クラウドPBXでコールセンターをシステム化・構築するメリットとは

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  • クラウドPBXでコールセンターを構築することで、通話料を削減して利用ができる
  • クラウドPBXは、インターネット環境によって音声品質が影響されるため注意する
  • クラウドPBXを選ぶ際は、コールセンターの現状や課題から必要な機能を洗い出す

クラウドPBXとは、インターネットを利用して電話機能を利用できるシステムのことです。クラウドPBXでコールセンターを構築することで、コストを抑えて導入・運用ができます。本記事では、クラウドPBXでコールセンターを構築するメリットや注意点などを解説しています。

目次

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  1. クラウドPBXとは
  2. クラウドPBXでコールセンターを構築するメリット
  3. クラウドPBXでコールセンターを構築する際の注意点
  4. コールセンターで活用できるクラウドPBXの機能
  5. クラウドPBXを選ぶ際のポイント
  6. まとめ

クラウドPBXとは

クラウドPBXとは、インターネットを通じて音声通話を提供する電話サービスです。従来の電話回線などの電話交換機とは異なり、インターネット接続を通じて音声通話を処理し、通信インフラの運用・メンテナンスが簡略化されます。

コールセンターに導入すると、通話料の削減などのメリットが得られます。また、高度な通話ルーティング・自動応答・通話録音などの機能が利用でき、顧客サポートの向上や効率化に貢献します。

PBXとは

PBX(Private Branch Exchange)は、企業や組織内で使用される電話交換システムで、外部の電話回線と内部の電話機を接続し、通話を制御します。

最近では、IP-PBXやクラウドPBXが普及しており、これらのシステムはインターネットを通じて通信し、通話料の削減や柔軟性の向上を提供します。特にクラウドPBXは、モバイルデバイスやリモートワークの需要に応え、どこからでもアクセス可能な通信を実現します。

クラウドPBXでコールセンターを構築するメリット

クラウドPBXでコールセンターを構築することには多くのメリットがあります。このシステムを導入することで、コールセンターの生産性向上や顧客満足度の向上が期待できます。ここでは、クラウドPBXでコールセンターを構築するメリットについて解説します。

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初期費用を抑えて導入できる

従来のPBXシステムは、高額なハードウェアとソフトウェアの導入コストがかかり、設置やメンテナンスも複雑で高額でした。しかし、クラウドPBXではハードウェアが不要で、ソフトウェアはクラウド上で提供されるため、導入にかかる初期費用が大幅に削減できます。

通常のPBXでは追加のライセンスやハードウェアを購入する必要がある一方、クラウドPBXは必要な機能を柔軟に追加でき、スケーラビリティに優れています。

クラウドPBXは初期投資とランニングコストの両面でコスト削減が実現でき、コールセンターの効率向上に貢献します。

通話料・月額コストを抑えて運用できる

クラウドPBXでコールセンターを構築する最大のメリットは、通話料と月額コストを抑えて運用できる点です。通話はクラウドを通じて行われるため、通話料が大幅に削減されます

特に、長距離通話や国際通話においては従来の電話回線に比べてコストが格段に低くなります。また、多くのクラウドPBXプロバイダーがオールインワンプランを提供しているため、追加料金なしで多彩な機能を利用でき、月額コストも抑えられます。

場所・国内外を問わず利用できる

クラウドPBXはインターネットを通じて提供されるため、従業員やエージェントがオフィス内だけでなく、リモートワークやテレワーク環境からもシームレスにアクセスできます。

これにより、コールセンターの拠点を国内外に設ける際にも、1つの統合システムで業務を遂行できます。また、コールセンターの従業員が地理的に分散していても、同じクラウドPBXシステムを使用するため、協力しやすくなります。

対応件数を増やせる

クラウドPBXを利用したコールセンターは、スケーラビリティが高いため、必要に応じて対応件数を柔軟に拡張できます。コールセンターの需要が増加する際には、新たなエージェントを迅速に追加し、クラウド上で容易に設定を拡張できます。

また、特定の需要期間やキャンペーン期間などにおいても、リソースを柔軟に割り当てることができるため、効率的な運用が可能です。これにより、需要の急増に対しても遅れることなく対応でき、顧客満足度の向上やビジネスの成長に貢献します。

外部システムと連携できる

クラウドPBXは外部システムとのシームレスな連携が可能です。APIやツールを利用して、CRMやチケット管理システムなどと連携させることで、顧客情報や履歴データを自動的に取得・更新できます。

これにより、エージェントは通話中に顧客情報をリアルタイムで参照でき、より個別化されたサービスを提供できます。また、自動化されたデータの取得や処理によって作業効率が向上し、エージェントはより重要な業務に集中できます。

CRM・CTIと連携できる

クラウドPBXはCRM(顧客情報を管理するシステム)と連携することで、CTI機能が使えます。着信があれば、発信者情報を電話番号から検索し、名前や購入履歴を表示させるポップアップ機能が使えるため、スムーズな問い合わせ対応が可能です。

ほかにもPC上から電話番号を選択し、クリックするだけで発信ができるクリックtoダイヤル機能や、すべての着信・発信の通話日時や情報を保存できる履歴機能など、取引に便利な機能を使えます

BCP対策への対応ができる

クラウドPBXをコールセンターに導入することは、BCP(事業継続計画)に対する強力な対策となります。BCPは、災害や緊急事態に備えて業務を維持する計画のことです。

クラウドPBXは、場所に依存せずインターネット経由でアクセスでき、従業員がリモートからでも通話を行えるため、オフィスが利用できない場合でも業務を続けることができます。

災害時でも通信インフラが維持される可能性が高く、BCP計画の一環としてコールセンターの通話サービスを確保できるメリットがあります。

クラウドPBXでコールセンターを構築する際の注意点

クラウドPBXを活用してコールセンターを構築する際には、いくつかの重要な注意点に留意する必要があります。これらの要点に注意することで、効果的でスムーズなコールセンターの運用が実現できます。以下では、その注意点について解説します。

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クラウドPBXでコールセンターを構築する際の注意点

  1. 運用費が負担になる場合がある
  2. 音声品質がインターネット環境に左右されやすい

運用費が負担になる場合がある

クラウドPBXでコールセンターを構築する場合、運用費用が長期的に負担となる可能性があります。クラウドPBXの月額料金は初期に比べて比較的低額であるため、導入時には経済的に魅力的に感じられます。

しかし、長期間にわたり月々費用を支払い続けることを考慮しなければなりません。コールセンターの運用が拡大する場合、増加する通話量やエージェント数に伴い、月額費用も増加します。

そのため、適切な予算とコストマネジメントが必要で、事前の詳細な計画が不可欠です。長期間にわたるコストを見越して、十分な検討と戦略策定が必要です。

音声品質がインターネット環境に左右されやすい

クラウドPBXは、通話の音声品質がインターネット環境に左右されます。音声通信はデータパケットとしてインターネットを経由するため、ネットワークの混雑や不安定な接続によって品質が低下する可能性があります。

それにより、通話の途中で音声が途切れたり、遅延が発生したりする問題を引き起こします。遠隔地の拠点での通話品質が悪化する可能性があるため、通話品質を確保するためには高品質なインターネット接続を実装する必要があります。

コールセンターで活用できるクラウドPBXの機能

コールセンターの効率を向上させ、優れた顧客サービスを提供するために、クラウドPBXの多彩な機能が活用されています。ここでは、コールセンターで活用できるクラウドPBXの機能について解説します。

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コールセンターで活用できるクラウドPBXの機能

  1. ACD機能
  2. IVR機能
  3. CTI機能
  4. 通話録音機能
  5. レポート作成機能

ACD機能

ACDは、着信電話を自動的に分配し、適切なエージェントに接続するシステムです。これにより、顧客の電話が最適なエージェントに素早く転送され、待ち時間を最小限に抑えます。ACDは通話の順番付けや優先順位設定を行い、負荷分散をサポートします。

また、統計情報を収集してコールセンターのパフォーマンスを監視・最適化する役割も担います。コールセンターは迅速かつ効率的な顧客対応を実現し、顧客満足度を向上させることができます。

IVR機能

IVRは音声プロンプトを使用し、顧客が自分のニーズに合わせたオプションを選択できるシステムです。顧客はキー入力や音声コマンドを使用して、情報の取得・問い合わせ・アカウントにアクセスするなどの操作を行えます。

これにより、コールセンターの負荷が軽減され、エージェントの貴重な時間が節約されます。IVRは24時間対応可能で待ち時間を削減し、一貫性のあるカスタマーエクスペリエンスを提供します。

CTI機能

CTIはコンピューターシステムと通信機器を統合し、エージェントが電話通話と関連データをシームレスに管理できるようにします。コールセンターは顧客情報のリアルタイムアクセスや自動ポップアップ、履歴の参照が可能となります。

エージェントは、個別のカスタマーコンタクトに合わせたパーソナライズされた対応が可能で、コールセンターの生産性が向上します。CTIは通話データの収集と分析も行い、意思決定のサポートをすることで、コールセンター運営の効率化と品質向上を支援します。

通話録音機能

通話録音機能は、コールセンターが顧客との通話を自動的に記録する機能で、重要な情報やコミュニケーションの詳細を保存します。通話録音は、品質管理・トレーニング・法的コンプライアンスのために利用されます。

コールセンターマネージャーはエージェントのパフォーマンスを評価し、改善点を特定できます。また、紛争解決や法的問題の際に重要な証拠として活用できます。通話録音は、顧客対応の品質向上と透明性を提供し、コールセンター運営の信頼性を高めます

レポート作成機能

レポート作成機能はクラウドPBXの重要な要素で、コールセンターのデータ分析とパフォーマンス評価をサポートします。この機能は、通話データ・通話時間・エージェントの応対率などの情報を収集し、直感的なダッシュボードや詳細なレポートを生成します。

コールセンターマネージャーはリアルタイムおよび過去のデータを分析し、傾向や課題を特定できます。さらに、予測分析を用いて将来の需要を予測することも可能です。

レポート作成機能は、戦略策定・リソース配分の最適化・エージェントトレーニングに活用され、コールセンター運営の効率化と品質向上に貢献します。

クラウドPBXを選ぶ際のポイント

ビジネスの要件と目標に合致する適切なクラウドPBXプロバイダーを選ぶために、いくつかの重要なポイントを検討する必要があります。以下では、クラウドPBXを選ぶ際に考慮すべきポイントについて解説します。

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必要な機能が備わっているか

クラウドPBXを選ぶ際は、必要な機能が備わっているかを確認しましょう。必要な機能があることで、業務効率の向上・コールセンターの品質向上・カスタマーサービスの向上につながります。

また、無駄なコストを削減して生産性を向上させることができ、競争力を高めます。選択の際に慎重に機能を評価し、将来の成長にも対応できる柔軟性があるかどうかを確認することで、クラウドPBXの導入が成功する大きなポイントとなります。

自社でできる設定を確認

Web上で転送やグループ着信などの設定を簡単に変更できることは、ビジネスの柔軟性を高めます。瞬時に通信環境を調整できるため、急な変更や新たな要求に迅速に対応できます

これにより、業務の適切な管理とカスタマーサービスの向上が実現され、コスト削減にも貢献します。自社で設定を調整できる柔軟性は、変化の激しいビジネス環境において大きく競争力を高めます。

通話の音声品質を確認

実際の通話の音声品質を事前に確認しておくことは、顧客とのコミュニケーションにおいて信頼性を高めます。クリアで一貫性のある音声は、顧客との円滑なコミュニケーションに不可欠であり、顧客満足度を向上させます。

音声品質の低下は、誤解やコミュニケーションの混乱を招く可能性があり、ビジネスの信頼性とプロフェッショナリズムに悪影響を及ぼす場合があります。クラウドPBXの音声品質が高水準で安定しているかどうかを確認することは、選択の際の重要な判断基準となります。

まとめ

クラウドPBXは、クラウドを介してコミュニケーションインフラを提供するシステムで、コールセンターの構築に多くのメリットをもたらします。初期費用を抑えて導入でき、通話料・月額コストを節約できます。

場所や国に依存することなく柔軟に利用でき、必要に応じて対応件数を増やせることも大きな利点です。また、外部システムとの連携が容易で、BCP対策としても効果的です。

選択の際には、必要な機能の有無・自社での設定可否・通話品質の確認が重要です。クラウドPBXは、コールセンターの効率と品質向上に貢献します。

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