ファクタリングでの詐欺とは?利用者による違法行為と悪徳業者ついて
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- 架空債権の売却や請求書の改ざんなどは、利用者によるファクタリング詐欺にあたる
- ファクタリング利用で詐欺が発覚すると、多額の損害賠償や刑罰につながる恐れがある
- 悪徳業者による、高額な手数料を求められるなどのトラブルにも注意が必要
ファクタリングにおける詐欺には、架空債権の売却や請求書の改ざんなど、利用者による違法行為が挙げられます。また、悪徳業者による詐欺まがいの行為にも注意が必要です。本記事では、ファクタリング利用での詐欺行為の具体例、悪質な業者によるトラブルなどについて解説します。
目次
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ファクタリングにおける詐欺とは

ファクタリングとは、支払期日前の売掛債権をファクタリング会社に売却して現金化する資金調達法です。利用者は、ファクタリング会社に支払う分の手数料を差し引いた売掛金を受け取れます。
融資に比べてスムーズな現金化が見込める一方で、利用者が資金調達のためにファクタリングを使った詐欺に手を染める事例も少なくありません。また、ファクタリング会社の中にも詐欺を働く悪質業者が紛れ込んでいるため、利用には細心の注意を払う必要があります。
本記事では、ファクタリングで詐欺に当たる行為の例とともに、ファクタリング詐欺をした場合の罰則や安全なファクタリング会社の見分け方も解説します。

ファクタリングとは?融資との違いや仕組み・メリット・注意点を詳しく解説
ファクタリングとは、企業が保有する売掛金を早期に現金化できる資金調達方法です。売掛金を即時に現金化できるスピード感が魅力です。本記事では、ファクタリングの仕組みや種類、メリット・デメリットのほか、融資や手形割引との違い、ファクタリングが役立つシーンなどについて解説します。
ファクタリングの利用で詐欺にあたるケース

ファクタリングを使った詐欺行為としては、架空債権の売却や請求書の改ざん、債権の二重譲渡が代表的です。また、不良債権の譲渡も詐欺と見なされる可能性に留意しましょう。ここでは、それぞれの内容を詳しく解説します。
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架空債権の売却
架空債権の売却とは、実在しない請求書を偽造して資金を調達する方法です。ファクタリングでは、売掛債権があることを証明するために、ファクタリング会社に売掛先の請求書を提出するのが一般的です。
しかし、架空債権の売却ではその証拠自体を偽造することで、ファクタリング会社も騙されるケースがあります。特に2者間ファクタリングは、売掛先の同意・承諾無しに利用できるため、架空債権の売却による詐欺が発生しやすいです。
請求書の改ざん
一般的にファクタリング詐欺における請求書の改ざんとは、請求書に記載されている金額を水増しする行為を指します。実際の売掛債権よりも多額の資金を調達しようとするケースが大半です。
また、納品日の日付を書き換えて、まだ契約が完了していないにも関わらず請求を早めようとする事例も少なくありません。いずれも詐欺行為に当たるため利用の際は注意しましょう。
債権の二重譲渡
債権の二重譲渡は、1つの売掛債権を異なる複数のファクタリング会社に売却する詐欺行為です。例えば、10万円の売掛債権を3者のファクタリング会社に売却し、30万円を得るというケースが該当します。
債権の二重譲渡は、売掛先が契約に関与しない2者間ファクタリングでの発生率が高い傾向にあります。なお、ファクタリング会社によっては、買い取った債権に「債権譲渡登記」をして二重譲渡を防いでいます。
しかし、ほとんどのファクタリング会社では登記の登録や照会を行わないため、結果として詐欺行為の発覚が遅れるケースも少なくありません。

ファクタリングにおける二重譲渡は、資金繰りの悪化や法的責任につながる重大なリスクがあります。本記事では、二重譲渡の仕組みや発覚する場面、発覚後のリスクと防ぐためのポイントまでをわかりやすく解説します。
不良債権の譲渡
不良債権の譲渡とは、代金の回収が困難と知りながら、それを隠してファクタリング会社に請求書を売却する方法です。
具体的には、売掛先の経営が悪化しているケースや、すでに倒産しているケースが代表的です。また、利用者と売掛先が共謀してファクタリング会社を騙し、不正に資金を調達してから計画的な倒産に至る事例もみられます。
原則として、ファクタリングできるのは回収の見込みが確実な債権のみです。そのため、回収困難と分かっている債権を売却するのは、悪質な詐欺行為に当たります。
ファクタリングで詐欺が発生しやすい理由

ファクタリングで詐欺が発生しやすいのは、利用者の目的や仕組上の問題などさまざまな要因が挙げられます。
まずファクタリングは融資を受けられない企業でも利用しやすいため、零細企業や赤字経営など資金繰りに困窮した事業者が最後の手段として頼るケースも少なくありません。そのため、詐欺の対象になりやすいサービスといえます。
さらに、ファクタリングは詐欺の発覚が遅れやすい傾向にあります。特に2者間ファクタリングは、売掛先に売掛債権の実態確認をしないため、ファクタリング会社が代金を回収する段階になって初めて詐欺が発覚するケースがほとんどです。
3者間ファクタリングで起りやすい売掛先と共謀した不良債権の譲渡も、同様の理由と考えられます。売掛先からの回収前に売掛金を現金化できるのは利用者にとって大きなメリットですが、一方で詐欺を働きやすい仕組みでもあります。

ファクタリングと融資はいずれも資金調達の手段ですが、違いも多くあります。本記事では、それらの違いについて、仕組みや支払い方法、審査基準などの観点から紹介します。また、それぞれのメリットとデメリット、どちらを選ぶべきかについても解説します。
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2者間ファクタリングとは?メリット・デメリット、注意点も解説
2者間ファクタリングとは、ファクタリング会社と利用者のみで契約するファクタリングのことです。資金調達までがスピーディーで、売掛先に知られずに利用できるという特徴があります。この記事では、2者間ファクタリングのメリット・デメリットや注意点などを解説します。
ファクタリングの利用で詐欺が発覚した場合

ファクタリングを使った詐欺の大半は、ファクタリング会社が売掛債権を回収する際に発覚します。一定の時間はかかるものの、ほぼ確実に詐欺が発覚すると理解しておきましょう。さらに、詐欺が発覚した場合には厳しい罰が課せられる可能性が高いです。
ここでは、ファクタリングの利用で詐欺が発覚した場合に受ける罰則の例を解説します。
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ファクタリングの利用で詐欺が発覚した場合
損害賠償を請求される可能性がある
詐欺行為はファクタリング会社に損害を与える行為であるため、損害賠償を請求される可能性があります。また、ほとんどのファクタリング会社では、契約書に詐欺行為の禁止を明言しているため、詐欺を働くことは契約違反にもあたります。
したがって、ファクタリング会社から騙し取った金額以上の賠償金を請求されるケースも珍しくありません。その場合は多額の支払いが必要になることが考えられ、経済的な困窮も予測されます。
刑事事件に発展することもある
詐欺行為は違法行為に当たるため、刑事告訴される可能性も高いです。刑事事件に発展すれば、逮捕・裁判となり、執行猶予や実刑判決が出る場合もあるでしょう。いわゆる「前科」がつくことに加えて、訴訟費用の支払いも必要です。
なお、ファクタリングで詐欺をした場合に問われる罪には、次のようなものがあります。
詐欺罪
詐欺罪とは、相手を騙して不当に金品を取得する犯罪を指し、懲役10年以下の罰則が科される場合もあります。ファクタリングで詐欺行為に該当する可能性があるのは、「架空債権の譲渡」「請求書の改ざん」「債権の二重譲渡」「不良債権の譲渡」です。
いずれもファクタリング会社を騙して不正に資金を得る行為であるため、詐欺罪に問われる可能性が高いです。なお、詐欺罪は実行犯だけでなく、何らかの形で関与した人にも適用される可能性がある点に留意しましょう。
例えば、売掛先の担当者がファクタリングの利用者に頼まれて、知らないうちに詐欺に関わってしまうケースも少なくありません。この場合は、売掛先の担当者も詐欺罪に問われる可能性があります。
自身で詐欺を働いていなくても巻き込まれる可能性があるため、身近にファクタリングを利用する人がいるときは動向に気を配りましょう。
私文書偽造罪
私文書偽造罪は、無断で他人の名義を使用して「権利・義務・事実証明に関する文書」を作成する犯罪です。ファクタリングにおける詐欺では、「請求書の改ざん」が代表的です。
なお、「架空債権の売却」は該当しない可能性があります。これは、私文書偽造罪は他人名義の文書の偽造を禁じていますが、架空債権の売却で偽造するのは自社名義の請求書がほとんどであり、適用外となるためです。
ただし、「架空債権の売却」に際して、売掛先名義の注文書や契約書を偽造・改ざんした場合は、私文書偽造罪が適用される場合もあります。なお、罰則は3ヶ月以上5年以下の懲役です。
横領罪
横領罪とは、他人から預かっている・管理を任されている他人の金品を不法に自分のものにする罪です。ファクタリングにおいては、売却済みの債権を別のファクタリング会社に再譲渡する「二重譲渡の譲渡」が横領罪の対象になる場合があります。
また、売掛先から回収した代金をファクタリング会社に支払わずに、自身で使い込んだ場合も、契約内容によっては横領罪が成立する可能性が高いです。
売掛債権は、契約締結後にすでにファクタリング会社の所有になっているにも関わらず、横取りした形になるためです。横領罪に問われた場合は、懲役5年以下の罰則が科される可能性があります。
社会的信用を失う要因となる
基本的にファクタリング会社は売掛金の回収に失敗すると、利用者だけでなく売掛先にも事実確認の連絡を入れます。つまり、売掛先にはほぼ確実に詐欺行為を知られるため、信頼を失う可能性が高いでしょう。
さらに、多額の損害賠償請求や刑事事件に発展した場合は、社会的な信用の低下も免れ得ません。この件とは関係ない取引先とも契約の取消・途中解除になる可能性が高いです。
ファクタリングを正しく利用してトラブルを避ける

前述のように、ファクタリングの詐欺行為は遅かれ早かれ確実に発覚することがほとんどです。たとえ意図せず詐欺行為を働いた場合でも契約違反や罰則の対象になるため、違法行為をしないように、ファクタリングの仕組みやルールを理解して利用することが重要です。
ファクタリングは、正しく利用すれば迅速かつ低コストでの資金調達が可能です。特に初回の利用は不安が大きいため、まずファクタリング会社にその旨を伝えて、トラブルにならない利用方法をアドバイスしてもらうと良いでしょう。
ファクタリング会社による詐欺や悪質行為にも注意

ファクタリングでは、利用者ではなくファクタリング会社が詐欺などの違法行為を行う事例も見られます。特にファクタリング会社を装った悪質な闇金業者は多数確認されており、利用者が法外な支払いを迫られるケースも少なくありません。
このような事態を受けて、金融庁からも再三の注意喚起がなされています。安心してファクタリングを利用するには、自身がルールを守るだけでなく、悪質な業者を見極める姿勢も求められます。
ファクタリング会社の安全性を見極めるポイント

ファクタリングの詐欺に遭わないためには、安全なファクタリング会社を選ぶ必要があります。ここでは、ファクタリング会社の安全性を見極めるポイントを解説します。
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ファクタリング会社の安全性を見極めるポイント
手数料が相場と比べて妥当か
手数料が相場よりも極端に安い・高い場合は、悪質業者が疑われます。一般的な手数料相場は2者間ファクタリングで2〜18%、3者間ファクタリングで2〜9%のため、これを基準に判断しましょう。
ただし、売掛金の規模などによっては手数料が変動する場合も多いため、基準値から外れたらすべて怪しいとも言い切れません。そのため、3社以上のファクタリング会社から見積もりを取る方法がおすすめです。
複数の見積もりを取ることで中央値を取りやすくなり、相場とかけ離れ過ぎていないかを判断しやすいでしょう。

ファクタリングの手数料の相場とは?注意点・安く抑える方法も解説
ファクタリングは企業の資金調達の手段として注目されていますが、利用には手数料がかかります。また、2者間ファクタリングと3者間ファクタリングでは相場が異なります。この記事では、ファクタリングにかかる手数料の相場・内訳・注意点や安く抑える方法などを解説します。
会社情報に不明確な部分がないか
会社情報に不明な部分があるファクタリング会社は、登記登録をしてない可能性があります。つまり闇金業者や違法業者である可能性が高いため、利用を控えましょう。
まずファクタリング会社のHPで、設立年月日・所在地・電話番号・代表者名など基本情報の確認が必要です。その後、Googleマップなどで所在地やオフィスの実在の有無を確認すると、より確実性を高められます。
担当者の対応に不審な点がないか
担当者の対応に不審な点がないかも、安全なファクタリング会社を見分けるためのポイントです。例えば、「手数料を明確に教えてくれない」「見積もりを出さない」「契約書を渡さない」というケースは、悪質業の可能性があります。
これらのケースでは、手数料や利用料について明確な書類がないため、後から法外な請求をされかねません。また、正式な契約書を交わしていない場合は、ファクタリング会社による債権の二重譲渡が発生する可能性もあります。
その他にも「担当者の対応が横柄」「連絡が極端に遅い」など、気になる点がある場合は他会社への乗り換えをおすすめします。
契約内容に怪しい項目がないか
ファクタリングでは、契約書に怪しい項目がないかも必ずチェックしましょう。特に「償還請求権」や「担保・保証人」がある場合は違法業者の可能性が高いです。
「償還請求権」とは、売掛先の倒産などによって代金回収が不可能になった場合に、ファクタリング会社が利用者に返済を求める権利です。これ自体は違法ではありませんが、通常ファクタリングには適用されないことが多く、設定されている場合は注意が必要です。
また、ファクタリングは融資ではないため、基本的に「担保・保証人」は不要です。これらが設定されている場合は、ファクタリングを装った闇金貸付が疑われます。
後から法外な利息を請求される恐れもあるため、契約書に記載されている場合は取引を中止するなどの対策が必要です。
十分な実績や良い評判があるか
一定の買取実績があるファクタリング会社は、それだけ多くの人に利用されていると考えられます。そのため、詐欺や違法行為の可能性が低く、自社でも安心して利用できるでしょう。
同様に、利用者からの良い評判が多いファクタリング会社には品質に一定の信頼が置けます。SNSや口コミサイトなどで、利用者の評判をチェックしてみるのもおすすめです。
その他のファクタリングサービスサービスの選び方

ファクタリングサービスを選ぶ際は、安全性に加えて、以下のようなポイントにも注目しましょう。特に手数料や入金スピードは資金繰りに直結するため重要な選定基準になります。
先にも触れたように、3者間ファクタリングのほうが手数料は安価です。一方で、取引先の承諾が必要であるため、入金までに時間を要する傾向があります。自身のニーズを踏まえて、最適なファクタリング会社を選びましょう。
【重要なポイント2つ】
- 取引形態(2者間・3者間)を確認
- 入金までのスピードはどのくらいか
【その他の比較ポイント】
- 必要書類は何か
- 買取額の上限はいくらか
- 手続き方法(対面・電話・オンラインなど)を確認
詐欺行為の加害・被害で不安な場合は専門家に相談を

ファクタリングでは、意図せず詐欺行為の加害者・被害者になるリスクが一定程度存在します。そのため、ファクタリングの利用前後に不安を感じた場合は、速やかに専門家に相談しましょう。
ファクタリングの詐欺に関する相談先には、弁護士や金融庁の相談窓口、消費者センターなどがあります。公的機関の窓口は無料・匿名で気軽に相談できる場合も多いため、安心感を得ながらファクタリングを利用できるでしょう。
まとめ

売掛債権を現金化できるファクタリングは、利用目的や仕組の問題から詐欺が起りやすくなっています。例えば、資金繰りに困り、架空債権の売却や請求書の改ざん、二重譲渡、不良債権の譲渡などの詐欺を働く利用者は一定数みられます。
ファクタリングにおける詐欺はほぼ確実に発覚し、実行した人だけでなく、知らずに関わった人も詐欺罪に問われる場合があります。刑事罰に加えて、損害賠償や社会的制裁もあるため、ファクタリングの仕組・ルールを理解したうえで正しく利用しましょう。
また、ファクタリング会社による詐欺もあるため、安全なサービスであるかの見極めが大切です。本記事を参考に、安全なファクタリング会社を正しく利用して、効果的な資金繰りの改善につなげましょう。