在庫管理をPOSシステムで行うメリット|その他の管理方法も解説

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  • POSシステムに搭載されている棚卸機能などを活用し、在庫管理を行うことができる
  • 在庫管理にPOSシステムを利用すると、情報を一元管理でき、業務効率化に繋がる
  • 在庫管理表やエクセル、在庫管理システムなどを用いて在庫管理を行うこともできる

在庫管理を行う方法の1つに、POSシステムを搭載したPOSレジによる在庫管理があります。本記事では、在庫管理に役立つPOSシステムの機能や、使用するメリット・デメリットの他、POSシステム以外で在庫管理を行う方法について解説します。

目次

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  1. 在庫管理とは
  2. POSシステムとは
  3. 在庫管理にPOSシステムを利用するメリット
  4. 在庫管理にPOSシステムを利用するデメリット
  5. POSシステム以外で在庫管理を行う方法
  6. まとめ

在庫管理とは

在庫管理とは、企業が製品や資材を効果的に管理し、在庫不足や過剰在庫を防止するために重要な業務です。適切な在庫レベルを維持し、需要に迅速に対応することで、顧客サービスの品質を向上させ、コストを最小限に抑えることができます。

過剰な在庫は管理コストを増やし、在庫不足は機会損失や顧客の不満を招くため、バランスを保つことが重要です。また、品質管理や期限切れの管理も在庫管理に欠かせない要素です。

POSシステムとは

POS(Point of Sale)システムは、販売プロセスの効率化と管理を図れるシステムです。商品のスキャンや価格計算・在庫管理・決済処理・売上分析・従業員管理などの機能を搭載し、効率的な販売とデータ収集をサポートします。

また、顧客情報の追跡やリアルタイムなレポートも可能なため、戦略的な意思決定に役立ち、顧客サービス向上にも繋がります。

POSシステムの在庫管理に役立つ機能

POSシステムは、在庫管理に役立つ様々な機能を搭載しています。ここでは、POSシステムが持つ在庫管理の主要な機能について解説します。

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POSシステムの在庫管理に役立つ機能

  1. 商品管理・分析機能
  2. 棚卸機能
  3. 受発注・出入荷履歴の管理

商品管理・分析機能

POSシステムの機能の中でも、商品管理と分析機能は在庫管理に大きな役割を果たします。商品管理では、商品情報(価格・在庫数・製造日など)をリアルタイムで記録し、自動的に在庫を更新します。適切な在庫レベルを維持できるため、商品切れや過剰在庫を防ぎます。

また、分析機能は売上データを詳細に解析し、売れ筋商品や需要傾向を特定します。データ分析によって、需要を予測したり販売戦略を検討したりできます。さらに、特定の期間やカテゴリー別の売上データを分析できるため、的確な経営判断にも役立ちます。

棚卸機能

棚卸機能は、定期的な在庫の実地調査や棚卸し作業を大幅に効率化します。POSシステムを活用すれば、手動で商品を数える必要がなく、バーコードスキャンやRFIDテクノロジーを使用して、迅速かつ正確に在庫数を確認可能です。

また、正確な在庫数が把握できるようになることで、品切れや過剰在庫を防ぎます。さらに、棚卸データはリアルタイムでシステムに反映されるため、従業員の作業負担も軽減できます。

受発注・出入荷履歴の管理

受発注・出入荷履歴の管理機能では、商品の入庫と出庫に関する履歴を詳細に記録し、追跡できます。製品の受注から出荷までの全プロセスが透明化されるため、誤差を最小限に抑えられます。

受発注データを正確に記録することで、在庫の変動をリアルタイムで追跡し、品切れや過剰在庫を防ぎます。また、出入荷履歴は品質管理やリコール対応にも役立ち、製品の安全性と信頼性を確保する上でも重要です。

POSシステムを導入している業種

POSシステムは、主に小売業や飲食業などでPOSレジと連動させて利用されています。具体的な職種・店舗を以下にまとめました。

  1. コンビニエンスストア
  2. スーパー
  3. 外食チェーン店

もちろん、上記以外にも多くの店舗で利用されていますが、扱っている商品と顧客数が多い業種での導入が特に進んでいます。最近では、小売店向け・飲食店向け・美容院向けのような業界に特化したものもあり、利便性が高まっています。

在庫管理にPOSシステムを利用するメリット

POSシステムを在庫管理に活用することには、業務の効率化をはじめ、人件費削減など数多くのメリットがあります。以下では、在庫管理にPOSシステムを利用するメリットについて解説します。

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店舗の売り上げを一括管理できる

POSシステムはクラウドベースで動作することが一般的で、データがリアルタイムで共有されます。そのため、全ての店舗の売り上げデータや在庫情報を中央データベースで一元管理できます

複数店舗におけるリアルタイムの売り上げデータを一元的に管理できるため、商品の売れ行きや需要傾向を把握し、迅速な補充や価格調整が可能です。在庫数も効率的に管理でき、品切れや過剰在庫を最小限に抑え、在庫コストを削減できます。

業務を効率化できる

POSシステムを活用することで、多くの業務が効率化されます。最も効率化されるのは、レジ業務です。会計時にスタッフが計算をする必要がないため、スムーズなレジ取引が行え、作業負担が軽減されるとともにヒューマンエラーを防ぎます

また、売上データが自動的に集計されるため、売れ筋商品や需要トレンドの把握も容易です。POSシステムの導入は、在庫管理業務や発注の担当者だけでなく、店舗の従業員全員にとってメリットがあります。

在庫の過不足を防げる

POSシステムにより、在庫数や売れ行きなどを正確に把握できるため、在庫の過不足が起きにくいです。従来の在庫管理の方法では、在庫数の正確な把握が難しく、売れ行きには発注者の体感が含まれがちでした。

しかし、POSシステムはそれらを正確な数字で確認でき、個人の体感や確認漏れなどによる在庫の過不足を防ぎます。欠品の多さは顧客の満足度を低下させ、在庫過多はロスの発生などによる損失を生みます。

そのため、常に適切な在庫を保てるというPOSシステムの特徴は、店舗の運営において大きなメリットと言えます。

売上データの分析ができる

POSシステムは毎日の取引情報を正確に記録し、売上・売れ筋商品・時間帯別の売上データなどをリアルタイムで提供します

例えば、売上が季節によってどう変わるか、新商品への反応はどうか、顧客がどのようなサービスを求めているかなどを把握できます。また、在庫の売れ行きをモニタリングし、需要予測を精密に行うことも可能です。

これらの分析は戦略的な意思決定を後押しして、売上の向上にも役立ちます。結果的に、市場における自社の競争力も高まるでしょう。

脱属人化・人件費削減になる

受発注などの特定の業務を一部の人材に依存していると、属人化が進み、社内全体の効率を低下させてしまいます。しかし、POSシステムを導入することで、属人化を解消できます。

POSシステムは自動的に在庫データを収集し、従業員の個人的な判断に左右されず、正確な在庫情報を提供します。結果、誰でも均質的な在庫管理が可能となり、適切な受発注や顧客対応ができるようになります。

在庫管理にPOSシステムを利用するデメリット

POSシステムには、停電時に使用できないことや、コストがかかる点など、把握しておくべきデメリットもあります。以下では、在庫管理にPOSシステムを利用するデメリットを解説します。

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停電時にシステムが利用できない

POSシステムのデメリットの1つは、停電時にシステムが停止するリスクがある点です。停電中はシステムの稼働が停止するため、売上データの受付や在庫管理が一時的に困難になり、業務への影響が生じます。

対策としては、UPS(無停電電源装置)を導入し、短時間の停電でもシステムが稼働し続けるようにするのが一般的です。また、クラウドベースのPOSシステムを利用することで、リモートアクセスが可能となり、停電時でもデータにアクセスできます。

コストがかかる

POSシステムの導入時には、ハードウェアの購入やソフトウェアのライセンス料、カスタマイズなどの初期費用がかかります。また、運用時には、システムの保守・更新、セキュリティ対策、サポート契約などのランニングコストが発生します。

ただし、運用においては人件費削減が可能です。POSシステムは、自動化された在庫管理や売上データの収集・分析を行い、従業員の作業を効率化します。そのため、従業員の業務負担が軽減され、労働コストを削減できます。

したがって、初期投資や運用コストがかかる一方で、人件費削減の長期的なメリットも見込まれることも考慮しておきましょう

定期的に突き合わせ作業が必要

POSシステムを効果的に運用するためには、定期的に突き合わせ作業を行う必要があります。突き合わせ作業とは、2つのデータを突き合わせて間違いがないかを確認することを指します。

POSシステムでは、自動的に在庫データを一元管理でき、手作業による在庫管理よりもミスを減らせます。しかし、システムを扱う担当者が操作ミスをすると、実際の在庫数とPOSシステム上の在庫数にズレが生じる恐れがあります。

そのため、定期的に実際の在庫数とPOSシステムの在庫データを突き合わせて、数値や情報に間違いがないかを確認する作業が必要です。これには手間と時間がかかりますが、データにズレがあると店舗の収益にも影響があるため、重要な作業と言えます。

情報漏洩の対策が必要

POSシステムでは、在庫情報だけでなく顧客情報や売上情報なども管理します。基本的にインターネットに接続して利用するPOSシステムは、ハッカー攻撃など外部からの攻撃を受けやすく、システム内で管理する情報が漏洩するリスクがあります。

特に顧客情報が漏洩すると、店舗や企業の信頼性にも影響が出るため、強固なセキュリティ対策が重要です。最近では、データを暗号化することで第三者からの盗み見を防げるシステムも多く提供されています。

POSシステムを導入する際は、どのようなセキュリティ対策が施されているのかを必ず確認しましょう。また、システムを操作する従業員にデータの取り扱いに関する教育も行うことが重要です。

POSシステム以外で在庫管理を行う方法

POSシステム以外で在庫管理を行う方法も数多くあります。これらの方法は、規模や業種に合わせて選択する必要があります。以下では、POSシステム以外の在庫管理方法について解説します。

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POSシステム以外で在庫管理を行う方法

  1. 在庫管理表
  2. Excel
  3. 在庫管理システム

在庫管理表

在庫管理表は、手書きで在庫データを記録・管理する方法です。通常、商品名・品番・数量・入出庫日などの情報を表にまとめ、更新や調整を行います。この方法は、低コストで導入も容易ですが、人的エラーや記入ミスが頻繁に発生しやすい点に注意が必要です。

また、リアルタイムな情報共有が難しいこともデメリットです。手書きでの在庫管理は効率が低く、大量の商品や複数店舗がある場合、時間と従業員の負担が増えます。

Excel

Excelを使用した在庫管理は、一般的な方法です。Excelシートに商品情報・数量・日付を入力し、更新・調整を行います。Excelは使い慣れたツールであり、扱いやすいですが、手動入力に依存するためヒューマンエラーが頻発します。

大規模な在庫を管理する場合、データの整合性が損なわれやすく、ファイルも重くなりやすいため、作業の遂行に時間がかかります。また、セキュリティやデータバックアップの面で不安定な側面もあります。

在庫管理システム

在庫管理システムは、商品情報・数量・入出庫履歴などのデータを一元管理できるシステムです。情報がリアルタイムで更新されるため、正確な在庫管理ができます。売上データの分析や需要予測、自動発注などの高度な機能が備わっており、効率的な業務運用が可能です。

在庫の過不足を効果的に防ぐため、顧客満足度向上にも繋がります。さらに、バーコードスキャンやRFID技術を活用した追跡可能で、在庫管理にかかる工数を大幅に削減することができます。

おすすめの在庫管理システム8選|選び方や導入手順を詳しく解説

在庫管理システムは、在庫の情報を効率的に管理し、正確な在庫状況を把握することができるツールです。システムの導入をしたくても種類が多くてどれを選べば良いか分からない企業もあるでしょう。本記事では、おすすめの在庫管理システムと選び方を解説しています。

在庫管理システムの機能

在庫管理システムには、在庫管理以外にも様々な機能が搭載されています。主要な機能は以下の通りです。

機能概要
在庫一覧機能保管場所ごと・商品ごとに在庫数を管理する機能
入出庫管理機能入出庫数の管理や商品の検品を行う機能
返品管理機能商品が返品された場合に必要なデータを修正する機能
棚卸機能現物の商品数量とデータが一致しているかを
確認する機能
在庫分析機能商品の売れ行きや入荷すべき数量などを分析する機能

上記の他、在庫切れの際にアラートで知らせてくれるものや、食品業界向けに賞味期限管理ができるものなどもあります。

在庫管理システムの選び方

在庫管理システムを導入する際は、以下のようなポイントに注目し、自社の業種やニーズに合ったものを選ぶことが重要です。

  1. 必要な機能があるか
  2. 既存システムと連携できるか
  3. 誰でも操作しやすいか

上述のように在庫管理システムには様々な機能があるため、自社の課題や目的に合わせて、必要なものを搭載しているか確認しましょう。既存のPOSシステムや販売管理システムなどと連携できるかどうかも重要なポイントです。

また、現場で操作する担当者が使いやすいかどうかも確認すべきです。無料トライアルやデモを利用して、インターフェースが見やすいか、スムーズに運用できそうかをチェックしておきましょう。

まとめ

POSシステムは、商品の販売情報や在庫情報などさまざまなデータを管理でき、販売プロセスの効率化を図れるシステムです。POSシステムを在庫管理に活用すると、店舗の売上を一括で管理でき、商品の売れ行きや需要を把握しやすく、適正な在庫維持につながります。

また、自動的に在庫情報を収集するため、従業員のスキルによる業務の属人化を防止でき、スムーズな業務の遂行が可能です。

しかしその一方で、停電時に利用できなくなる恐れや情報漏洩が発生するリスクもあるため、適切な対策が必要です。本記事を参考に自社に合ったPOSシステムを導入し、適切な在庫管理を行いましょう。

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