ファイル転送サービスとは?導入のメリットや比較のポイントも解説

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  • ファイル転送サービスは、大容量のファイルを安全に外部と送受信できるサービス
  • ファイル転送サービスは、低コストでセキュリティ機能が充実していることがメリット
  • サービス選定の際は、データ容量・送信数の上限や操作性などを確認することが重要

ファイル転送サービスは、大容量のファイルを簡単に送受信できるようにするサービスです。この記事では、類似サービスとの違いや、導入のメリット・デメリット、実際に選定する際の比較ポイントなどについて詳しく解説していきます。

目次

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  1. ファイル転送サービスとは
  2. ファイル転送サービスと類似サービスの違い
  3. ファイル転送サービスの必要性
  4. ファイル転送サービスのメリット
  5. ファイル転送サービスのデメリット
  6. ファイル転送サービスを活用する際の注意点
  7. ファイル転送サービスを選ぶ際の比較ポイント
  8. 有料サービスと無料サービスの違い
  9. ファイル転送サービスの料金相場
  10. まとめ

ファイル転送サービスとは

ファイル転送サービスとは、大容量のデータファイルをメールで相手に送りたいときに、簡単に送信できるサービスです。相手に直接ファイルをメールで送らずに、サーバーにアップロードし、相手にダウンロードしてもらう仕組みです。

ファイルを送受信できるファイル転送サービスは、インターネット上で提供されています。ファイルを送信するときには、契約しているサービスのウェブサイトにファイルをアップロードするとダウンロード用のURLが発行されます。

ファイルを受け取る側は、メールで受信した該当のURLにアクセスすることでデータのダウンロードができます。

ファイル転送サービスと類似サービスの違い

ファイル転送サービスと似たサービスとして「オンラインストレージ」と「ファイル共有サービス」があります。ここでは、ファイル転送サービスとこれらの類似サービスの違いについて解説します。

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ファイル転送サービスとオンラインストレージの違い

ファイル転送サービスと類似したサービスの1つが、オンラインストレージです。オンラインストレージとは、データファイルをクラウド上に保存し、必要に応じて他者とファイルを共有できるサービスを指します。

オンラインストレージは個人・法人問わず広く利用されており、送信者が相手にファイルの共有URLや招待リンクを送るだけで、簡単にデータを共有することができます。

また、権限設定により複数の人がファイルの閲覧・編集などを同時に行えるため、チームでのプロジェクトや共同作業に適しています。

一方、ファイル転送サービスは、手軽にデータを送受信できる点がメリットですが、多くの場合、保存期間に制限があります。用途に応じて、両サービスの特徴を理解した上で選択することをおすすめします。

ファイル転送サービスとファイル共有サービスの違い

ファイル転送サービスと似たサービスとしてもう1つ、ファイル共有サービスがあります。ファイル共有サービスとは、ファイルを複数人でシェアするシステムです。

メールでURLを相手に送り、受信者がURLを開くことで、必要なファイルや画像などをダウンロードできます。各社や各部署で必要なファイルをサーバー上に置き、各自が必要なときにアクセスし、閲覧・ダウンロードを行います。

この2つのサービスの大きな違いは、保管期限の有無です。ファイル転送サービスにはサーバーの保管期限があります。この保管期限が過ぎてしまうと、自動的にファイルが削除されてしまい、閲覧やダウンロードはできなくなります。

ファイル転送サービスの必要性

情報漏洩などのセキュリティリスクに敏感な企業の多くは、企業向けのファイル転送サービスを導入し始めています。

企業向けのファイル転送サービスは、よりセキュリティ面が強化されていて、機能も充実しています。たとえば、送信権限の制限や通信の暗号化・受信相手のアドレス制限や、転送エラー時の再配信・転送内容の履歴の管理・高速転送機能などが搭載されています。

また、ファイル転送サービスの利用頻度や、利用目的・送信ファイルのサイズなど、自社に必要な機能のカスタマイズも可能です。このように、セキュリティ性の高さと使いやすさ・管理のしやすさなどから、多くの企業で需要のあるサービスと言えます。

ファイル転送サービスのメリット

ファイル転送サービスには、送信者・受信者の双方にとってメリットがあります。ここでは、ファイル転送サービスを利用する主なメリットについて解説していきます。

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大容量のファイルを送信できる

ファイル転送サービスを使うと、大容量ファイルでも簡単にオンラインで転送できます。無料と有料のサービスがあり、主な違いは送信可能な容量の差です。有料版の方がより大容量のファイルを送ることができます。

有料のファイル転送サービスは、容量が100MB以上の大きなファイルも送信可能です。文書のみならず、高画質の写真やデータ容量の大きい動画データなども送信できる点がメリットと言えます。

仕事やプライベートで、頻繁に大容量ファイルを送信する必要がある場合は、ファイル転送サービスを活用してみましょう。

セキュリティ機能が充実している

大事なデータや書類を送るためのファイル転送サービスを選ぶときには、セキュリティ機能の内容や強度も重視したいものです。ファイル転送サービスを使わずに、単にメールにファイルを添付して送る場合、外部からの不正侵入や情報漏洩などが心配です。

データファイルを送る際は、しっかりとしたウィルス感染の予防策が必要となります。サーバーへの不正アクセスや不正ダウンロードなどを予防するためには、ウィルス感染防止機能付きのサービスを利用しましょう。

ファイル転送ファイルサービスの中には、事前にウィルスチェックができるものや、ダウンロード履歴を管理する機能付きのものもあり、自分でダウンロードしたファイルかどうかの確認も可能です。

また、ファイル転送サービスは、メールの受信者がファイルを受け取る際に、パスワードを入力しなければダウンロードができません。そのため、ファイル転送サービスは高いセキュリティ機能を備えたサービスと言えます。

低コストで導入できる

ファイル転送サービスの中には、無料で提供されているものもあります。初めてファイル転送サービスを使うときや、手始めにファイル転送サービスを使ってみたい場合、低コストでファイルの送信を行いたい場合にはメリットがあります。

また、SDカードやUSBメモリといった記録メディアを購入する必要もなく、コスト節減を目指す企業にもおすすめのサービスといえるでしょう。

簡単に操作できる

ファイル転送サービスの大きな特徴は、直感的な操作性です。多くのサービスは、直感的なインターフェースを採用しており、専門的な知識やスキルがなくても利用できます。

例えば、ドラッグ&ドロップでファイルをアップロードエリアに移動するだけで、転送の準備が完了するサービスも少なくありません。ファイルのダウンロードも、共有されたURLをクリックするだけで完了するなど、非常にシンプルです。

メールサーバーの負担を軽減できる

大容量ファイルをメールに添付して送信すると、メールサーバーに大きな負荷がかかり、システム全体の処理速度が低下する可能性があります。ファイル転送サービスを利用することで、このような負荷を分散させることができます。

また、メールサーバーの容量を圧迫することもなく、サーバーのメンテナンスコストも削減できます。さらに、メールシステムの安定性が向上し、通常の業務メールのやり取りがスムーズになるというメリットもあります。

ファイル転送サービスのデメリット

ファイル転送サービスの導入を検討しているのであれば、デメリットについても把握してから導入判断を行いたいものです。ここでは、ファイル転送サービスを使用する上でのデメリット2点について解説します。

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情報漏洩が発生するリスクがある

ファイル転送サービスは、多くのユーザーが同じサーバーにアクセスして使用するため、情報漏洩のリスクがある点がデメリットです。

また、相手にファイルの保存先を伝える方法はメールで行うため、これにも注意が必要です。メールの送信は人の手で行うため、宛先を間違えてしまうといったミスが起こる可能性があるためです。

さらに、無料ファイル転送サービスには、ファイルの送受信履歴が残らないものもあり、管理上の問題が生じる可能性があります。通知・記録機能の有無も確認し、導入を慎重に検討しましょう。

ネット環境の影響を受ける

インターネット上で送受信するファイル転送サービスは、通信速度や接続状況の影響を受けることがあります。

たとえば、ファイルを転送する際に、ネットワークが混雑しているとサーバーへのファイルのアップロード速度が極端に遅くなることがあります。

また、データの一部が途中で失われたり、他のユーザーのデータ通信が処理待ちになって遅延が発生したりするケースも考えられます。

さらに、通信が遮断され、データファイルの転送に失敗するケースなども想定されます。このような回線の速度遅延や接続トラブルなども考慮した上で、ファイル転送サービスを選びましょう。

ファイル転送サービスを活用する際の注意点

ファイル転送サービスを利用する際は、上記のようなデメリットの他、注意点も把握しておく必要があります。ここでは、ファイル転送サービスを活用する際の注意点を解説します。

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ファイル転送サービスを活用する際の注意点

  1. セキュリティポリシーを策定する
  2. 管理者を決める

セキュリティポリシーを策定する

セキュリティポリシーは、ファイル転送のプロセス全体を安全で信頼性のあるものにするために必要です。社内のセキュリティポリシーでは、承認ワークフローの設定・誤送信によるURLの無効化などを決めておきましょう。

送信先に関するセキュリティポリシーの策定では、送信先のアドレス制限や、受取回数・受取可能期間の設定の他、受取時のパスワード設定を行っておくと安全です。

管理者を決める

定めたセキュリティポリシーを守るために、管理者を指定しましょう。管理者がポリシーの遵守を監視し、セキュリティ対策の実行を調整します。

管理者による内部統制が行われることで、潜在的な脆弱性を特定し、素早く対処することができ、組織全体のセキュリティを確保することができます。

ファイル転送サービスを選ぶ際の比較ポイント

近年は多くの会社からファイル転送サービスが提供されていますが、どの転送サービスを選べばよいかが分からない方もいるでしょう。ここでは、ファイル転送サービスを選ぶ際に特に着目したい点について解説します。

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セキュリティ面は安全か

重要なファイルやデータを受け渡しするため、データ転送サービスを選ぶ上で最も大事なことは、セキュリティ性の高さです。

データ転送サービスに搭載されている主なセキュリティ機能には、利用者の権限設定や情報漏洩対策・ログの取得などがあります。ただし、サービスによってセキュリティの強さや内容には違いがあります。

そのため、日頃やり取りするデータの種類、内容、利用目的を考慮してサービスを選ぶことをおすすめします。また、外部からの攻撃に対するセキュリティ対策だけでなく、内部不正を防ぐための機能も同時に確認することが大切です。

操作性はどうか

ファイル転送サービスの導入を検討する際は、操作性のよさも確認しておきましょう。データを転送するときの操作が難しく、マニュアルを見なければ操作ができない状況では毎回の転送に時間が掛かってしまいます。

また、画面が見づらいと操作がしにくく業務の生産性にも影響が出てくるため、画面のデザインや大きさも事前に確認しておきましょう。

ファイル転送サービスの中には、パソコンのデスクトップUIが使えるタイプや、マウスでファイルをドラッグ&ドロップするだけでデータをアップロードできるタイプもあります。

データ容量・送信数は十分か

大容量のデータを送信できるファイル転送サービスは、サービスによって一度にアップロードできるファイルの容量と、送信数の上限に違いがあります。仕事で送信するデータの容量と、何回送信する見込みかなども最初に確認しておきましょう。

また、サーバーにアップロードしたファイルは、一定期間保管された後で自動的に削除される特徴もあります。サーバーに保管しているファイルのデータ量が、契約している容量を超える場合、新しいファイルがアップロードできなくなってしまいます。

このような場合に備え、後で容量の追加購入ができるかについても、確認しておくと安心です。

クラウド型かオンプレミス型か

ファイル転送サービスには、クラウド型とオンプレミス型の2種類の方式があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを把握し、より適切なサービスを選びましょう。ここでは、クラウド型とオンプレミス型の特徴について一覧表も含めて解説します。

クラウド型

クラウド型のファイル転送サービスは、提供会社のサーバーを使いファイルを送受信します。データを送る側がファイルをサーバーにアップロードし、受け取る側は指定されたサーバーからダウンロードする仕組みです。

メリットデメリット
・トラブル対応は事業者に依頼できる・サービス使用料が毎月かかる
・社内でサーバーの準備やシステム構築が不要・セキュリティリスクが比較的高い
・申し込み後すぐに使用(運用)可能

オンプレミス型

オンプレミス型のファイル転送サービスでは、自社サーバーを用いてファイルを送受信します。ファイル転送サービスの事業者から、ソフトウェアライセンスを最初に購入する必要があり、自社で運用します。

メリットデメリット
・毎月のサービス利用料がかからない・自社で大容量のサーバーを準備する必要がある
・カスタマイズがしやすい・導入後のトラブル対応も自社で行う
・セキュリティ性が高い・最初にソフトウェアを購入する経費がかかる

スマホ対応などの利便性は良いか

近年は、会社内でだけでなく外出先からデータを送る必要性が高まっています。また、リモートワークなど自宅で作業するケースも増えているため、ファイル転送サービスがスマホに対応していると便利です。

仕事の性質上、スマホでファイル送信する必要があれば、スマホ対応のファイル転送サービスを選ぶようにしましょう。

有料サービスと無料サービスの違い

ファイル転送サービスは、無料で使えるものと有料のサービスに分かれています。有料・無料のどちらの場合も基本的な使い方は同じで、送信者から受信者にメールでURLを送ってデータファイルを受け渡します。

しかし、セキュリティ性や広告の表示有無など、異なる点もあります。ここでは、有料サービスと無料サービスの違いを解説します。

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有料版の方がセキュリティ性が高い

有料・無料サービスの相違点は、一部のセキュリティ機能が有料版にのみ搭載していることが挙げられます。

内部不正対策の管理機能などは有料版にのみ搭載していることが多く、セキュリティ面でより強化されています。そのため、企業や法人で利用する場合は、有料のファイル転送サービスがおすすめです。

無料サービスは広告が表示される

無料のファイル転送サービスでは、広告が表示されるケースも多々あります。ファイルの送受信は有料版と同様に簡単にできるものの、取引先や顧客に送信する際には、自社のイメージダウンに繋がることもあるでしょう。

中にはファイルのダウンロードボタンよりも広告の方が目立つこともあり、受け取り側が操作に迷うことも懸念されます。そのため、社外向けにも利用する場合、広告のない有料版がおすすめです。

ファイル転送サービスの料金相場

有料のファイル転送サービスを導入するときには、セキュリティの機能を含んだ料金かどうかも最初に確認しましょう。特に法人においては、送受信の最大容量だけでなく、セキュリティ機能も含まれているか否かを確認する必要があります。

また、データ容量のプランは1GB~1TBまで細かく分類されているサービスが多く、月額料金および利用できる最大ユーザー数もプランによって違います。

料金の目安は、月額で1,000円程度から20万円以上など幅が広く、最初の数週間が無料になるサービスもあります。自社の予算や必要な容量などと照らし合わせ、より適切なプランを選びましょう。

まとめ

ファイル転送サービスは、サーバーへの不正アクセス防止の機能や、ダウンロード可能期間と回数を制限する機能など、さまざまなセキュリティ機能を搭載しています。企業内で使うだけでなく、社外へ必要なデータを受け渡す際も、便利で安全性が高いサービスです。

ファイル転送サービスを導入することで、大容量のデータをインターネット回線を通じて送ることができます。ファイル転送サービスには無料のものもありますが、企業で利用する場合は、よりセキュリティ性の高い有料版がおすすめです。

各サービスの特徴やメリット・デメリットなどを考慮し、目的に合ったファイル転送サービスを導入しましょう。

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