反社チェックはどこまで行うべき?確認する情報や逮捕歴の扱いについて
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- 反社チェックでは、取引先などと反社勢力との関係性について過去の報道などを確認する
- 反社チェックでは原則として、逮捕歴そのものと私生活や思想・信条は確認しない
- 反社チェックの範囲は、取引内容と金額、自社のリスク許容度などから判断する
反社チェックは、取引先などが反社会的勢力と関係していないかを確認し、リスクを防ぐための調査です。しかし、どこまで調べるべきか、逮捕歴まで重視すべきかなどチェックの範囲に悩むケースもあるでしょう。本記事では、反社チェックで確認すべき情報の範囲や判断基準などを解説します。
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反社チェックではどこまで調査すべきなのか

反社チェックとは、新規契約や人材雇用の際に、取引先や候補者が反社会的勢力と関わりを持っていないかを調査することです。条例違反や社会的信頼の低下、反社会的勢力による不当な要求などの企業リスクを回避するために不可欠な調査です。
一方で、調査範囲については、「自社の場合どこまで調べるべきか」と悩む企業も少なくありません。基本的にはリスクの程度を考慮しながら調査範囲を決め、疑わしい情報を深掘りしていきますが、その考え方も企業によって異なる部分があるでしょう。
そこで本記事では、反社チェックにおける一般的な調査範囲や判断基準などについて解説します。

反社チェックとは|どこまでやる?やり方は?対処法や注意点も解説
反社チェックとは、政府の指針や各都道府県の条例を基準に、取引先や従業員が反社会的勢力に当てはまらないかをチェックすることです。本記事では、反社チェックの必要性や方法を解説し、反社チェックをどうやって行うのか、引っかかる対象がいた場合はどうするかなどを解説します。
反社チェックを行う主な対象者の範囲

反社チェックで悩みやすいのが、「どこまで調査範囲を広げるべきか」という問題です。リスクに応じて調整すべきですが、基本的な調査対象は次の3つです。
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取引先や関係企業
新規の取引を結ぶタイミングで、取引先の反社チェックを行いましょう。取引先の役員や従業員だけでなく、株主や顧問弁護士、主要な業務委託先など外部関係者にも調査対象を広げることが望ましいです。
先方が反社会的勢力に関与している場合は、契約途中で不当な要求をされる恐れがあるほか、世間に発覚した際に自社の信用低下にもつながりかねません。そのため、正式に契約を結ぶ前に反社チェックを行う必要があります。
ただし、反社チェックの段階では相手の実態を見抜けないことも考えられます。そのため、途中で発覚した場合に備えて、反社との関与が発覚したら契約を破棄する旨(反社条項)を契約書に盛り込むことをおすすめします。
また、「古い取引先がいつのまにか反社と関わりを持つようになった」というケースもゼロではありません。過去の反社チェックで問題がない取引先も、1年に1回程度を目安に継続的に反社チェックを実施しましょう。
自社の役員・従業員
自社に反社会的勢力の関係者が紛れ込んでいる場合は、社内での不祥事や犯罪行為のリスクが高まるほか、自社の社会的信頼の失墜にもつながりかねません。そのため、自社の役員・従業員に対する反社チェックも必要です。
特に役員は経営に対して大きな権限を持つため、厳格に調査しましょう。役員候補に選出されたタイミングで反社チェックを行うと、リスクの高い人物の就任を未然に回避できます。本人の経歴などのほか、必要に応じて家族・親族・関連企業まで調査対象を広げましょう。
また、従業員への反社チェックは、雇用契約の締結前に実施するのが一般的です。正社員だけでなく、パート・アルバイト・派遣社員など、自社で働く人すべてに実施するのが望ましいでしょう。学生アルバイトも調査対象に含まれます。
自社の株主
役員と同じく株主も自社の経営に大きな権限を持つことから、反社チェックで危険分子を取り除くことが大切です。特に株式上場を予定している場合は、厳格なコンプライアンスを求められるため、審査に悪影響を与えないためにも反社チェックを行いましょう。
一般的な実施タイミングは、株主を増やすときや変更するときです。株主が法人・組織の場合は、代表者や役員だけでなく、株主・顧問弁護士・関係先企業まで調査する必要があります。

反社チェックのタイミング・頻度は?|頻度の悩みを解消できるツールを紹介
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反社チェックで確認する主な情報の範囲

反社チェックでは、どこまで情報を確認すべきかで戸惑う場合も多いです。ここでは、反社チェックで確認すべき主な情報の範囲や情報源について解説します。
反社会的勢力との関係を示す情報とは
反社チェックでは、反社会的勢力との関係が分かるような情報を幅広く調査します。例えば次のような項目が代表的です。
- 暴力団やその関係者との取引
- 資金提供
- 人的なつながり
暴力団との直接的な取引は、反社との密接な関係が疑われます。そのため、反社からお金を借りている・お金を貸している場合は、その者も勢力の一部とみなすべきです。
ただし、反社との関わりは直接的なものばかりでなく、間接的に行われているケースもあります。例えば、建前上は一般企業を装った「フロント企業」や、子会社・関係会社が反社の企業・団体と取引している組織や人物は注意しましょう。
また、反社に場所を貸している・お花を贈るなど、一見分かりにくい方法で関係していることも少なくありません。直接的・間接的な関係性をくまなく調査するようにしましょう。
確認すべき情報源について
反社チェックで確認すべき基本的な情報源は「過去の報道・公的記録」「Web上の公開情報」です。また、専門のデータベース・ツールをあわせて利用すると、さらに精度の高い情報を取得できる可能性があります。
ここでは、それぞれの情報源の特徴をみていきましょう。
過去の報道・公的記録
過去の報道や公的記録には、例えば次のようなものが含まれます。
- 新聞記事
- ニュース記事
- 官報
- 行政処分の公表資料
- 裁判例・訴訟情報
- 警察・行政発表
- 商業・法人登記
新聞記事やニュース記事では、過去の逮捕歴や犯罪歴、不祥事などを確認できます。公的情報ではありませんが、誰でも手軽に検索できるため、反社チェックの入り口として基本的な情報源となります。
また、官報や行政処分の公表資料をはじめとする公的記録では、信頼性の高い情報を収集できるのがメリットです。過去に犯罪を起こしていないか、訴訟されていないか、自己破産や合併といった信用情報まで幅広く確認できます。
インターネット上の公開情報
インターネット上に公開されている情報をもとに反社チェックを行う方法もあります。検索エンジンでの検索のほか、SNSや掲示板などをチェックする方法が代表的です。誰でも無料で無制限に検索でき、最も手軽な反社チェックの方法と言えます。
調査の際は、「会社名(個人名)」と「逮捕/行政処分/詐欺/訴訟/トラブル」などのキーワードを組み合わせて検索しましょう。過去の新聞やニュース記事などがヒットした場合は、高リスクと判断できます。
ただし検索方法が不十分だと、無関係な情報が膨大にヒットし、整理に手間取る恐れがあります。また、重要な情報を見落とす可能性もあるなど、検索精度の面で懸念が残ります。
さらに、インターネット上の情報は真偽不明のものが多い点に留意しなければなりません。例えば個人がSNSで発信している場合は、誹謗中傷の可能性もあるため、必ず一次情報を確認する必要があります。
専門のサービス・ツールのデータベース
反社チェック専門のサービスやツールの多くは独自のデータベースを有しており、報道や公的記録、インターネット上の情報をまとめて検索できる場合が多いです。反社チェックの効率化と精度向上を同時に見込めるため、必要に応じて導入を検討しましょう。
なお、「リスクが高い」と判断される場合は、調査会社や警察に相談することをおすすめします。これらの組織はより精度の高い情報網を有しており、対象者が本当に反社であるかを見抜く手助けになります。
本当に反社会的勢力関係者だった場合には、対処のためのバックアップもしてもらえるため、企業・組織を守る的確な行動にもつなげやすいです。

反社チェックツールとは、個人や法人が反社会的勢力に関わっていないか、過去に不祥事はないかをチェックするツールです。反社チェックを行うことは、会社の信用を守ることや安全なビジネス運営につながります。本記事では、反社チェックツールのメリットや選び方を解説します。
反社チェックで原則として確認しない情報

反社チェックでは幅広い範囲を調査しますが、一方で、踏み込んではいけない領域もあります。人権侵害や個人情報保護法違反につながる恐れもあるため、「どこまで調査してよいか」について理解しておくことが大切です。
例えば、次の2つは原則として反社チェックの確認対象外になります。
私生活や思想・信条
反社チェックでは、反社会的勢力との関係性の手掛かりにあたらない情報は、原則確認してはいけません。例えば次のような項目が該当します。
- 思想・信条・宗教に関する情報
- 本籍地・出身地・門地など社会的身分に関する情報
- 私的な交友関係
- 病歴・健康状態
- 性的指向や性自認
上記の情報は個人の基本的人権にも関わるため、むやみに調べると個人情報保護法や関連法案に違反する恐れもあります。私生活や思想・信条は、原則として反社チェックの対象から除外しましょう。
逮捕歴そのものの有無
反社チェックでは、「逮捕歴そのもの」は原則として対象外です。ただ逮捕歴があるという事実だけでは反社会的勢力との関連性は判断できず、場合によっては個人の名誉やプライバシーを侵害する恐れもあるためです。
一方で、犯罪歴は反社との関与を知るうえで重要な指標でもあるため、必ずしも除外項目とは限りません。例えば、詐欺グループに加担していたり集団強盗などを働いていたりする場合は、反社との関係性が疑われます。
そのため反社チェックでは、過去の逮捕歴の有無ではなく、逮捕に至った経緯や背後関係など、総合的な調査が求められます。
反社チェックで問題になりやすいケース

反社チェックでは、反社との関わりが判明したものの、最終的な判断に迷うというケースも少なくありません。ここでは、反社チェックで問題になりやすいケースについて解説します。
過去に反社と関係していたが現在は関係がない場合
過去に反社会的勢力と一時的な関係があったものの、現在は関係性が確認できないというケースでは、即座に取引不可と判断するのは早計です。現在の脅威が完全にないと判断できれば、取引を続けることが自社の利益にもつながります。
そのため反社チェックでは、いつ頃関係があったのか、関係を断ってからどれくらい経過しているかを確認しましょう。数十年単位で反社との関係が確認できない場合は、現在の交流はないと判断できます。
また、反社との関係があった後に、代表者や役員がすべて交代している場合や、事業や委託先を変えている場合なども、現在の関係性は薄いと判断できます。完全に反社会的勢力との関わりがないことを確認したうえで、最終的な判断を下しましょう。
反社と直接関係はないが周辺人物に問題がある場合
先方と反社会的勢力との直接的な関わりはないものの、周囲が関係しているケースも判断に迷いやすいです。基本的に、親族や出資者、主要取引先に反社との関係が疑われる場合は、取引を中止するのが安全です。
たとえ取引先にそのつもりはなくとも、何らかを契機に、反社が自社との関係に食い込んでくる可能性があるためです。判断に迷う場合は、社内のコンプライアンス部門と相談するほか、弁護士や警察など専門機関への相談をおすすめします。
反社チェックはどこまで実施すべきかの判断基準

反社チェックでは、予想されるリスクに応じてどこまで調査すべきかを判断しましょう。ここでは、具体的な判断基準について解説します。
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反社チェックはどこまで実施すべきかの判断基準
取引内容と金額による判断
取引金額が大きい場合や長期契約の場合は、取引先との関係が深くなる分、自社のリスクも大きいといえます。そのため、反社チェックの調査範囲を広げて、未然にリスクの低い取引であるかを徹底的に調査する必要があります。
一方で、反社チェックには一定のコストと時間がかかります。そのため取引金額が数万円~十数万円と小さい場合や単発契約などで入念な反社チェックを実施すると、場合によっては取引金額以上の費用がかかり、経済的な負担になりかねません。
業界特性による判断
自社の業界・業種の特性も反社チェックの判断基準となります。例えば、金融業界が反社と関係を持つと、マネーロンダリングなどの不正行為が疑われる恐れがあります。
また、不動産や建設業界、人材派遣業、サービス業は、従来から反社勢力の介入による犯罪・問題が起こりやすい業界です。これらの業界は反社との関わりが社会的に大きな問題になりやすいことから、入念な反社チェックが求められます。
大手企業や公共性の高い事業を行う企業だけでなく、一般的な中小企業なども例外ではないため、自社の実態に応じた反社チェックを実施しましょう。
自社のリスク許容度による判断
自社がどの程度のリスクを許容できるのかという視点で反社チェックを行う場合もあります。例えば事業の内容上、クリーンな企業イメージを守ることを重視したい場合は、広範な反社チェックを実施することが潔白の証明につながります。
また、株式上場企業や将来的な上場を目指している場合も、コンプライアンスの観点から厳格な反社チェックが求められます。
グレーゾーンも含めて、反社との関りが発覚した場合のことを想定しながら、自社のリスク許容度や反社チェックの方針を明確にしておくことが大切です。

反社チェック対象外の人物とは?チェックの対象・タイミングも解説
取引先や採用予定の人物が反社会的勢力と関係しているかを確認する反社チェック。必ず行わないといけないイメージがありますが、実は反社チェックの対象外と判断して問題ないケースが存在します。本記事では、対象外となるケースを紹介しつつ、「対象外と判断=何もしない」で良いのか悪いのかについて解説します。
反社チェックにおける法律上の注意点

過度な反社チェックは個人情報保護法違反やプライバシーの侵害などの問題に発展しかねません。ここでは、反社チェックにおける法律上の注意点や対策を解説します。
個人情報保護法との関係
反社チェックでは個人情報を取り扱う機会も多いため、個人情報保護法を遵守して取り組む必要があります。具体的には、「取得目的の開示」や「必要な範囲に限定した情報収集」、「取得した情報の目的外の利用禁止」などが挙げられます。
前提として、反社チェックで個人情報を取得する場合は、その旨を先方に通知し、同意を得なければなりません。この工程を怠ると個人情報保護法に抵触する場合があるため、必ず実施目的を開示したうえで同意を得ましょう。
また、前述のような私生活や思想・信条に関する情報は反社チェックに無関係のため、調査してはいけません。あわせて、反社チェックのために取得した情報をほかの目的に利用するのはやめましょう。
不当な差別を避けるためのポイント
反社チェックの判断は、あくまで客観的な事実にもとづいて行いましょう。例えば外見や噂話を根拠にした判断は、主観的になりやすく、不当な差別につながりかねません。
特にWeb調査は情報の真偽が曖昧なため、必ず公的記録など信頼性の高い情報と照合して判断する必要があります。また、反社であると断定できないにも関わらず、確定事項のように言いふらすと、名誉棄損や情報漏洩に発展する場合もあります。
客観的な事実にもとづいて判断することや、調査結果をみだりに関係者外に広めないなど、差別を防ぐような実施体制の整備が重要です。
反社チェックで判断に迷った場合の対応

反社チェックで確定的な情報を得られず判断に困った場合は、2つの対処方法があります。1つ目は、専門のサービスやツールを活用した追加調査です。初回調査で見落としていた情報を取得できる可能性があり、的確な最終判断につなげられます。
2つ目は、暴追センターや警察、弁護士などの専門機関への相談です。グレーゾーンを含めて反社会的勢力との関わり方についてアドバイスをもらうことができ、トラブルに発展した場合はバックアップを受けられる場合もあります。
反社チェックを適切に行うための実務ポイント

反社チェックを適切に実施するには、定期的な監視体制や社内規定の整備といった実務が鍵を握ります。ここでは、反社チェックを適切に行うための実務のポイントを解説します。
1度のチェックで終わらせない
先にも触れたように、過去の反社チェックで問題がなかった取引先や自社関係者でも、その後の状況の変化によって、反社との新たな関係が生じている場合もあります。そのため反社チェックは一度実施して終わりではなく、継続する必要があります。
基本的には1年に1回、最低でも3年に1回を目安に反社チェックを行いましょう。高リスクと判断される相手に対しては、半年に1回程度の実施が望ましいです。定期的な反社チェックにより、相手の変化に素早く気づき、タイムリーな対応につなげられます。
社内で反社チェックの規程を定めておく
反社チェックを効果的に実施するには、調査範囲や判断基準、実施頻度について明確なルールを定め、社内規定として文書化することが大切です。明確なルール策定により、反社チェックの精度を一定に保つことができ、企業のコンプライアンスの強化も図れます。
また、反社チェックに関する社内規定の設置は、「反社勢力との関係を断つ」という社内外への意志表明にもなります。これ自体が反社勢力への抑止力となるため、リスクの高い人物・法人との関わりから遠ざかることにもつながります。
まとめ

反社チェックをどこまで行うべきかは、取引内容や金額、業界の特性、自社のリスク許容度によって異なります。一般的には、新規取引先や新しい自社役員・従業員と契約を結ぶタイミングで、身辺に不審な点がないかをチェックしましょう。
反社チェックでは、過去の報道や公的記録、インターネット上の情報など、さまざまな情報源から多角的な情報を収集します。効率的に反社チェックを進めたい場合は、専門のサービスやツールの活用もおすすめです。
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