電車賃の経費精算に領収書は必要?領収書のもらい方も解説

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  • 電車賃も経費精算するには領収書が必要だが、3万円未満の場合は基本的に不要である
  • 電車賃は、切符を買った場合・ICカードにチャージした場合で領収書のもらい方が異なる
  • 領収書なしで電車賃を精算する際は、目的・ルート・勘定科目などを注意深く確認する

電車賃を経費精算する際も基本的に領収書は必要です。しかし会社によって規定が異なるケースも多く、3万円未満では不要とされています。この記事では、混乱しやすい旅費交通費精算の方法・領収書のもらい方・精算時の注意点などを詳しく解説します。

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経費精算システムは、経費申請・承認業務を効率化してくれるツールです。しかし、さまざまな製品があるため、どのシステムを選べばよいのかわからないというケースも多いでしょう。この記事では、経費精算システム選びのポイントやおすすめのシステムを紹介します。

目次

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  1. 電車賃の経費精算に領収書は必要か
  2. 【旅費交通費】交通費・旅費・通勤手当の違い
  3. 個人事業主の電車賃は経費になるのか
  4. 旅費交通費の領収書が不要なケース
  5. 電車賃の領収書のもらい方
  6. 領収書がない場合の電車賃精算方法
  7. 領収書なしで電車賃を経費精算する際の注意点
  8. 電子データの領収書も企業間の電子取引扱いになる
  9. 経費精算システムで電車賃精算も効率化できる
  10. まとめ

電車賃の経費精算に領収書は必要か

電車賃の経費精算には、基本的に領収書が必要です。領収書は経費の証明となるものであり、取得することで取引先・取引日・金額などの情報を把握できます。そのため、領収書があれば記載された費用が業務のために使用されていると証明可能です。

一方で領収書がない場合、「いつ」「どこで」「何のために」使った費用なのかが分からず、経費として計上しにくい可能性があります。また、経理処理をスムーズに行うためにも領収書が欠かせません。領収書があれば、一目で費用の使い道や金額を把握できます。

そもそも交通費精算とは何か

そもそも交通費精算とは、従業員が業務のために使用した交通費を会社から払い戻してもらうための手続きです。例えば、出張などで電車に乗った場合、従業員が自分で切符を購入したとします。その後、会社に戻って支払った切符代を会社に請求するのが交通費精算です。

従業員は交通費精算書といった書類を作成し、上司からの承認を得て費用を請求します。書類を作成したり、経理の担当者に経費として処理したりしてもらうためにも、交通費精算には領収書の用意が欠かせません。

経費精算に領収書が必要な理由

交通費以外でも経費申告では領収書の提出が求められますが、これは社員の不正を防ぐための対策の1つです。社員の中には実際に支払った金額よりも多く請求する場合や、立て替えていない経費を申告する可能性があります。
そのため、もらい忘れを含め領収書のない申告を、経費として認めないと厳しく決めている会社も多いです。個人事業主の場合は、税務調査時に経費として認められない可能性もあるため、経費は必ず領収書をもらいましょう。

【旅費交通費】交通費・旅費・通勤手当の違い

交通費・旅費・通勤手当は、すべて「旅費交通費」と呼ばれる勘定項目に属します。しかし、それぞれ定義が異なるため、以下を参考に違いを理解しておきましょう。

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交通費・旅費・通勤手当の違い

  1. 交通費とは
  2. 旅費とは
  3. 通勤手当とは

交通費とは

交通費とは、業務のために生じた交通に関する費用のことです。例えば、取引先に行く際にかかった電車代やタクシー代、バス代などが交通費に含まれます。社用車や自家用車で移動した場合には、ガソリン代や駐車場代を交通費として申請できます。

高速道路を使って取引先や別の支社に行った場合には、高速代も交通費に含まれるでしょう。また、通勤のためにかかる費用は「通勤手当」として支給されることが多いですが、業務のために生じた交通に要する費用として交通費に分類される場合もあります。

旅費とは

旅費とは、出張などを行った際の宿泊費のことです。例えば、新幹線を使って泊まりで出張に行った場合、新幹線代は「交通費」ですが、宿泊費は「旅費」に該当します。1回の出張でも、さまざまな種類の経費が発生するため、扱いに注意しなければなりません。

ただし、企業によっては通勤にかかる費用を「交通費」、旅行にかかる費用は新幹線代や電車賃を含めて「旅費」とする場合もあります。勘定項目は旅費交通費に属するため、企業によって扱いが異なるケースがあると覚えておきましょう。

「出張旅費規程」を活用すれば節税対策に

出張旅費規程とは、出張にかかる旅費の支給や精算に関するルールを定めたものです。出張旅費規程を作成すれば出張旅費の支給や精算を効率的に行えるほか、節税対策にもつながります。明確な決まりがなく、自社で妥当額を決められるのも特徴です。

出張旅費規程を活用すると、旅費日当として決められた金額を役員や従業員に支払うことができ、支払った旅費日当は経費として扱われます。経費として旅費日当を扱うことにより、企業としては節税効果が期待できるでしょう。

通勤手当とは

通勤手当とは、従業員が自宅から会社まで通勤する際にかかる交通費を会社が支給するものです。通勤手当は、会社によって支給方法や支給額などが異なります。月15万円までの通勤手当は非課税であり、15万円を超えた部分は給与として扱われるため課税対象です。

ただし、通勤手当は社会保険料の計算対象となります。通勤手当が高額になれば、社会保険料の負担が増えるでしょう。計算方法や支給方法は会社によって異なりますが、定額支給・一般支給・選択制で計算し、給与支給や非課税手当として支給されるのが一般的です。

個人事業主の電車賃は経費になるのか

個人事業主の電車賃は、基本的に経費として計上可能です。ただし、経費として計上できないケースもあるため注意が必要です。例えば、取引先に会うための交通費は経費に含まれますが、プライベートで買い物に出かけた際の電車賃やバス代は経費になりません。

基本的には、「事業のために必要な交通手段・交通費」であれば経費として計上可能です。家族との買い物や友人とのランチの際の交通費は経費として計上できないため、しっかりと区別をして管理する必要があります。

また、個人事業主であっても経費計上する際は領収書が必要です。電車・タクシー・バスなどの公共交通機関はもちろん、駐車場代やガソリン代などの領収書もしっかりと保管し、紛失がないよう気を付けましょう。

旅費交通費の領収書が不要なケース

旅費交通費を経費として計上するには領収書が必要ですが、実は領収書が不要なケースもあります。ただし、会社の規定によっては必要となる場合もあるので注意しましょう。ここでは、旅費交通費の領収書が不要となるケースを紹介します。

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旅費交通費の領収書が不要な2つのケース

  1. 金額が3万円未満のとき
  2. 実費ではなく規定の金額を支給するとき

金額が3万円未満のとき

公共交通機関を利用しており、旅費交通費の金額が3万円未満のときは、基本的に領収書は不要です。公共交通機関とは、鉄道・バス・タクシー・航空機・船舶など、一般に利用されている交通機関を指します。

領収書の発行が困難な場合についても、領収書が不要となるケースがあります。ただし、「領収書の発行を要請したが発行してもらえない」のような仕方のないケースのみであることが多く、ICカードの利用履歴などで立て替えを証明する必要があります。

「インボイス制度」導入後も3万円未満の領収書は不要

インボイス制度の導入後も今までと同様、3万円未満であれば領収書は基本的に不要です。インボイス制度とは、2023年10月1日から導入された適格請求書(インボイス)にもとづいて消費税の仕入税額控除の方式を変更する制度を指します。

インボイス制度を導入している場合でも、これまで通り3万円未満であれば領収書不要で経費計上できるため、特別な手続きなどは必要ありません。

参考:インボイス制度の概要|国税庁

実費ではなく規定の金額を支給するとき

旅費の領収書が不要になるケースとして、実費ではなく既定の金額を支給する場合が挙げられます。会社が定めた規定の金額を支給する場合は、領収書がなくても旅費を経費として計上可能です。

例えば、「1泊につき1万円」と定めている場合には、それ以上や以下の支給にはならないため、規定で決められた金額をそのまま経費として計上できます。規定の金額を支給する場合は宿泊費等の詳細を提示する必要がなく、領収書も必要ありません。

ただし、規定の金額を支給する場合には、経費の適正化が難しくなる点に注意しましょう。それぞれの経費に対し、適切な金額を設定する必要があります。

電車賃の領収書のもらい方

電車賃の領収書をもらう場合、切符を買うケースとICカードにチャージする場合で方法が異なります。また、モバイルSuica・PASMOの場合でも領収書のもらい方が異なるため、以下を参考にしながらスムーズに領収書を取得しましょう。

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切符を買った場合

切符を買った場合は、券売機で切符を買うのと同時に領収書を取得できます。多くの券売機には「領収書ボタン」がついているため、精算後にボタンを押すだけで簡単に領収書が取得可能です。窓口で切符を買う場合は駅員に声をかけ、領収書を発行してもらいます。

券売機の場合は後から領収書を発行するのが難しく、窓口の場合でも購入時以外は対応してもらえない可能性が高いです。そのため、切符を買う際はその場で領収書を取得するのがおすすめです。

ICカードにチャージして乗車した場合

ICカードに電車賃をチャージして移動する場合には、券売機などでチャージする際に領収書を発行しましょう。ただし、ICカードにチャージした分のすべてを経費にせず、利用した分だけを精算したい場合には注意が必要です。

そのような場合は窓口に行き、該当のICカードと領収書を発行したい旨を伝えます。そうすると、利用履歴を確認した上で領収書を発行してもらえます。

また、自分で利用履歴を印刷して領収書として使う方法もあります。利用履歴の印刷は、券売機や多機能券売機で印刷することが可能です。方法が分からない場合には、最寄りの窓口で確認しましょう。

モバイルSuica・PASMOの場合

モバイルSuica・PASMOアプリで領収書を発行する場合には、アプリ内で利用履歴を確認しましょう。ICカードと同様に利用履歴を印刷して領収書として使う場合には、アプリ内で印刷したい履歴をタップし、「プリント」をタップして印刷します。

また、利用履歴から該当の履歴をタップし、アプリ内から領収書を発行することも可能です。領収書を発行したいときは、「領収書を発行」をタップし、流れに沿って手続きを進めます。

領収書がない場合の電車賃精算方法

電車に乗ったものの、領収書が発行できずに困ってしまう方も多いでしょう。ここでは、領収書がない場合の電車賃精算方法を解説します。領収書がない場合でも焦らず、以下を参考に電車賃の精算を行いましょう。

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領収書がない場合の2つの電車賃精算方法

  1. 交通費精算書を作成する
  2. 出金伝票を使う

交通費精算書を作成する

領収書がない場合は、交通費精算書を作成して電車賃を精算しましょう。交通費精算書とは、業務上必要な移動で発生した交通費を従業員が立て替え、その精算を後日するために必要な書類です。

交通費精算書には会社ごとにフォーマットがあり、その内容に従って記入を進める必要があります。領収書がない旨を会社に伝えた上でフォーマットを確認し、入力ミスや漏れのないように記載しましょう。

基本的には電車賃の金額や利用区間とともに、領収書がない事情を証明する書類を添付します。詳しい記載内容については、会社のフォーマットに従いましょう。

出金伝票を使う

領収書が用意できない場合、出金伝票を使って電車賃を精算する方法もあります。出金伝票とは、現金を支出した際に作成する伝票です。会社が定めたフォーマットに従って、電車賃の金額・利用区間・日付・支払先・勘定項目・摘要などを記載します。

出金伝票には、領収書がない場合の事情を証明する書類を添付する必要はありません。ただし、領収書がない場合は交通費精算の際に、事情を証明する書類の提出を求められる可能性があります。そのため、なぜ領収書をもらえなかったのかを明確にしておきましょう。

支払いを証明できる書類を提出する

会社ごとのルールによりますが、ICカードの利用履歴や購入完了メールなどを領収書の代わりとして認められる場合があります。日時や金額、何を購入したかが明記されていれば、立て替えの証明として認められやすいです。

領収書がない場合は、不正でないことを証明できる情報が記載されているものを用意しましょう。

領収書なしで電車賃を経費精算する際の注意点

領収書なしで電車賃を経費精算する場合は、さまざまな点に注意しなければなりません。例えば、行き先や目的が明確でない場合は経費として精算できない可能性があります。ここでは、領収書なしで経費精算する際に気を付けたいポイントを5つ紹介します。

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行き先・目的が明確か

領収書なしで電車賃を経費精算する場合には、行き先と目的が明確に記載されている必要があります。行き先が不明確だと経費の適正性が判断できず、精算が認められない場合があるため、必ず記載しておきましょう。

本当に業務のために使用した電車賃なのかが分からなければ、経費精算はできません。「どこに」「何をしに行ったのか」を明確にしましょう。

最短ルートで申請されているか

領収書なしで電車賃を経費精算する場合には、最短ルートで申請されているかどうかも重要なポイントです。目的地に行くまでのルートが複数ある場合、最短ルートで申請しなければ、不正だとみなされる可能性があります。

遠回りや寄り道など、自己都合で最短ルート以外を選んだ場合には、差額が自費となるケースがあります。そのため、必ず最短ルートで申請を行いましょう。

定期券の区間は除かれているか

業務のために利用した電車賃であっても、普段使っている定期券の区間内は基本的に経費精算の対象外です。通勤で使っている区間などは除き、電車賃を支払った部分だけを計算して精算しましょう。

消費税込みの金額か

領収書なしで電車賃を経費精算する際は、税込の金額かどうかもあわせて確認しましょう。ただし、電車賃はもとから税込の料金が設定されているため、基本的に別途10%をプラスする必要はありません。切符を買う際に支払った費用を精算しましょう。

勘定科目は「旅費交通費」に該当しているか

領収書がない場合、勘定科目は「旅費交通費」に該当する必要があります。勘定科目が間違っていると、会計処理が誤る可能性があるため十分注意しましょう。特に、旅費交通費は雑費・福利厚生費・交際費などと間違われやすい傾向です。

電子データの領収書も企業間の電子取引扱いになる

従業員が飛行機や新幹線の切符をネットで購入した場合、PDFなどで領収書を発行できます。ただし、そのような場合は企業間の電子取引に該当するため、さまざまな点に注意が必要です。

電子取引に該当する場合は、電子帳簿保存法に則ってデータの保存などをする必要があります。以下で、電子帳簿保存法について詳しく解説します。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法とは、国税関係帳簿書類を電子データで保存することを認める法律です。今までは税金などに関する書類を紙媒体で保存する必要がありましたが、電子帳簿保存法により電子データでの保存が可能になりました。

電子データでの保存や紛失のリスクが少ないものの、上記のようなPDFなどで発行された電子領収書については、紙で保存することができなくなります。

参考:電子帳簿保存法の概要|国税庁

経費精算システムで電車賃精算も効率化できる

電車賃の経費精算には手間や時間がかかるほか、さまざまな注意点もあります。スムーズな経費精算を行うためには、経費精算システムの導入がおすすめです。以下で、経費精算システム導入によるメリットを解説します。

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経費精算システムでできる2つの電車賃精算の効率化

  1. 交通費計算の自動化
  2. 申請・承認作業、経理業務の効率化

交通費計算の自動化

経費精算システムを導入すると、交通費計算が自動化できます。ICカードやモバイルSuica・PASMOと経費計算システムを連携すると、利用履歴を自動的に取得可能です。取得した内容をもとに計算できるため、利用区間や運賃をいちいち入力する必要がありません。

また、経費精算システムには定期区間の自動排除機能が搭載されている場合があります。定期区間の自動排除ができれば、計算もよりスムーズになります。経費計算システムを活用すれば、計算ミスや入力ミスといったヒューマンエラーを防ぐことも可能です。

申請・承認作業、経理業務の効率化

申請・承認作業や経理業務の効率化が行えるのも、経費精算システム導入の大きなメリットです。経費精算システムを導入すれば、申請や承認がオンライン上で完結します。紙媒体での書類作成や承認をもらう手間もありません。

また、経費精算システムを導入すれば、経理担当者は経費精算システムから申請書類や承認情報を一元的に管理できます。そのため、経費精算の時間短縮や業務効率化につなげられるでしょう。さらに、会計ソフトを連携すると、経費精算データの自動連携を実現可能です。

まとめ

電車賃の経費精算には、基本的に領収書が必要です。ただし、金額が3万円未満の場合など、状況によっては領収書がなくても経費として精算できます。ただし、領収書なしで電車賃を精算する場合には、経費の利用目的や行き先を明確にしなければなりません。

曖昧な内容では経費として認められず、精算できない可能性があります。電車賃の経費精算に手間や人件費がかかると感じている場合には、経費精算システムの導入がおすすめです。

経費精算システムを導入すれば、交通費の計算が自動化できるだけでなく、申請や承認といった作業も効率化できます。電車賃の経費精算に悩みを抱えている方は、ぜひ本記事を参考に経費精算システムの導入を検討しましょう。

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経費精算システムは、経費申請・承認業務を効率化してくれるツールです。しかし、さまざまな製品があるため、どのシステムを選べばよいのかわからないというケースも多いでしょう。この記事では、経費精算システム選びのポイントやおすすめのシステムを紹介します。

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