FAQシステムの導入効果とは|導入・運用する際の注意点も解説

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  • システムを活用することで、質の高いFAQを簡単に作成できる
  • FAQシステムで収集したデータは、製品開発など社内のさまざまな業務に活用できる
  • FAQページを作る際はあらかじめ内容を整理しておき、公開後は定期的な効果測定も行う

FAQシステムを導入することにより、情報の収集や分析を簡単にすることができ、ユーザーが求めるFAQを作り上げることができます。システムを使わない場合と比べて利便性が高いです。この記事では、FAQシステムの導入効果や導入・運用時の注意点を解説します。

目次

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  1. FAQシステムとは
  2. FAQシステムの導入形態
  3. FAQシステムの導入効果
  4. FAQシステムの導入効果を高めるポイント
  5. FAQシステム導入時の注意点
  6. まとめ

FAQシステムとは

FAQシステムとは、ユーザーの「よくある質問」とその回答を取りまとめて、Webサイトに掲載するためのシステムです。なお、FAQは「Frequently Asked Questions」の略語で、直訳すると「しばしば尋ねられる質問」となります。

FAQシステムは、顧客向け(社外向け)だけでなく、社内向けに利用されることもあります。社内向けとしては、業務遂行上の疑問点や不明点を取りまとめたものが多いです。

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チャットボットとの違い

チャットボットとFAQシステムの違いは、手軽さの面にあります。原則として、FAQシステムは、ユーザーが知りたい情報を自らページ内で検索する必要があります。そのため、回答を得るまでには、やや手間と時間がかかります

対してチャットボットは、質問を投げかけると、チャットボットが返答してくれる仕組みです。テキストの入力は必要ですが、FAQシステムに比べれば検索の手間はかかりません。

また、チャットボットとFAQシステムでは、得られる情報量にも違いがあります。一般的にFAQシステムは、その質問に対する専用の回答ページを用意しているため、より詳細な文章・図・表を使った説明も可能です。そのぶん得られる情報が比較的多い傾向があります。

一方でチャットボットは、基本的に必要最低限の返答しかしません。また、対話表示形式という性質上、テキストのみの回答となり、基本的に図や表は使えません。そのため、FAQシステムに比べると、得られる情報量は少なくなります。

Q&Aとの違い

FAQとQ&Aの違いは、取り扱う質問の種類です。FAQでは、実際にユーザーから寄せられた質問のうち、特に質問頻度が高いものを指します。

対してQ&Aには、質疑応答の種類に制限はありません。ユーザーから寄せられた質問全てを取り扱うこともあれば、将来的に質問が来ることを予測して設定した質疑応答なども含まれます。

つまり、Q&Aの領域の中で、特にユーザーの質問頻度が高い質疑応答をFAQとして区別しているのです。このように両者は扱う領域が重複することから、混同されることも多いです。

FAQシステムとは?導入のメリットとシステムの比較ポイントを解説

FAQシステムとは、エンドユーザーからの「よくある質問」とその回答を作成し蓄積したものをWebページやアプリ内で検索できる機能です。この記事では、FAQシステムの機能やメリット・デメリットを踏まえ、選び方など導入前に抑えておきたいポイントを解説します。

FAQシステムの導入形態

FAQシステムの導入形態は「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類あります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、用途にあった導入形態を選びましょう。

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FAQシステムの導入形態

  1. クラウド型
  2. オンプレミス型

クラウド型

クラウド型のFAQシステムは、インターネット上のサーバーを利用します。そのため、サービスを契約すればブラウザから情報を閲覧でき、場所も選びません。また、比較的コストも低く導入できるのがメリットです。

しかし、インターネット上のサーバーを利用するため、情報漏洩などセキュリティ面では注意が必要です。加えて、クラウド型はオンプレミス型に比べて、カスタマイズ性が低いことがデメリットと言えます。

オンプレミス型

オンプレミス型のFAQシステムは、システム自体を自社サーバーに導入する形態です。自社で導入し管理するため、カスタマイズ性が高く情報漏洩などのセキュリティリスクの低さがメリットと言えます。

その反面、オンプレミス型のデメリットとしては、導入までにサーバーの設置やソフトウェア・ライセンスの購入など初期費用に加え、維持費といった高額なコストが必要な点があげられます。

オンプレミス型FAQシステムとは?メリットや選び方も解説

FAQシステムとは、ユーザーからのよくある質問とその回答をWebサイトで検索できるようにするシステムで、オンプレミス型とクラウド型の2つの導入形態があります。この記事では、オンプレミス型FAQシステムのメリット・デメリットや選ぶ際のポイントを解説します。

FAQシステムの導入効果

FAQシステムの導入により、業務の効率化・コスト削減のほか、顧客満足度の向上や属人化の防止が期待できます。各メリットの内容を詳しく解説していきます。

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質の高いFAQの作成・運用が簡単にできる

FAQシステムを使わずに、HTMLを用いて一からFAQページを作成することもできますが、これには専門知識と多くの手間がかかります。その点、FAQシステムには、高度な専門知識がなくても簡単にFAQページを作成できる機能が備わっています

そのため、FAQに追加できる知識を持つ従業員が直接FAQの追加を行うこともできます。加えて、FAQの閲覧状況などアクセスデータを解析する機能も備わっているため、ユーザーの利用状況に合わせた調整や改善も行いやすくなります。

問い合わせ工数を削減でき、業務負担やコストが削減される

FAQシステムの導入により、ユーザーの主体的な疑問点・不明点の解決が可能です。例えば、コールセンターやカスタマーサポート窓口に電話・メールをせずに疑問を解消できるため、企業に寄せられる問い合わせ件数の削減が行えます

万が一解消できない場合でも、似たような質疑応答を顧客が事前に確認しておくことで、窓口スタッフのヒアリングを簡略化できる場合があります。

そのため、コールセンターやカスタマーサポートスタッフの業務負担の軽減が図れます。また、少ない人員でも問い合わせ業務を回せるようになるため、人件費の削減も期待できます。

求める回答がスムーズに得られるため、顧客満足度が上がる

社内向けFAQシステムの導入により、顧客満足度の向上が期待できます。例えば、FAQシステムは、コールセンターの接客マニュアルの一環として利用されることも多いです。

オペレーターは、顧客への応対に必要な情報を素早くFAQから拾えるため、的確かつ迅速な回答を提示できます。

特に新人オペレーターは、熟練オペレーターに比べて、回答までに時間を要することが多く、時には回答結果が誤っていることもあります。オペレーター向けのFAQを充実させることで、こういったオペレーター間の応対品質の格差を低減できるでしょう。

顧客にとっては、いつでも正確な情報をスムーズに得られるというメリットがあります。また、電話やメールでの問い合わせのような「回答待ち」のタイムロスを減らせるため、顧客満足度が向上しやすくなります。

情報の収集・分析ができ、サービスの改善に繋げられる

FAQシステムの導入により、顧客のニーズや疑問点を中心に、さまざまな顧客情報を収集できます。たとえば、閲覧頻度の高いページの分析により、自社の顧客がどのような課題や疑問を抱えているのかを把握できるでしょう。

このような分析結果を活用することで、より顧客満足度の高い商品開発・セールス・サポートが可能になります。

ナレッジが蓄積されるため、属人化を防止できる

FAQシステムの導入により、チーム全体でのナレッジの蓄積や業務の属人化の防止が期待できます。

例えば、コールセンターでの応対方法は、各オペレーターが実践を積みながら独自に学んでいくことが多いです。また、応答時間の短縮のために、その分野に熟練したオペレーターに電話が回されるケースも多く、結果として業務が属人化しやすくなります。

業務が属人化すると、その他のオペレーターは自分の担当外の分野で実践を積めず、成長の機会を奪われることになります。また、特定の応対を一手に引き受けていたオペレーターが急に退職した際に、誰も応対できなくなるといったリスクもあります。

FAQシステムの導入により、よくある質問とその回答をチーム全体で共有できます。熟練オペレーターのノウハウ・ナレッジをマニュアル化できるため、チーム全体での応対品質の均一化やパフォーマンスアップが図れます。

FAQシステムの導入効果を高めるポイント

FAQシステムの導入効果を高めるには、情報整理と定期的な効果測定が重要です。具体的には、次の3つのポイントを押さえるのがおすすめです。

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あらかじめ社内の情報と顧客の疑問を整理しておく

FAQシステムの導入に際して、社内の情報と顧客の疑問をあらかじめ整理しておくことが重要です。この作業をないがしろにしてしまうと、顧客が求めている情報と、企業が提供すべきと判断した情報がズレる可能性があります。

FAQシステムとは、実際に顧客から寄せられる疑問の解決を図るためのシステムです。顧客のニーズとズレた情報を掲載すると、システムが本来の役目を果たせません。

FAQシステムを的確に運用するためにも、顧客が求めている情報を誤認していないかをしっかり確認しておきましょう。例えば、過去に寄せられた質問やクレームを洗い直すことが大切です。

回答への導線を考慮してFAQページを設計する

見やすいFAQシステムを設置するには、回答への導線を考慮して設計する必要があります。たとえば、「関連する質問」「よくある質問」のようなタグ・カテゴリの設置といった工夫が必要です。

全ての情報が同一レベルで並列されていると、疑問を検索したときに、アクセスすべきページが分かりにくくなる恐れがあります。まずは主軸となる疑問・回答を設置し、そこにタグやカテゴリを設置することで、ユーザーが情報を体系的に整理しやすくなります。

また、FAQのトップページには、特に頻度の高い疑問を優先的に並べておくと、ユーザーの検索時間を短縮化できるでしょう。ページ設計の際は、ユーザーが欲しい情報にスムーズに辿り着けるかを意識することが大切です。

定期的な効果測定と改善・更新を行う

FAQシステムの導入後は、定期的な効果測定を行いましょう。たとえば、次のような項目を確認するのがおすすめです。

  1. 検索回数
  2. アクセス数
  3. クリック数
  4. 導入前と導入後の問い合わせ件数の変化

FAQシステムの導入効果が感じられない場合は、必要に応じて、システムの改善・更新を行います。システムの改善作業を迅速に行うためにも、FAQシステムの運用体制をあらかじめ決めておきましょう

なお、FAQのコンテンツは徐々に増やしていくのがおすすめです。いきなり膨大な情報を提供すると、ユーザーが検索した際に、求める情報にたどり着きにくくなるためです。最初は、特に頻度の高い質問に絞ってコンテンツを作成しましょう。

FAQシステムが軌道に乗れば、基本的な疑問が解決し、ユーザーからの質問内容も変化してくることが多いです。こういった変化にあわせて、徐々にコンテンツを増やすことで、より顧客満足度の高いFAQシステムを構築できます。

FAQの作り方とは|FAQを作成するメリットやコツ、注意点も解説

FAQを作ることによって、ユーザー自身で回答に辿りつけるため、問い合わせ対応の工数を削減することができます。FAQは顧客向けだけでなく、社内用のFAQとしても活用することができます。本記事では、FAQの作り方や作成するメリット、注意点などを解説します。

FAQシステム導入時の注意点

FAQシステムによる導入効果や、より効果を得られるポイントは上述のとおりです。しかし、注意して導入しないと、せっかくの導入効果も得られず正しい運用が行われません。それらを防ぐために、以下で導入の際の注意点を解説します。

コンテンツの数を増やし過ぎない

FAQシステムを導入する際は、コンテンツの数を増やし過ぎないよう注意しましょう。コンテンツの数が多いと、ユーザーが目的の情報に辿り着くのに時間がかかるため、確実に必要な情報を優先して準備するのがポイントです。

また、FAQに掲載する際は、実際に問い合わせが多い質問の精査や、過不足などをオペレーターに確認しておくのも重要です。コンテンツの制作や管理を効率化することで、更新作業や運用の手間も省けます。

導入・運用に費用がかかる

FAQシステムの導入には、初期費用や日々の運用費用が発生します。導入形態には「オンプレミス型」と「クラウド型」があることは上述しましたが、社内定着率や顧客満足度の向上のためにも、自社のニーズにあわせてFAQシステムを導入するのが重要です。

そのためには、「どのような目的で導入したいのか」を明確にし、必要な機能やサポートなどを把握しておきましょう。導入費用を無駄にしないためにも、事前にオペレーターにも聞き取りを行い、いくつかFAQシステムの比較をしておくと安心です。

まとめ

FAQシステムとは、ユーザーからの問い合わせ頻度が高い質問とその回答をWebサイトに設置するためのシステムです。FAQシステムの導入により、問い合わせ件数や工数の削減・問い合わせへの迅速な対応・顧客満足度の向上が期待できます。

また、情報分析やナレッジの蓄積が効率的に行えるのもメリットです。しかし、FAQシステムの導入効果を高めるためには、いくつかのポイントを抑えておく必要があります。これにより、顧客満足度の向上だけでなく、大幅な業務効率の改善が図れます。

顧客からの問い合わせ対応業務に課題を抱えている企業は、FAQシステムの導入がおすすめです。その際、どのような目的で導入したのかを明確にし、必要な機能や予算などを把握しておくのが重要です。本記事を参考にして、FAQシステムの導入効果を高めましょう。

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