法人カードの連帯保証人になるとどうなる?債務を負うケースを紹介

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  • 法人カードは、法人そのものが対象の場合に連帯保証人を必要とするケースがある
  • 法人カードの契約者が支払いできなくなると、連帯保証人がその債務を負うことになる
  • 法人カードの支払いが滞ることで、連帯保証人の信用情報にも傷がつく可能性がある

法人カードで連帯保証人が必要な場合の多くは、代表者が連帯保証人になります。連帯保証人になるにあたってどのような注意点が必要でしょうか。本記事では、法人カードの連帯保証人が必要とされるケースや、債務を負うケースの他、連帯保証人を立てる際の注意点を解説します。

目次

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  1. 法人カードの連帯保証人とは
  2. 法人カードの連帯保証人が債務を負うケースとは
  3. 法人カードで連帯保証人を立てる際の注意点
  4. まとめ

法人カードの連帯保証人とは

法人カードには連帯保証人が必要な場合があります。連帯保証人とは、カードの支払いが滞った際に借主と同等に支払い責任を負う人で、法人カードの契約者以外でなければなりません。借主が支払えない場合には、連帯保証人が個人として支払う必要があります。

法人登記されている企業や事業者がカードを作成する場合は、その代表者を連帯保証人とする場合が多いです。カード会社によっては、代表者を連帯保証人とすることを定めている所もあります。

保証人と連帯保証人の違い

保証人と連帯保証人は、借主が返済できなくなったお金を、代わりに返済する責任を持つという点では同じです。しかし、保証人と連帯保証人では担う責任の重さが全く異なります。民法第452条では以下のように、保証人に「催告の抗弁権」を認めています。

民法第452条「債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない。」

すなわち、カード会社から保証人に借主が借りたお金の返済を求められた場合には、まずは借主に請求するように主張できるということです。しかし、連帯保証人は借主と同等に支払い責任を負っているので、この主張は認められません

また、借主・保証人ともに返済不可能な場合、財産差し押さえが保証人に及ぶ場合があります。しかし、保証人には「検索の抗弁権」があり、借主に弁済可能な資産があることを証明すれば、保証人の差し押さえを防ぐことができます。これも、連帯保証人にはありません

参考:民法第452条 | e-Gov法令検索

法人カードで連帯保証人が必要とされるケース

法人カードの申込対象には個人事業主・法人代表者・法人の3種類があり、法人そのものが審査対象となる場合、連帯保証人が必要となるケースが多いです。すなわち、個人事業主や法人代表者が法人カードの作成には、多くの場合連帯保証人は必要ありません。

個人で所有するカードはその個人が審査対象になりますが、法人として所有するカードはその法人自体が審査対象となり、同時に法人代表者の信用情報もチェックされます。したがって、連帯保証人を法人代表者にすると審査が通りやすいといわれています。

個人事業主で連帯保証人が必要な場合は第三者を立てる

個人事業主が法人カードを契約する場合に、連帯保証人が必要になるカードもあります。その場合は、事業主以外の第三者を連帯保証人として立てる必要があります。たとえ、個人事業主が会社名でカードを作成しても、主たる債務者は事業主自身となるからです。

法人カードの連帯保証人が債務を負うケースとは

法人カードの支払いが滞った状態が続くと、連帯保証人に会社の未払い分の請求が届きます。その場合、連帯保証人は個人資産を使ってでも支払いを完了させる必要があります。特に会社が破産したときなどは、大きな債務を背負うことになります。

カード会社から請求が来れば、連帯保証人には「催告の抗弁権」や「検索の抗弁権」がないため、どのような場合でも支払いが必要です。連帯保証人であっても、会社を退いて名義だけが残っていたとしても、個人の資産で支払わなくてはなりません

支払いがないと資産の差し押さえや裁判に至る場合もあります。しかし、連帯保証人以外の役員や社員まで債務を背負うことはありません。追加カードを持つ役員や社員宛てに支払催促が届く場合がありますが、連帯保証人でなければ支払い義務は生じません。

法人カードで連帯保証人を立てる際の注意点

連帯保証人の責任は重要などで、法人カードで連帯保証人を立てる際にはいくつかの注意点があります。ここでは下記の2つについて解説します。

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支払いが滞ると連帯保証人の信用情報に傷がつくことがある

連帯保証人に支払い請求をしてもお金の回収ができない場合、連帯保証人もブラックリストに載る可能性が高いです。ブラックリストとは、金融にかかわるさまざまな情報を管理する個人信用情報機関に金融事故が登録されることです。

個人信用情報機関には、さまざまな情報が蓄積され、カード会社や金融機関はそこに照会して顧客の信用度を判断しています。そこで、支払いの遅延などの金融事故があれば、カード審査が通らないだけでなく、キャッシングや住宅ローンまで影響する場合があります。

代表者を退く際は解約または名義・連帯保証人の変更する

ここまで解説したように、連帯保証人は大変重い責任を負っています。知り合いだからといって気軽に連帯保証人を引き受けないことが大切です。特に、自分が連帯保証人である必要がなくなった場合は、解約または名義・連帯保証人の変更手続きが必要です。

特に、法人カードで連帯保証人が法人の代表者となっている場合は、代表者を退いたタイミングで、法人カードの解約または名義・連帯保証人の変更を確実に行うことが、自分自身の資産を守るために重要です。

まとめ

法人を契約者として法人カードを作る場合には、連帯保証人が必要になる場合が多く、多くは法人の代表者が連帯保証人となります。連帯保証人はカード契約者と同等の支払い義務を持ち、契約者が支払不能な場合には、連帯保証人がその債務を負うことになります。

契約者の支払いが滞り、それに加えて連帯保証人の支払いも滞ると、契約者ばかりでなく

連帯保証人もブラックリストに載り信用情報に傷がつきます。その結果、今後のクレジットカード審査に通りにくくなるほか、金融機関からの信用も失います。

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