AI開発プラットフォームとは?サービスの使い分け

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  • Google AI Studio・Gemini・Gemini Enterprise Agent Platformの位置づけの違いと、試作を実用化するツールがわかる
  • Vertex AIの名称変更の経緯と、シンプルな判断基準(止まったら困るか)がわかる
  • 料金の考え方(エージェント放置課金の注意点含む)と、技術者不在時の進め方がわかる

「Google AI Studio」「Gemini」「Vertex AI」――Googleが提供するAI関連サービスには似た名前が複数あり、どれが自社の用途に合うのか判断しづらいという声があります。さらに、Vertex AIは2026年4月に「Gemini Enterprise Agent Platform」へ名称変更されており、情報の混乱に拍車をかけています。本記事では、Google AI Studioの位置づけと、他の主要サービスとの使い分け、そして試作から実装までの距離を縮める方法を整理します。

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目次

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  1. 試作を実用アプリにするローコード開発ツール比較
  2. Google AI Studioとは|プロトタイピング向けの開発環境
  3. Gemini・Gemini Enterprise Agent Platformとの使い分け
  4. 料金の考え方|無料枠と従量課金
  5. 業務活用での位置づけの考え方
  6. 技術者がいない企業での進め方
  7. 活用でよくある失敗パターン3つ
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|今日からできる3つのこと
  10. 参考文献

試作を実用アプリにするローコード開発ツール比較

Google AI Studioで検証したアイデアを、複数のシステムと連携させたり、他の従業員が使えるアプリケーションに仕立てたりするには、コードを書かずに組み立てられるローコード開発ツールが選択肢になります。以下に、特徴が異なる3サービスを比較の一部としてご紹介します。

サービス名 GOOD(強み) MORE(留意点)
kintone(サイボウズ株式会社) 自分たちで業務に必要なアプリが簡単に作れ、申し込み後すぐに作成可能。豊富なプラグイン連携で機能を柔軟に追加できる プランにより一部の機能やオプションに制限がある
楽々Framework3(住友電工情報システム株式会社) ブラウザでのマウス操作で開発ができ、基幹業務システムでそのまま使える900以上のパターン部品を提供 ノーコードではないため、最小限のコーディングは必要
Accel-Mart Quick(株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート) 初心者は「ノーコード」・上級者は「ローコード」で開発でき、カスタマーサクセス支援で人材育成にも効果的 利用人数の目安があり、大規模になる場合は事前相談が必要
図0:試作を実用アプリに仕立てるローコード開発ツールの例(いずれも一長一短があり、開発体制に合わせて選ぶことが重要)

現場主導でアプリを増やしたい場合、基幹業務システムに組み込みたい本格的な開発の場合、初心者から上級者まで段階的に使いたい場合、という軸で検討すると選びやすくなります。

Google AI Studioとは|プロトタイピング向けの開発環境

Google AI Studioとは、Googleの生成AIモデルを試作・検証するための、無料から始められる開発者向けツールです。

プロンプトの試作、AIモデルの動作確認、簡単なアプリケーションの試作といった「試しに作ってみる」段階の用途に向いています。本格的な業務システムへの組み込みや大規模な運用を前提とした基盤ではなく、まずアイデアを検証するための入口という位置づけです。

ブラウザ上でプロンプトを入力し、その場でAIモデルの応答を確認できるため、プログラミングの専門知識がなくても、ある程度の試作は可能です。一方で、複数のシステムと連携させたり、社内の他の従業員が使えるアプリケーションとして仕立てたりするには、APIの利用やプログラミングの知識が必要になります。「試しに触ってみる」段階と「実際に使える形にする」段階では、必要なスキルレベルが異なる点を理解しておくことが重要です。

Gemini・Gemini Enterprise Agent Platformとの使い分け

Google AI Studio(試作)、Gemini(個人向け対話サービス)、Gemini Enterprise Agent Platform(旧Vertex AI、企業向け本番運用基盤)という3つの役割の違いを理解することが、使い分けの基本です。

サービス 位置づけ 対象ユーザー
Google AI Studio 試作・検証環境 アイデアを試したい開発者
Gemini 個人向け対話型AIサービス 一般利用者
Gemini Enterprise Agent Platform(旧Vertex AI) 企業向けの本番運用・AIエージェント構築基盤 エンタープライズの開発者・企業
図1:Google AI Studio・Gemini・Gemini Enterprise Agent Platformの違い

Vertex AIは、2026年4月に開催されたGoogleの発表で「Gemini Enterprise Agent Platform」へ名称変更されました。既存のVertex AIの機能自体はそのまま新しい名称のプラットフォームに移行しており、利用者側での大きな移行作業は基本的に不要とされています。ただし、資料やヘルプページによっては、まだ「Vertex AI」という旧名称で記載されている場合もあるため、情報を調べる際はこの名称変更を念頭に置くことが重要です。

料金の考え方|無料枠と従量課金

Google AI Studioは無料枠の範囲で試作できますが、Gemini Enterprise Agent Platform(旧Vertex AI)は基本的に使用量に応じた従量課金制であり、本番運用に移行する際にはコスト構造が変わる点を理解しておく必要があります。試作段階の感覚のまま本番運用の予算を見積もると、想定より費用がかかることがあります。

従量課金の対象は、モデルへのリクエスト回数、処理するデータ量、稼働させるコンピューティングリソースの種類など多岐にわたります。本番運用を検討する段階では、想定される利用規模(リクエスト数、データ量、同時アクセス数等)を見積もり、それに基づいた費用感を事前に確認しておくことが重要です。多くの場合、公式サイトに料金の計算ツールが用意されているため、これを使って見積もりを行うことができます。特に注意したいのは、検証用に稼働させたAIエージェントを停止し忘れるケースです。使い終わったつもりでも稼働し続けていれば課金は継続するため、試作・検証を終えたリソースは都度停止する運用を、個人の意識任せにせず仕組み化しておくことが望まれます。

また、Gemini(個人向け対話サービス)にも無料プランと有料プラン(Google One AIプレミアム等)があり、こちらは月額固定制が中心です。開発・システム組み込みが目的の場合は従量課金のGemini Enterprise Agent Platform、日常利用が目的の場合は月額固定のGeminiというように、料金モデルの違いも使い分けの判断材料になります。

業務活用での位置づけの考え方

「まず試したい」段階ではGoogle AI Studio、「本番運用に組み込みたい」段階ではGemini Enterprise Agent Platformという段階的な使い分けが、業務活用の基本的な考え方です。

新しいAI活用のアイデアがある場合、まずGoogle AI Studioで試作し、実際に効果が見込めそうであれば、本番運用に対応したGemini Enterprise Agent Platformへ移行するという段階的な進め方が現実的です。一方、日常的な文章作成や調べものといった個人利用の範囲であれば、Geminiの対話サービスで十分な場合が多くあります。自社が「試作したいのか」「日常利用したいのか」「本番システムに組み込みたいのか」を明確にすることが、最初の判断基準になります。より簡潔な判断軸としては、「そのAIが止まったときに、社外の利用者や業務そのものが止まって困るかどうか」で考える方法もあります。困る場合はGemini Enterprise Agent Platformへの移行を検討し、困らない試作段階であればGoogle AI Studioのままで問題ありません。また、Gemini Enterprise Agent Platformには「Model Garden」という機能があり、Geminiだけでなく他社が開発した複数のAIモデルを同一の基盤上で選んで使えるようになっています。用途によってモデルを使い分けたい場合は、この機能も選定材料になります。

試作から本番への移行を判断する際は、「効果が見込めそう」という感覚だけで進めるのではなく、具体的な評価基準を事前に決めておくことが重要です。たとえば、想定する業務時間の削減率や、生成結果の正答率など、数値で確認できる基準を設定しておくと、本番移行に進むべきかどうかを客観的に判断しやすくなります。基準を満たさない場合は、プロンプトの調整や別のアプローチの試作に戻り、無理に本番運用へ進めないという判断も大切です。

複数のGoogleサービスを組織で使い分ける場合、どのサービスを誰がどの目的で使ってよいかを整理し、社内で共有しておくことが望まれます。名称やサービス体系がたびたび更新されるという特性上、一度整理した利用ルールも、半年から1年程度のスパンで見直しておくことをおすすめします。情報システム部門が定期的に公式情報を確認し、変更があった場合は速やかに社内周知する体制を整えておくと、現場が古い情報のまま判断してしまう事態を避けられます。

技術者がいない企業での進め方

社内にエンジニアがいない企業では、Google AI Studioでの試作やGemini Enterprise Agent Platformへの本番移行を自社だけで進めるのが難しいため、外部の開発パートナーとの連携を前提に計画を立てることが現実的です。「まず自社で試してみたい」という段階でも、プロンプトの書き方やAPIの基本的な扱い方には一定の技術知識が必要になります。

外部パートナーに依頼する場合も、丸投げにするのではなく、「どの業務課題を解決したいか」「どの程度の予算・期間を想定しているか」を自社側で整理しておくことで、パートナーとの打ち合わせがスムーズになります。試作段階から本番運用まで一貫して依頼できる開発会社を選ぶか、試作は自社(または簡易な外部支援)で行い、本番移行のタイミングで専門性の高いパートナーに切り替えるか、進め方には複数の選択肢があります。いずれの場合も、社内に最低限の知識を持つ担当者を置いておくと、外部パートナーとのやり取りや、完成後の運用管理がスムーズになります。

また、Google AI Studioでの試作段階では、プログラミングの専門知識がなくてもある程度の試作は可能とはいえ、実際に「複数のシステムと連携させる」「他の従業員が使えるアプリケーションに仕立てる」という段階に進むには、H2#1で紹介したようなローコード開発ツールを併用する選択肢が現実的です。Google AI Studioで検証したアイデアを、ローコード開発ツールで社内向けの実用アプリに落とし込むという組み合わせであれば、専任のエンジニアがいない企業でも、外部パートナーへの丸投げに頼りきらずに試作から実装までの距離を縮められます。

活用でよくある失敗パターン3つ

試作環境を本番運用に使い続ける、名称変更前の情報のまま判断する、目的を明確にせず選定するという3つが、Googleサービスの活用でよく見られる失敗の典型的なパターンです。

よくある失敗 回避策

失敗パターン1:試作環境を本番運用に使い続ける。Google AI Studioで試作したまま、本番の業務システムに使い続けてしまう。

失敗パターン2:名称変更前の情報のまま判断する。「Vertex AI」という旧名称の情報だけを見て、現在のサービス体系を誤解してしまう。

失敗パターン3:目的を明確にせず選定する。「試したい」「日常利用したい」「本番導入したい」のどれに当たるかを整理せず選んでしまう。

よくある質問(FAQ)

Q1. Google AI StudioとGeminiは同じですか?

A. 異なります。Google AI Studioは開発者向けの試作環境で、Geminiは一般利用者向けの対話型AIサービスです。対象ユーザーと用途が異なるため、目的に応じて選ぶ必要があります。

Q2. Vertex AIという名前はもう使われていませんか?

A. 2026年4月に「Gemini Enterprise Agent Platform」へ名称変更されましたが、資料やヘルプページによっては旧名称のまま記載されている場合もあります。機能自体は同一のプラットフォームに引き継がれているため、名称変更の経緯を把握しておけば混乱を避けられます。

Q3. どの段階でGemini Enterprise Agent Platformへ移行すべきですか?

A. 試作段階で効果が見込めることが数値で確認でき、本番の業務システムへの組み込みが必要になった段階が、移行を検討すべき目安のタイミングです。

Q4. 日常業務で使うだけならどのサービスで十分ですか?

A. 文章作成や調べものといった個人利用の範囲であれば、Geminiの対話サービスで十分な場合が多くあります。開発・システム組み込みが目的でなければ、月額固定プランのGeminiで対応できます。

Q5. 本番運用に移行すると費用はどう変わりますか?

A. Gemini Enterprise Agent Platformは基本的に使用量に応じた従量課金制のため、試作段階の無料枠とはコスト構造が異なります。本番運用を検討する際は、公式の料金計算ツールを使い、想定利用規模に基づいた見積もりを事前に行うことをおすすめします。

Q6. 社内にエンジニアがいない場合、自社だけで導入できますか?

A. 簡単な試作であれば取り組める場合もありますが、本番運用への移行やAPIの実装には技術知識が必要になることが多く、ローコード開発ツールの併用や、外部の開発パートナーとの連携を前提に計画することをおすすめします。

まとめ|今日からできる3つのこと

  1. 目的を明確にする:試したいのか、日常利用したいのか、本番導入したいのかを整理します。
  2. 名称変更を踏まえて情報を確認する:Vertex AIからGemini Enterprise Agent Platformへの変更を念頭に置きます。
  3. 段階的に移行する:Google AI Studioでの試作から、必要に応じて本番運用基盤へ移行します。

参考文献

本記事は、Googleが提供するAI関連サービスの一般的な位置づけ・名称変更に関する公開情報に基づいて整理したものです。サービスの名称・仕様は変更される場合があるため、最新情報は各サービスの公式情報をご確認ください。

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