アンケート調査の作り方とは?|作成時のポイントや注意点も解説

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  • アンケート調査には定量調査と定性調査があり、目的によって使い分けが必要である
  • アンケート調査作成の際は選択肢をシンプルにし、回答しやすく工夫すべきである
  • アンケート調査結果を分析する際は、年齢などの属性による偏りを考慮する必要がある

アンケート調査は、作り方によって回答率や回答の精度が大きく変わります。適切な回答を得るためには、正しい手順で作成することが重要です。この記事では、アンケート調査の基本的な作り方やポイント、知っておきたい注意点などを解説します。

目次

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  1. アンケート調査とは
  2. アンケート調査の作り方
  3. アンケート調査作成のポイント
  4. アンケート調査実施の際の注意点
  5. アンケート調査作成に利用できるツール
  6. まとめ

アンケート調査とは

アンケート調査とは、特定のテーマやトピックに関する情報や意見を収集する調査のことです。アンケート調査は、主に「定量調査」「定性調査」の2種類に分けられます。

以下では、「定量調査」と「定性調査」がそれぞれどのような調査方法なのかについて、詳しく解説していきます。

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アンケート調査とは

  1. 定量調査
  2. 定性調査

定量調査

定量調査は主にアンケートを使用した調査方法で、質問に対する回答者の回答が「はい・いいえ」や数値で明確に示される方法です。この方法では、特定の質問に対する回答を数値化し、割合や比率として表現します。

例えば、特定の質問に「はい」と答えた人の割合が60%で、「いいえ」と答えた人の割合が40%といった具体的な数値で結果を示します。

このデータは、後で平均値や標準偏差などの統計を用いて分析できます。また、ウェブサイトの訪問者数やクリック数を分析して、サイトの効果を評価するのにも定量調査が活用されます。

定性調査

定性調査は、数値化が難しい個人の感情・意識・行動を言葉で捉える調査方法です。この調査では、収集したデータを数値に変換するのではなく、言葉やテキスト情報として分析の対象とします。

定性調査の主な目的は、消費者の理解や製品の改善、企業のイメージに関する仮説の構築です。例えば、消費者の意向を読み取って商品の改善点を見つけるために活用されます。

また、企業がどのようなイメージを持たれているかを明らかにするためにも活用されます。定性調査は、消費者の行動や意識にアプローチし、深い理解と洞察を提供する手段として重要です。

アンケート調査の作り方

効果的なアンケートを作成するには、慎重な計画と設計が必要です。有用なデータを収集して適切な分析を行うために、アンケートの作成は慎重に行いましょう。以下では、アンケート調査の作り方について詳しく解説します。

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計画を立てる

まず、アンケートの目的を明確にしましょう。例えば、新しいカフェを開業する際、「顧客の好みを把握する」という目的を設定できます。

次に、誰にアンケートを送るかを決定します。幅広い意見を集めるためにさまざまな層に送るのが一般的です。これらの段階を経て、調査方法を選択し、アンケートを具体的に作成していきます。

明確に計画を立てることで、調査の効果を高めて有益なデータを収集できるでしょう。

仮説を立てる

次に仮説を立てることで、何を調査すべきかを導き出します。既存のデータや情報、または関連する研究から情報収集を行います。

例えば、新商品の市場導入を考えている場合、競合他社の商品や市場動向に関する情報、または同じような製品の成功事例を調査します。

この情報から、「新商品がこの市場で成功するためには、価格帯や機能面で他の商品とどのように差別化すべきだろうか」といった仮説を立てることができます。

設問を作る

アンケート設問を作る際は、調査の目的や仮説に基づいて具体的な質問を検討します。例えば、新しいカフェの開業に関するアンケートなら、以下のような質問例を考えることができます。

  1. どの種類のコーヒーが好きですか?(複数選択可)
  2. 週に何回程度、カフェに行きますか?
  3. カフェでの滞在時間はどれくらいですか?
  4. カフェで提供してほしいスイーツや軽食がありますか?(自由記述可)

このようなアンケート項目は、カフェの運営に関する有益な情報を集めることができるでしょう。設問は具体的でわかりやすいことが重要です。

アンケートツールに入力する

アンケートの設問が作成されたら、次にそれをアンケートツールに入力します。アンケートツールは、オンラインでアンケートを作成し、回答を収集・分析できるソフトウェアやプラットフォームのことを指します。

一般的なアンケートツールには、GoogleフォームやMicrosoft Formsなどがあります。これらのツールを利用することで、設問の入力からアンケートの実施までを効率的に行うことができます。設問の形式を選択したり、設問の順序を調整したりすることも容易です。

さらに、アンケートのデザインや配信方法なども設定できます。アンケートツールの使用により、回答の自動集計がスムーズに行えるため、調査の効率性が向上します。

アンケート調査作成のポイント

効果的なアンケートを作成するにはいくつかのポイントがあります。ここでは、答えやすいアンケートの作り方のポイントについて解説します。

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選択肢をシンプルにする

回答者が回答をしやすくするために、選択肢はシンプルにしましょう。選択肢に複雑な専門用語や難解な表現を含めないように注意し、できる限りシンプルで簡潔な言葉で表現します。

また、複雑な選択肢や多段階の回答があると、回答者は戸惑ったり悩んだりする可能性が高まります。そのため、無駄に選択肢を増やさずにシンプルな選択肢にすることで、アンケートの品質を向上させることができるでしょう。

回答しやすく工夫する

回答方法を目立つ場所に明示することも重要です。特に複数回答が可能な場合、該当する選択肢を赤字や太線で強調することで、回答者が見落とす可能性を減らせます。また、記述式の設問が多いと、回答者が途中でアンケートを離脱するリスクが高まります。

そのため、できるだけ選択回答式の設問を中心にしましょう。Webを利用する場合、チェックをつけるだけやドロップダウンから選択するだけといった簡単な回答方法を活用することで、回答者の負担を軽減できます。

このように、回答しやすいアンケートを作成することで、回答率の向上やデータの品質を高めることができます。

回答にバイアスが含まれないよう工夫する

アンケート調査作成の際、調査結果の信頼性を損なう可能性があるため、回答にバイアス(偏り)が含まれないよう工夫しましょう。質問が曖昧で主観的な表現を含んでいる場合、回答にバイアスがかかる可能性が高まります。

質問は明確で客観的な表現を用い、二重否定や複雑な文言を避けることが大切です。また、選択肢が偏っていると、回答者は本当の意見を表現するのが難しくなります。回答者が正確に表現できるよう、広範な選択肢にすることが必要です。

曖昧な言葉は使わない

アンケート調査を行う際、曖昧な言葉や表現を使用することは避けるべきです。曖昧な言葉は回答者の設問理解を阻害して主観的な回答を生むため、ばらつきが生じやすくなります。

例えば、「最近商品を購入しましたか?」という質問では、「最近」が曖昧な表現です。回答者によって「最近」の解釈が異なる可能性があります。

このような曖昧な質問を回避するために、「直近1週間以内に商品を購入しましたか?」と具体的な時間枠を設定しましょう。

1つの項目に2つ以上の質問を含めない

1つの項目に複数の質問が含まれると、回答者がどの質問に対する回答を行うべきか混乱しやすくなり、回答の品質が低下する可能性が高まります。

例えば、「新しい商品の価格と品質についてどのように感じますか?」という質問が1つの項目に複数の質問を含む場合、回答者は価格と品質に対する感想を別々に述べることが難しくなります。結果として、回答が曖昧になってデータの解釈が困難になります。

回答にかかる時間の目安を記載する

アンケート調査を作成する際、回答にかかる時間の目安を記載しましょう。時間の目安を記載することで、回答者がアンケートに取り組む際のストレスを軽減させます。

アンケートの冒頭や案内文に、「このアンケートの回答にはおおよそ10分程度かかります」と記載することで、回答者は回答にかかる時間を予測しやすくなります。

時間の目安がない場合、回答者はアンケートの長さや難易度を判断できないため、アンケートを始める前に取り組むかどうかを迷う場合があります。回答にかかる時間の目安を提供することで、アンケートの収集率や品質を向上させることができます。

アンケート調査実施の際の注意点

アンケート調査を実施する際、いくつかの重要な注意点があります。ここでは、アンケート調査を行う際の注意すべきポイントについて解説します。

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アンケート調査実施の際の注意点

  1. 回答者の属性を確認する
  2. 配付・回収方法を工夫する
  3. アンケート実施後は集計・分析する
  4. 個人情報の取り扱いに気をつける

回答者の属性を確認する

アンケート調査を実施する際には、年齢・性別・職業・地域などの回答者の属性情報を確認しましょう。これらの属性によって回答に偏りが生じることがあり、その影響を調査するためには、属性情報の収集が重要です。

例えば、製品やサービスに関するアンケートを実施する場合、年齢によってその製品に対する評価やニーズが異なることが考えられます。もし年齢別のデータが収集されていない場合、誤った分析結果に繋がる可能性も否定できません。

そのため、アンケート調査を計画する際には、どの属性情報を収集するかを検討し、それを活用してデータの信頼性を高める方法を考えましょう。

配付・回収方法を工夫する

作成したアンケートに多くの回答を得るためには、配付・回収方法を工夫することが重要です。配布方法には、Webフォームやメール、エクセルなどの電子ファイル、イベントなどで紙媒体を配布するなどの手段があります。

配布数を増やすためには、マルチデバイスに対応するなど配布方法の幅を広げて、より多くの対象者の目に留まる工夫をすることが重要です。上記の方法以外に、各SNSやLINEといったユーザー数の多い媒体を活用するのも効果的と言えます。

アンケートを配布したらその全てが回収できるわけではありません。配布した対象者がアンケートの記入や提出を忘れる可能性も考えられます。回収率を増加させるためには、謝礼を用意したり、一定期間後にリマインドを送ったりすることが効果的です。

アンケート実施後は集計・分析する

アンケート結果を回収したら集計・分析を行うことが重要です。回答数が多く手作業での集計・分析が難しい場合は、アンケートツールの機能を活用するといいでしょう。

アンケートツールの中には、グラフの作成やクロス集計など、アンケート結果を効率よく集計・分析して見える化できる機能を備えたものもあります。ただし、紙媒体で配布・回収したものや自由記述式の設問は自動集計が難しい場合もあることに注意が必要です。

そのため、アンケート実施後の集計・分析のしやすさを意識して、配付・回収方法を検討することも重要になります。アンケート結果を活用しやすくまとめて自社の取り組みに活かしましょう。

個人情報の取り扱いに気をつける

個人情報は、回答者のプライバシーや個人の識別に関わる情報であり、その取り扱いには法的な規制が必要です。適切なセキュリティ対策を講じて情報漏洩や不正アクセスを防がなければなりません

さらに、個人情報の収集に際しては、その目的を明確に説明し、回答者からの同意を得ることが大切です。収集した個人情報は、調査の目的以外で使用されないよう厳格に管理されるべきであり、無断で第三者に提供されないようにすることが求められます。

個人情報の取り扱いに関する法律や規制に従い、誠実かつ慎重に対応することが、信頼性のあるアンケート調査を実施するための基本です。

アンケート調査作成に利用できるツール

アンケート調査の作成において、さまざまなツールやソフトウェアが利用できます。以下では、その中でも代表的なツールを紹介します。

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アンケート調査作成に利用できるツール

  1. Googleフォーム
  2. Webアンケートツール・システム

Googleフォーム

Googleフォームは、多くの場面で利用されるアンケートやフォーム作成ができるツールです。このツールを使うことで、簡単で迅速にアンケート調査を設計できます。以下では、Googleフォームを使ったアンケートの作成ステップを解説します。

1. フォームを作成する

Googleフォームを使ってアンケートを作成する方法はシンプルです。フォームの作成には空白のフォームを使用するか、Googleフォームのテンプレートから始めることができます。

テンプレートはさまざまなカテゴリと目的に合ったフォームを提供しており、必要に応じてカスタマイズできます。空白のフォームを使用する場合は、自分で質問を追加していきます。

2. 設問と回答方法を設定する

次にフォームに新しい質問を追加し、その質問のタイトルを入力して質問タイプを選択します。「はい」「いいえ」のような単純な回答や、テキスト回答・複数選択肢・スケール(1から5など)など、さまざまな質問タイプが利用できます。

重要なのは、質問の順番を適切に設定することです。通常、アンケートの開始は簡単で興味を引く質問から始め、徐々に詳細な質問に進みます。また、似たようなトピックや質問をまとめて配置することも重要です。

3. アンケートフォームの送信・回答の確認

アンケートフォームが完成したら、次に行うのはフォームの送信と回答の確認です。アンケートの回答用URLを生成し、メール・SNSなど、さまざまな方法でURLを配布できます。

Googleフォームは回答の収集状況をリアルタイムで確認できるため、回答の進捗やデータの整理が非常に簡単です。アンケートの進行状況を把握し、必要な場合には回答者にリマインダーを送信するなど、効率的な調査の管理が可能となります。

Webアンケートツール・システム

Webアンケートシステムは、オンライン上でさまざまな種類のアンケート調査を手軽に実施できる便利なツールです。

通常、アンケートフォームを作成するには、プログラミングやデザインのスキルが必要ですが、Webアンケートシステムを利用すれば、専門的な知識を持たない人でも簡単にアンケートフォームを作成できます。

作成したアンケートはオンラインで配布し、回答者はWebブラウザを通じて便利にアンケートに回答できます。その際、回答データは自動的に収集され、Webアンケートツールはこれらのデータを集計・整理し、結果を提供します。

Webアンケートツールは、調査の手間を大幅に削減する便利なツールです。貴重な時間とリソースを節約でき、より迅速で効果的なアンケート調査を実施できます。

まとめ

アンケート調査は、意見や情報を収集してデータを分析する重要なツールです。定量調査は数値データを用いて結果を示し、定性調査は質的データを通じて深い理解を得ることができます。

アンケート作成においては、曖昧な言葉を避ける、1つの項目で2つ以上の質問を避ける、回答時間の目安を明示するなどのポイントがあります。調査実施時には、回答者の属性確認や個人情報の取り扱い注意、回答のしやすさ確保も重要です。

Webアンケートツールを利用すれば、誰でも簡単にアンケートを作成して、回答データの収集・分析ができます。アンケート調査作成ツールを利用して、効果的なアンケート調査を行いましょう。

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