オンライン商談でよくあるトラブルとは?対策や成功のポイントも解説

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  • オンライン商談は、通信環境やコミュニケーションなどに関するトラブルが起こりやすい
  • トラブルを予防するには、通信環境の整備や事前のロールプレイングが有効である
  • ツールの操作方法は相手にも事前共有しておき、商談中は自分から会話を切り出す

リモートワークなど多様な働き方が普及し、オンライン商談を導入する企業が増えてきています。しかし、オンライン商談は対面と異なるトラブルもあり、戸惑うことも多いでしょう。この記事では、オンライン商談でよくあるトラブルや予防対策、成功のためのポイントを解説します。

目次

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  1. オンライン商談でよくあるトラブル
  2. オンライン商談でトラブルが起きる理由
  3. オンライン商談のトラブル予防対策
  4. オンライン商談を成功へ導くポイント
  5. まとめ

オンライン商談でよくあるトラブル

近年は、ネットワークやITの発展により、リモートワークやオンラインミーティングなどが盛んに行われています。また、インターネットを介して物理的な場所に出向かずに、デジタルプラットフォームを使用するオンライン商談の需要も高まりつつあります。

オンライン商談は、自宅やオフィスからビデオカメラとマイクを通じて、顔を見ながら対話し商談を進めるものです。従来のように実際に対面して進める商談と異なり、まだ過渡期ということもあり、戸惑うことやいくつかのトラブルが発生しやすいのが現状です。

本記事では、需要が高まりつつあるオンライン商談でよく発生するトラブルや予防対策、成功に導くためのポイントなどを解説していきます。最初に、オンライン商談でよくあるトラブルとして、以下の6項目について詳しく解説します。

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商談を忘れる

オンライン商談におけるトラブルの1つとして、商談自体を忘れることが挙げられます。商談の日時を覚えておくためには、リマインダーが非常に重要です。通常、使用するアプリやソフトウェア上でスケジュールを設定しておくのが一般的です。

しかし、スケジュールの日時を間違えて正確に設定されず、リマインダー機能がうまく作動しないことがあります。また、複数のオンライン商談が予定されている場合や、ビジネスチャットやメールの量が多すぎて、忙しさに追われてつい忘れることも起こり得ます。

さらに、オンライン商談では異なる地域や海外の相手と行う場合があり、タイムゾーンやサマータイムなどの時間のズレで混乱することもあります。複数の参加者が異なるタイムゾーンにいる場合も、日時の計算が複雑になりミス発生の可能性が高まります。

通信環境が不安定

オンライン商談を行う際に、通信状況が不安定な環境では、音声データが正常に伝送されず、音声が途切れたり相手の声がエコーとして聞こえたりすることがあります。この現象は、意思の疎通を困難にし、商談の進行を妨げます。

また、通信環境の不安定さによってビデオ映像の乱れや、フリーズも起きます。このトラブルにより、相手の表情やジェスチャーを見ることができなくなり、コミュニケーションの質が低下し、商談を円滑に進められなくなります。

さらに深刻な問題として、通信状況の問題で質が低下し、接続自体が途中で切れることが挙げられます。これにより、オンライン商談そのものが中断されて再接続や修復に時間がかかり、商談を続行できないことがあります。

ツールの操作に手間取る

オンライン商談の当事者がツールの操作に慣れていない場合には、閲覧する資料の表示やURLの共有に時間がかかることがあります。また、資料がうまく見つからず、共有するのに時間がかかる場合や、間違った資料を共有してしまうことも起こり得ます。

間違いに気が付けば謝罪と訂正ができますが、気が付かず続行してしまうと、商談相手に誤解が生じ、商談の内容が不正確となり、後に問題が起きることがあります。

そのため、商談の前に資料やURLを共有するほか、チャット機能などのテクニカルな要素を確認するための時間を確保し、テストやリハーサルなどの事前準備を行って慣れておくことが重要です。

コミュニケーションが難しい

オンライン商談では、対面での商談に比べて相手の表情やリアクションを完全に捉えることが難しく、意思疎通が不完全になりがちです。これにより、相手の反応をみながら適切な提案をしたり、ほかの話題を切り出したりするのがどうしても難しくなってしまいます。

オンライン商談中にコミュニケーション上の問題が発生する例として、音声や映像の途切れ・ネットワークの不安定さ・オーディオの遅延などがあります。これらの問題は相手の集中力が落ちやすくなり、商談の流れを妨げる原因にもなります。

周りの騒音に妨害される

オンライン商談が周りの環境音などに妨害されることがあります。例えば、他の社員の会話の声や電話のベル・交通騒音・ペットの鳴き声などの騒音が聞こえることがあり、商談内容に混乱が起き、商談の質が低下するとともに相手に迷惑をかけてしまいます。

オンライン会議ツールは、ノイズやエコーを最小限に抑えるための音声キャンセル機能を備えています。ただし、騒音が非常に大きい場合や多くの騒音が同時に聞こえる場合には、この機能にも限界があり、商談が妨げられる可能性があります。

PCやスマホの電源が切れる

ノートPCやスマートフォンを使用してオンライン商談を行う場合、バッテリーの寿命が限られているため、充電切れが発生する可能性があります。また、うっかり充電を忘れてそのまま商談を開始してしまい、充電切れで商談が中断することもあります。

商談が予想以上に長引いたり連続的に複数の商談が行われたりすると、デバイスのバッテリーが消耗してしまい、充電切れの危険性が高まります。

充電切れになると商談が急に中断され、コミュニケーションが途絶えることにもなり、相手に不満が残り、プロフェッショナルな印象を損ねることにもなります。

オンライン商談でトラブルが起きる理由

オンライン商談でよくあるトラブルはさまざまですが、そのほとんどが以下の2つが原因です。ここからは、オンライン商談でトラブルが起きる理由について解説します。

商談環境が整っていない

不安定な通信状況や騒音などのトラブルは、オンライン商談を行う環境が整っていないことが原因です。商談をする営業担当社員のスキルではなく、オンライン商談を行う場所に問題があります

安定した通信が行える静かな部屋を用意すれば防げるトラブルのため、改善や対策が行いやすいと言えます。ただし、通信環境の整備や静かな場所の確保にはコストがかかることが多いため、容易ではあるものの費用が必要な点に注意が必要です。

ロールプレイング不足

オンライン商談でのトラブルの多くは、練習不足が原因で起こります。ツールの操作に手間取るといったトラブルは、操作方法のレクチャーだけでなくロールプレイングを行うことで防げます

どのような学習においてもアウトプットが重要と言われているように、ロールプレイングでアウトプットの機会を増やすことは非常に有効です。

ロールプレイングでは操作方法だけでなく商談内容の改善点を発見する機会にもなるため、繰り返し練習することをおすすめします。

オンライン商談のトラブル予防対策

オンライン商談を行う場合には、前章で解説したようなトラブルの発生が予想されます。そのため、これらのトラブルを未然に防ぎ相手に迷惑をかけない対策が必要です。ここでは、予想されるトラブルを防ぐ対策として下記の6項目の詳細を解説します。

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予定を通知するよう設定する

オンライン商談のトラブルとして、通知の確認ミスで相手が商談に参加できなかったというケースがよくあります。一般的なメールによる確認通知だけだと、商談の多い取引相手の場合には多くのメールに通知が埋もれてしまい、商談日程を見過ごすこともあります。

商談の日程が確定したら、相手に確認のメールやメッセージを送信し、日程を共有しましょう。この時には、商談の日時・時間帯・オンライン会議ツールのリンクおよび連絡先などの詳細情報を提供します。また、確認メッセージを返信してもらうことも重要です。

相手がカレンダーアプリケーションを使用している場合には、商談の日程を追加してもらい、また、リマインダー通知を送付することも大事です。通知は商談の前日や当日の朝に送付し、相手が日程を忘れないようにサポートします。

通信環境を整える

オンライン商談においては、安定した通信環境が極めて重要です。安定した通信環境によるオンライン商談は相手側にプロフェッショナルなイメージを与え、信頼性を高めるのに役立ち、結果として成果のある商談が行えます。

そのためには、オンライン商談前に会議ツールを使用して音声や映像の質のテストを行い、マイクやカメラが正常に動作して音声がクリアか・映像が鮮明かなどを確認しましょう。オンライン商談はリアルタイムで行われるため、クリアな音声と映像の伝送が必須です。

通信環境は種々の対策をとっても、不安定になることが多い部分です。そのため、脆弱な通信機能を利用しないことも必要です。スマートフォンのテザリングや、ポケットwi-fiなど、通信速度やパケット量などに不安が残る通信手段はできるだけ避けることが大事です。

ツールの操作を練習しておく

オンライン商談において、資料の共有や画面共有がスムーズに行えるよう、事前に操作の練習をしておくことは非常に重要です。また、資料やURLを事前に準備し、商談前に共有しておくことも効果的です。

オンライン商談のツールを実際に使用し、商談の資料の表示や共有する方法を練習しましょう。繰り返しの練習により、資料の共有機能やアップロード手順が理解でき、本番でもスムーズに行えるようになり、商談自体も円滑に進行できます。

また、カメラやマイクの設定を確認し、映像と音声の品質を最適化しましょう。音の大きさや映像の明るさ・背景の整理・ノイズリダクション・エコーキャンセルなどの設定を調整し、クリアなコミュニケーション環境を実現しましょう。

ロールプレイングで本番に備える

オンライン商談では、事前に社内でチームメンバーに協力してもらい、ロールプレイングや練習を行うことは非常に効果的です。オンライン環境では言葉や声の表現が特に重要なため、話し方やスピードを工夫することで相手にわかりやすく伝えられます。

カメラによる映像の映り方は、自分の姿勢や表情、背景に影響を与えます。好印象を与えるためには、映像に注意を払うことが大切です。適切な照明を確保し、カメラの高さや角度を調整して顔が明るく鮮明に中心に映るようにすることが大事です。

また、商談の冒頭での挨拶や話し方はスムーズな商談を始めるために重要な要素のため、話の内容やスピードを事前にチームメンバーにチェックしてもらいましょう。自然な会話はリラックスした雰囲気を作り、相手の緊張を解き、商談をスムーズに進められます。

静かな環境を用意する

騒音が少ない環境でオンライン商談を行うことは、相手の発言の聞き逃しや自分の声が相手に届かないことを防ぎます。また、商談の内容をクリアに伝達でき、オンライン商談自体の質を向上させ、効果的に行えます。

騒音のない場所を確保するには、専用の会議室を使用することが最も効果的です。会議室の中では騒音が遮断され、静寂が維持されて商談に相応しい場所として利用できます。また、背景にも気を付けて乱雑な印象などが映らないようにしましょう。

給電できる環境を用意する

ノートPCやスマートフォンを使う場合には、できるだけコンセントの近くで使用するようにしましょう。電源コードを繋ぐことで、バッテリーの減少を抑えることができます。また、外部で商談を行う場合には電源コンセントがある場所を選ぶようにしましょう。

商談を始める前にノートPCやスマートフォンのバッテリー残量を確認しておくことも大切です。また、商談や会議が長時間にわたる場合に備えて、モバイルバッテリーやポータブル充電器を用意しておくと安心です。

電源切れを防ぐためにコンセントの利用やモバイルバッテリーの使用、バッテリー残量の確認、パワーセービングモードの設定など、適切な対策を講じることが重要です。事前の準備と注意を怠らないことで、充電切れを防ぐことができます。

オンライン商談を成功へ導くポイント

オンライン商談を成功へ導くためには、事前に考慮すべきいくつかのポイントがあります。

ここでは、その中の重要な以下の5つのポイントについて、それぞれ詳細を解説します。

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ツールの操作方法は相手にも事前共有する

オンライン商談を成功へ導くためには、ツールのマニュアルで操作などを理解し、事前に慣れておくことが重要です。同時に、商談の相手にも操作方法マニュアルを共有することにより、相手も操作方法を理解できるため、商談がスムーズに行われます。

その際、実際の画面イメージや説明文を含めて段階的に操作方法を説明しましょう。視覚的な情報と説明文の組み合わせにより理解しやすくなります。また、問題やトラブルへのガイドも含めると効果的で、相手が自力で問題に対処できるようになります。

可能であれば、事前に商談ツールのテストセッションを設けて、相手が商談前に練習できる機会を設定しましょう。これにより、双方でツールに慣れることができ、自信を持って商談の本番に臨むことができます。

自分から会話を切り出す

オンライン商談の最初の会話としてのアイスブレイクは、商談の冒頭でリラックスした雰囲気を作り出すのに役立ちます。特に相手が緊張している場合は、何気ない会話が相手の緊張を和らげて、商談をスムーズにスタートすることができます。

最初に商談の冒頭で挨拶と自己紹介を行い、相手に商談の機会を作ってくれたことへの謝意を表しましょう。また、相手のいる地域の天気や近況などの話題についての軽いトピックを投げかけ、コミュニケーションを始めましょう。

相手の発言に対して耳を傾け、話し終わるまで待ち、共感を示しフィードバックを提供しましょう。相手の話に同意や理解を示すことは、良好なコミュニケーションの基盤となります。相手の興味ありそうな話題には質問などを投げかけ、会話を弾ませましょう。

全体の流れを最初に説明する

オンライン商談の冒頭で大まかな議題や時間の流れを説明することにより、相手は商談の進行や時間を予測でき、何が期待されているのかを理解します。これにより、商談の透明性が高まり、相手側の不安や疑念が低減します。

また、商談の進行順序を説明して、どの議題が最初に取り上げられ、その後の流れがどうなるかを説明しましょう。各議題やセクションの予定時間を共有し、商談全体の所要時間を伝えます。これにより、相手は時間を管理しやすくなります。

オンライン商談中に相手が質問や疑念が生じた場合は、いつでも質問を受け付けることを告げましょう。相手の質問や懸念事項に応えて解決することで、相手は安心感を得て、商談の内容も充実します。

次回のアポを取る

オンライン商談を成功へ導くために、商談が曖昧なまま終わらないように次のアポイントメントを取ることは大事なポイントになります。次のアポにより商談や取引の継続的な進行を可能にします。商談が継続しないと、取引が停滞することになります。

次のアポの日程を決める際は相手の都合を尊重し、できるだけ調整しやすい日程を選んで柔軟性を持った対応が理想です。また、次回の商談に向けて議題や目標を共有し、双方で準備できるようにしましょう。

さらに、商談後に議事録を作成して双方で共有し、共通認識を持つことが重要です。次回のアポに向けて日程などの確認メールやメッセージを送ることも大切で、確認や質問事項への対処のために相手との連絡をキープしましょう。

オンライン商談を録画して改善に繋げる

オンライン商談ツールの中には、録画機能が搭載されているアプリやソフトウェアも多いです。録画した商談の内容を視聴することにより、改善点などを見つけ次回の商談に活かすことができるので非常に効果的です。

録画を見ることにより、自身の商談スキルやプレゼンテーション能力を客観的に評価でき、改善点を発見できます。また、相手の表情や反応を録画で確認でき、興味を引く事項や誤解が生じた箇所を特定し、対策を考えるのに役立ちます。

ただし、商談を録画する場合にはプライバシーや法的規制の観点から、事前に相手の許可を得ることが重要です。また、録画は新しいメンバーや営業担当者のトレーニング材料として活用でき、成功事例や改善事例を共有し、社内のスキル向上が図れます。

まとめ

オンライン商談にはさまざまなトラブルが発生する可能性があります。通信環境の不安定さによる音声や映像の途切れ・騒音や環境音による妨害・デバイスの充電切れだけでなく、商談の日程忘れや相手への通知忘れなどもよく挙げられるトラブルです。

これらのトラブルを防止するために、通信環境の確認や安定化・オンラインツールの使い方の練習・静かな場所での商談・デバイスの電源管理・日程のリマインダーの設定・相手への日程通知などの対策が有効です。

オンライン商談を実施する場合には、本記事を参考にされて、予測されるトラブルを未然に防止し、実りあるオンライン商談を行いましょう。

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