今からでも遅くないSaaS入門|定義・代表例・読み方までわかりやすく解説

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  • 「SaaS(サース)」とは何か?今さら聞けない基本的な意味から、PaaSやIaaSとの違いまで分かりやすく解説
  • 「初期費用を抑えて業務効率化」SaaS導入で得られる7つのメリットと、事前に知っておくべき3つの対策を紹介
  • 「自社に最適なツールはどれ?」導入後に後悔しないSaaSの選び方5つのポイントと、業務別のサービス例を紹介

この記事では、SaaSの基本的な定義から、従来のソフトウェアとの違い、導入することで得られる具体的なメリット、さらには検討すべきデメリットとその対策までを解説します。

近年、「SaaS(サース)」という言葉を耳にする機会が増え、「導入を検討してみてはどうか」と上司から言われたものの、「具体的にSaaSとは何なのか」「自社にとってどのようなメリットがあるのか」と疑問を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。多岐にわたるSaaSのサービスを前に、どれを選べば良いのか、導入した後に後悔しないかと不安に感じるかもしれません。

そこで、中小企業のIT担当者や経営層の方がSaaS導入を検討する際に必要となる知識を、専門用語を極力使わずにわかりやすくまとめました。自社に最適なSaaSを選び、日々の業務をよりスムーズに進めるための一歩として、ぜひ最後までお読みください。

目次

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  1. SaaSとは?読み方や意味をわかりやすく解説
  2. SaaSと他のクラウドサービス(PaaS/IaaS)との違い
  3. SaaSを導入する7つのメリット
  4. SaaS導入前に知っておきたい3つのデメリットと対策
  5. 【業務別】SaaSの代表的なサービス例
  6. 失敗しないSaaSの選び方|5つのポイント
  7. SaaSに関するよくある質問
  8. まとめ|SaaSを理解して業務効率化を

SaaSとは?読み方や意味をわかりやすく解説

エンタープライズ企業だけでなく、中小企業を含む様々な規模の企業で「SaaS」の導入が進んでいます。市場規模も拡大傾向にあり、世界のSaaS市場は2025年に約2,950億ドルに達し、国内市場も2026年には1.7兆円規模に成長が見込まれています。

しかし、SaaSが具体的にどのようなもので、自社にどう役立つのか、いまいちピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。SaaSを一言で表すなら、「インターネットを通じて利用できるソフトウェアのレンタルサービス」です。従来のソフトウェアのように購入して自分のパソコンにインストールする必要がなく、インターネットに接続できればどこからでも手軽に利用開始できます。

SaaSの最大の特徴は、必要な機能やサービスを必要な期間だけ利用できる点にあります。例えば、普段利用しているGmailやGoogle DriveなどもSaaSの代表的なサービスです。このように、すでに私たちの日常生活やビジネスシーンに深く浸透しているSaaSですが、その本質を理解することで、業務効率化やコスト削減といった自社の課題解決に大きく貢献する可能性を秘めています。

SaaSは「Software as a Service」の略

SaaSは「Software as a Service」の略称で、直訳すると「サービスとしてのソフトウェア」となります。

これまでのソフトウェアは、パッケージとして購入し、自分のPCや社内サーバーにインストールして「所有する」のが一般的でした。しかしSaaSでは、ソフトウェアそのものを購入するのではなく、インターネット経由で提供されるソフトウェアの機能を「サービスとして利用する」という考え方が根底にあります。

この変化は、ソフトウェアに対する価値観が「所有」から「利用」へとシフトしていることを示しています。高額な初期投資をせず、月額や年額の利用料を支払うことで常に最新の機能を利用できる点が、SaaSが多くの企業に選ばれる大きな理由です。

読み方は「サース」

SaaSの正しい読み方は「サース」です。IT業界やビジネスシーンでの会話で頻繁に登場する言葉ですので、会議や打ち合わせで自信を持って使えるよう覚えておきましょう。

インターネット経由でソフトウェアを利用する仕組み

SaaSが「インターネット経由でソフトウェアを利用する」とは、具体的にどのような仕組みなのでしょうか。

従来のソフトウェアは、パソコンに直接インストールする必要があったため、買い替えの際などに再度インストールやライセンス認証の手間が発生していました。一方SaaSの場合、Webブラウザを開いてサービス提供元のサイトにアクセスするか、専用アプリをインストールし、IDとパスワードでログインするだけで利用できます。

例えば、以下のようなサービスもSaaSの一種です。

  • Gmail: クラウド上で提供されるメールサービス
  • Google Drive: ファイルをクラウド上に保存し、どこからでもアクセスできるストレージサービス
  • Microsoft 365: WordやExcelなどのアプリケーションをクラウド経由で利用できるサービス
  • Zoom: クラウドベースのビデオ会議ツール

これらは特別なインストール作業を必要とせず、インターネットに繋がっていればパソコンやスマートフォンから場所を問わず利用できます。サーバー構築やアップデートといった面倒な作業はすべて提供元が行うため、利用者は「使うこと」だけに集中できるのが魅力です。

SaaSと他のクラウドサービス(PaaS/IaaS)との違い

近年、「SaaS」とともに「PaaS」や「IaaS」という言葉も耳にする機会が増えました。これらはすべてインターネットを通じて提供される「クラウドサービス」ですが、提供する内容やユーザーが管理する範囲が異なります。

ここでは、それぞれの違いを「料理」に例えながらわかりやすく解説します。

PaaS(Platform as a Service)との違い

PaaS(パース)は、アプリケーションを開発・実行するための「環境(プラットフォーム)」を提供するサービスです。

SaaSが「完成している料理(アプリケーション)」を利用するイメージだとすると、PaaSは「料理を作るための設備が整った厨房や調理器具一式を借りる」ようなものです。PaaSでは「どのような料理を作るか」はユーザー自身が決め、開発を行う必要があります。そのため、システム開発者やプログラマーなどに広く利用されています。

IaaS(Infrastructure as a Service)との違い

IaaS(イアース / アイアース)は、アプリケーションを開発・実行するための基盤となる「ITインフラ(仮想サーバーやネットワークなど)」を提供するサービスです。

料理に例えるなら、「土地と建物の箱だけを借りる」イメージです。利用者は借りた土地(仮想サーバー)の上に、自分たちで厨房の設備(OSなど)を整え、調理器具(PaaS)を導入し、最終的に料理(アプリケーション)を作る必要があります。カスタマイズの自由度は非常に高い反面、ユーザーが管理すべき範囲が広く、主にインフラエンジニア向けのサービスです。

オンプレミスとの比較

SaaSなどのクラウドサービスと対比されるのが、従来の「オンプレミス」です。自社内にサーバーやネットワーク機器を設置し、システムを構築・運用する方式です。料理で言えば、「土地を購入し、建物を建て、厨房設備も調理器具もすべて自分たちで用意する」イメージです。

オンプレミスは初期費用が高額になりがちで、運用・保守まですべて自社で行うため専門知識が必要ですが、自社に合わせた細かなカスタマイズが可能です。一方SaaSは、初期費用を抑え、運用をベンダーに任せられるため、ITリソースが限られる中小企業にとって特に魅力的な選択肢となります。

【図解】管理範囲の違いまとめ

システム構築に必要な要素を例えると、管理責任の範囲は以下のようになります。

  • SaaS: 完成した「料理」が提供される。ユーザー側の管理範囲は最も狭く、手軽。
  • PaaS: 「厨房設備」と「調理器具」までが提供される。ユーザーは「料理」を作ることに集中できる。
  • IaaS: 「土地」と「建物」だけが提供される。OSやアプリケーション構築など、その後の管理はユーザーが行う。
  • オンプレミス: すべての要素を自社で用意し、管理する。自由度は高いがコストと手間は最大。

SaaSを導入する7つのメリット

SaaSの導入は、中小企業にとって業務効率化やコスト削減を実現する強力な手段です。具体的な7つのメリットをご紹介します。

メリット1:導入コストを抑えられる

従来のオンプレミス型システムのように、サーバー機器の購入や高額なソフトウェアライセンス費用の投資が不要なため、初期費用を大幅に抑えられます。多くは月額または年額のサブスクリプションモデルであり、必要な機能を必要な期間だけ利用できるため、予算が限られていてもスモールスタートが可能です。

メリット2:導入までの期間が短い

インターネット環境さえあれば、どこからでも様々なデバイスからアクセスできるため、柔軟な働き方をサポートします。自宅からのテレワークや、移動中のスマートフォンからでも業務システムを利用可能です。災害時などオフィスに出社できない状況でも業務を継続できるため、事業継続性(BCP)の観点からも有効です。

メリット4:保守・運用の手間がかからない

サーバーの物理的な管理、セキュリティアップデート、システムのバージョンアップ、障害発生時の復旧作業などはすべてSaaSベンダーが担当します。IT専門の担当者がいない中小企業にとってこれは極めて大きなメリットであり、本来のコア業務により多くの時間を割けるようになります。

メリット5:常に最新の機能を利用できる

SaaSベンダーはシステムの自動アップデートを定期的に実施するため、ユーザー側で費用や手間をかけることなく、常に最新の環境で業務を行えます。法改正に対応した機能追加や最新のセキュリティ対策も自動的に反映されるため、安心して利用できます。

メリット6:複数人での共同作業がしやすい

同じファイルやデータに複数のメンバーが同時にアクセスし、リアルタイムで編集・共有できるため、情報共有のスピードと正確性が飛躍的に向上します。「ファイルをメールで送り合って、どれが最新版か分からなくなる」といった非効率な状況は発生しません。

メリット7:必要な機能だけを柔軟に選べる

利用するユーザー数や機能に応じて複数の料金プランが用意されており、企業の成長やニーズの変化に合わせて柔軟にプランを変更できます。まずは必要最低限の機能でスタートし、規模拡大に合わせてアップグレードすることで、無駄なコストを抑えられます。

SaaS導入前に知っておきたい3つのデメリットと対策

SaaSには多くのメリットがありますが、導入を成功させるためには潜在的なデメリットもしっかりと理解しておくことが大切です。

デメリット1:カスタマイズの自由度が低い

SaaSは汎用的に開発されているため、自社独自の特殊な業務フローや細かいカスタマイズには対応しきれないことがあります。

【対策】 導入前に自社の業務プロセスを見直し、可能な限りSaaSの仕様に沿った運用を検討することが重要です。また、API連携機能を利用して他のシステムと連携させることで、必要な機能を補完できる場合もあります。

デメリット2:セキュリティリスクの考慮が必要

企業の重要なデータを外部のクラウドサーバーに預けるため、情報漏洩や不正アクセスのリスクがゼロではないという点を考慮する必要があります。

【対策】 ベンダーがどのようなセキュリティ対策(データの暗号化、二段階認証、第三者認証の取得状況など)を講じているかを、契約前に徹底的に確認しましょう。

デメリット3:障害時やメンテナンス中は利用できない

インターネット経由でサービスを利用するため、システム障害による予期せぬ停止や、定期メンテナンスによる計画的な停止によって一時的に利用できなくなる可能性があります。

【対策】 ベンダーが提供するSLA(サービス品質保証)を確認し、高い稼働率を保証している信頼性の高いサービスを選びましょう。また、ユーザー側でも重要データのバックアップなどを検討することが重要です。

【業務別】SaaSの代表的なサービス例

SaaSはあらゆる業務領域で活用されています。具体的にどのような業務で役立つのかをご紹介します。

コミュニケーションツール(ビジネスチャット・Web会議)

スピーディーな情報共有や、移動コストを削減した顔の見える打ち合わせを可能にします。 (代表例:Slack、Microsoft Teams、Zoomなど)

プロジェクト・タスク管理ツール

「誰が」「何を」「いつまでに」行うべきかを明確にし、チーム全員で進捗状況をリアルタイムに把握できます。 (代表例:Trello、Asana、Backlogなど)

営業・顧客管理ツール(SFA/CRM)

商談の進捗や顧客情報を一元管理し、営業活動の効率化と顧客満足度の向上を支援します。 (代表例:Salesforce、HubSpot CRM、Sensesなど)

バックオフィスツール(会計・勤怠・経費精算)

経理や人事など、定型作業が多く手間のかかるバックオフィス業務を自動化・効率化します。 (代表例:freee会計、マネーフォワード クラウド、ジョブカン勤怠管理など)

情報共有ツール(オンラインストレージ・グループウェア)

ファイルや資料をクラウド上に安全に保管・共有したり、社内ポータルやスケジュール共有を統合したりできます。 (代表例:Google Drive、Dropbox Business、kintoneなど)

失敗しないSaaSの選び方|5つのポイント

数あるサービスの中から自社に最適なSaaSを見つけ、導入を成功させるための5つのポイントをご紹介します。

1.導入目的と解決したい課題を明確にする

「請求書作成にかかる時間を半減させる」など、具体的かつ測定可能な目標を設定しましょう。

2.機能とコストのバランスを見極める

多機能なものが良いとは限りません。自社に本当に必要な機能を評価し、初期費用やオプション料金も含めた「総所有コスト(TCO)」で比較検討することが大切です。

3.セキュリティ対策が万全か確認する

データの暗号化や第三者認証の取得状況など、自社のセキュリティポリシーを満たしているかを必ず確認してください。

4.サポート体制を確認する

「対応時間」や「問い合わせ方法」「導入支援の有無」などをチェックし、困ったときに頼れるサポート体制が整っているかを確認しましょう。

5.無料トライアルやデモで試用する

本格導入の前に、IT担当者だけでなく実際にツールを使う現場の従業員にも試してもらい、使い勝手についてフィードバックをもらうことが定着の鍵となります。

SaaSに関するよくある質問

Q1. SaaSとサブスクリプションの違いは何ですか?

SaaSは「インターネット経由でソフトウェアを提供する形態」そのものを指します。一方、サブスクリプションは月額や年額で料金を支払う「料金モデル(定額制)」を指します。多くのSaaSはサブスクリプションモデルを採用していますが、動画配信サービスなどのようにSaaSではないサブスクリプションサービスもあります。

Q2. 導入後にサービスを乗り換えることはできますか?

基本的には可能です。しかし、「データ移行」が課題となるため、解約時にどのような形式でデータを受け取れるかなどを事前にベンダーに確認しておくことが非常に重要です。

Q3. 中小企業でも導入するメリットはありますか?

中小企業こそ大きなメリットがあります。初期費用を抑えて大企業と同等の高機能なシステムを利用できるだけでなく、システムの保守・運用をベンダーに任せられるため、IT担当者が不在でも導入しやすいのが特徴です。

まとめ|SaaSを理解して業務効率化を

SaaSは単なる便利なITツールにとどまらず、中小企業の業務効率化、生産性向上、そして競争力強化に不可欠な経営戦略の一つです。高額な初期投資や専門的なIT知識がなくても高機能なシステムを利用でき、リソースが限られた中小企業にこそ大きなメリットをもたらします。

まずは、自社の業務で「もっとこうなれば良いのに」と感じる点を洗い出し、気になるサービスの無料トライアルやデモを試してみてはいかがでしょうか。一歩踏み出すことで、きっと貴社の業務は大きく変わるはずです。

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