ビジネスチャットにおけるマナーとは?避けるべきポイントも解説

Check!

  • ビジネスチャットは過去のメッセージが見つけにくいため、検索しやすい言葉を含める
  • 休みの日や深夜などにメッセージを送る際は、お詫びの言葉や簡潔な内容を意識する
  • 何時から何時までメッセージを送っていいかなどチャットを利用する際のルールを決める

ビジネスチャットはメールよりも気軽に使えるため、業務と関係ない内容やカジュアルな言葉遣いになってしまうこともあります。本記事では、ビジネスチャットを利用する際に知っておきたいマナーや避けた方がいいこと、ビジネスチャットを利用する際のルールを解説しています。

目次

開く

閉じる

  1. ビジネスチャットを利用する際のマナー
  2. ビジネスチャットで避けた方がいいこと
  3. ビジネスチャットを利用する際に決めておくべきルール
  4. まとめ

ビジネスチャットを利用する際のマナー

ビジネス環境でのコミュニケーションや情報共有に便利なツールとして、ビジネスチャットツールがあります。基本的には社内のコミュニケーションを目的に使用されますが、マナーを意識することも重要です。

本記事では、ビジネスチャット利用時のマナーや避けるべき事柄について解説します。まずは、チャット利用時の基本的なマナーや注意点について以下に解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

敬語を使う

敬語や場に合った言葉遣いを選ぶことは、ビジネスの基本的なマナーですが、ビジネスチャットにおいても同様です。ビジネスチャットはメールと比較すると手軽に利用しやすいですが、それだけに言葉遣いへの配慮が足りなくなるケースもあります。

リアルタイムなコミュニケーションの中でも相手を尊重し、プロフェッショナルな印象を保持するためにも、敬語を心がけましょう。また、急いでメッセージを送信すると誤字脱字が起こりやすくなります。

誤字脱字によって、本来伝えたい意味とは全く異なる意味に捉えられてしまうことがないよう、送信前に自分の文章を読み返すことも大切です。

一方で、ビジネスチャットではリアルタイムのやり取りを重視することから、時候の挨拶は不要です。伝えたい内容を簡潔に記述しましょう。

レスポンスは早めにする

ビジネスチャットは、相手からのメッセージに素早く反応できるのが特徴です。ビジネスチャットは迅速なレスポンスが求められる傾向にあることから、返信が遅れたことで相手の業務を中断させる状態を生みかねません。

可能な限り早く返信することは相手への尊重の表れであり、信頼関係の基礎となります。しかし、返信やチャットの通知に気を取られ過ぎて自分の業務が中断されるのも良くありません。即座に回答できない場合は、いつまでに回答するかを伝えるようにしましょう。

通知の確認も自分のルールを設けて、「特定の時間帯にまとめる」「小休憩時に確認する」など、自分にとって無理がなく相手を待たせ過ぎないバランスで行うことが大切です。

定型文は避ける

ビジネスチャットでは、定型文・挨拶文・署名などを省略する方が好まれます。「お疲れ様です」「お忙しいところ恐れ入ります」などの文章は、相手にもフォーマルな返信を求めることになり、お互いに時間効率が悪くなってしまいます。

もちろん、メールのようにフォーマルな文章を記載することが望ましいケースもありますが、即時性の高いビジネスチャットでは基本的に冗長な文章は避けましょう。言葉遣いに乱れがなく、要点を的確に伝えることがビジネスチャットにおける礼儀となります。

ただし、ビジネスチャットを導入し始めたばかりだと、フォーマルな文章が礼儀だと思う方も少ないため、注意や指摘によって相手を否定することがないよう気をつけましょう。事前にチャットの利用方法やマナーを共有しておくのも1つの方法です。

検索しやすい言葉を文章に交える

ビジネスチャットの多くは検索機能を備えており、過去のメッセージをキーワードで瞬時に検索できます。多くのメッセージを重ねると、一部の重要なメッセージが過去のメッセージに埋もれやすいため、検索機能は重宝します。

検索機能を有効活用するためには、検索しやすい言葉を文章に交えることです。ただし、すべてのメッセージに同じ検索ワードを盛り込むと検索機能の意味がなくなるため、重要な内容だけに絞ったり、内容別に検索ワードを変えたりといった工夫が必要です。

検索機能は、自分が送ったメッセージよりも相手からのメッセージを検索する機会の方が多いと考えられるため、相手にとって検索しやすいメッセージの作成を心がけましょう。

返信と反応の使い分けを適切に行う

ビジネスチャットには、リアクション機能が搭載されています。「ありがとうございます」「承知しました」などの文章の代わりにスタンプや絵文字で反応を示す機能です。相手からのメッセージに対して確認したことを示す場合、文章で返信するよりも効率的です。

特に多くの人が同じチャットグループでコミュニケーションを取る場合はメッセージの流れが早いため、リアクション機能は情報の受け取りや確認をスムーズにしてくれます。

ただし、絵文字によるリアクションを好まない発信者や組織の場合は、事前に使い方を確認しておきましょう。また、チャットグループの性格やメッセージの文脈などを捉えて、返信と反応を適切に使い分けることが大切です。

誰宛のメッセージなのか明確にする

ビジネスチャットツールは部署やチームなど、複数人が参加してコミュニケーションを取っていることが多いため、メッセージを送信する際は誰に向けたものなのかわかるようにしましょう。

誰宛のメッセージなのかわからない場合、無関係なユーザーに「自分が関係しているかも」といった誤解を与えてしまう上に、メッセージを読んでほしい相手の目に留まらない可能性があります。

メンション機能は誰に向けたメッセージなのかを明確にでき、対象のユーザーには通知が届きます。反対に、メンションに含まれていないユーザーは自分には無関係であると即座に判断できるため、送信時はメンション機能を活用しましょう。

ビジネスチャットで避けた方がいいこと

ビジネスチャットにおける基本的なマナーについて前述しましたが、ここでは、マナー違反になりやすい事柄について解説します。以下に解説する内容はいずれもビジネスシーンでは好ましくないものであり、ビジネスチャット利用時には気をつける必要があります。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

メッセージに返信をしない

前述の基本的なマナーでも解説しましたが、相手のメッセージに対して返信が過度に遅れると、内容次第では相手の業務が中断する恐れがあります。ましてや、返信をしない(無視する)行為は、相手との信頼関係に大きく影響するリスクがあるため、避けましょう。

意図的に無視したわけではなくても、返信が何日も遅れてしまったり、業務に追われて返信を忘れてしまったりと、結果的に無視と同等の行為になってしまう場合もあります。一般的には24時間以内の返信が理想的で、遅れる場合には事前に理由を添えて伝えましょう。

その際は理由を述べるだけでなく、回答期限について相手の了承を得るようにします。また、メッセージの返信を忘れないよう、ビジネスチャットに備わっているリマインダー機能を活用することも視野に入れましょう。

業務時間外のメッセージ

ビジネスチャットは迅速なコミュニケーションを図りやすい特徴があるだけに、業務時間外のメッセージ送信は慎重に検討しましょう。相手に対して重要性・緊急性の高いメッセージがある場合を除き、プライベートと仕事のバランスを守るために避けるべきです。

どうしても業務時間外に送る必要性に迫られている場合はお詫び文を添え、対面の機会に改めて謝罪するようにします。ただし、そもそも本当に緊急性が高い内容なのかは、送信前に改めて検討しましょう。

よくある例として、相手の回答を得られないと取引先に迷惑がかかるケースがありますが、本来は業務時間内で確認しておくべきことです。休日や深夜に相手に返信のプレッシャーを与えないよう、業務時間内で行う優先順位を正しく把握することが大切です。

結論を先に述べない

ビジネスチャットにおいて、結論を後回しにするメッセージは避けましょう。内容量に関わらず最初に結論を提示することで、相手は「自分がどのような回答または対応をすべきか」の思考の準備ができ、その後に続く文章を理解しやすくなります。

最初に長い前置きの文章を置いてしまうと、相手は文章の要点がどこかがわからないまま全文を読むことになり、大きな負担になります。また、伝えたい内容をできるだけ短い文章にまとめる努力も大切です。不必要な情報や無駄な言い回しは避け、簡潔にまとめましょう。

長い内容になる時は、複数回のやりとりで最初に結論や概要だけ伝え、相手からの質問に対して詳細な内容を順に伝えていくのも1つの方法です。重要な内容の場合、状況の詳細な経緯まで伝えがちですが、相手にとって本当に必要な情報かどうか検討することも大切です。

業務に関係ない内容

ビジネスチャット上で業務とは無関係な話題が展開されると、重要な業務情報と混ざってしまい、連絡内容の整理が煩雑になります。また、一部の関係者だけで共有される重要な情報が漏れたり、雑談によって業務の進行が遅れたりするなどのデメリットもあります。

一方で、雑談はコミュニケーションを豊かにし、チームとして柔軟な対応ができる可能性も秘めており、一概に否定できるものではありません。実際に、チームメンバーとの良好な関係を構築するために、ビジネスチャットが利用される場合もあります。

ただし、雑談を目的とする場合は、雑談専用のルームを作成しておき、業務連絡と混同しないようにしましょう。また、業務と雑談のバランスをとることや、情報漏えいの観点から業務上の重要な話はしないなど、適切に雑談を行うためのルール作りも大切です。

即返信を求める

レスポンスの早さが求められるビジネスチャットでも、即返信を求めるのは避けましょう。優先度の低いメッセージ内容で即返信を求めると、相手の業務効率を低下させる可能性があります。

ビジネスチャットはリモートワークなど離れた場所にいる相手とのやり取りが多く、リアルタイムで何をしているか把握しにくいため、配慮が必要です。納期やトラブルなどで即返信が必要な場合は、電話でのやり取りがおすすめです。

ビジネスチャットを利用する際に決めておくべきルール

ビジネスチャットを効果的に利用するためには、利用のルールを定めましょう。チャット利用を個々の価値基準に任せると、情報の整理やチャットの管理が困難になります。ここでは、ビジネスチャットで決めておくべき基本的なルールを解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

ビジネスチャットを利用する際に決めておくべきルール

  1. チャットの利用時間
  2. ユーザー名・プロフィールの内容
  3. チャットルーム内の権限

チャットの利用時間

チャットの利用時間をルール化することは、業務とプライベートの境界を明確にし、サービス残業や長時間労働防止の観点で重要です。従業員のワークライフバランスを考慮し、パフォーマンスを低下させないよう、チャットの利用時間を決めておきましょう。

ビジネスチャットツールは、スマホでも利用できるようアプリ版があることも多いです。しかし、私用スマホにアプリをダウンロードすると仕事とプライベートのバランスが悪くなりやすいため、スマホでの使用の可否も定める必要があります。

緊急時の対応についてもルール化し、どのようなケースが緊急時に相当するのかについても定義しましょう。緊急なら利用時間外でも連絡が許容されることになりますが、緊急連絡が起こる状況を作らないような日常業務のルールを見直すことも大切です。

ルールを設定したら、すべてのメンバーが遵守できるようにルールを共有します。部署やプロジェクトによっては業務の性質上、利用時間が固定されると不便な場合もあります。その場合は例外や調整の仕組みを用意することも重要です。

ユーザー名・プロフィールの内容

ビジネスチャットでは、ユーザー名を実名にし、役職や所属部署などをプロフィールに設定しておくことが推奨されます。これは、発言者が誰なのかを識別しやすくするためです。また、グループ名を部署やプロジェクト名にすることも、何のグループかを明確にします。

ユーザー名・プロフィール・グループ名に関する規則化は、連絡時の効率性を向上させます。連絡を受けた人が、その連絡が誰からなのかがすぐにわかることが重要です。顔写真を設定することも、発言者の迅速な識別に役立ちます。

ただし、プライバシーやセキュリティの観点から、個人情報を他者と共有する際には慎重に執り行い、不必要な情報をユーザー名やプロフィールに設定しないようにしましょう。

チャットルーム内の権限

ビジネスチャットにおける権限の設定は、チャットルームの秩序を保ち、効率的に利用する上で重要です。権限を適切に設定しておかないと、グループに無関係の人が発言したり、重要な情報が漏れたりと、業務上の混乱を招きかねません。

権限は「管理者」「メンバー」「閲覧のみ」の3種類に分かれ、「管理者」はチャットグループを作成し、メンバーの追加・削除や権限の変更などができます。「メンバー」はグループに所属し、メッセージを送受信して業務に参加できる権限です。

「閲覧者」は、チャットの閲覧のみが許可されています。発言はできませんが、情報共有が必要な場合に有用です。管理者は権限設定を慎重に行い、ビジネスプロセスに合わせて、適切なアクセス制御を実施しましょう。

まとめ

ビジネスチャットのマナーは、効率的な業務の実現を左右する1つの要素です。早めの返信・簡潔な文章・業務時間内でのやりとりなど、マナーを守ってビジネスコミュニケーションの質を高めましょう。

また、チャットを効果的に利用するためにはルール作りも大切です。ユーザー名やプロフィールは識別しやすいものにし、権限の設定も適切に行うようにします。本記事を参考に円滑で業務効率向上に寄与するビジネスチャットの利用を心がけてください。

Share

top