コラボレーションツールとは?メリット・デメリット、比較ポイント解説

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  • コラボレーションツールの活用で、組織内のコミュニケーションなどをサポート・効率化
  • いくつかの機能を利用することで、業務を一箇所に集約して生産性向上に繋げられる
  • ツール導入の際は、導入目的の明確化や動作環境が適しているかなどに注意して検討する

コラボレーションツールとは、組織やチーム内のコミュニケーション・情報共有をサポートして効率化できるツールであり、テレワークなどにも活用されています。本記事では、コラボレーションツールを導入した際のメリット・デメリット、主な機能や比較ポイントなどを解説します。

目次

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  1. コラボレーションツールとは
  2. コラボレーションツールの主な機能一覧
  3. コラボレーションツールのメリット
  4. コラボレーションツールのデメリット
  5. コラボレーションツールの比較ポイント
  6. コラボレーションツール導入における注意点
  7. まとめ

コラボレーションツールとは

「コラボレーションツール」とは、組織で共同作業を行う際に、メンバー間のコミュニケーションや情報共有などをサポート・効率化できるツールです。共同作業を行うために使用する、複数のツールを総称したものを指します。

コラボレーションツールが持つ多彩な機能により、組織内での共同作業で時間・手間が掛かっていたことを、リアルタイムで確認・分析することができ、業務の最適化も図れます。

そんなコラボレーションツールには、Web会議、ビジネスチャット、タスク管理・プロジェクト管理、オンラインストレージなど、数多くの機能があります。これらの包括的な機能を提供するサービスを、「コラボレーションプラットフォーム」と呼ぶこともあります。

コラボレーションツールが注目される背景

組織で共同作業を行うには、メンバー同士がコミュニケーションを取りながら進めることが不可欠です。最近はテレワークも定着してきていることから、離れた場所でもいかに効率的に情報共有できるかが、作業を円滑に進めるカギとなります。

現在、情報共有・コミュニケーションを図るツールとして、メール・チャット機能、ファイル共有機能、プロジェクト管理機能など、機能ごとに別のシステムを併用しているケースも多いことでしょう。

しかし、さまざまなシステムを使い分けていると、目視による見落とし・対応漏れなど、人為的なミスが発生しやすくなるリスクも考えられます。その対策として、必要な機能が1つに集約されたコラボレーションツールが注目されるようになりました。

コラボレーションツールの導入により、より円滑なコミュニケーションが促されて、社内全体の業務活性化も期待できるでしょう。

コラボレーションツールの主な機能一覧

コラボレーションツールの機能は大きく分けて、「情報共有を効率化」するための機能と「コミュニケーションを円滑に進める」ための機能の2つに分類されます。以下に、それぞれの機能でできること、期待できる効果について解説していきます。

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情報共有の効率化コミュニケーションを円滑に進める
社内Wiki機能チャット・メール機能
タスク管理・プロジェクト管理機能
スケジュール共有機能ビデオ通話・Web会議機能
オンラインストレージ機能

【情報共有効率化】社内Wiki機能

社内Wiki機能とは、社内の情報をメンバー自らがアップロード・共有できる機能です。使い方のイメージとしては、多言語インターネット百科事典のWikipediaを、社内専用版にしたものです。

業務に使うフォーマットのひな型や、過去のノウハウや社内マニュアルなど、独自の情報をメンバーがアップロード・蓄積・共有することで、情報を探す時間の短縮につながります。これにより、業務効率化の促進属人化を防止する効果が見込まれるでしょう。

【情報共有効率化】タスク管理・プロジェクト管理機能

タスク管理・プロジェクト管理は、機能の目的はほぼ同じですが、対応する規模が違うといった関係性にあります。タスク管理は、プロジェクト全体のうち、最小単位のタスク(作業)を、メンバーそれぞれが計画的に進めることを目的とした機能です。

一方、プロジェクト管理は、責任者がメンバーの進捗状況やタスクの割り振りなど、プロジェクト全体の管理・情報共有をする機能となります。

これらの機能を使うことで、個人・全体での進捗状況が可視化され、メンバー間の作業量の偏りがあるかも見つけやすくなるため、業務の最適化も図れます。さらに、タスクの抜け漏れも分かりやすくなるため、生産性の向上も期待できるでしょう。

【情報共有効率化】スケジュール共有機能

スケジュール共有機能は、組織のメンバー個々で作成されたスケジュールを、決められたメンバー内で閲覧・編集できる機能です。会議室などの共有施設の登録ができるものや、アラームで通知が受け取れるリマインダーが付いているものもあります。

スケジュールを組織で共有することで、取引先などからの問い合わせ時にメンバーそれぞれの予定が把握でき、スムーズな対応が可能となり、相手を待たせることも少なくなるでしょう。

また、社内では、メンバー間のスケジュール確認の重複を減らせることや、会議室の空き状況も一目でわかるため、予定の調整ミス・確認への手間が少なくなり、合理化も図れます。

【情報共有効率化】オンラインストレージ機能

オンラインストレージ機能は、クラウドストレージサービスの中の1つで、SaaS形式で提供しているデータを、インターネット上のスペースに大量に保管(ストレージ)・共有できる機能です。

インターネット環境があれば、出張先などからでも場所を選ばずアクセスでき、自動のバックアップ機能もあります。また、サービスによっては、複数のメンバーでの同時編集機能があり、さらに業務の効率化を図れます。

なお、オンライン上のURLを共有するだけで閲覧・編集できるため、動画などの大容量データのアップロード・ダウンロードに割いていた時間も、大幅に短縮できます。

【コミュニケーション】チャット・メール機能

チャット・メール機能は、ビジネス専用のチャットとメール機能です。個人チャットと使い方は似ていますが、グループチャット、音声・ビデオ通話機能など、業務を効率化できる機能が充実しているうえ、セキュリティ機能も兼ね備えています。

チャット機能を利用すると、形式的な挨拶文が不要になり、話し言葉でのシンプルなやり取りがしやすくなります。また、コメントを返さずにリアクションだけを返したいときは、スタンプ機能を活用して、温度あるコミュニケーションを取ることが可能になります。

その他、グループチャットで会議する場合は、親密な雰囲気を作りやすく、活発な意見交換が期待できます。

【コミュニケーション】ビデオ通話・Web会議機能

ビデオ通話・Web会議機能は、従来のテレビ会議とは異なり、専用機やハードウェアが不要で、インターネット環境があればどこでも会議ができる機能です。その際、ほとんどのサービスに会議内容を暗号化する機能があるため、セキュリティ面でも安心して利用できます。

2つの機能面の違いとしては、ビデオ通話機能はスマートフォンアプリでも利用できる機能で、Web会議機能はブラウザだけで利用する機能という違いがあります。

微妙なニュアンスを伝えたいときなどは、電話やメールでは充分伝わらないこともあります。そのため、物理的な距離があって対面で話すことが難しい場合でも、メンバーの表情が確認できて親密な雰囲気でのやり取りがしやすく、コミュニケーション不足を補えます

コラボレーションツールのメリット

多くの機能を併せ持つコラボレーションツールは、工夫して利用することでさまざまなメリットをもたらします。以下に、具体的な内容を解説していきます。

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効率的なコミュニケーションができる

ビジネスメールは、宛名・定型文の挨拶や署名など、本件以外の部分で気を遣うことが多く時間も掛かりがちです。しかし、チャット機能の活用で、短い時間でポイントを絞ったやり取りがしやすくなります。

チャット機能では、プロジェクトごとに違うメンバーでのグループチャットを作成できます。グループチャットではファイルも共有可能で、会議ほど堅苦しくならず、テンポよく密度の高い情報共有が図れることでしょう。

過去のやり取りは時系列で見返すことができるため、簡単な議事録のように利用できます。ですので、進捗状況の報告もよりスムーズになることでしょう。

業務のやり取りを一箇所に集約できる

従来までのように、会議中に追加で資料を配布することになった際、メールで送るには宛先を選び、ファイルを添付して送信するといった作業が必要です。

その点、コラボレーションツール上に一箇所にデータを集約しておくと、Web会議機能とファイル共有機能を同時に使うことで、会議中にクラウド上の共有データを簡単に表示することができます。つまり、ツール上で即座に完結するため、作業効率の低下を防げます。

どこでもアクセス可能

ここ数年の働き方改革により、個々の働く環境が大きく変わり、テレワークが定着している企業も増えています。徐々に在宅勤務者を増やしたり、パソコン1つあれば業務可能な業務体系へと変更を続けている企業も多いでしょう。

そんな中、コラボレーションツールを活用すれば、インターネット環境があるだけで利用できます。また、クラウド型のツールを使用することで、場所に関係なくどこからでもアクセスが可能となり、リアルタイムに対応ができるメリットもあります。

生産性向上・コスト削減

スケジュール共有機能やチャット機能などで、情報共有とコミュニケーションが円滑になると、やり取りにおける無駄を削ぎ落しながら、和やかな雰囲気で業務を進められることでしょう。

また、Web会議を活用すれば、交通費や時間を削減できた分、他の業務や商談に充てられます。さらに、コミュニケーションツールは同じファイルを複数で同時編集可能なため、従来の待ち時間を減らせて生産性向上にもつながります。

コラボレーションツールのデメリット

コラボレーションツールには多くのメリットがありますが、利用の仕方によってはデメリットが発生することもあります。ツール導入を検討する際は、以下で解説する事項にも注意するとよいでしょう。

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集中力が低下する恐れがある

チャット機能はリアルタイム性が高くメールよりも気軽に送りやすいため、場合によっては必要以上にやり取りが増え、メッセージの受信通知のたびに集中力が落ちてしまう恐れもあります。

その対策として、チャット機能を利用するときは、本来必要な情報と別の情報とが混在しないよう、あらかじめ組織内で利用ルールを決めておくことも1つの方法です。例えば、緊急性の高い事項に関しては、別途連絡方法を設定するなどです。

社内で浸透しない可能性がある

まず、コラボレーションツールを検討するときに大切なのは、社内でツールを使う予定の従業員・グループメンバー全員に対し、利用目的と想定されるメリットを周知することです。

その際、新しいIT関連システムの操作に不安や抵抗感を覚える従業員には、利用に前向きな気持ちになれるような対応が必要です。例えば、操作に慣れることで、今まで不便だった業務がシンプルにできるようになる、といったメリットを説明するなどの対策があります。

オフラインでは利用できない

サービスの大半がクラウド型であるコラボレーションツールは、地下や山中など電波状況が安定しない環境や、オフライン環境では利用できない弱点があります。

多機能なツールを導入しても、社内の回線状況やWi-Fiの安定状況によっては活用しきれないことになるため、必要に応じて通信回線をアップグレードするなどの対策を検討しましょう。

コラボレーションツールの比較ポイント

コラボレーションツールを検討する際には、「情報共有を効率化」・「コミュニケーションの充実」2つの機能からどちらを優先したいか、プロジェクトの規模や重視したい機能を明確にしましょう。ここからは、導入を検討する際の比較ポイントを解説していきます。

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自社に必要な機能を確認

コラボレーションツールを必要とする、それぞれの企業によって、ファイルの容量を重視したい、Web会議に便利な機能を求めているなど、補いたい機能・課題点は違うでしょう。

そのため、現在どのような機能があれば自社の課題を解決できるかを明確にすることが重要です。そうすることで、コラボレーションツールの機能を計画的に選ぶことができ、多機能な機能から一部しか使わず、無駄なコストが発生することを防げます。

コストを確認

コラボレーションツールは、大半がクラウド型であり、初期費用が無料なものも多いです。しかし、1アカウントごとに月額料金が発生したり、無料版ではアカウント数に制限があったりすることが多いです。

よって、自社の規模や目的に応じて、オンプレミス型のようなアカウント制限なしの有料版を検討するなど、料金体系の詳細までを入念に確認しておきましょう。

また、料金プランによってはストレージ容量が異なるため、自社に過不足のない容量のプランか、しっかりと確認しながら選ぶのが大切です。

他システムと連携できるか

ツールを取り入れる際、自社で利用中のシステムと連携できるかも選定材料にすると、情報の移行と業務にかかる負担を大幅に効率化できるでしょう。

連携可能な場合、今まで使い慣れてきたシステムを新しいツール上でも利用できるため、心理的なハードルが下がります。また、全く操作方法が分からないという状態ではないため、業務の流れが大幅に滞ってしまう心配もありません。

無料トライアルで操作性を確認

ツールの導入は、組織で情報共有・コミュニケーションを図ることが主な目的の1つであることから、導入に携わったメンバーだけでなく、使用する人全員が使いやすいツールを選ぶ必要があります

よって、運用後にツールの利用が浸透しないことがないよう、無料トライアル期間や無料プランを利用してみましょう。そして、新しいツールに不慣れな人でも親しみやすい、チャット機能などから実際に操作性を確認してもらい、選ぶのもよい方法です。

サポート体制・セキュリティを確認

ほとんどのツールにはサポート体制がありますが、従来のメールやチャットによる有人サポートから、マニュアルやユーザーコミュニティでの自己解決型に留まるものまで、幅広く種類があります。

そのため、利用するメンバーのITリテラシーも踏まえ、サポート体制を選ぶのがベストです。また、サポートの問い合わせ可能な時間が、自社の営業日・時間に合っているかも確認しておきましょう。

なお、共有する情報が社外秘や知的財産を含むこともあるため、情報漏洩のリスクを防ぐためにも、セキュリティ対策が充分であるかを確認しながらサービスを選ぶことが大切です。

コラボレーションツール導入における注意点

コラボレーションツールの導入においては、比較ポイントと合わせていくつかの注意点もあります。ここでは、以下の注意点を詳しく解説します。

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導入目的を明確にする

コラボレーションツールの選定を行う際には、まず導入する目的・解決したい課題点を明確にしておきましょう。ツールは、利用するメンバー間の情報共有とコミュニケーションの向上が大きな目的であり、メンバー全員で共通認識を持っておくことはとても重要です。

提供されているツールは、それぞれ機能や得意分野が異なるため、導入する目的と自社の課題点を意識しながら選定を進めると、よりニーズに合ったものを選びやすくなります。そして、費用対効果も実感しやすくなります。

動作環境が適しているかを確認する

ツールを検討する際、対応可能なOSやブラウザといった動作環境が、自社で使用中の端末に適合しているかを調べておくことが必要です。例えば、スマートフォンのアプリなども活用したい場合は、iPhoneやAndroidといったOSのバージョンに対応しているかに注意です。

ほとんどのツールは、PC・スマートフォン・タブレット端末などへのマルチデバイス対応しており、外出先やテレワーク中でも利用しやすいことが想定されます。しかし、ツールの中には、動作環境によって未対応のOSもあるため注意しましょう。

社内周知を徹底する

コラボレーションツールのような新しいツールを使用する際、社内周知を徹底する必要があります。例えば、従業員への教育期間を設けたり、定期的に説明会を開いたりして、実際にツールを最大限に活用するための対策を講じることが大切です。

また、ツールの管理において専門の人材を用意できない場合は、ツールのサポート面でもどのような対応を行ってくれるのか、トラブルが起きた時のシミュレーションを行うことも重要です。

情報過多による生産性の低下を防ぐ

便利だからと、難しいツールを選んでしまうほど、使い勝手は悪くなります。そのため、使用する従業員の年齢層や今までの業務遍歴を振り返り、実際に使いやすいかを検討しましょう。

多機能なツールであっても、あまりに使用感が悪いと、情報過多によって返って生産性を低下させてしまうことも考えられます。特に、有料版を検討する際には、使いやすさにも注目して慎重に選ぶことが大切です。

まとめ

コラボレーションツールとは、組織内のメンバー間のコミュニケーションや情報共有などをサポート・効率化を目的としたツールを総称したものです。

使用する場所に関わらず、どこからでもアクセスと編集ができ、共同作業に取り入れることで、よりリアルタイム性が高い円滑なコミュニケーションと、効率化の促進が望めます。

しかし、気軽に素早くコミュニケーションが取れることで、本来必要な情報に他の情報が混ざり、情報過多になってしまう可能性もあります。

そのため、コラボレーションツールをより効果的に活用するためには、あらかじめ組織内で利用ルール・ガイドラインを決めておくことが大切です。また、予め導入目的やどんな課題点が解決できるかを社内共有しておくと、ツールの利用が浸透しやすくなるでしょう。

コラボレーションツールの機能をメンバーすべてが活用できることで、社内のコミュニケーションの促進や高いコストパフォーマンスも実感できるでしょう。

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