FAQシステム導入の失敗例・成功ポイントとは?導入ステップも解説

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  • FAQシステムは、運用ルールがなかったり、適切に更新しなかったりすると効果が出ない
  • FAQシステムを効果的に運用するには、配置する場所やコンテンツ数にも注意する
  • FAQシステム導入の際は目的を明確にし、顧客データをもとにコンテンツを作成する

FAQシステムとは、ユーザーからのよくある質問と回答をWebサイト内で検索できるようにするシステムです。問い合わせ対応を減らせるのがメリットですが、適切に運用できず失敗するケースもあります。この記事では、FAQシステム導入の失敗例や成功ポイントを解説します。

目次

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  1. FAQシステムとは
  2. FAQシステム導入でよくある失敗事例
  3. FAQシステム導入を成功させるためのポイント
  4. FAQシステムの導入ステップ
  5. まとめ

FAQシステムとは

FAQは「Frequently Asked Questions」を略した言葉で、よくある質問という意味があります。FAQシステムとは、ユーザーからのよくある質問と回答を取りまとめてWeb上に掲載し、ユーザーの疑問を解決に導くためのシステムです。

FAQシステムには、ユーザーの質問を検索する機能や回答を作成する機能が備わっており、FAQに掲載する質問や回答を効率的に作成できます。また、問い合わせに関する分析機能により、掲載内容の選定や改善なども可能です。

FAQシステムの導入により、ユーザーは疑問を自己解決することができます。そのため、ユーザーからの問い合わせが減少し、カスタマーサポート業務の負荷を軽減させる効果が期待できます。

FAQシステムを導入する際は、選び方のポイントを押さえ、自社に合ったものを導入することが重要です。メリット・デメリットを把握し、適切なシステム選定に繋げましょう。

チャットボットとの違い

チャットボットとは、文字による会話を指す「チャット」と「ロボット」を組み合わせた言葉で、人工知能を活用した自動会話プログラムのことです。ユーザーが表示されたフォームに知りたい内容を問いかけると、AIが自動的に返信を行います。

FAQシステムの機能にチャットボットが搭載されていることもありますが、大きな違いとしては扱う業務の範囲が挙げられます。FAQシステムはユーザーからの質問に答えることが目的ですが、チャットボットはWeb接客など問い合わせ以外の業務でも使われます。

FAQシステム導入でよくある失敗事例

FAQシステムの導入においては、思ったよりコスト削減の効果が得られなかった・システムのユーザビリティが低かったという失敗事例が存在します。また、不適切な回答が作成されたり、最新情報に更新されなかったりといったケースにも注意が必要です。

ここでは、FAQシステム導入でよくある失敗事例を取り上げ、それぞれについて解説します。

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コスト削減の効果がなかった

コスト削減を目的にFAQシステムを導入しても、思うようにコスト削減の効果が得られない場合があります。ユーザーを自己解決に導くためのFAQシステムへの誘導が不十分な場合や、システムが見づらい・使いづらい場合には、効果が得られにくくなるでしょう。

また、FAQシステムの操作性が悪く、情報の登録や更新に多くの手間を要する場合も注意が必要です。システム操作にかかる時間に伴い、人件費も増加してしまいます。

さらに、顧客対応業務のコストには、FAQシステムの導入や運用に加え、カスタマーセンターやコールセンターなどの人件費などが含まれています。そのため、FAQシステムにかかるコストを上回る効果を出せない場合は、コストを削減できない事態にもなりかねません。

FAQシステムを導入する際は、ユーザーを適切に誘導し、操作性に優れたシステムを選定することが重要であると言えます。

ルールが不明確で矛盾や不適正な回答が発生した

FAQシステムを使用する際は、回答に関するルールを明確に定め、適切な運用を行わなければなりません。これらの対応が不十分な場合、不適正な回答や矛盾した回答が発生してしまう原因となります。

失敗例として、1つの質問に対して複数の回答が生成されてしまうケースや、回答内容に抜け・漏れ・矛盾が生じるなどの例が挙げられます。内容のカテゴリー分類や検索キーワードに関するルールを定め、定期的に回答内容のチェックを行いましょう。

最新情報に更新されなかった

企業で取り扱う商品やサービスは日々変化を続けています。また、ユーザーのニーズや消費行動も変わっていくため、常に最新情報をFAQシステムに反映させる必要があります。

最新情報を取得できない場合、古い情報や誤った情報が掲載され、ユーザーに迷惑がかかってしまいます。いつまでも同じ内容が掲載されたFAQは信頼性を失い、本来の役割を果たせなくなってしまう場合もあります。

また、クレームやトラブルに繋がる可能性もあるため、FAQシステム運用の際には、最新情報を反映させる業務をフローの中に組み込んでおきましょう。

ユーザビリティが低かった

FAQシステムを導入する際は、ユーザビリティにも注目しましょう。ユーザビリティが低いシステムは、ユーザーや社内のスタッフにとって使いにくく、かえって生産性を低下させてしまう場合もあります。

たとえば、FAQ画面でのキーワード検索がうまく反応しない場合や、適切なカテゴリー分類が行われていない場合などはユーザビリティが低い状態であると言えます。

また、誤った質問・回答が掲載されていたり、不適切な画面設計が行われていたりしないかにも注意しましょう。

FAQシステム導入を成功させるためのポイント

FAQシステム導入を成功させるためには、まず登録のルールを定め、定期的なメンテナンスを実施することが重要です。また、FAQの数を増やしすぎず、サイト内のわかりやすい場所に配置することで導入の効果が得られやすくなります。

さらに、エラーや疑問が生じた場合はFAQシステムのヘルプデスクに問い合わせることもできます。ここでは、FAQシステム導入を成功させるためのポイントを5点取り上げ、それぞれについて解説します。

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登録のルールを定める

FAQシステムの導入を成功させるには、登録の際のルールを明確に定めておくことが重要です。カテゴリー分けの基準を明確にし、検索用のタグ付けにも基準を設けるなどの対応によって、使いやすく満足度の高いFAQの運用に繋がります。

登録のルールが不十分だと、カテゴリー分類や検索用のタグ付けなどが正確に行われない場合があります。ユーザーが求める情報に辿り着けないことで問い合わせが増加してしまうケースもあるため、適切なルール設定を行いましょう。

FAQをわかりやすい場所に配置する

FAQシステムの導入においては、FAQをサイト内のわかりやすい場所に配置することが不可欠です。サイトを訪れるユーザーの目線を意識し、目に留まりやすいところに配置しましょう。

よくある例として、FAQがサイトの深部に配置されていたり、誘導バナーが小さかったりするケースが見られます。ユーザーの目に触れないとFAQの効果は得られないため、わかりやすい配置を意識するのがポイントです。

FAQを増やしすぎない

FAQシステムの導入においては、FAQの数を増やしすぎないように注意しましょう。全ての質問内容を網羅しようとすると、FAQの数が膨大になり、更新の手間や内容のチェックなどに多くの人的リソースを割くことになってしまいます。

適切な工数でFAQシステムの費用対効果を最大限に発揮するには、ユーザーニーズに合わせた最低限のFAQから開始し、必要に応じて増やしていくのがおすすめです。適切な数を用意することで内容が見やすくなり、ユーザーが情報を探しやすくなる効果も期待できます。

定期的なメンテナンスを行う

ユーザーが求める回答へ辿り着き、疑問点の自己解決を行うにはFAQの定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスによって常に最新の情報を反映させ、内容の矛盾や誤りをなくすよう心がけましょう。

FAQシステムを導入した後も、情報の更新や内容の見直しなどは継続しなければなりません。そのため、メンテナンスを行いやすく、操作性に優れたFAQシステムを選ぶのがおすすめです。

FAQシステムのヘルプデスクに問い合わせる

導入時に疑問が生じた際は、無理に自分で解決しようとせず、FAQシステムのヘルプデスクに問い合わせることでスムーズに導入できます。そのため、どのようなサポートを受けられるのかも、システム選びの段階でチェックしておきましょう。

導入形態により、クラウド型の更新頻度やオンプレミス型の複雑なシステムのヘルプデスクなど、必要なサポート内容も変わってきます。それぞれのシステムを上手に活用するためにも、サポートが充実しているシステムを選びましょう。

FAQシステムの導入ステップ

FAQシステムを導入する際は、まず目的を明確に定め、自社に合ったシステムを選定しましょう。続いて、コンテンツの作成や効果の測定を行うのがおすすめです。ここでは、FAQシステム導入のステップを取り上げ、手順ごとに解説します。

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目的を明確にする

FAQシステムを導入する際は、まず導入の目的を明確にしておきましょう。自社の抱える課題を洗い出し、課題解決に向けてFAQシステムをどう使用するかを定めることで、FAQシステムの導入効果を検討しやすくなります。

自社に合ったシステムを選定する

目的の設定に続いて、自社に合ったFAQシステムの選定を行いましょう。FAQシステムはサービスによって機能・特徴・費用などが異なるため、システムの選定が重要になります。

FAQシステムは、随時情報の更新や見直しを行う必要があるため、メンテナンス性に優れたものを選ぶのが重要です。実際にシステムの運用を行う担当者がテスト運用を行い、操作性の高さやインターフェースの使いやすさなどを確認するのが望ましいでしょう。

また、近年では、スマートフォンやタブレットからWebサイトを閲覧するユーザーが増加しているため、マルチデバイス対応のシステムを選ぶのもおすすめです。

コンテンツを作成する

システムの選定を行ったら、FAQコンテンツを作成します。FAQコンテンツはFAQシステムの中でも重要な役割を果たしているため、コンテンツの内容・カテゴリー・全体のボリュームなどを適切に設定しましょう。

FAQコンテンツの作成においては、担当者の想像ではなく、実際の顧客データをもとにして作成することが重要です。自社の情報を参照し、システムを利用する想定ユーザーのニーズに基づいたコンテンツ作成を行いましょう。

効果測定を行う

最後に、FAQシステムの導入前後の状態を比較し、システム導入における効果測定を行いましょう。システムの導入後は、ユーザーの回答への到達率や、FAQによって得られた費用対効果などを定期的に確認することで、費用対効果を比較できます。

その際、導入の目的として定めた事項について、あらかじめ現状と目標を数値化しておくことも重要です。客観的な数値によって比較することで、新たな課題点や効果があったポイントが明確になり、改善を繰り返しながらPDCAサイクルを回すことができます。

まとめ

FAQシステムとは、ユーザーからのよくある質問と回答をWeb上に掲載し、ユーザーの疑問を自己解決に導くためのサポートを行うシステムです。FAQシステムには、質問の検索機能や回答作成機能に加え、問い合わせ内容の分析機能が備わっています。

FAQシステムの導入を成功させるには、情報の登録に関するルールを明確に定めておくことが重要です。また、情報の更新や内容の見直しに加え、定期的なメンテナンスの実施が必要になります。

FAQシステムを導入する際は、導入の目的を明確化し、自社に合ったものを導入することが重要です。本記事を参考にFAQシステムを導入し、適切な運用によって導入効果を最大化させましょう。

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