チャットボットの種類|AIチャットボットとシナリオ型の違いを解説

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  • チャットボットは、主にAI搭載型(AIチャットボット)とシナリオ型に分けられる
  • チャットボットは、選択肢型や辞書型といった、仕組みによっても種類が分けられる
  • チャットボットを選ぶ際は、自社の目的に沿った機能や費用面を確認することが重要

チャットボットには、大きく分けて「AI型(AIチャットボット)」と「シナリオ型(ルールベース型)」があります。この2つの違いはAI搭載の有無です。本記事では、チャットボットを仕組みや機能で分類し、種類ごとの特徴、選ぶ際のポイントについて解説します。

目次

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  1. チャットボットは主に2種類に分けられる
  2. チャットボットの仕組みによっても種類が分かれる
  3. チャットボットを機能別に分けることもできる
  4. チャットボットの選定・比較ポイント
  5. まとめ

チャットボットは主に2種類に分けられる

チャットボットは、コンピュータープログラムを用いてユーザーとテキストベースで対話することができるシステムです。人間の対話パートナーのように、質問に回答して情報を提供したり、タスクを実行したりできます。

現在ではカスタマーサポートや予約の管理など、さまざまな用途で利用されています。チャットボットは、大きく分けて以下2つの種類に分類可能です。

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AI搭載型(AIチャットボット)

AI搭載型チャットボットは、人工知能(AI)技術を活用して、自然言語でユーザーと対話するタイプのチャットボットです。機械学習アルゴリズムや深層学習モデルを活用しており、ユーザーの質問・要求を理解して、適切な応答を生成します。

これにより、複雑な対話や個別のカスタマーサポートを提供でき、顧客対応の自動化につながります。

AI搭載型チャットボットのメリット

AIチャットボットは、まるで人間と対話しているかのような自然な受け答えができるのが最大のメリットです。自然文も理解できるため、ユーザー側も気軽に聞きたいことをそのままの内容で質問可能です。

個々の質問に合わせた柔軟な回により、担当スタッフの代わりに効率的な対応と顧客満足度の向上に大きく役立ちます。

AI搭載型チャットボットのデメリット

AI搭載型チャットボットのデメリットは、高い回答精度を実現するために多大なデータが必要である点です。AIは学習データからパターンを抽出し、ユーザーの質問に適切な応答を生成します。

しかし、限られたデータでは適切な学習が難しく、特殊なドメインや業界においては誤った回答を提供することがあります。適切な性能を実現するためには、多くのデータを収集し、継続的な学習と改善を繰り返さなければなりません。

AI搭載型チャットボットの活用例

AI搭載型チャットボットは、人工知能による言葉の理解や認識・推論などの知的行動を取り入れた活用が可能であるため、問い合わせ内容に対応しているページへの案内や、購入履歴・閲覧履歴などを踏まえたおすすめ商品の提案などが可能です。

その他、多言語対応や悩み相談、寄せられる質問内容の想定が難しい場合などにも活用されています。

AIチャットボットとは|仕組み・目的・メリット・デメリットを解説

AIチャットボットとは、AI(人工知能)を活用し、人間同士のようなコミュニケーションができるプログラムのことです。本記事では、AIチャットボットの仕組みや目的、導入するメリットデメリットの他、導入する際に大切になるポイントについても解説します。

シナリオ型(ルールベース型)

シナリオ型(ルールベース型)チャットボットは、事前に設計されたルールやスクリプトに基づいて対話を行うタイプです。ユーザーの入力に対して、あらかじめ定義されたパターンやキーワードにマッチするルールに沿って応答を生成します。

シナリオ型チャットボットは、簡単にセットアップでき、特定の目的に特化した業務自動化や情報提供に利用されていますが、柔軟性やカスタマイズ性には限界があります。

シナリオ型チャットボットのメリット

シナリオ型チャットボットは、ルールやシナリオを設定し、FAQを含めた既存の情報を活用することで、比較的迅速にチャットボットを構築できます。高度なプログラミングスキルが不要なため、専門知識を持たない業務担当者でも導入が可能です。

また、専門的な知識やAIスキルを持ったスタッフを雇う必要がなく、コストを抑えながら効果的なカスタマーサポートと情報提供を実現できます。シナリオ型は、中小企業や新興企業にとっても手軽な選択肢であり、素早く顧客対応の効率化を図れます。

シナリオ型チャットボットのデメリット

シナリオ型チャットボットの主なデメリットは、事前に設定されたシナリオやルールに縛られ、ルール通りの回答しかできない点です。ユーザーの質問がシナリオに含まれていない場合、チャットボットは適切な応答を提供できません。

柔軟性やカスタマイズ性に制約があり、複雑な対話・特殊な要求には対応できないことも考えられます。ユーザーエクスペリエンスの向上や多様なタスクへの対応が求められる場合、AI搭載型チャットボットの方が適しているといえるでしょう。

シナリオ型チャットボットの活用例

シナリオ型チャットボットは、事前に設定されたシナリオやルールに沿って問い合わせへの回答を行います。シナリオにない回答はできないため、基本的にはシナリオ型チャットボットと人間の対応を組み合わせて活用されるケースが多いです。

カスタマーサポートなどの業種において、自動応答で対応できる問い合わせには人的リソースを割く必要がなくなるため、業務効率化や人件費削減などの効果が得られます。

チャットボットの仕組みによっても種類が分かれる

チャットボットは、さまざまな仕組みを活用してユーザーと対話し、タスクを実行します。ここでは、主要な4つの仕組みについて解説します。

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チャットボットの仕組みは4種類

  1. 選択肢型
  2. 辞書型
  3. 選択肢型&辞書型
  4. ログ型(蓄積型)

選択肢型

選択肢型チャットボットは、事前に定義された選択肢やシナリオに基づいて対話を進める仕組みです。メリットとして、簡単に構築できることや、ユーザーを特定のタスク・情報へ誘導するため、誤った回答を防げることが挙げられます。

しかし、新しいシナリオへの適応が難しく、複雑な対話や特殊な質問には不向きです。選択肢が限られているため、ユーザーが自由な質問をする場合には制約が生じることがあります。

辞書型

辞書型チャットボットは、ユーザーが入力したキーワードに対して事前に定義された回答や情報を提供します。高い精度で特定の質問に対する情報提供を行い、ユーザーの満足度向上を図れるのがメリットです。

また、多くのセットを登録することで、広範なケースに対応可能です。デメリットとしては、新しいキーワードやフレーズへの適応が難しく、柔軟性に制約があることが挙げられます。更新とメンテナンスが必要で、複雑な対話や特殊な質問には不向きです。

選択肢型&辞書型

選択肢型&辞書型のチャットボットは、上記の選択肢の提示と辞書型のキーワードに対する回答を組み合わせた仕組みを持っています。

このアプローチは、選択肢型の簡便さと辞書型の高精度な回答提供の両方のメリットを兼ね備えています。ユーザーが特定のキーワードを入力した場合に選択肢を提示し、それに対応した回答の提供が可能です。

しかし、導入準備に関する負担が大きくなるというデメリットがあります。選択肢や辞書データの充実さと、正確なマッチングの確保が必要で、管理とメンテナンスも継続的に行わなければなりません。

また、ユーザーが入力するテキストに対してどちらの仕組みを適用するかを、適切に制御する必要があります。選択肢型&辞書型のチャットボットは、精度と柔軟性のバランスを取りたい場面で有用ですが、運用には注意が必要です。

ログ型(蓄積型)

ログ型チャットボットは、ユーザーの対話データを蓄積し、ユーザーが入力した質問に対して、蓄積されたデータから最適な回答を提供することができます。このアプローチは柔軟性が高く、ユーザーが自由に質問できるため、多様なトピックに対応可能です。

メリットとして、過去の対話から学習し、ユーザーにより適切な回答を提供できる点が挙げられます。

しかし、大量のデータ蓄積が必要で、初期設定とトレーニングに時間と労力がかかります。また、プライバシーとデータセキュリティに関する配慮も必要です。

チャットボットを機能別に分けることもできる

チャットボットには、さまざまな機能を備えたタイプが存在します。それぞれの種類には異なる用途や特徴があり、ビジネスやカスタマーサービスなどの分野で活用されています。ここでは、主要な機能別の種類として以下の4つを解説します。

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チャットボットを機能別に分けると4種類

  1. FAQ型
  2. 処理代行型
  3. 配信型
  4. 雑談型

FAQ型

FAQ型の機能は、ユーザーが特定の質問をすると、事前に設定されたFAQデータから適切な回答を返します。簡単に導入でき、一貫性のある回答を提供するため、カスタマーサポートや情報提供に効果的です。

しかし、複雑な質問やニーズには対応しづらく、新しい問い合わせに対応するにはFAQデータの追加が求められます。また、柔軟性に欠け、人間のサポートが必要な場面もあることに注意が必要です。

処理代行型

処理代行型チャットボットは、ユーザーが入力したテキストを解釈し、必要な業務を代行して実行するタイプのチャットボットです。例えば、飲食店での予約受付などに活用され、自動的に予約情報を確認・処理できるため、業務の効率化が可能です。

しかし、特定の業務に限定され柔軟性に欠けます。複雑なタスクやカスタマイズが必要な場面では、使いにくいといえるでしょう。

配信型

配信型チャットボットは、事前に設定されたタイミングで情報を配信するチャットボットです。顧客との対話よりも情報伝達が中心で、アプリケーションやプラットフォームでのリマインダー・通知などに利用されます。

効果的な情報伝達により、ターゲット指向のコミュニケーションが実現できる反面、対話の柔軟性が制限され、顧客の個別ニーズには対応しづらいです。また、設定やタイミングの調整が必要で、情報の過度な配信は逆効果になる可能性があります。

雑談型

雑談型チャットボットは、ユーザーとの対話を主要な目的とし、業務や情報提供を追求しないタイプのチャットボットです。ユーザーと自然な雑談を行い、ブランディングやユーザー関係の強化を図ることを目的としています。

感情的なつながりを形成し、ロイヤルカスタマーを育てる効果があります。一方、直接的な業務効率化や問題解決には向かず、コストと時間を要するのがデメリットです。企業は注意深く戦略を立て、ターゲット層に合った雑談型アプローチを採用する必要があります。

チャットボットの選定・比較ポイント

チャットボットを導入する際、適切な選択を行うためにはいくつかのポイントを把握しておくことが大切です。ここでは、チャットボットの選定・比較ポイントについて解説します。

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自社の目的に合った種類か

チャットボットを選定する際には、自社の目的に合った種類を選ぶことが重要です。各種類のメリットとデメリットを理解し、目的に最適なツールを選びましょう。例えば、問い合わせ対応を効率化したい場合はFAQ型チャットボットが適しています。

ただし、迅速で正確な回答を提供しますが、対話の幅が限定的です。また、雑談型チャットボットはブランディングやユーザー関係構築に向いていますが、業務効率化には不向きです。目的を明確にし、ユーザー体験を向上させるために適切な種類を選びましょう。

自社が求める機能が揃っているか

同じ種類のチャットボットでも、提供される機能にはバリエーションがあります。自社が求める機能が揃っているかどうかを確認することで、チャットボットの選定ミスマッチを防ぎつつ、効果的な導入が可能となります。

例えば、有人対応との連携が必要な場合、その機能が提供されているかどうかを確認することで、スムーズなオペレーションの実現に役立ちます。さらに、多言語対応が必要な場合、チャットボットがサポートする言語に関しても確認が不可欠です。

仕様を明確にし、サービス提供者とのコミュニケーションを通じて機能の適合性を確認することで、自社のニーズに最適なチャットボットを選択できます。

AIチャットボットの学習精度や更新頻度

AIチャットボットを選ぶ際には、学習精度の高さや更新の仕組みが重要な判断材料になります。利用者とのやり取りを通じて蓄積されるデータを的確に学習できるかどうかで、回答の自然さ・正確さに大きな差が生まれます

そして、ベンダー側が定期的にAIのモデルをアップデートしているかどうかも確認すべきポイントです。技術の進化に合わせて学習データが更新されていれば、新しい言い回しやニーズにも柔軟に対応でき、長期的に安定した運用が行えます。

コストは適切であるか

チャットボットを選定する際は、導入・運用コストがビジネスの予算に適合し、期待されるROI(投資対効果)を実現できるかを確認しましょう。コスト面での適切さは、ビジネスの長期的な成功に直結します。

コストの透明性を確保し、代替案と比較検討することで、チャットボットのコスト効果を最大化できます。

チャットボットの費用相場

チャットボットの導入・運用費用は、AI型とシナリオ型で大きく変わります。初期費用と月額費用がかかるのが一般的な料金体系ですが、AI型の方がどちらも高額になる傾向があります。費用の目安は以下のとおりです。

  1. AI型:初期費用10万~100万円、月額費用20万~100万円
  2. シナリオ型:初期費用0~10万円、月額費用5万~30万円

セキュリティ・個人情報保護の対応

チャットボットは顧客とのやり取りで個人情報を取り扱うことがあるため、セキュリティ対策が十分に施されているかどうかを必ず確認しなければなりません。

暗号化通信の採用やアクセス権限の適切な設定はもちろん、個人情報をどのように保存・利用しているのかもポイントです。さらに、プライバシーマークやISO認証などの外部認証を取得しているかを確認し、安心して運用できるようにしましょう。

企業の信頼性にもつながる要素であるため、機能やコスト面だけでなく、セキュリティ対応についても把握しておくことが重要です。

導入・運用にかかる手間はどの程度か

チャットボットを導入する際は、シナリオ設計、トレーニングデータの整備、FAQのアップデートなどの工数がかかります。シナリオ設計では、ユーザーの予想外の質問に備えたり、自然な対話を実現したりするために工夫が必要です。

トレーニングデータの整備では大量にデータ収集をし、FAQは常に最新情報を保ちながら継続的なアップデートを行います。これらの手間を正確に評価し、選択するチャットボットがビジネスに適しているかどうかの判断が重要です。

外部ツールとの連携性はあるか

チャットボットの選定・比較において、外部ツールとの連携性が大事です。外部ツールとの連携があると、データの共有や処理の自動化が容易になり、業務効率の向上に期待できます。

例えば、CRMシステムや予約管理ソフトと連携すれば、チャットボットが顧客の予約を受け付けたり、顧客情報を更新したりできます。仮に連携が不可能な場合、データの重複入力や処理を手動で行うため、ヒューマンエラーのリスクが発生します。

外部ツールとの連携性は、ビジネスプロセスの効率化や顧客サービス向上に直結するため、重要な選定ポイントです。

サポート体制は充実しているか

チャットボットを選定する際は、ベンダーのサポート体制を確認しておきましょう。充実したサポート体制があると、導入時やトラブル発生時に迅速な対応が行え、ビジネスの中断を最小限に抑えられます

サポート体制には、テクニカルサポートやトレーニング、アフターサポートなどがあります。テクニカルサポートは問題解決に向けた専門的な支援を提供し、トレーニングはチャットボットの効果的な活用方法を教育します。

アフターサポートは導入後に継続的なサポートが受けられ、システムの適切な運用を支えます。サポート体制の充実度は、チャットボットの信頼性と効果を確保するために大切です。

まとめ

チャットボットには2つの主要なタイプがあり、AI搭載型は人工知能を活用し、自然な対話を行うことができます。シナリオ型は、事前に用意されたシナリオやルールに従って回答するのが特徴です。

また、仕組み別・機能別に分けることもでき、それぞれメリット・デメリットが異なります。そのため、自社の目的に合ったチャットボットの種類を選ぶ必要があり、コスト、導入の際の工数、サポート体制、外部ツール連携性などの検討も大切です。

チャットボットは効率化や顧客対応の向上につながりますが、戦略的な選定が求められます。今後のテクノロジーの進化にも注目し、ビジネスの成長と競争力の強化に役立てましょう。

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