採用代行・採用アウトソーシングとは?メリット・デメリットを解説

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  • 採用代行・採用アウトソーシングは、採用活動に関する業務を外部の企業に委託すること
  • 採用代行・採用アウトソーシングの利用で、コア業務への専念やコスト削減に繋がる
  • 採用代行・採用アウトソーシングの利用には、厚生労働大臣から許可を得る必要がある

採用代行・採用アウトソーシングは、RPOとも呼ばれ、採用活動に関する自社の業務を外部のサービスに委託することです。本記事では、採用代行・採用アウトソーシングを利用するメリット・デメリットや、サービス会社の選び方、採用代行に違法性はあるのかなどを解説しています。

目次

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  1. 採用代行・採用アウトソーシングとは
  2. 採用代行・採用アウトソーシングで委託できる業務
  3. 採用代行・採用アウトソーシングを利用するメリット
  4. 採用代行・採用アウトソーシングを利用するデメリット
  5. 採用代行・採用アウトソーシング導入がおすすめの企業
  6. 採用代行・採用アウトソーシング会社を選ぶ際のポイント
  7. 採用代行・採用アウトソーシングに違法性はあるのか
  8. まとめ

採用代行・採用アウトソーシングとは

採用代行・採用アウトソーシングは、自社で行っている採用に関する業務を外部委託することを意味します。RPO(Recruitment Process Outsourcingの略称)とも呼ばれています。

採用のプロフェッショナルに自社の採用業務を委託することにより、採用力の強化を図ることが可能です。採用業務を外部委託する企業は増加傾向にあります。

企業は、採用専任者がいなかったり、採用以外の業務が多くリソースが足りなかったりと様々な理由で採用アウトソーシングを行います。採用以外の業務を兼任する人事担当者も多く、採用に注力できない場合の打ち手として採用代行を活用します。

リソース不足以外でも、採用の精度を高めるために採用領域に詳しいプロに採用計画の立案等の上流工程まで依頼するケースもあります。

採用代行・採用アウトソーシングで委託できる業務

採用代行・採用アウトソーシングでは、採用に関する様々な業務を委託することができます。採用計画を立てる企画段階から支援したり、応募があった際の面接者への対応をしたりと、採用業務に関して幅広く委託することができます。

ここでは、採用代行・採用アウトソーシングで委託できる業務について詳細を解説していきます。

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採用代行・採用アウトソーシングで委託できる業務

  1. 採用計画の立案
  2. 募集
  3. 応募者への対応
  4. 面接・選考
  5. 内定者のフォロー

採用計画の立案

採用計画の立案では、採用目標を達成するために、どの手法でどのようにして採用活動を進めていくかといった採用戦略の企画を行います。採用する職種について、どのような経験やスキルを持つ人材が欲しいかといった要件定義から支援していきます。

また、競合他社と比較して自社のどのような特徴を候補者に訴求していくかといった、自社の魅力の言語化やメッセージングといった部分まで設計していく場合もあります。

採用計画は、採用を成功させるために重要な戦略のため、採用計画の良し悪しによって採用の成否が変わってきます。

自社に採用のノウハウがない場合、適切な採用手法の選定や採用活動の進め方を設計することが難しいため、採用領域のプロフェッショナルのノウハウを活用することで採用可能性を高めることができるでしょう。

募集

募集とは、自社で出している求人に興味のある求職者を集め母集団を形成していくことです。採用代行・採用アウトソーシングでは、選考の対象となる母集団形成に関する業務を委託することもできます。

採用を成功させるためには、求職者の動向や採用市場のトレンドを把握し、募集職種に合った採用チャネルを選ぶことが重要です。

多くの採用代行・採用アウトソーシングベンダーは、母集団の質・量ともに担保するためのノウハウを持っています。募集業務を委託することで、自社の採用要件にマッチした求職者からの応募数を増やしていくことに期待ができます。

応募者への対応

応募者への対応では、自社の求人に応募してきた求職者に対しての事務的な対応も行います。応募に必要な書類の回収や候補者からの問い合わせへの対応、選考の日程調整、選考に関する各種連絡等の事務的な作業を委託することができます。

応募者への対応業務は、事務的な業務が多くなります。そのため、採用代行・採用アウトソーシングを活用することで、採用活動の工数削減を図ることができます。

事務業務の工数を減らすことができれば、より重要度の高い企画や選考に人的リソースを集中できるといったメリットがあります。

面接・選考

面接・選考を委託する場合、ベンダーは書類選考や適性検査の実施、面接の受付、各選考フローにおける評価管理、選考の合否連絡といった面接・選考に関する業務を行うことが多いです。

候補者との面接や合否判定は非常に重要な意思決定になるため自社で行うことが多いですが、企業によっては面接や合否判定まで外部委託するケースもあります。

内定を出すかといった最終的な意思決定の前段階として、書類選考や一次面接のみを委託してスクリーニングを図る等、自社の選考フローに合わせて委託できる点がポイントです。

内定者のフォロー

内定者のフォローでは、内定を出した候補者に対して、内定を辞退されないよう入社に向けてフォローする役割を委託します。

入社までに必要な業務連絡や個別面談の実施、内定者向けのイベントの企画や運営等の業務を委託することができます。候補者が自社以外で内定をもらっている企業へ流れないようにするために、内定後のフォローは非常に重要です。

内定者に対して自社の魅力を伝えたり、入社後の懸念点を払拭するようなコミュニケーションが必要になったりするため、内定後のフォローについてノウハウを持った採用代行・採用アウトソーシングを利用することで、内定承諾率向上につながります。

採用代行・採用アウトソーシングを利用するメリット

採用活動を成功に導くために、採用代行・採用アウトソーシングを活用するメリットはいくつかあります。ここでは、採用代行・採用アウトソーシングを利用するメリットについて、具体的に紹介します。

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担当者の負担軽減

採用代行を利用することで、採用に関する業務工数の削減ができ、採用担当者の負担軽減にもつながります。採用代行では、自社の採用活動において業務負担が大きい領域を中心に、業務を外部委託することができます。

採用活動を行うにあたっては、面接の日程調整や候補者の応募情報の管理、候補者への事務的な連絡等、業務内容が多岐に渡り、工数がかかってしまいます。

工数のかかる業務を採用代行に委託することで、候補者とのやりとりをスピーディーに行うことができたり、採用担当者のリソースを別業務に集中させたりと副次的なメリットもあります。

採用コストの削減

採用代行を利用することで、採用コストの削減にも期待ができます。採用業務が増えることでリソースを確保する必要が生じた際、人事部門の人数を増やすか採用代行に委託するかでかかるコストが変わってきます。

採用代行は、採用を行う期間に限って利用することができるため、採用活動を行う社員にかかる固定費を変動費化することができます。

また、採用のノウハウがある採用代行に依頼することで、効率的な採用活動を行うことができ、採用決定が出るまでの全体のコストを最適化することもできるでしょう。

採用活動の質向上

採用代行を利用することで、採用活動の質向上にも期待ができます。とくに、自社の採用力に課題感がある場合や採用に関しての成果が出ていない場合、採用代行を活用しながら採用活動の質を高めていくことが可能になります。

採用代行ベンダーは、採用領域の専門家であり、様々な企業の採用活動を支援しています。企業ごとの採用状況に合わせて最適な方法で支援してきた実績やノウハウがあるため、質の高い採用活動に期待できます

また、自社の採用活動を外部からの目線で捉えることができるため、採用力の向上に向けた客観的なアドバイスやナレッジの提供等も見込めます。

採用担当者がいなくても採用活動ができる

採用担当者がいない企業でも、採用代行を利用することで採用活動を行うことが可能になります。採用代行は、採用活動に必要な一連の業務を代行することができるため、採用体制が確立していない企業でも採用活動を進めていくことが可能です。

特に、設立間もない企業で採用担当者がおらず他部門の社員が片手間で採用業務を行っている場合、採用代行を利用することで採用活動の質を上げ、リソースを確保できるといったメリットがあります。

採用代行・採用アウトソーシングを利用するデメリット

採用代行・採用アウトソーシングを利用するメリットは多いですが、デメリットもあります。サービス導入にあたっては、どちらも認識しておくことが重要です。ここでは、採用代行を利用するデメリットについて解説していきます。

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社内にノウハウが蓄積されにくい

採用代行を利用すると、社内にノウハウが蓄積されにくいといったデメリットが生じてしまいます。特に、採用のコア業務である採用計画の立案や面接・選考の実施までも委託してしまうと、採用に関するナレッジが自社に溜まりにくくなります。

採用代行・採用アウトソーシングのベンダーは委託された業務に対しての成果責任を追いますが、採用活動についてのフィードバックやナレッジの共有等の粒度にはバラつきがあります

ベンダーの担当者とのコミュニケーションが希薄になってしまうと、委託した業務領域に関してブラックボックス化してしまうリスクがあるため、担当者からノウハウを共有してもらう場を設けると良いでしょう。

ミスマッチが起こる可能性がある

採用代行業者は、採用活動のプロフェッショナルではあるものの、担当者が自社に対しての理解度が高くないと、自社にマッチしない求職者を採用してしまうリスクもあります。

企業と採用代行業者で認識の齟齬が発生してしまい、自社で採用したい人物像や採用基準などを満たさない候補者を通過させてしまうこともあります。こうした事態を防ぐために、事前に採用要件や選考基準のすり合わせを綿密に行うと良いでしょう。

応募者や内定者とのコミュニケーション不足

採用代行を利用することで、応募者や内定者とのコミュニケーションが不足してしまう可能性もあります。採用代行は、委託された業務を遂行してくれる一方、担当外の業務には責任を負いません

そのため、応募者や内定者との密なコミュニケーションには期待ができないでしょう。また、採用代行に任せっきりにしてしまうと、内定者が自社社員との接点を持ちづらくなってしまいます。

採用代行会社や担当者によって差が生じる

採用代行会社はたくさんありますが、その知識や経験数はさまざまです。そのため、採用代行会社によっては、採用目標が達成できなかったり、採用担当者の負担軽減が叶わなかったりする場合もあります。

また、採用代行担当者のレベルや、専任・複数担当制などのシステムの違いによっても、採用目標の達成度は変わります。いくつかの会社を比較検討し、自社に合った採用代行会社と担当者を見極めるようにしましょう。

採用代行・採用アウトソーシング導入がおすすめの企業

採用代行・採用アウトソーシングを利用するにあたって、どのような採用代行が向いているかどうかは、企業の採用体制や状況により変わります。ここからは、採用代行・採用アウトソーシングが向いている企業について解説していきます。

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人材採用のノウハウがない企業

人材採用のノウハウがない企業は採用代行を活用することをおすすめします。採用代行・採用アウトソーシングのベンダーは、様々な企業の採用活動を支援しているため、採用領域に関するノウハウが蓄積されています。

設立して間もない企業やこれまで採用に注力していなかった企業がいきなり採用活動を始めても、ノウハウがないことで採用が上手くいかないといったケースがあります。採用のプロである採用代行業者のノウハウを活用することで、採用活動を成功に導くことができます。

大量採用が必要な企業

採用予定人数が多い企業にも、採用代行・採用アウトソーシングはおすすめです。採用予定人数が多くなると、候補者とのコミュニケーションや事務的な業務にかかる工数が増えてしまいます。

採用担当者のリソースが足りていない場合、候補者への対応が遅れてしまうリスクもあるため、採用活動を効率的に行いたい企業におすすめです。

採用にかかる工数を削減したい企業

採用活動にかかる工数を削減したい企業への採用代行サービスの導入もおすすめです。採用活動に関する一連の業務には一定の工数がかかってしまいます。

採用担当者が採用専任ではなく別の人事領域を兼任している場合や、事務的な業務に追われて企画や選考に対応するリソースが足りていない企業などは、採用代行を活用して工数削減を図ると良いでしょう。

これまでの採用活動で効果が得られなかった企業

これまで採用活動を行っていたものの、思うように成果が出なかった企業という企業にも採用代行はおすすめです。採用代行・採用アウトソーシングのベンダーは採用決定が出るまでのノウハウを保有しています。

単に採用リソースを確保するために活用するのではなく、採用活動を成功させるためのノウハウや客観的なアドバイスが必要だと感じている企業は、採用代行を活用すると良いでしょう。

採用代行・採用アウトソーシング会社を選ぶ際のポイント

採用代行・採用アウトソーシングサービスは、ベンダーによって得意領域や強みに違いがあります。自社の採用状況にマッチした採用代行・採用アウトソーシングサービスを選ぶことが重要なため、サービスを選定する際には注意が必要です。

ここでは、採用代行・採用アウトソーシングを選ぶ際のポイントについて解説していきます。

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採用代行・採用アウトソーシング会社を選ぶ際のポイント

  1. 料金体系を確認
  2. 対応しているサービス内容を確認
  3. 支援実績を確認
  4. 自社のルールに合っているか

料金体系を確認


採用代行・採用アウトソーシングは会社によって料金体系が異なります。採用人数や委託する業務領域によっても料金は異なるため、選定時には注意が必要です。

定額制

委託する作業項目によって、定額制で契約する料金体系のサービスがあります。業務量が多いほど料金が割安になり、コストメリットが出てくるケースが多いです。

一方、委託する業務量が少なかったり、採用人数が少なかったりすると、月額費用が割高になり、内製化する方がコストを抑えられるケースもあります。

成果報酬制

採用決定が出た場合や、面接を実施する度に料金が発生する成果報酬型の料金体系のサービスもあります。採用した候補者の年収の数十%を成功報酬額として、費用を払うケースが多いです。

基本的には採用決定ごとに費用が発生するため、候補者を慎重に見極めたいといった企業におすすめです。

従量単価請求制

委託する業務領域や業務量に応じて個別に費用を算出する従量単価請求制の料金体系のサービスもあります。必要な部分のみピンポイントで委託することができる点が特徴です。

採用業務の一部分のみ業務量が多くなっていたり、工数がかかっていたりする場合におすすめです。

対応しているサービス内容を確認

ベンダーによって委託できる業務範囲や得意領域が異なるため、サービスの対応可能範囲を確認しておくことが重要です。

採用代行・採用アウトソーシングを提供している企業は採用のプロフェッショナルですが、得意領域はそれぞれ異なります。選考での見極めが得意なベンダーもいれば、採用計画の立案等の上流工程が得意なベンダーもいるため、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

支援実績を確認

採用代行サービスを選定する際、採用実績を確認しておくことも重要です。採用代行サービスを提供している企業は数多くありますが、採用実績がない企業に依頼してしまうと、採用活動が上手くいかないリスクもあります。

とくに、自社と同じ業界や規模感が近い企業等での支援実績を確認しておくと良いでしょう。製造業での採用に強い企業もあれば、IT業界に特化した採用支援サービスもあります。他社での採用実績を参考に、自社の採用成功に結びつけられるかを確認しましょう。

自社のルールに合っているか

企業によって採用の進め方やルールがあるため、自社の採用ルールに対応可能な採用代行・採用アウトソーシング企業を選定する必要があります。

サービスによって、どこまでルールに対応できるかや柔軟性に違いがあります。例えば、採用の進捗報告や情報共有の頻度、細かい業務ごとの対応方法等に違いがあるため、自社の要件と合っているか事前に確認しておきましょう。

業務委託開始後に認識のズレが発覚するとトラブルになるケースもあるため、注意が必要です。

採用代行・採用アウトソーシングに違法性はあるのか

採用代行・採用アウトソーシングを活用して採用業務を委託する際は、豪放性に関しての注意も必要です。業務によっては、代行を行うために許可申請が必要とされているものもあります

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採用代行・採用アウトソーシングに違法性はあるのか

  1. 許可を取得していない採用代行は違法
  2. 許可の申請が必要ない採用業務

許可を取得していない採用代行は違法

採用代行は委託募集に当たるサービスのため、事前に適格性を確認するために、許可制を取っています。委託募集に該当する内容については、許可がないと違法性を問われます。

自社の従業員となる労働者の募集や選考等の採用業務については、厚生労働大臣もしくは管轄する都道府県の労働局長の許可を受ける必要があります。その際、募集主および募集受託者がそれぞれ許可基準を満たす必要があります。

参考:Ⅲ 委託募集|厚生労働省

許可の申請が必要ない採用業務

採用代行は認可がないと違法になりますが、採用業務の中には許可の申請が必要ない業務もあります。募集や選考などの採用にあたっての主だった業務は委託業務に該当しますが、採用試験の作成や実施のみの場合は委託業務に該当しません。

また、面接や選考を社内で行うために人材紹介を利用すること等は採用業務の委託に該当しないため、許可の申請は必要ありません。

まとめ

採用代行・採用アウトソーシングは、RPOとも呼ばれており、採用活動に関する自社の業務を外部のサービスに委託することを意味します。採用代行・採用アウトソーシングを利用することで、採用活動にかかる工数や採用コストの削減に期待ができます。

また、採用代行・採用アウトソーシングは採用領域におけるプロフェッショナルであるため、自社の採用活動の質を高めることもできるでしょう。

採用代行・採用アウトソーシングでは、提供しているベンダーによって得意領域が異なります。採用の計画段階から関わって戦略設計から支援するサービスもあれば、選考での見極めに強みを持つサービスもあります。

また、採用代行・採用アウトソーシングを導入することで、自社内に採用ノウハウが蓄積しづらくなってしまったり、人材のミスマッチが発生したりといったデメリットがある点には注意しましょう。

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