車両管理台帳とは?作成のメリットや記載する項目、作成方法などを解説
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- 車両管理台帳とは、企業が使用する車両の使用状況や保険を管理するための台帳である
- 車両管理台帳には、車両情報・車両の使用状況・車両の保険状況を記載する
- 車両管理台帳の作成は、Excelのテンプレートでもできるが、車両管理システムが有効
車両管理台帳とは、企業が使用する車両の使用状況や保険を管理するための台帳です。車両管理台帳を作成することで、車両に問題がないことを証明できます。本記事では、車両管理台帳の必要性や作成するメリット、車両管理システムの選び方などを詳しく解説しています。
目次
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車両管理台帳とは
車両管理台帳は、企業が使用する車両の使用状況や保険状況を一元管理するために必要なツールです。台帳には車両の基本情報、使用状況、保険の有無や期限などが記載され、企業の車両管理を効率的に行うための基盤になります。
この台帳を利用することで、車両の状態や保険の更新状況を一目で把握でき、トラブルの未然防止やコスト削減にも繋がります。また、台帳は紙ベースのものからExcelや専門の管理システムによるデジタル管理など、管理方法はさまざまです。
車両管理とは
車両管理とは、企業や個人が所有する車両の維持・運用を効率的かつ適切に行うための一連のプロセスのことです。車両メンテナンスのスケジュール管理や、燃料の消費量の記録、車両の使用状況のモニタリングなどが含まれます。
また、車両の保険や税金の支払い、車検の更新などの法的な手続きも車両管理の重要な部分です。適切に車両管理を行うことで、車両の寿命を延ばし、運用コストの削減にも繋がります。さらに、車両の安全性を確保し、事故や故障のリスクを減らすことが可能です。
車両管理台帳の必要性
台帳には車両のメンテナンス履歴や事故の記録、車両の使用状況などが詳細に記載されています。これを基にすることで車両の状態を常に把握し、適切なメンテナンスの実施が可能です。
万が一従業員が運転中に第三者に損害を与えた場合、民法第715条に基づき、使用者責任を問われるリスクが発生します。車両管理台帳を適切に管理し、従業員に対して必要に応じて教育や指導を行うことで、このリスクは軽減することが可能です。
車両管理台帳を作成する義務はない
基本的に「車両管理台帳を作成しなければならない」という義務はありません。そのため、車両管理台帳を作成していないことについての罰則も存在しません。
しかし、上述の通り事故などが発生した際は、責任問題に発展する可能性があります。車両管理台帳が作成されていることで、車両に問題がないという証明になるため、作成はしておくべきです。
また、作成するだけで適切に利用されていなければ使用者責任が問われるため、作成と活用はセットで行いましょう。
車両管理台帳を作成するメリット
車両管理台帳を作成することで、車両の不備や事故リスクを回避することができます。また、車両の使用状況を正確に把握することができるため、不要な車両の削減や運用の最適化を図ることが可能です。
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車両管理台帳を作成するメリット
車両の不備や事故リスクの回避
台帳には車両のメンテナンス履歴や事故の記録、車両の使用状況などが詳細に記載されているため、車両の状態を常に把握し、適切なメンテナンスを行えます。
適切なメンテナンスを行うことで車両の不備や事故リスクを回避できるため、企業は従業員や第三者に対する安全を確保することが可能です。また、事故による損害賠償や修理費用の削減にも繋がり、結果として企業のコスト削減にも繋がります。
コスト削減に繋がる
台帳には車両の走行距離や燃費、ガソリンの消費量などが記載されており、これらを分析することで無駄が発生していないか確認でき、結果的にガソリンの消費を削減できます。
また、車両のメンテナンス履歴も台帳に記載されているため、適切なタイミングでメンテナンスを行うことが可能です。効率の良いメンテナンスの実施は車両の寿命を延ばし、長期的なコスト削減に繋がります。
さらに、車両の状態を良好に保つことで事故のリスクを減らせるため、修理費用や損害賠償のコストも削減できます。
車両管理台帳に記載する項目
車両管理台帳に記載する項目は、車両を特定するための情報として、車両のナンバープレート、車種、色、エンジン番号などがあります。
さらに、車両の状況を把握するための情報として、走行距離や燃費、メンテナンスの履歴などが記載されています。さまざまな項目を適切に記載し、車両管理台帳を作成しましょう。
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車両管理台帳に記載する項目
車両を特定するための情報
車両を特定するための情報は、その車両がどのようなものであるかを明確にするために重要です。まず、登録番号は車両を識別する最も基本的な情報であり、他の車両と区別するための唯一無二の番号です。
また、車名からは車両のモデルやメーカーが一目でわかります。さらに、車両の色やエンジン番号、車体番号も識別情報となります。この複数の情報を総合することで、車両の特定が容易になり、管理がより効率的に行えるようになります。
- 登録番号
- 車名
- 車両の色
- エンジン番号
- 車台番号
車両状況を把握するための情報
車両の状態を正確に把握することで、安全運転の確保や予期せぬトラブルの防止に繋がります。車両状況を把握するためには、車検の有効期限や修理歴などの情報が必要です。車検の有効期限を把握することで、車両が法的な基準を満たしているかどうか確認できます。
また、修理歴を知ることで、車両の過去のトラブルや事故の有無を把握し、将来のメンテナンス計画を立てる際の参考にすることが可能です。さらに、車両の走行距離やオイル交換の記録も重要な情報となります。
これらの情報を記録しておくことで、車両の現在の状態を正確に把握し、適切なメンテナンスを行うことができます。
- 車検の有効期限
- 修理歴
- 走行距離
- オイル交換の記録
車両保険の情報
車両を運用するためには、適切な保険を選ぶ必要があります。保険には様々な種類があり、それぞれの保険ごとに異なる補償内容が設定されています。
車両管理台帳に記載する車両保険の情報としては、保険の種類や保険会社名、保険の補償内容、保険料の支払い状況などが該当します。この情報の記載により、万が一の事故やトラブルが発生した際に、迅速かつ適切な対応が可能となります。
また、保険の更新時期や保険料の支払い状況を把握することで、保険の適用を逃すことなく、常に適切な補償を受けることができます。
- 保険会社名
- 保険の種類
- 保証内容
- 保険料の支払い状況
- 更新時期
車両管理台帳の保存期間
車両管理台帳は、貨物自動車運送事業輸送安全規則第8条により、最低でも1年間保存しなければいけません。
この規則は、車両の運用状況や安全管理の状態を適切に記録・保存することで、事故やトラブルが発生した際に迅速かつ適切な対応ができるようにするためのものです。
また、保存期間を過ぎた台帳も、企業の判断によりさらに長期間保存することができます。過去の運用状況や事故の記録を参照することで、より安全な車両運用が可能です。
参考:貨物自動車運送事業輸送安全規則第8条|e-Gov法令検索
車両管理台帳を利用する際のポイント
運送業のような複数台の毎日車を使用する場合は管理しやすさが重要なため、必要なときにすぐ確認できるよう一覧にまとめ、状況が一目でわかるように保管しましょう。
また、車検証や自賠責保険のコピーなどもまとめてファイリングしておくことで、万が一の際もすぐに情報が確認できるため、まとめて保管するのもおすすめです。
車両管理台帳を作成する方法
車両管理台帳を作成する方法として、Excelを活用する方法があります。Excelでは、テンプレートを利用することで、簡単に台帳の作成が可能です。
また、車両管理システムの導入も1つの方法です。車両管理システムを利用することで、車両の情報や使用状況、保険の状況などを一元管理することができ、より効率的な車両管理が可能となります。
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車両管理台帳を作成する方法
Excelの活用
Excelを活用することで、車両管理台帳を簡単に作成することができます。インターネット上には無料で利用できるテンプレートも多く提供されており、これを活用することでさらに手軽に台帳の作成が可能です。
ただし、Excelを利用する際にはいくつかの注意点があります。まず、Excelのファイルはパソコン内に保存されるため、パソコンが故障した場合にデータが失われるリスクがあります。そのため、定期的にバックアップを取らなければいけません。
また、Excelのファイルは他の人と共有することが難しく、個人情報などのセキュリティに関わる情報が含まれている場合には、情報漏えいが起きないように適切な対策を講じる必要があります。
車両管理システムの導入
車両管理システムは、車両の情報や保険の状況、使用状況などを一元管理できるツールです。システムを導入することで、車両の状態や保険の更新などをリアルタイムで把握することができ、事故やトラブルのリスクを軽減することができます。
また、システムにはあらゆる機能が備わっており、車両の状態や使用状況に応じて最適な保険プランを選択するサポートなどがあります。Excelを利用した車両管理台帳も1つの方法ですが、車両管理システムの導入の方がメリットが大きいです。
Excelではデータの入力や管理が手作業になるため、時間がかかり、ミスのリスクもあります。一方で車両管理システムでは、作業を効率的に行うことができるため、より正確な管理が可能になります。
車両管理システムとは、企業が保有する社用車の管理ができるシステムです。営業車や技術車、他にも業種によって社用車を保有している企業は多くあります。この記事では、車両管理システムの機能やメリット・デメリット、選び方などを解説していきます。
車両管理システムを選ぶ際のポイント
車両管理システムを選ぶ際には、システムが対応しているデバイスの種類を確認し、自社の環境に適しているか検討する必要があります。また、ドライバーの負担を軽減できる機能が備わっているかも重要なポイントです。
さらに、システムの導入には初期費用や維持費用がかかるため、予算に合ったシステムを選ぶことが大切です。さまざまなポイントを踏まえて、自社に適した車両管理システムを選びましょう。
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車両管理システムを選ぶ際のポイント
デバイスの種類を確認
デバイスの種類によって、システムの利便性や機能が大きく異なるため、自社のニーズに合ったものを選びましょう。例えば、スマートフォンやタブレットに対応しているシステムであれば、外出先からでも簡単に車両の状況を把握できます。
また、デバイスの互換性も確認しましょう。既存のデバイスとシステムが互換性を持っているかどうかを確認することで、余計なコストをかけずにスムーズな導入が可能になります。
OBD-Ⅱ ポート型
OBD-Ⅱ ポート型の車両管理システムは、車両の診断システムに直接接続することで、車両の状態や運転データをリアルタイムで把握することができます。車両の故障診断や燃費の分析、運転者の運転習慣の分析など、多様なデータを簡単に取得できるのがメリットです。
また、比較的低コストで導入することができるため、コスト削減を図りたい企業にもおすすめです。ただし、車両の診断システムに直接接続するため、セキュリティ面での注意が必要です。不正なアクセスを防ぐため、セキュリティ対策をしっかりと講じましょう。
シガーソケット型
シガーソケット型の車両管理システムは、車両のシガーソケットに接続することで、車両の状態や運転データを把握することができます。簡単に取り付けることができるうえに取り外しも容易であるため、複数の車両で共有して使用することが可能です。
シガーソケット型のシステムも比較的低コストで導入できるため、小規模な企業や個人事業主にとっても手軽に利用できる点がメリットです。ただし、シガーソケットに接続するため、車両のバッテリーを消耗する可能性があります。
また、データの取得範囲や精度がOBD-Ⅱ ポート型に比べて限られる場合があるため、導入の際には自社のニーズと照らし合わせて選択しましょう。
アプリ型
アプリ型の車両管理システムは、スマートフォンやタブレットに専用のアプリをインストールすることで、車両の状態や運転データをリアルタイムで把握できます。このタイプは手軽に導入でき、場所や時間を選ばずに車両の情報をチェックできる利便性があります。
また、アプリのアップデートにより新しい機能が追加されることもあり、常に最新の情報を得ることができます。ただし、スマートフォンやタブレットのバッテリー消費が激しい場合があるため、長時間の使用にはやや不向きです。
ドライブレコーダー型
ドライブレコーダー型の車両管理システムは、事故やトラブルが発生した際の証拠保全としての役割を果たすだけでなく、ドライバーの運転状況を記録し、安全運転のサポートを提供し、事故の際の正確な状況把握や、運転の改善点を見つけるのにも役立ちます。
また、事故の際に証拠として利用できるため、保険料の削減も期待できる可能性があります。さらに、運転者の安全意識を高める効果も期待できます。ただし、記録されたデータの管理やプライバシーの保護には十分な注意が必要です。
機器の設置位置や角度によっては、正確な記録ができない場合があるため、設置位置は慎重に決めましょう。
デジタルタコグラフ搭載型
デジタルタコグラフ搭載型の車両管理システムは、運転時間や速度、走行距離などのデータをデジタルで記録し、運転者の労働時間管理や運転状況の分析を簡単に行えます。そのため、運転者の労働時間の適正管理ができ、法令遵守が可能です。
また、運転データの分析を通じて、効率的な運行計画の策定や燃費の改善にも利用できます。ただし、データの取り扱いにはプライバシーの観点からも注意が必要であり、運転者の同意を得るなどの対応が求められる場合があります。
ドライバーの負担を軽減できる機能が備わっているか
車両管理システムを選ぶ際には、ドライバーの負担を軽減できる機能が備わっているかどうか確認することが重要です。例えば、日報作成機能があれば、ドライバーは走行データを手入力する手間を省くことができ、業務の効率化が図れます。
また、運行ルートの最適化や燃費の分析機能もコスト削減に繋がるだけでなく、ドライバーの運転負担を軽減する効果があります。これらの機能が備わっているかどうかを確認することで、ドライバーの満足度向上と業務の効率化を同時に実現できます。
コストを確認
初期費用や料金体系(月額制・買い切り型)を把握することで、予算に合った最適なシステムを選ぶことができます。初期費用が高くても月額料金が低い場合や、反対に初期費用が低くても月額料金が高い場合があります。
また、システムのアップデートやメンテナンス費用も確認しておきましょう。さまざまなコストを総合的に考慮し、長期的な視点でコストパフォーマンスを判断することが重要です。
まとめ
車両管理台帳は適切に記載することで、効率の良い車両の運用が可能です。Excelでの管理では、無料のテンプレートを利用し簡単に作成できます。しかし、車両管理システムはさまざまな機能が備わっているため、利便性が高く効率的に車両の管理を行えます。
システムの導入は、車両の不備や事故リスクの回避、コスト削減に繋がります。デバイスの種類やドライバーの負担を軽減できる機能、コストなどを確認し、自社に最適なシステムを選ぶことが重要です。
OBD-Ⅱポート型、シガーソケット型、アプリ型、ドライブレコーダー型、デジタルタコグラフ搭載型など、多様なタイプが存在します。それぞれの特徴やメリット、注意点を理解し、適切なシステムを選びましょう。
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