1on1の目的とは?実施するメリットや導入ステップも解説
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- 1on1には、コミュニケーションの機会創出や優秀な人材の流出を防ぐなどの目的がある
- 1on1を実施することで、部下の成長が促進され、エンゲージメントも向上できる
- 1on1を実施する際は上司は部下をサポートする姿勢で臨み、アドバイスや叱責は避ける
1on1とは、上司と部下が1対1で行うミーティングです。1on1を実施することで、部下の成長を促せるだけでなく、組織全体のパフォーマンス向上にも繋がります。この記事では、1on1の目的や実施のメリット、導入のステップなどについて解説します。
目次
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1on1とは

1on1とは、上司と部下による1対1の定期面談です。部下が主体的に話すことに重きを置き、上司は傾聴を通じて課題や悩みの言語化を支援します。指導やアドバイスのように一方的に答えを与えるのではなく、部下自ら答えを見つけるよう導くのが基本姿勢となります。
1on1には部下の人材育成支援やモチベーションを向上させ、ひいては組織全体のパフォーマンス向上につなげる目的があります。本記事では、1on1のメリットや話すテーマの例、実施の際の注意点を解説します。
また、効果的な1on1の実施を支援するおすすめツールもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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1on1とは
人事評価面談との違い
1on1と人事評価面談の主な違いは「実施頻度」と「目的」です。1on1は週1回または月1回の頻度が一般的で、部下の成長支援やモチベーション向上を目的にします。また、比較的フランクな雰囲気で実施されることが多く、上司と部下の対話を重視する点も特徴です。
上司が部下の話を傾聴するのが基本であり、仕事からプライベートまで幅広い悩みの相談やフィードバックを行います。一方で人事評価面談は、四半期・半年・年に1回で実施されることが多く、主な目的は上司から部下に対する評価の伝達です。
例えば、今期の業績・能力の評価やフィードバック、これらに基づく昇給・昇格・賞与の内容など、話題は業務に限定されています。つまり、 1on1は部下の人となりや現状を知るための面談であるのに対し、人事評価面談は部下を管理するために実施されます。
MBOとの違い
MBO(Management by Objectives)とは、組織目標と連動した個人目標を設定し、その達成度の評価やフィードバックを行うための面談です。個々の目標の達成度から組織全体の目標達成進捗を測ることを目的にします。
部下のパーソナルな部分を重視する1on1と異なり、MBOは組織全体のパフォーマンス向上に重きを置いた手法です。なお、MBOを実現するための手段として、従業員の個々の状況を知る1on1が活用される場合もあります。
1on1の目的

1on1の目的は、コミュニケーションを通じて部下と信頼関係を築き、人材育成支援や労働意欲の向上につなげることです。特に現在は人材マネジメントの重要性やVUCA時代への対応の必要性が高まっており、そのための手段として1on1の注目度も高まっています。
ここでは、1on1の主な目的について解説します。
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コミュニケーションの機会を作る
現在はテレワークなどの多様な働き方の普及を背景に、対面で会話する機会が減少傾向にあります。そのため、上司と部下のコミュニケーション不足を補う手段として、1on1が注目されています。
日常的なコミュニケーションが不足すると同僚との人間関係を築きにくく、「ちょっとした相談もしづらい」「誰に聞けば分からない」というケースも少なくありません。1on1は上司と部下が向き合う時間を増やすことで、こういった孤立を防ぐ狙いもあります。
社員の仕事に対する意識を把握する
1on1は、部下の仕事に対する意識を把握する上でも重要です。現在は価値観が多様化し、働き方に対する個々の意識も複雑化しています。そのため、従来のような一律の教育では、人材育成や生産管理が困難な傾向にあります。
部下の個人的な考え方を聞く場として、1on1は大いに重宝されています。「管理職になりたい」「将来的に起業を予定している」「出世は特に希望しない」など、それぞれの仕事に対する望みを聞き出し、個別化された最適な人材育成や支援にもつなげられるでしょう。
優秀な人材の流出を防ぐ
少子化・終身雇用制度の崩壊などを背景に、業種・業態を問わずどの企業でも人手不足は深刻化しています。特に優秀な人材は競争率が高く、自社のハイパフォーマーが競合他社に引き抜かれるといったケースも珍しくありません。
1on1は、このような人材流出の兆候を早期に発見する意味でも実施されます。短いスパンでの定期面談の積み重ねにより、仕事への意欲やライフスタイルの変化や、現状への不満・不安にもすぐ気づきやすくなるでしょう。
そして個々の不満や悩みを解決するような環境づくりにより、自然な形で部下を引き留めることにもつなげられます。例えば、昇給やリーダー職の割り当て、裁量権の増大など、「これからもこの職場で長く働き続けたい」など、さまざまな方法があります。
VUCAの時代に対応する
VUCAとは、予測困難で不安定な社会・ビジネス環境を表す言葉です。「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取って、「VUCA」と呼ばれています。
特に市場の急変動化・複雑化は顕著であり、事業を継続させるにはめまぐるしい変化への柔軟で素早い対応が求められます。これらの行動を促すのに役立つのが1on1です。
上司と部下が日頃から信頼関係を築き、同じ価値観やビジョンを共有することで、どんな局面でも部下は自分で判断して行動につなげやすくなります。その結果、組織全体の俊敏性や柔軟性が高まり、不確実性の高い時代でも安定的な事業運営も見込めるでしょう。
1on1を実施するメリット

1on1の実施により、部下との関係を強化しながら個人・組織全体のパフォーマンス向上が見込めます。ここでは、1on1を実施するメリットを解説します。
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1on1を実施するメリット
部下の成長を促進できる
1on1を通じて上司からこまめなフィードバックを行うことで、部下は自身の長所や問題点を振り返り、客観的な解決策を講じやすくなります。
例えば、プレゼンの成果が上がらない部下に対しては、資料作成のコツや話し方のアドバイスなど、実践的かつ個別化された指導が可能です。特に比較的フランクな雰囲気で行うことが多い1on1は、部下に必要以上の緊張を与えず、角が立ちにくいのが魅力の一つです。
そのため、雑談の延長のような気軽さで自発的な気づきや改善を促し、部下の成長をさりげなく支援できます。
部下のエンゲージメントを向上できる
人事領域におけるエンゲージメントとは、いわゆる「愛社精神」を指します。エンゲージメントが高い従業員ほど組織に強い愛着と貢献意欲を持っており、反対に低い人ほど組織への帰属意識が薄く、離職や退職の傾向も高い傾向にあります。
エンゲージメントを低くしている原因を知るために、1on1は効果的な手段といえます。仕事や私生活に関する日常的な悩み・課題を聞き出すことで、解決策の模索や早期の問題解消につなげられます。
例えば、部下からの要望を実現させれば、「組織に大事にされている」という想いが生まれ、組織に対する信頼や貢献意欲が高まるでしょう。結果として、従業員定着率のアップにも期待できます。
組織全体のパフォーマンス向上が期待できる
1on1を通じて部下が「自分を見てくれている」「キャリアアップにつながっている」と感じられると、労働に対する意欲向上が見込めます。
特に短い間隔で実施される1on1はタイムリーな具体的な評価やフィードバックを行えるのが強みであり、部下の納得感も得やすくなります。そのため、同僚同士で評価に対する不公平感が生じにくく、職場全体の雰囲気や人間関係の活性化にもつながるでしょう。
従業員一人ひとりのモチベーションアップにより、組織全体のパフォーマンス力が底上げされ、生産性向上や収益増大にも期待できます。
信頼関係を構築できる
上司と部下の信頼関係の構築も、1on1を実施するメリットです。仕事における不安や悩みに寄り添い、具体的なフィードバックを行うことで「ただ聞いただけ」の状態を解消し、部下からの信頼を得やすくなります。
特に1on1では仕事に限らずさまざまなテーマで対話できるため、会話の糸口を見つけやすいのもメリットです。リモートワークなどで社外にいることが多い部下とも共通の話題をもとに人間関係を構築でき、スキルアップやキャリア設計などの深い話題につなげられます。
1on1で話すテーマの例

1on1で話すテーマは、仕事に直接関係するものからプライベートな事柄まで多岐に渡ります。普段はあまり話せないような悩み事や不安も1対1なら相談しやすく、効果的な人材育成支援や職場環境の改善にもつなげられるでしょう。
ここでは、1on1で話すテーマの例について解説します。
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1on1で話すテーマの例
目標に対する進捗状況や課題
日常的な業務における目標の達成状況や課題について共有し、フィードバックや解決につなげます。順調に進んでいる部分と進んでいない部分について具体的に聞き出しましょう。
例えば、次のような話題が考えられます。
- 現在の目標達成率は何%か
- 期日までに目標を達成できそうか
- どんなサポートがあったら助かるか
- 次にどんな目標に挑戦したいか
- 目標に対する自己採点は何点か
なお、質疑応答に終始すると単なる業務連絡で終わりやすい可能性が高いです。そのため、これらの質問を通じて、部下が自主的に自身の長所・問題点を把握できるような言葉を投げかけましょう。部下の現状を一緒に言語化すると、客観的な振り返りを促せます。
仕事やメンタル面の悩み
仕事やメンタル面の悩みは、エンゲージメントを高めるうえで重要な話題です。「急ぎじゃない」「直接業務に関係ない」などの理由で、悩みを打ち明ける機会を逸している従業員は少なくありません。
例えば、次のような質問で部下の仕事・メンタルに関する考えや不安を聞き出しましょう。
- 残業は多すぎないか
- 仕事を持ち帰っていないか
- 人間関係に悩んでいないか
- 今の組織や職場に率直に望むことは何か
- 身体面や精神面で不調を感じていないか
- ストレス発散はできているか
特に心身の不安は休職や離職に直結しやすいため、1on1を通じて日頃から部下のフィジカル・メンタルの状況を把握することが大切です。
今後のキャリアについて
今後のキャリアの希望を把握すると、組織として適切なフォローや支援を提供しやすくなります。特に業務上の関りだけでは一人ひとりのキャリアや夢を聞き出す機会は少ないため、1on1を利用して積極的な把握に努めましょう。
しかし、必ずしも全員が明確なキャリアを描いているとは限りません。漠然としたキャリア設計しかない人でも、言語化しやすいような話題を投げかけるとよいでしょう。
- 将来的に就きたいポジションはなにか
- 今の仕事は自分に合っているか
- 自分が思う長所・短所
- 今の業務以外に興味がある分野
- 気になっているスキルや研修
- 働くうえで大切にしていること
これらの情報をもとに、一人ひとりのキャリアパスを一緒に具体化することが大切です。
会社の方針や戦略の共有
1on1では部下の話を聞くだけでなく、会社の方針や戦略が正しく伝わっているかを確認することも大切です。これらを理解していない場合は、その業務を自分が任されている意味が分からず、仕事へのモチベーションも上がらない恐れがあるためです。
例えば、次のような質問を投げかけてみましょう。
- 上層部の決定に対する率直な意見
- 経営方針について気になる・分からないこと
- 組織全体の経営戦略の実現のために自分がやるべきこと
会社の方針や戦略と業務の関連性を明確にすると、自身の役割が明確になるため、目標達成に向けた自主的な行動を促せます。これによって組織への帰属意識を高め、パフォーマンスの向上も図れるでしょう。
趣味や休日の活動
趣味や休日の活動といったプライベートな話題は、部下の人となりや価値観を知れるだけでなく、互いに共感を抱きやすいのも魅力です。例えば、次のような軽いテーマを糸口にすると、リラックスした雰囲気で1on1を進められるでしょう。
- 週末は何をして過ごすのか
- 今興味があるのは何か
- 最近感動したエンタメや食べ物について
- 長期休みに挑戦したいこと
互いのプライベートな部分を共有することで、信頼関係がさらに深まり、日常的なコミュニケーションも取りやすくなります。
1on1を行う際の注意点

1on1はやり方を間違えると、部下にプレッシャーを与え、効果的な運用にはつながりません。ここでは、1on1を行う際の注意点を解説します。
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1on1を行う際の注意点
部下をサポートする姿勢で臨む
1on1で起りやすいことの一つに、上司が一方的なアドバイスや指導に終始するケースがあります。この場合は、最初から「答え」が与えられるため、部下の自律的な思考力や行動力を養えない点に留意が必要です。
そのため、1on1では上司はあくまでサポートする姿勢で望み、部下の話に耳を傾けることに専念しましょう。相談内容によっては助言やフィードバックも必要ですが、まずは部下自身に考えさせることが大切です。
例えば、「あなたはどう思うのか」「気になっている部分はどこか」といった声かけをし、部下自らが答えに気づくような環境作りを心がけましょう。
業務時間を圧迫することがある
1on1は1回につき15分〜30分程度ですが、週または月に1回と比較的短いスパンで実施します。当日のミーティングに加え、それまでの準備も必要なため、特に部下の数が多い上司によっては、他の業務に取り組むための時間が少なくなることもあるでしょう。
時間的な負担を軽減するには、1on1支援専用ツールを利用するのもおすすめです。スケジュールの調整のほか、テーマの事前共有や各人の目標・進捗管理などを一元的に行えるため、事前準備の工数を最小限に抑えつつ、当日はスムーズな進行につなげられます。
アドバイスや叱責は避ける
1on1では一方的なアドバイスに加えて、叱責・否定するのも止めましょう。例えば、「それは間違っているよ」といった叱責・否定の言葉は、たとえ発した本人は軽い気持ちであっても、受ける側は必要以上のプレッシャーや恐怖を感じる場合があります。
1on1の時間が「叱られる時間」と認識されると、部下の精神的な負担になりかねません。また、上司に忖度した相談や回答しか引き出せなくなり、本来の目的を達成できなくなります。前述のように上司はサポートする姿勢を意識し、聞き役に徹することが大切です。
プライベートに干渉しすぎない
1on1ではプライベートな話題を話すこともありますが、干渉しすぎるのは止めましょう。場合によっては、ハラスメントに該当する恐れがあるためです。代表的なのは、交際関係や結婚・子供の予定をしつこく聞き出すケースです。
プライベートな話題は互いの気持ちをリラックスさせる良い手段ですが、あくまで会話の糸口として長々と話し込んだり、無理に聞き出したりするのは止めましょう。また、上司から先にプライベートについて軽く話すと、部下に余計な警戒心を抱かせにくくなります。
1on1だけに頼らない
1on1は上司と部下の信頼を深めるのに役立ちますが、これだけでは真の関係構築は難しいのが実情です。特に普段から会話が少ない・上司に相談しづらい雰囲気の場合は、1on1を実施していても本当に信頼関係を築けているとはいえないでしょう。
1on1の効果を高めるには、日頃からのコミュニケーションも重要です。普段から意見や本音を言いやすい環境を整えると、1on1でもさらに深掘りした話を引き出しやすくなります。
1on1の導入ステップ

初めて1on1を実施する際は、「怒られるのでは」という不安や、「業務時間が圧迫される」などの理由から、従業員が反発を感じる恐れもあります。効果的な運用につなげるために、適切な導入ステップを踏みながら社内に定着させていきましょう。
ここでは、1on1の導入ステップを解説します。
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1on1の導入ステップ
1. 目的を明確化・共有する
上司・部下ともに1on1への主体的な取り組みを促すために、実施の目的を明確に伝えることが大切です。意義や導入メリット、得られる効果について分かりやすく伝えることで、上司・部下双方が1on1の重要性を理解し、真剣に取り組んでもらえるようになります。
反対に1on1の目的が正しく伝わらない場合は、従業員が「実施する意味が分からない」「仕事が増えた」と感じやすく、ミーティングが形式化する恐れもあります。そのため、誰でも1on1の目的を簡単に理解できるような伝え方を工夫することも大切です。
目的の伝え方
1on1の導入目的には次のような伝え方があります。
- 説明会の実施
- 社内報・社内SNS・社内ポータル・グループウェアなどの活用
- チームごとの情報発信
あわせて、上司から部下への声かけも重要です。全体発信に加えて個別フォローを行うことで、部下にとっても当事者意識を持ちやすくなるでしょう。
「あなたのキャリアをサポートしたい」「チームの課題解決につなげたい」など、組織やチームの実態に沿った声かけに取り組みましょう。
2. 実施場所と時間を決める
1on1は月1回以上を継続的に実施することで効果が生まれるため、適切なスケジュール管理が不可欠です。また、上司の都合だけで日時や場所を決めると、部下が不信感を抱きやすく、当日のコミュニケーションにも支障を来す恐れがあります。
そのため、両者のスケジュールをすり合わせたうえで、それぞれに負担の少ない日取りを決めましょう。例えば、「毎月第2水曜日」などと決めておくと、互いにスケジュール管理がしやすくなります。
また、ミーティングの場所は、部下がリラックスできるような場所がおすすめです。本人の希望も聞きながら、休憩スペースやビデオ通話など本音を聞き出しやすい環境で実施しましょう。
3. ミーティングを行う
日時・場所を決めたら、その通りにミーティングを実施します。当日に「何を話せばよいのか分からない」という状態に陥らないよう、事前に部下と話し合ってテーマを決めておくのがおすすめです。
また、ミーティングの最中は、「聞き役に徹する」「部下が解決策を見いだせるよう導く」ことを意識しましょう。ここからは、それぞれの内容を解説します。
聞き役に徹する
上司はあくまで聞き役に撤して話の途中で部下を遮ったり、否定したりするのは止めましょう。上司が発言を中断させてしまうと、部下が萎縮や不信感を抱き、本音を話しにくくなる恐れがあります。
アドバイスや指導が必要な場面もありますが、まずは全て話を聞き終え、口を開くのは最後にしましょう。
また、部下の発言を忘れないために、話を聞いている間はメモを残すことも大切です。最後にメモを振り返りながらアドバイスやフィードバックができるため、部下も納得感を得やすくなります。毎回メモを残せば、部下の課題・成長・進捗も管理しやすいでしょう。
部下が解決策を見出せるよう導く
1on1は部下の主体性・自律的思考を促すことを重視しています。そのため、上司は問題点や解決策を一方的に提示するのではなく、部下が自ら解決策を見いだせるような会話の流れを意識しましょう。
特に課題や悩みを抱えている部下は、自分の状況を客観視できていないケースが少なくありません。「どうして」「いつ」など言語化につながるような声がけを意識すると、部下が自分の状況を言語化して捉えやすくなり、改善策にも気づきやすくなります。
4. 定期的に実施する
1on1は、都度の目標設定と評価・フィードバックを繰り返すことで、効果を感じやすくなります。目標と現状のギャップを常に把握し、「次に何をすべきか」と考える姿勢を促すことで、部下の着実な成長につなげられます。
そのため、1on1はすぐに効果が出ないことが多く、継続的に取り組まなければなりません。また、数ヶ月継続しても効果がでない場合などは、やり方を改善する必要があります。
1on1支援ツールの中には、実施効果を測定・分析できるものもあり、活用によってPDCAサイクルの最適化を図れます。
1on1を効果的に実施するためのポイント

1on1はやみくもに実施しても効果が出にくく、ただの雑談で終わってしまうケースも少なくありません。効果的に実施するために、次のようなポイントを抑えましょう。
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1on1を効果的に実施するためのポイント
事前の準備を入念に行う
1on1は頻繁に実施するため、ネタ切れになったり、ただの雑談で終わったりするケースも少なくありません。短い時間でも必要な事柄を聞き出すためには、事前の入念な準備が必要です。
前回のメモを活用して部下ごとの目標や課題、進捗を振り返りながら、今回の話題や質問項目を考えましょう。これによって部下の現状を正しく把握でき、「ただ話を聞いただけ」になるのも回避しやすくなります。
上司のコミュニケーション能力を育てる
1on1で部下の本音を聞き出すには、上司が高いコミュニケーションスキルを身につけておく必要があります。上司と1対1で面談というだけで緊張する部下も多く、率直な考えを聞き出せない恐れがあるためです。
例えば、適度な相づちや共感を示すこと、部下の性格などに合せて声かけを変えるなど、基本的なコミュニケーションスキルは必須です。また、質問を通じてコミュニケーションを図る「コーチング」は、部下自ら課題や解決策を見出すのをサポートできます。
あわせて、話題を総括をするための「評価・フィードバック能力」も大切です。そのため、企業は手始めにセミナー・研修の実施やeラーニングを活用しながら、1on1の担当者教育に努めましょう。
経験学習サイクルを意識する
経験学習サイクルとは、「経験」「内省」「教訓」「実践」の4ステップを繰り返しながら、自身の経験から学び・成長を得る手法です。特に「内省」「経験」は1on1の目的にも合致し、ミーティングの品質を高める上でも役立ちます。
具体的には、部下の経験に対して「どんな結果を得たか」「どう思ったか」という声かけを通じて内省を促しましょう。その上で「なぜそうなったのか」「次はどうすべきか」という気づき・学びにつなげることが大切です。
これによって、部下に結果を意識した行動変容を促し、自己成長にもつなげやすくなります。また、経験を学びに変えるというサイクルの確立により、1on1がただの業務報告の場になるのも防げるでしょう。
1on1ツールを活用する
1on1ツールは、1on1の準備・実施・改善を効率化するシステムです。スケジュールや話題・テーマ、メモ、進捗などを一元的に管理でき、 1on1の導入効果の最大化を手助けします。
また、煩雑な管理作業を簡素化できるため、多くの部下を持つ上司でも無理のない1on1運用が可能です。さまざまなツールがあるため、自社の運用体制に適したものを導入しましょう。

1on1ツールとは?メリット・デメリットや比較ポイントを解説
1on1ツールとは、上司と部下が1対1で行うミーティングを効率的に行うためのツールです。1on1ツールでスケジュール管理を行うことで、確実にミーティングを実施できる仕組みが整います。この記事では1on1ツールのメリット・デメリットや選び方を解説します。
おすすめの1on1ツール10選
株式会社カオナビ
カオナビ
ここがおすすめ!
- 人事出身の創業者が制作、蓄積されたナレッジ・ノウハウの共有により組織を改善に導く
- 誰でも使いやすい直観的なUI・UXで、機能や項目のカスタマイズも自由自在
- 専任サポートによって導入後も継続的に支援してくれる
ここが少し気になる…
- スマホでも専用アプリにより利用はできるが、一部利用できない機能がある
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カオナビを導入したことで、人材情報の散在や属人化といった課題が解消されました。社員の顔と情報をひと目で把握でき、評価や配置の判断がスムーズに行えるようになった点が大きなメリットです。また、育成やタレントマネジメントに活用できるため、戦略的人事の実現にもつながっています。データの一元管理により、部門間の連携も強化されました。
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カオナビの導入により、従業員の顔写真やスキル、評価履歴などの情報を一元管理できるようになりました。これにより、評価や人材配置の際の情報収集が効率化され、適切な人材活用が可能となりました。また、評価ワークフロー機能「スマートレビュー」を活用することで、評価プロセスの透明性が向上し、従業員の納得感も高まりました。
-
本サービスの導入により、全社員の経歴や評価に関して、一元管理できるようになり、業務効率化に繋がった。また、全社員の氏名から顔写真の検索が可能となり、社員間のコミュニケーション活性化に寄与した。
株式会社HRBrain
HRBrain タレントマネジメント
ここがおすすめ!
- 面談シートは事前に記入・共有が行え、1on1の質のバラつきを防げる
- 人事や経営層が蓄積されたフィードバックの確認ができ、マネジメントの可視化を実現
- 社員のコンディションチェックが可能で、スマートフォンにも対応
ここが少し気になる…
- 「タレントマネジメントツール」のため、1on1のみ使いたい場合には機能が多くなる
株式会社あしたのチーム
あしたのコーチ
ここがおすすめ!
- 「人事制度×コーチング」に特化したコーチによるコーチングを受けられる
- コーチング動画を使用した「オンライン教材」で、いつでも学習可能
- 効果的な研修を受けられ、リーダーの育成や目標達成を実現できる
ここが少し気になる…
- まずは紹介セミナーに参加するか動画視聴する必要がある
チームアップ株式会社
TeamUp
ここがおすすめ!
- 「テンプレート」の用意があり、事前に話す内容を整理できる
- 上司による会話のログ提出で、次回以降の1on1もスムーズに
- 決まったペアだけでなく、自由に1on1を依頼できる
ここが少し気になる…
- 詳細なプランや料金は問い合わせで確認
ここがおすすめ!
- 「対話」「記録」「目標共有」「振り返り」など、必要な機能を標準装備
- コンディションの記録や蓄積が行え、より効果的な対話が可能に
- 「ゴール機能」を備え、目標達成や成長を促せる
ここが少し気になる…
- 目標管理やフィードバックが必要な場合は「評価モジュール」のプランが必要
株式会社ビズリーチ
HRMOSタレントマネジメント
ここがおすすめ!
- レポート機能を搭載し、1on1の実施率や頻度を把握できる
- 組織や個人単位で1on1の定着率を可視化
- 目的やテーマにあわせてアジェンダの選択が行える
ここが少し気になる…
- 請求は年間一括払いで、プランによって一部機能に対応していない
株式会社O:(オー)
Co:TEAM(コチーム)
ここがおすすめ!
- 目標設定や管理をよりスムーズに行え、質の高い1on1を提供
- 「人事評価関係のデータ」を一元管理でき、人的資本経営を支援
- 「スケジュール管理」「アジェンダ設定」など便利な機能を多数搭載
ここが少し気になる…
- 詳細なプランや導入までの期間は問い合わせで確認
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
Insides
ここがおすすめ!
- 個人はもちろん、チームや全社・年代別などミクロにもマクロにも理解できる
- 細かな分析とカウンセリング・コーチングをもとにした「マネジメント関係」のアドバイス提供
- メンバーだけでなく、管理職のマネジメントのサポートも可能
ここが少し気になる…
- 初期費用やサポート費用は不要だが、501名からでないとディスカウントされない
ウォンテッドリー株式会社
Pulse
ここがおすすめ!
- 「Slack」を使い、チームのメンバーの課題やコンディションを可視化
- 「ダッシュボード」により状態が常に分かり、不調なメンバーの退職を未然に防げる
- メンバーと事前にトピックを共有でき、メモやリストでアクション管理が可能
ここが少し気になる…
- 詳細な料金や機能・導入方法などは問い合わせで確認
株式会社フルート
Wistant
ここがおすすめ!
- マネジメントレベルを6項目でスコア化し、過去のデータとも比較しやすい
- OKRやMBOなどのフォーマットに対応し、目標の「管理・達成」をバックアップ
- 「アジェンダ生成機能」「ガイドライン設定機能」により対話の質が向上
ここが少し気になる…
- 目標管理やフィードバックなども必要な場合は「フルパッケージプラン」の契約が必要
まとめ

1on1は、上司が部下の話に耳を傾け、主体的な課題の可視化や改善策の考案に導くためのミーティングです。月1回程度の実施が一般的で、部下のタイムリーな状況を把握することで、効果的な成長支援やモチベーションの向上につなげる狙いがあります。
1on1の話題は、業務関連の話題からプライベートなど自由に決められるため、両者の関係性に合わせて最適なテーマを選択しましょう。日頃からコミュニケーションを取り、ミーティングで本音を引き出しやすい関係を築いておくことも大切です。
なお、1on1にはスケジュール管理やテーマの選定、効果測定など煩雑な工程があるため、効率的に運用するには専用支援ツールの導入もおすすめです。自社に適した1on1ツールの活用により、従業員や組織全体のパフォーマンス向上を図りましょう。