すると、交付決定の通知が届くため、この時点から補助事業を始められます。

この際に注意すべき点として、採用管理システムの発注・購入は、必ず事務局からの交付決定を受けてから行いましょう。交付決定の通知が届く前にベンダーと購入契約を結んだ場合は、補助金の交付を受けられません。

事務局から交付決定が届く前に採用管理システムの発注や支払いをするのはやめましょう。

IT導入補助金で採用管理システムを導入する際の注意点

IT導入補助金の利用時には複数の注意点があります。ここでは、IT導入補助金で採用管理システムを導入する際の注意点を解説します。

IT導入補助金で採用管理システムを導入する際の注意点

  1. 交付申請期間をよく確認する
  2. 補助金は後払い
  3. 事業実績の証拠が必要

交付申請期間をよく確認する

IT導入補助金には年に数回の申請期間が設けられます。期間ごとに締め切り日が異なり、当然ながら締め切り時間を過ぎると、その期間内での申請はできません。そのため、IT導入補助金の申請を予定している場合は、申請期間をよく確認しましょう。

また、GビズIDの取得やSECURITY ACTION宣言は、申請から取得までに時間がかかることがあるため、IT導入補助金の申請が始まる前に済ませておくことが望ましいです。

参考:事業スケジュール|IT導入補助金2025

補助金は後払い

IT導入補助金は後払いのため、採用管理システムの導入時は一旦自社で費用を全額負担しなければなりません。補助金をもらってから採用管理システムを発注・支払うことはできない点に留意しましょう。

特に、高価なシステムを導入したい場合は、自社の予算を考慮する必要があります。

事業実績の証拠が必要

補助金の交付を受けるには、事業実績報告として、システムを導入した際の証憑類を事務局に提出しなければなりません。具体的には、納品書・領収証・銀行の振込明細書などの提出が求められます。

事業実績報告は、事業者自らが「申請マイページ」から必要な情報の入力や証憑の添付を行ったうえで、事業実績報告を作成する必要があります。

期間ごとに実績報告の締め切り日が決まっており、これを過ぎた場合には交付を受けられません。IT導入補助金を交付してもらうには、期間内に適切な事業実績報告を行いましょう。

まとめ

採用管理システムは、企業の採用・選考に関する情報を一元管理するツールです。中小企業や小規模事業者は、ツールの購入費用の補助として「IT導入補助金」を利用できる場合があります。

基本的に採用管理システムは「通常枠」で申請でき、補助額は最大450万円、補助率は最大2/3です。交付申請には「GビズID」の取得や「SECURITY ACTION宣言」が必要なため、IT導入補助金の申請期間に間に合うように手続きを済ませる必要があります。

中小企業・小規模事象者で採用活動に課題を抱えている場合は、本記事を参考に、IT導入補助金を活用した採用管理システムの導入を検討してみてください。

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