ECサイト構築の注意点とは?必要な作業やツールの選び方も解説

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- ECサイト構築の際は、構築目的や目指す事業規模・予算を明確にすることが重要である
- ECサイトはモール型と自社サイトに大きく分けることができ、ニーズに合わせて選ぶ
- 低コストで手軽にECサイトを始めたい場合は、モール型やASP型がおすすめ
ECサイトを構築・運用する際は、綿密な計画を立ててスムーズに運用ができるようにしなければなりません。本記事では、ECサイト構築・運用における注意点について、失敗例やECサイトの関する基本的な知識、ECサイト構築ツールの選び方などを交えて解説します。
目次
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本格的なECサイトを構築するならECサイト構築ツールがおすすめ
Squareは、無料のアカウント登録をするだけで、実店舗とオンライン販売両方の注文に対応したECサイトを構築することができます。パソコンでの表示はもちろん、SNSやモバイルを含め、さまざまな販路の販売・在庫状況をリアルタイムで把握可能です。
ECサイト構築において、コーディングや開発の専門知識が必要ないため、初めてでも簡単にネットショップを開設できるのが大きなメリットです。また、無料のフォトスタジオアプリを活用し、本格的な商品写真を簡単に用意することもできます。
Squareでは、特定のイベントや期間限定セールなどを設定して顧客にお知らせするといった、売上につながる施策が行えます。スマートフォンでもスムーズにショッピング可能な、ブランドイメージに即したECサイト構築を行うなら、Squareの導入がおすすめです。
ここがおすすめ!
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ここが少し気になる…
- フリープランは手軽に導入できる反面、使える機能が少ない
ECサイト構築・運用における注意点とは

自社ECサイトの立ち上げには多くのメリットが存在しますが、構築と運用においては注意点やデメリットもあります。失敗を避けるためにはすべてを理解し、対策を講じなければなりません。
例えば、ECサイトの運用では、商品在庫の管理やWebマーケティングの知識・スキルの習得などが必要です。ECサイトのクオリティは自社の売上にも直結するため、綿密な計画を立てる必要があります。
本記事では、失敗例も交えながら、ECサイト構築・運用に必要なこと、構築ツールの選び方などを解説します。
ECサイトの構築・運用の失敗例

近年では、技術の発展に伴ってECの需要が高まり続けており、多くの企業がECサイトを立ち上げています。しかし、中にはECサイトの構築・運営に失敗している企業も存在します。ここでは、ECサイトの構築・運用の失敗例を解説します。
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ECサイトの構築・運用の失敗例
商品が売れず利益が出ない
ECサイトはビジネスであり、利益を出すために立ち上げることがほとんどです。そのため、ECサイトを立ち上げても商品が売れなければ利益は出ず、失敗につながってしまいます。
時に、SNSでの拡散などで突然商品が売れるようになる可能性もありますが、商品が売れない原因を取り払わない限りは、継続して利益を出すことはできません。
商品が売れない原因は複数ありますが、ECサイトのターゲット層にマッチしない商材を販売していること、市場・顧客のニーズにマッチしていないことが主な原因であることが多いです。つまり、ターゲットや商材を決定する際には入念な分析が欠かせません。
サイトの利用・管理がしにくい
ECサイトの設計が上手くいかず、サイトの利用や管理がしにくい、という問題を抱えているケースもあります。そのようなケースが、商品が売れず利益が出ない要因として挙げられることも多いです。
サイトの設計がユーザーや運営側のニーズに合ったものになっていないと、ユーザーが使いづらさを感じるだけでなく、運営側も管理が煩雑になってミスやトラブルにつながるでしょう。機能や画面デザインは、ECサイト構築のうえで最も重視すべきポイントです。
業務に遅延が発生している
人手やスキル、経験が不足していることが原因で業務に遅延が発生した場合、ECサイトの構築・運営に失敗している状態といえます。ECサイトの構築・運用業務は多岐にわたり、サイトの管理だけでなく商品の発送なども行う必要があります。
発送が遅れると顧客満足度が低下し、リピートが見込めません。また、ECサイトが成長すればするほど多くの人員が必要となるため、適切な人数で業務に当たれるような運営体制の整備が大切です。
ECサイト構築・運用に失敗しないためのポイントと注意点

失敗を防ぎながらECサイトを構築・運用していくには、いくつかのポイントと注意点を把握しておく必要があります。ここでは、ECサイトの構築と運用におけるポイントや注意点について詳しく解説します。
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ECサイト構築・運用におけるポイントと注意点
サイトが目指す方向性の共有
ECサイトの構築と運用において、まずは関係者間で「どのようなECサイトを目指しているのか」を確認し、サイトが目指す方向性を共有しましょう。方向性を明確にすれば、売上拡大に向けた施策も練りやすくなります。
例えば、商材やターゲット層を決定することで、ECサイトのコンセプトが明確になります。若年層向けの商品を提供するのか、女性向けの商品ラインナップを揃えるのかといった要素によってサイトのブランディングとイメージが形成されます。
方向性の決定においては、他のECサイトを参考にすると具体的にイメージしやすいためおすすめです。他の優れたサイトがどのようにターゲット層にアプローチしているかを学び、良い部分を自身のサイトに反映させましょう。
ユーザー目線のECサイト作り
ECサイトは見た目だけでなく使いやすさも重要であり、見栄えが綺麗でも使いにくければ最終的に離脱してしまいます。ユーザーの離脱を防ぐには、重要な情報をユーザーにとってわかりやすく配置することが大切です。
サイト内の動線とユーザーの視線を意識し、目立つ場所に商品情報・価格・購入手続きへのリンクなどを配置することで、購買につなげることができます。ユーザーの視点に立ち、使いやすく・わかりやすいECサイトを作成しましょう。
集客・Webマーケティングスキルの習得
ECサイトを成功させるためには、ただECサイトを運営するだけではなく、そのサイトに訪れる多くのユーザーを引き寄せ、コンバージョンにつなげる必要があります。Webマーケティングは、新しい広告プラットフォームや戦略が絶えず登場しています。
そのため、継続的な情報収集を行い、どの商品がどの広告媒体や戦略に適しているかを見極めることも重要です。初めは難しく感じるかもしれませんが、Webマーケティングのスキルを習得することはECサイトの売上げに直結します。
ユーザーの目を引き購入に導くため、集客・Webマーケティングスキルを習得しましょう。
顧客サポート体制の整備
顧客サポートは、お客様からの質問や要望、苦情に対応する役割を果たします。例えば、商品についての問い合わせや不良品の返品手続きなど、さまざまな場面で顧客サポートが求められます。
顧客満足度を高めるためには、顧客を丁寧にサポートする体制が必要です。購買前や購買後に顧客が疑問や不安を抱いた際、適切な対応が行われることで顧客は安心感を抱き、リピート購買や口コミにつながる可能性が高まります。
一般的な顧客サポート方法には、電話・メール・チャットなどがあります。顧客満足度を向上させて信頼を獲得するためには、これらをしっかりと整備しておくべきです。
管理・改善が行いやすいサイト設計
ECサイトを構築した後も管理や改善がスムーズに行えるサイト設計にしましょう。ECサイトはオープンしてからが重要で、常にサイトの品質向上と成長を続ける必要があります。
ユーザーのニーズやサイト上での課題を特定し、発見した問題点に対して修正を行い、改良を加えていかなければなりません。ユーザーの意見やフィードバックを活用して、使いやすいECサイトに進化させましょう。
ECサイト構築後に見直すべきポイント

ECサイトの構築が完了して公開された後も、放置するのではなく継続的に改善を図る必要があります。ユーザーのニーズや市場環境の変化に合わせて、柔軟な見直しを行うのが大切です。ここでは、運用段階で注目すべき見直しポイントについて解説します。
サイトパフォーマンスと表示速度の最適化
ユーザーの満足度や直帰率に大きく影響するのが、ページの表示速度です。読み込みに数秒以上かかるだけで、ユーザーが離脱してしまうことも珍しくありません。特に、スマートフォンでの閲覧が多い現代では、モバイルでの表示速度に注意が必要です。
サイトパフォーマンスを最適化するためには、定期的な分析と改善の積み重ねが欠かせません。無料の分析ツールを用いて現状の読み込み速度や技術的課題を可視化したり、画像データの容量を圧縮したりして、ユーザー体験の向上とCVRの改善を図りましょう。
コンテンツの更新とSEO対策
ECサイトにおいては、商品を売るだけでなく、検索エンジンを通じて新たなユーザーを獲得するための施策として、SEO対策が重要です。中でも、コンテンツの質と更新頻度は検索順位に直接影響を与える要因となります。
構築時に最適化されたコンテンツであっても、時間の経過とともに競合の増加やトレンドキーワードの変化により、パフォーマンスが落ちてしまう可能性があります。そのため、運用段階でも定期的にコンテンツを見直し、改善を加えていくことが大切です。
例えば、タイトルやディスクリプションの見直し、検索キーワードの再検討、内部リンクの整備といったSEO対策も継続して行うことで、検索流入の安定化と向上に期待できます。
ECサイト立ち上げにあたって必要なこと

失敗しないためのポイントと注意点を踏まえたうえで、改めてECサイトを立ち上げる際に必要な作業について確認していきましょう。ここでは、ECサイトを構築する際に必要な基本ステップ、各ステップで気をつけるべきことを説明します。
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ECサイト立ち上げにあたって必要なこと
ECサイトの開設目的や要件の明確化
まずは、ECサイトがどのような目的を持つのか、どのような機能が必要か、開設の目的や要件を明確にすることが重要です。ECサイトの目的の1つは、製品やサービスを販売することですが、それだけではありません。
ブランドの認知度を高める、新規顧客を獲得する、既存の顧客とのエンゲージメントを高めるなど、目的は多岐にわたります。
また、どのような商品やサービスを提供するのか・決済方法は何か・配送はどうするかなど、具体的な要件を整理することも、ECサイトの種類を選ぶ際に大事です。ECサイトを立ち上げる前に、開設目的と要件を十分に検討しておきましょう。
事業規模と予算の設定
次に、自社が目指す事業規模とECサイト構築・運用にかけられる予算を設定します。事業規模を明確にすれば、ECサイトが目指す規模や範囲を把握し、どれだけの商品やサービスを販売するかを定義できます。
また、予算を設定する際には、ドメイン登録・ホスティング・セキュリティ対策・デザイン・プログラム開発・マーケティングなど、総合的な観点でトータルコストを考慮しなければなりません。
予算の設定が不十分な場合、プロジェクトが破綻する可能性があるため、慎重な計画が必要です。自社に合ったECサイトの種類を選ぶために、さまざまな要素を注意深く検討しましょう。
ECサイト用の商品在庫の確保
ECサイトを立ち上げる際、商品在庫の管理を適切に行わなければ、問題が生じる可能性があり、利益損失につながります。例えば、在庫不足が発生すると、ユーザーが商品を注文しても供給できず、注文キャンセルや不満が生じます。
その結果、顧客の信頼を失ってリピート購入の機会を逃すことになります。商品在庫の確保にはコストがかかりますが、在庫管理はECサイトの運用には欠かせない作業です。
在庫を的確に管理し、顧客の需要に応じた共有によって利益を最大化し、顧客満足度を向上させましょう。
決済や発送方法、規約の明確化
ECサイトの立ち上げには、決済や発送方法、規約を設定することも大切です。ECサイトでは、クレジットカード・デビットカード・PayPal・銀行振込など、さまざまな決済方法を提供することが多いです。
顧客自身にとって利便性の高い決済方法を選択できると、満足度の向上につながります。発送方法については、注文した商品がいつ届くのか、送料はいくらかなどを詳細に決定しましょう。
規約の明確化は、ECサイトの安全性を顧客にアピールする重要な役割を果たします。返品ポリシー・プライバシーポリシー・利用規約など、顧客との契約条件を決めましょう。
商品写真・コンテンツ・サーバーの準備
ECサイトには、商品写真・コンテンツ・サーバーの準備も必要となります。以下では、それぞれ詳しく解説します。
商品写真
ECサイト上では商品を手に取ることができず、ユーザーは商品写真を通じてその外観や特徴を知る必要があります。つまり、商品写真の品質と充実度がユーザーの購買意欲に大きな影響を与えます。
商品写真は、外側だけでなく内側や裏側、商品の実際の大きさ・使用イメージ・素材感などが詳細に伝わるような工夫が大切です。商品の詳細な情報とともに、購入を検討するために必要な情報が伝わる商品写真を掲載しましょう。
コンテンツ
例えば、食品を扱うECサイトであれば、レシピページや料理のアイデアを提供するコンテンツを用意すれば、ユーザーが商品の活用方法を知って購買意欲を高めます。そのため、ECサイトではコンテンツの豊富さが重要です。
アパレルECサイトでは、ファッションアドバイスやコーディネートに関するコンテンツが魅力となります。商材ごとに適切なコンテンツは異なるため、自社が扱う商材にはどのようなコンテンツが適しているか慎重に検討しましょう。
サーバー
ASP型やクラウド型のECサイトでは、サーバーを自社で用意する必要はありませんが、自社独自のECサイトを構築する場合は、サーバーの選定が必要です。サーバーの選定には容量・セキュリティ・信頼性などを考慮しなければなりません。
容量は、ECサイトが取り扱う商品やデータ量に応じて選定し、トラフィックに耐えうる性能を持つ必要があります。
セキュリティも、ユーザーの個人情報や取引データを守るために欠かせない要素であり、信頼性も高いアップタイム率を持つサーバーを選ぶことが大切です。
また、サーバーの設定や保守も忘れてはいけません。ECサイトのスムーズな運営とセキュリティの確保には、適切なサーバーの管理が必要となります。
ECサイト構築方法の検討
独自のECサイトを立ち上げる場合にはサーバーが必要と解説しましたが、ECサイトの構築方法も慎重に検討しなければなりません。
ECサイトの作り方は大きく分けて、すでにあるモール型のECサイトに出店する方法と、構築ツールを使ったり1から設計したりして、自社ECサイトを立ち上げる方法があります。それぞれに必要なコストや期間、構築できるECサイトの規模などが異なります。
そのため、自社にはどの方法が1番合っているのか、ツールを使う場合はどのツールが良いのかの検討が必要です。各構築方法については、次の章で詳しく解説します。
ECサイトの種類と構築方法の違い

ECサイトの種類には、「モール型ECサイト」と「自社ECサイト」の2種類があります。これらの種類と構築方法の違いについて理解しましょう。
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モール型ECサイト
モール型ECサイトは、オンライン上の巨大なショッピングモールのような形態を持つECプラットフォームです。このタイプのECサイトでは、さまざまな個々のショップが、1つの大きなモールサイト内で自分のショップを出店・運営したり、商品を出品したりします。
モール型ECサイトの魅力の1つは、比較的低いコストでスタートできることです。多くの場合、出店登録をすれば運用を開始できるため、ECサイト構築にかかる開発費用がほとんどかからず、モール提供者からのサポートを受けながら初心者でも運用しやすいです。
ただし、一般的には店舗ページや商品ページのデザインなどに制限があり、カスタマイズ性や自由度は高くないといえます。
自社ECサイト
自社ECサイトとは、企業や個人が独自のECサイトやネットショップを所有し、その運営を自己管理するタイプのECプラットフォームです。
この形態のECサイトは、独自のドメイン(Webサイトのアドレス)を持っており、Webサイト全体を自社のブランドイメージに合わせてカスタマイズすることができます。自社ECサイトの構築方法は、以下の種類に分けられます。
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種類 | 概要 |
---|---|
ASP型 | インターネット上でECサイトの機能を使えるASPを用いた方法 |
クラウド型 | クラウドのプラットフォームを利用してECサイトを構築する方法 |
オープンソース型 | オープンソースのECソフトウェアを利用してECサイトを開発する方法 |
パッケージ型 | 既存のECパッケージソフトウェアを購入し、カスタマイズや設定を行う方法 |
フルスクラッチ型 | 企業がゼロから独自のECプラットフォームを設計・開発する方法 |
ASP型
ASPは「Application Service Provider」の略で、ECサイトを運営するために必要なカート機能や決済機能などを提供するサービスです。このサービスを使うことで、インターネット上でこれらの機能を使えるようになります。
ユーザーは自身の端末からインターネット経由でECサイトにアクセスし、ASPプロバイダーのサーバー上にあるECサイトを利用できる仕組みです。自社のサーバーやデータセンターにソフトウェアをインストールせずに済むため、手軽にECサイトを構築できます。
初めてECサイトを運営する場合や、限られた予算内で事業をスタートさせたい場合、ASP型ECサイトは効率的でコスト効果の高い選択肢です。ただし、ASPサービス上で構築するという点ではモール型と似ている部分もあり、柔軟性に欠ける点には注意が必要です。
クラウド型
クラウド型は、クラウド上に構築されたプラットフォームを使用するECサイト構築方法です。通常、ECサイトを構築する際には、自社サーバーへのシステムインストールが必要ですが、クラウド型ECサイトではその手間を省くことができます。
ASP型と似ていますが、クラウド型はより高いスケーラビリティを持ち、需要の変動に柔軟に対応できること、カスタマイズ性が高いことが特徴です。クラウドベースという点では共通するものの、クラウド型ではオリジナルのデザインでECサイトを構築しやすいです。
オープンソース型
オープンソース型ECサイトは、公開されている無料のソースコードを自社でカスタマイズして構築します。無料のソースコードを使用するため、システムの利用にかかる費用が不要で、コストを抑えてECサイトを立ち上げることができます。
また、オープンソースのプログラムを使用すればカスタマイズの幅が広がり、ECサイトを自社のビジョンに合わせて構築できるのもメリットです。ただし、この方法を選ぶ際には、Web制作に関するスキルを自社内に持っていることが不可欠です。
その他、ソースコードが公開されているため、潜在的なセキュリティリスクがあることも考慮しなければなりません。
パッケージ型
ECパッケージは、ECサイトの運営に必要なシステムと機能があらかじめ備わっている製品です。商品管理・在庫管理・売上管理などの基本機能が組み込まれているため、ECサイトを立ち上げる際に1からシステムをプログラミングする必要がありません。
この方法の大きなメリットは、必要な基本機能がすぐに利用可能であることです。しかし、ECパッケージの購入にはある程度まとまった初期費用がかかり、システムのアップデートやカスタマイズ、サポートにも大幅な費用が発生します。
そのため、中小企業やスタートアップには導入のハードルが高く、選択しにくいといえます。
フルスクラッチ型
フルスクラッチ型は、ECサイトを1から構築する方法です。この構築方法では、機能やデザインに関して完全なカスタマイズが可能で、自社独自のECサイトを作成できます。
ただし、そのカスタマイズの自由度に比例して多額の費用と手間がかかります。また、導入期間は年単位でかかることがあるため、資金とリソースに余裕を持った大企業や一部の中小企業向けです。
なお、フルスクラッチ型は、ECサイトの独自性やブランドイメージを重視し、他社との差別化を図りたい場合に適しています。
自社ECサイトを運用するメリット

本格的にECサイトを運営したいなら、自社ECサイトの構築がおすすめです。自社ECサイトの運用は、モール型に比べてメリットが大きいといえます。ここでは、自社ECサイトを運用することで得られるいくつかのメリットについて詳しく解説します。
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自社ECサイトを運用するメリット
コストを抑えて販売できる
自社ECサイトは、実店舗のように販売スタッフの人件費・光熱費・テナント料などの経費がかからないため、コストを削減できます。その結果、商品ごとの利益率が高まり、収益の改善を図りやすいです。
ECサイトを構築し、物流体制を整えるためには初期費用がかかりますが、運用段階では実店舗に比べて運用コストを抑えることができます。
時間や場所に縛られない
ECサイトは、オンラインを通じて日本全国あるいは世界中に向けて商品を販売でき、実店舗のように特定の営業時間に縛られず、24時間365日いつでも商品を販売できます。そのため、顧客は自分の都合に合わせて商品を購入可能です。
顧客は、自宅やカフェなど場所を問わずECサイトにアクセスし、早朝・夜中を問わず商品を購入できます。この柔軟性が購買体験を向上させ、顧客の利便性が高まります。
自社に合った販売方式を選びやすい
ECサイトでは、受注生産や予約販売など、多くの販売方式から自社に合った販売方式を選べます。実店舗では販売方法が限られますが、ECサイトでは多様な販売方法を実施可能です。
例えば、特定商品に高い需要がある場合、受注生産を導入して在庫を抑えつつ需要に合致した提供が行え、予約販売は新商品の導入前に需要を把握しやすくなります。
このように、ECサイトは柔軟な販売方式を適用できるため、自社ビジネスに最適な選択を行うことが可能です。
効率的に顧客データを収集・活用できる
ECサイトでは、購入時に会員登録が必要となるため、顧客情報・閲覧履歴・購入履歴などのデータを効率的に収集・活用することができます。
これらの情報はさまざまな用途に活用でき、ECサイトの改善に役立つデータとして、顧客の行動傾向を理解するのに役立ちます。つまり、顧客データの収集と活用は、自社ECサイトをより戦略的に運用するうえでも非常に重要な要素です。
自社ECサイトを運用するデメリット

自社ECサイトの運用には、メリットだけでなくデメリットもあります。初期費用や集客コストがかかる場合などを把握し、対策を講じるのが重要です。ここでは、自社ECサイトを運用するデメリットについて解説します。
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自社ECサイトを運用するデメリット
こだわりが強いほど初期費用がかかる
自社ECサイトの運営に対してこだわりが強い場合、初期費用が高額になります。例えば、オリジナルのデザインや特定の機能の開発、高度なセキュリティ対策などは、専門的なスキルと時間を必要とし、それに伴ってコストも増加します。
また、ECサイトの構築が長引く可能性もあり、追加の経費が発生します。こだわりがECサイトの成功に直結することもありますが、初期費用の増加と時間のかかり過ぎには十分な注意が必要です。
ビジネス計画とのバランスを取りながら、コストと品質の適切な調整を行いましょう。
集客コストがかかる場合がある
自社ブランドや商品の知名度が高くない場合、ECサイトを開設しても消費者が自然に訪れることは難しく、消費者をサイトに呼び込むための努力が必要です。
主に、集客のためにWeb広告やSNSプロモーションなどを実施し、ブランドや商品を宣伝する必要があります。しかし、認知度の向上と信頼性の確立には時間がかかり、広告やプロモーションには相応のコストも発生します。
顧客とコミュニケーションが取りにくい
ECサイトでは実店舗のように接客ができないため、顧客のニーズや疑念をリアルタイムで把握するのは難しいです。また、顧客が商品を手に取れず、実物との違いに不満を持つ場合や、サイズが合わないといった問題が発生しやすいといえます。
返品・交換のリクエストが増えれば、返品対応や返金対応に時間とリソースを費やさなければなりません。さらに、顧客からの問い合わせやクレームに対応するため、カスタマーサポート体制を整える必要性も生じます。
このようなデメリットを克服するためには、迅速かつ効果的なカスタマーサポート体制を整備し、顧客の不安や疑念への対応方法を検討する必要があります。
価格競争が激しい
自社ECサイトを運用するデメリットの1つは、価格競争が激しいことです。特に、同業他社のECサイトが存在する場合、価格競争はより激しくなる傾向があります。しかし、価格競争だけでは利益を確保することが難しく、企業にとっては大きな課題です。
競合他社に勝つためには、商品やサービスの品質や機能性を高めるのはもちろん、自社の独自のコンセプトを顧客に浸透させ、差別化を図ることが非常に重要です。
ECサイト構築方法の選び方

ECサイトを構築する際は、自社のニーズやリソースに合った方法を選ぶことが重要です。ここでは、ECサイト構築方法の選び方について詳しく解説します。
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費用や手間を抑えて立ち上げたい場合
ECサイトを構築する際、費用と手間を最小限に抑えたい場合、モール型やASP型の構築方法がおすすめです。モール型のECサイトは、大手ECサイトの高い知名度を活用し、大手ECサイト内での商品検索から購入者を獲得することができます。
多くのモール型ECサイトは運用や集客に関するサポートも提供しており、初心者でも比較的運営が簡単です。
ASP型は、ECサイトだけでなく販売管理や会計管理などさまざまな業務に関するサービスが備わっているため、初心者でもECサイトを効率的に構築・管理可能です。
ECサイト構築において、費用と手間を抑えたい場合は、モール型やASP型の方法を選ぶことで、費用対効果の高いECサイトを立ち上げられます。
費用は抑えつつカスタマイズをしたい場合
ECサイト構築方法を選ぶ際、費用を抑えてカスタマイズしたい場合には、オープンソース型がおすすめです。オープンソース型のECサイト構築は、無料または低コストなECプラットフォームやソフトウェアを活用できます。
オープンソース型のECサイト構築には、プログラミングスキルや知識が必要ですが、デザイン・機能・決済方法・配送オプションなど、ビジネスに合わせてカスタマイズでき、独自性のある表現が可能です。
システムの保守運用を簡単に行いたい場合
システムの保守運用を簡単に行いたい場合は、クラウド型がおすすめです。クラウド型は、提供会社によってセキュリティ対策やデータバックアップなど、システムの保守を行ってくれるため、企業はシステムの運用に関する内部リソースを割く必要がありません。
クラウド型ECサイトはコスト効率が高く、システムの保守・運用が簡単に行えるため、多くの企業にとって魅力的な選択肢となっています。
機能性の高い本格的なECサイトを立ち上げたい場合
ECサイト構築方法を選ぶ際、機能性の高い本格的なECサイトを立ち上げたい場合、パッケージ型またはフルスクラッチ型がおすすめです。
パッケージ型は初期設定が簡単で、企業のニーズに合わせてカスタマイズすることができ、自社の独自性を持たせることも可能です。
一方、フルスクラッチ型は、ゼロからECサイトを設計・構築する方法で、完全オリジナルの自社ECサイトを作り上げることができます。非常にカスタマイズの自由度が高く、特別な要求事項に合わせたECサイトを構築することも可能です。
ただし、開発には時間とリソースがかかり、初期費用が高額になりやすい点に留意しましょう。選択肢はどちらも優れた点がありますが、企業の予算や時間、要件に応じて最適な選択を検討することが重要です。
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- 注文・会計・商品・カタログなど機能が豊富で、マーケティング機能も備えている
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- フリープランは手軽に導入できる反面、使える機能が少ない
まとめ

ECサイトの運営では、低コストで運営できる点や時間や場所に縛らずに販売ができるなどのメリットがあります。しかし、初期費用の高騰や集客にかかるコスト、激しい価格競争などのデメリットも抱えています。
そのため、ECサイトを構築する際は運営方法や運営方針、顧客ニーズを明確にしたうえで、すべての関係者で共有することが重要です。さらに、ユーザー目線での使いやすさを追求することも不可欠です。
最適なECサイト構築方法を選ぶことでメリットを最大限に活用し、デメリットを克服しながら効果的なECサイトを構築・運用していきましょう。
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