給与の即日払いとは?日払いとの違いや前払いサービスの活用について
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- 給与の即日払いとは「当日中にその日の労働分の給与が支払われる形態」を指す
- 給与即日払いの方法には、自社で独自に実施する方法と給与前払いサービスの活用がある
- 給与の即日払いを行う際は、法規則の遵守や社内規則の整備なども重要
給与の即日払いとは、働いたその日に給与が支払われる形態です。働き方の多様化に伴って導入する企業も増えています。本記事では、給与の即日払い・日払い・前払いの違いや即日払いのメリット・デメリットを交え、給与前払いサービスの活用についても紹介します。
目次
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給与の即日払いとは

給与の即日払いとは、従業員が働いた当日中に、その日の労働分の給与を受け取れる制度を指します。主にアルバイトや派遣社員など、短時間・短期間で働くケースを中心に導入が進んでおり、働き方の多様化に対応した支払い方法として注目されています。
給与の即日払いは、給料日を待たずに現金や振込で受け取れるため、急な出費がある場合でも対応しやすい点が特徴です。一方で即日払いを実現するためには、勤怠管理や支払い処理を迅速に行う必要があり、企業側の運用負担が大きくなりやすい側面もあります。
そのため近年では、日払い・前払いとの違いを理解したうえで、外部の給与前払いサービスを活用し、即日払いに近い利便性を提供する企業も増えています。
本記事では、給与の即日払い・日払い・前払いの違いや即日払いのメリット・デメリットを交え、給与前払いサービスの活用についても紹介します。
給与の即日払いと日払い・前払いの違い

給与の支払い方法には、「即日払い」「日払い」「前払い」など複数の種類があり、似た言葉でも仕組みや運用方法は大きく異なります。そのため、それぞれの制度の違いを把握したうえで、自社に合った方法を選択することが重要です。
ここでは、即日払い・日払い・前払いの違いについて整理して解説します。
日払いとの違い
日払いは1日分の給与を単位として支払う方法であり、支払いのタイミングは職場によって異なります。働いた当日に支払われるケースもあれば、数日後や週単位でまとめて支払われる場合もあり、必ずしも即日であるとは限りません。
そのため、即日払いは日払いの一形態と捉えられることもありますが、実務上は区別されることが多いです。
また、労働基準法第24条では、賃金の全額払い・直接払い・毎月1回以上の支払いが原則とされており、日払いや即日払いを行う場合もこれを踏まえた運用が求められます。さらに支払い方法によっては、事務負担が増える点も考慮しなければなりません。
参考:労働基準法|第二十四条(賃金の支払)|e-GOV 法令検索
前払いとの違い
給与の前払いは、すでに働いた分の給与の一部を給料日前に受け取れる制度です。即日払いがその日の労働分を当日中に支払う仕組みであるのに対し、前払いは支給日を前倒しする点が大きな違いです。
多くの場合、前払いは専用のサービスやシステムを利用して行われ、企業が毎回手作業で支払う必要がありません。また、労働基準法第25条の非常時払は緊急時の支払いを定めた規定であり、恒常的な前払い制度とは別のものです。
即日払いに比べて企業側の負担が軽く、制度として安定運用しやすい点が、前払いの特徴といえます。
参考:労働基準法|第二十五条(非常時払)|e-GOV 法令検索
給与の即日払いが注目される背景

近年、給与の即日払い制度が注目を集めている背景には、働き方や生活環境の変化があります。ここからは、給与の即日払いが注目される背景について詳しく解説します。
働き方の多様化と短期就労の増加
アルバイトや派遣、業務委託など多様な雇用形態が広がる中で、短期間で収入を得たいと考える層が増えています。単発バイトやスポットワーク、副業といった働き方では、働いたらすぐに報酬を受け取りたいというニーズが強く、即日払いとの相性が良い点が特徴です。
特に若年層やフリーランス層では、収入のタイミングを重視する傾向があり、給与の支払い方法が仕事選びの判断材料になることもあります。企業側にとっても、即日払いを用意することで、短期就労者を確保しやすくなるでしょう。
従業員の生活支援ニーズの高まり
近年は物価上昇や社会情勢の変化により、従業員の生活を取り巻く環境は厳しさを増しています。食料品や光熱費の値上げが続く中、日々の生活費の負担が大きくなり、給料日までの資金繰りに不安を感じる人も少なくありません。
さらに、急な医療費の支払いや家電の故障、公共料金の支払いなど、突発的な出費が発生する場面も多く、今すぐ現金が必要になるケースは増えています。
こうした背景から、働いた分の給与をすぐに受け取れる給与即日払い制度は、従業員の生活を直接支援する手段として注目されています。金銭的な不安を軽減できることで、従業員は安心して仕事に集中しやすくなり、精神的な負担の軽減にもつながります。
企業にとっても、従業員の生活面に配慮する姿勢を示すことで、働きやすい職場環境づくりや信頼関係の構築に寄与する制度といえるでしょう。
給与即日払いのメリット

給与即日払いは、働いた分の給与をその日のうちに受け取れる制度であり、近年は人材確保や従業員満足度向上を目的として導入を検討する企業が増えています。従来の月給制や日払いと比べて柔軟性が高く、働く側・雇う側の双方にメリットがある点が特徴です。
特に人手不足が続く業界や、短期・スポット就労が多い職場では、即日払いの有無が選ばれる理由になるケースもあります。ここでは、企業側・従業員側それぞれの視点から、給与即日払いのメリットを解説します。
企業側のメリット
給与即日払いを導入することで、企業は求人時の訴求力を高めやすくなります。働いたその日に給与を受け取れる仕組みは、求職者にとって魅力的に映り、数ある求人の中から選ばれる要因になりやすいでしょう。
特に人材不足が深刻な業界では、応募数の増加や採用スピードの向上が期待できます。また、従業員の金銭的不安が軽減されることで、安心して働き続けられる環境が整い、人材の定着率向上につながります。
さらに、生活面の不安が原因となる急な欠勤や早期離職を防ぎやすくなる点もメリットです。結果として、採用コストや教育コストの削減にも寄与し、安定した人員体制の構築に役立つ施策といえるでしょう。
従業員側のメリット
従業員にとって最大のメリットは、急な出費や生活費の不足に柔軟に対応できる点です。医療費や公共料金の支払い、日常生活での予想外の支出が発生した場合でも、働いた分の給与をすぐに受け取れることで、金銭的な不安を軽減できます。
特に収入が不安定になりやすい非正規雇用や短期就労の場合、給与の即日払いは安心材料となるでしょう。金銭面のストレスが減ることで、仕事に集中しやすくなり、働きやすさの向上にもつながります。
給与即日払いのデメリット・注意点

給与即日払いは利便性が高い一方で、運用面ではいくつかの注意点があります。特に企業側にとっては、日ごとの給与計算や支払い対応は大きな負担となりやすいです。勤務実績を即座に集計し、支給額を算出する必要があるため、管理工数が増えやすくなります。
また、現金で支払う場合は現金の準備や保管、受け渡しに伴う管理も必要です。計算ミスや支払い漏れが発生すると、従業員とのトラブルにつながる可能性もあるでしょう。
そのため、制度を導入する際は、こうした管理の煩雑さを理解したうえで、運用体制や仕組みを整えることが重要です。
給与前払いの導入が向いている企業の特徴

給与前払い制度は、すべての企業に一律で適しているわけではありませんが、働き方や人材構成といった面で大きな効果を発揮する制度です。
特に、従業員の収入が月ごとに変動しやすい企業や、人材の確保・定着に課題を抱えている企業では、前払い制度が有効な施策となるケースがあります。ここでは、給与前払いの導入が向いている代表的な企業の特徴について解説します。
非正規雇用やシフト制勤務が多い企業
アルバイトや派遣社員などの非正規雇用が多い企業や、シフト制で勤務時間が変動しやすい職場は、給与前払い制度と相性が良いでしょう。これらの働き方では、月給制に比べて収入が不安定になりやすく、給料日までの生活費に不安を感じる従業員も少なくありません。
働いた分の給与を給料日前に受け取れる仕組みがあれば、金銭面の安心感を提供できます。その結果、シフトの安定や欠勤防止にもつながり、職場全体の運営をスムーズにしやすくなります。
人材の採用・定着に課題がある企業
人手不足や離職率の高さに悩んでいる企業にとって、給与前払い制度は有効な対策の一つです。求職者にとって、給与の受け取り方に柔軟性があることは魅力的な条件となり、求人時の差別化につながります。
また、入社後も金銭的な不安を軽減できるため、早期離職の防止が期待できます。特に同業他社との条件差がつきにくい業界では、給与前払いを導入することで働きやすさを訴求でき、人材の採用・定着の両面で効果を発揮しやすくなります。
給与前払いサービスで臨時の即日払いや日払いを実現

給与前払いサービスとは、従業員がすでに働いた分の給与を、給料日前に受け取れる仕組みを提供するサービスです。多くのサービスでは、申請から数分〜即日での振込に対応しており、実質的に「臨時の即日払い」や「日払い」「週払い」に近い運用が可能になります。
そのため、従来の月1回払いに比べて柔軟性が高く、急な出費への対応や生活支援の手段として従業員満足度の向上が期待できます。企業側にとっても、給与体系を大きく変更せずに支払いタイミングの選択肢を増やせる点が特徴です。
給与前払いサービスの仕組み
給与前払いサービスは、勤怠管理システムやタイムカードのデータをもとに、従業員がすでに働いた分の給与額を算出する仕組みです。
確定した労働時間や日数から前払い可能額が自動で計算され、その範囲内で従業員が前払い申請を行います。申請後は、サービス提供会社または企業から従業員の口座へ振込が行われ、給料日に精算される流れが一般的です。
これにより、未確定の将来賃金ではなく、実労働分のみを対象とするため、労務管理上も比較的導入しやすい仕組みとなっています。手作業での計算や確認を減らせる点も、サービス活用の大きな利点です。
自社対応とサービス利用の違い
給与前払いを自社対応で行う場合、前払い額の計算や振込対応、給料日での精算などをすべて社内で管理する必要があります。そのため、経理・人事担当者の負担が大きくなりやすく、ミスや対応遅れといったリスクも高いです。
一方で給与前払いサービスを利用すると、立替型や自社払い型といった形態を選べます。立替型ではサービス会社が従業員へ先に支払いを行い、企業は後日まとめて精算します。
また、自社払い型では企業資金を使いますが、計算や申請管理をシステム化できます。サービス利用により、業務負担を抑えつつ柔軟な支払いを実現できる点が大きな違いです。

給与前払いサービス・システムとは?メリット・デメリットなどを解説
給与前払いサービス・システムとは、従業員が給与日を待たずに、希望のタイミングで給与を受け取れるサービスです。本記事では、給与前払いサービス・システムをよく知らない方のために、メリット・デメリットや選び方を解説しています。
給与前払いサービスを利用するメリット

給与前払いサービスを利用することで、企業・従業員の双方にとって利便性の高い給与支払い体制を構築できます。ここでは、給与前払いサービスを利用する代表的なメリットを紹介します。
現金管理や個別対応の負担を減らせる
給与前払いを自社で対応する場合、現金の準備や振込手続き、個別の問い合わせ対応など、管理業務が煩雑になりがちです。特に即日払いや日払いを求められると、その都度対応が必要となり、人事・経理担当者の負担は大きくなります。
給与前払いサービスを利用すれば、前払い額の計算や申請受付、振込処理までをシステム上で一元管理できます。現金を直接扱う必要もなくなり、ミスやトラブルのリスクを抑えられるでしょう。
従業員が自分のタイミングで利用できる
給与前払いサービスでは、従業員自身が専用アプリやWeb画面から前払い申請を行えるケースが一般的です。
企業側へ都度相談する必要がなく、自分のタイミングで利用でき、従業員にとっても大きな利点です。急な出費や生活費の不足といった状況でも、精神的な負担を軽減しながら働き続けやすくなるでしょう。
また、利用の可否や回数がルール化されているため、不公平感が生まれにくい点も特徴です。従業員満足度の向上や定着率アップを目指す企業にとって、効果的な仕組みといえるでしょう。
給与前払いサービス・システムの選び方

給与前払いサービスは、提供会社やサービス形態によって機能や費用、使い勝手が大きく異なります。自社の導入目的や従業員の利用シーンを想定せずに選んでしまうと、「即日で振り込めない」「現場で使われない」といったミスマッチが起こりかねません。
そのため、単に「前払いができるか」だけでなく、振込スピードや対応金融機関、費用体系、企業側・従業員側双方の使いやすさなど、複数の観点から比較検討することが重要です。ここでは、給与前払いサービスを選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説します。
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給与前払いサービス・システムの選び方
即日振込・利用する金融機関に対応しているか
給与前払いサービスを選ぶ際は、振込のタイミングと対応している金融機関を必ず確認しましょう。サービスによっては申請当日中に振込可能としていても、実際には特定の銀行のみの即日対応や、時間帯に制限がある場合があります。
従業員が利用している金融機関が即日振込の対象外だと、想定していた利便性を十分に発揮できません。また、土日祝日の振込対応可否も重要なポイントです。
休日に申請が集中しやすい場合、振込が翌営業日扱いになると、従業員が想定していたタイミングで給与を受け取れない可能性があります。即日払いや日払いに近い運用を目指す場合は、振込スピードと金融機関の対応範囲を事前に確認することが欠かせません。
初期費用・月額費用などを確認
給与前払いサービスには、初期費用や月額費用がかかるもの、基本利用料は無料で手数料のみ発生するものなど、さまざまな料金体系があります。また、手数料を「企業が負担する企業負担型」「従業員が支払う従業員負担型」といった違いもあります。
企業負担型は福利厚生として打ち出しやすい一方、コストがかかりやすい点に注意が必要です。従業員負担型はコストを抑えられる反面、手数料が高いと利用されにくくなる可能性があります。
初期費用・月額費用・手数料を総合的に確認し、自社の運用方針に合ったバランスを見極めることが大切です。
企業側・従業員ともに使いやすいか
給与前払いサービスには、サービス会社が一時的に給与を立て替える立替型と、企業が直接支払う自社払い型があります。立替型は企業の資金負担や管理負荷を抑えやすく、自社払い型はコストを抑えられる反面、運用ルールの整備が必要です。
また、従業員がスマートフォンから簡単に申請できるか、企業側が管理画面で状況を把握しやすいかといった操作性も重要です。企業・従業員のどちらかに負担が偏ると、制度が定着しにくくなります。双方にとって使いやすい設計かどうかを確認しましょう。
おすすめの給与前払いサービス・システム2選
GMOペイメントゲートウェイ株式会社
即給 byGMO
ここがおすすめ!
- 「デポジット」「立替え」から選べ、最短当日に振り込まれる
- 就業者による専用の銀行口座やカード作成の必要がない
ここが少し気になる…
- 詳細料金や導入フローは問い合わせる必要がある
株式会社メタップスペイメント
CRIA
ここがおすすめ!
- 給与の先払い資金は立替えてくれキャッシュフローにも影響がなく、セブン銀行か給与口座で受け取りが可能
- 企業負担がなく、就業者の手数料負担も業界最安水準でスマホから申請可能
ここが少し気になる…
- 導入まで2週間かかるため、直ぐに使いたい企業には不向き
給与の即日払いを行う際のポイント

給与の即日払いは、従業員満足度や採用力の向上につながる一方、法令遵守や運用ルールの整備が欠かせません。自社対応や給与前払いサービスを利用する場合でも、共通して押さえておくべきポイントがあります。
以下では、即日払いを安全かつ継続的に運用するためのポイントを解説します。
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給与の即日払いを行う際のポイント
賃金の支払いに関する法規則を理解しておく
給与の即日払いを行うにあたっては、まず賃金支払いに関する法規則を正しく理解しておくことが重要です。労働基準法では、賃金は「通貨で」「労働者に直接」「全額」「毎月1回以上」「一定期日払い」という賃金支払の5原則が定められています。
即日払いを導入する場合でも、これらの原則を前提に制度設計を行いましょう。特に、前払い分が未払い賃金と混同されないよう、あくまですでに働いた分の賃金であることを明確にし、違法な立替払いや貸付と誤解されない運用が求められます。
法令を踏まえたうえで、無理のない形で制度を整えることが大切です。
参考:賃金の支払方法に関する法律上の定めについて教えて下さい。|厚生労働省
雇用契約や社内規則で明示する
即日払いをトラブルなく運用するためには、雇用契約書や就業規則、賃金規程などに制度内容を明示しておきましょう。対象となる従業員の範囲、利用できる条件、支払額の上限、手数料の有無などをあらかじめ文書で定めておくことで、従業員との認識のズレを防げます。
また、口頭説明だけで運用してしまうと、「聞いていない」「条件が違う」といったトラブルに発展する可能性があります。特に即日払いは金銭に直結する制度であるため、透明性の高いルール設計と明文化が重要です。
労務管理の体制やルールを整備する
給与の即日払いを安定して運用するには、労務管理体制や社内ルールの整備も重要です。勤怠情報が正確に把握できていなければ、支払額の誤りや過払いにつながるおそれがあります。
そのため、勤怠管理の方法や締め時間、給与計算のフローを明確にしておきましょう。また、給与前払いサービスを利用する場合は、利用手順や申請方法、問い合わせ窓口なども整理しておくと安心です。
ルールを整備し、関係者で共有することで、トラブルを防ぎながら即日払い制度を有効に活用できます。
まとめ

給与の即日払いとは、従業員が働いたその日に給与を受け取れる仕組みであり、働き方の多様化や短期就労の増加を背景に注目されています。即日払いは求職者への訴求力が高く、採用活動での差別化や人材定着率の向上につながります。
しかし、現金管理や日々の給与計算など、企業側の運用負担が大きくなりやすいです。こうした課題への対応策として、給与前払いサービスを活用すれば、勤怠データをもとに前払い可能額を算出し、実質的に即日払いや日払い、週払いに近い運用を実現できます。
自社の目的や運用体制に合った仕組みを選び、無理のない形で導入することが重要です。本記事を参考に、最適な給与支払い制度を検討してみてください。