営業リストの作り方とは|作成する際のコツや注意点などを解説

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  • ターゲットを絞って営業リスト化することで、自社製品とのマッチ度を高められる
  • リストの情報が最新の状態でない場合、クレームなどのトラブルが起こる可能性がある
  • リスト作成ツールを活用することによって、確実性の高いアプローチを行うことができる

営業リストの作成により、ターゲット企業の情報を整理してニーズを把握できるため、的確なアプローチを行うことができます。また、情報の一元管理による営業活動の効率化にも効果的です。この記事では、営業リストの作り方やコツ、注意点などを解説しています。

目次

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  1. 営業リストとは
  2. 営業リストを作成するメリット
  3. 営業リストの作り方
  4. 営業リストを作成する際のコツ
  5. 営業リストを作成する際の注意点
  6. 営業リスト作成にはツールの導入がおすすめ
  7. まとめ

営業リストとは

営業リストとは、アタックリストやターゲットリストとも呼ばれ、特定のターゲットとなる営業先、または見込み顧客の一覧をまとめたものです。営業活動の効率化を目的とし、新規顧客の開拓に役立ちます。

営業において効果的なアプローチやフォローを行うため、営業リストには、企業名・氏名・住所・連絡先・担当者名などの情報が記載されます。営業リストを作成することで、社内で情報共有がしやすくなり、情報管理が容易になります。

営業リストを効果的に活用するためには、作成において正確な情報を収集することや、定期的な更新で正確性を保つことなどが重要です。本記事では、営業リストの作成方法や効果を上げるためのポイントを解説します。

営業リストの重要性

企業活動の中でも、営業は収益の源泉となる直接的な活動です。収入を得て企業を成長させるだけでなく、市場拡大や新規顧客の獲得など、将来の収益や成長の可能性にも直接的に関与します。営業リストは、こうした営業活動の効果を高める可能性を持つものです。

営業リストを活用すれば、闇雲に営業を行うよりも、見込み顧客の情報に基づいて、戦略的でターゲティングされた営業活動ができ、ビジネスチャンスを掴みやすくなります。

また、顧客の情報を包括的にまとめているため、顧客のニーズを深く理解でき、商品・サービスの改善による顧客満足度の向上や、企業価値の高まりによるブランド形成にも寄与します。そのため、営業リストは企業の成長を促進させる上で非常に重要です。

営業リストを作成するメリット

営業リストの大きな利点は、効果的な営業活動を支援することにありますが、それは効率的な情報管理に支えられています。ここでは、営業リスト作成による情報管理の基本的なメリットを解説します。

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情報の一元管理により業務が効率化する

営業リストに集約された顧客情報は、通常データベースや管理システムによって一元管理されるため、情報管理が容易になります。一貫性のある情報は一覧によって可視化され、営業活動・営業戦略・ターゲティングなどを効率化することが可能です。

例えば、営業活動では、営業リストを用意しておくことにより、一つ一つ営業先を調査する手間を省いて、迅速にターゲットへアプローチできます。

また、営業リストに記載する情報は、企業名や氏名などの基本情報以外に、会話内容や取引の手応えなども記録しておくと、営業戦略の立案にも役立ちます。

顧客情報の蓄積により課題やニーズを把握しやすくなる

営業リストは、情報の整理がしやすいだけでなく、新たな顧客情報を蓄積できる点でも将来の営業活動を支えます。不特定多数の顧客へとアプローチする中で、過去のアプローチや会話内容を振り返る際に、営業リストに蓄積された情報が役に立ちます。

過去の情報を参照することにより、同じ顧客に同じ内容のアプローチを繰り返すリスクを避けることが可能です。また、蓄積された情報によって、顧客が抱える課題やニーズも明確になり、次のアプローチや提案を戦略的に検討できます。

情報が蓄積されればされるほど、分析がしやすくなるため、顧客の傾向や反応などを理解しやすくなり、効果的なセールスプロセスを構築して、成約につなげることができます。

顧客情報の社内共有によりアプローチの重複を防げる

営業リストによる一元的な情報管理は、営業担当者が個別に顧客情報を管理する場合よりも、管理の負担を軽減し、全体の進捗状況や顧客との関係の迅速な把握を可能にします。また、社内での情報共有も容易なため、情報不足によるミスや混乱のリスクも抑えられます。

例えば、異なる担当者が同じ顧客にアプローチするミスを防げます。これは、営業リストによる情報共有によって担当者が異なっても、顧客別の進捗状況が簡単に把握できるためです。正確な情報共有は、顧客とのコミュニケーションをスムーズにする利点もあります。

一元管理された情報は、情報の更新もリアルタイムに反映されるため、一貫性を保つことができ、異なる担当者で把握している情報にズレが出るのを抑えられます。最新情報へアクセスできるため、正確な情報把握や分析の精度向上、効果的な戦略立案にも役立ちます。

営業リストの作り方

営業リストの作成には、情報収集が欠かせません。手軽なものでは、インターネット・SNS・名刺を基に作る方法もあります。ここでは、営業リストのさまざまな作成方法について解説します。

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インターネットで企業の情報を収集する

インターネットで公開されている各企業の情報を収集して営業リストを作成する方法は、無料で行うことが可能です。エリア・業種などの条件を設定すれば、関連する企業に絞って情報収集ができます。

この方法では、一つひとつの企業を確認する必要があり、手間と時間はかかりますが、基本情報の収集には有効な手段です。複数企業の情報を一括で取得するには、ポータルサイトや業界団体のサイトを利用することをおすすめします。

SNSで企業の情報を収集する

企業の公式ホームページから基本情報を収集する以外に、SNSから情報を集めることも一つの方法です。近年は、SNSの投稿に力を入れている企業も増えており、場合によっては企業の抱える課題やニーズのヒントとなるような情報を取得できる可能性もあります。

ただし、前述同様に無料でできる情報収集でありながらも、一つ一つの企業を確認するには労力を要します。それでもSNSは、企業の最新情報や動向をリアルタイムに把握しやすい点で、営業リストの情報源としては重要性が高い手段とされます。

自社サイトを解析して企業の情報を収集する

自社サイトを運営している場合には、自社サイトに訪れたユーザーのアクセス履歴を解析することにより、どの企業が自社サイトにアクセスしたか特定できます。IPアドレスや閲覧したページ、滞在時間などの記録から、自社に興味を持つ企業を把握することが可能です。

企業は通常、固有のIPアドレスを持っているため、IPアドレスの解析から訪問者がどの企業の所属かを確認できます。得られた情報は、営業リストに追加して、適切なアプローチや情報提供に役立てることが可能です。

過去に取引した企業の名刺からリストを作成する

営業活動における名刺交換は一般的であり、収集した名刺を基に営業リストを作成することも可能です。名刺には、企業名・担当者氏名・連絡先などが記載されているため、インターネットの収集よりも貴重な情報を取得しやすい側面もあります。

名刺情報を営業リストに組み込むことで、新たな顧客の開拓にも効果的です。また、過去に交流があったため、アプローチが進めやすい場合もあります。ただし、過去のやりとりで取引停止や取引NGになっていないか注意して、営業リストに加えましょう。

取引NGの企業を営業リストに加えることは、会社の信用を失うリスクとなるため、情報の精査を行うことが重要です。

イベントや展示会などに参加して繋がりをつくる

イベントや展示会に関わる機会が多い業種においては、情報収集の貴重な機会と捉え、積極的に参加することで、他社の情報や多くの名刺を収集することができます。

自社の展示ブースを出店している場合は、自社に興味を持つ人と直接コミュニケーションを取りやすく、精度の高い見込み客の見極めが可能になります。

他社の動向やニーズの把握にも役立ち、チラシの配布や自社サービスの紹介などで、より興味を惹きつけられる可能性もあるため、情報収集だけにとどまらない効果的な手段です。

ただし、効果的に情報を活用するためには、迅速にリスト化して、来場者の記憶や興味が薄れる前にアプローチを行うことが推奨されます。

営業リストを購入してリストを作成する

既に作成された営業リストを業者から購入するのも一つの方法です。顧客リスト販売業者の利用は、購入前にリストを確認することはできませんが、サンプルを通じて品質や適合性を確認することができます。

購入には費用がかかりますが、一から調査して情報収集する時間的な余裕がない場合には効率的な手段です。購入の際には、自社のターゲットに合ったリストなのか、どのような条件で収集された情報なのかを確認しておきましょう。

リストの価格は、販売業者によって異なり、1件あたりの単価や購入件数によって価格が変動する場合もあるため、予算も考慮して適切に購入することが推奨されます。

営業リストを作成する際のコツ

営業リストを作成しておくことは、それだけである程度、営業活動の支援や効率性の向上に期待できますが、より効果を高めるリスト作成にはコツがあります。ここでは、営業活動の質を高める営業リスト作成のポイントを解説します。

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ターゲット層と営業戦略を明確にする

営業リスト作成前に、自社の営業戦略を明確にしておくことが重要です。戦略性・一貫性のない営業活動は効率が悪いだけでなく、ミスやトラブルにもつながりやすくなります。営業戦略を明確にするためには、ターゲット層や見込み客を絞り込まなければなりません

商品やサービスの価格・特徴・強み・弱みなどを含む自社データ・他社データを分析することで、成果の出やすいターゲット層を見極めやすくなります。また、過去の営業データやマーケットリサーチを活用するのも有効です。

これらの分析では、自社の課題や目標も認識しやすくなるため、目標や明確になったターゲット層に基づき営業戦略を立てやすくなります。

ターゲット層の経営状況を把握する

ターゲット層の経営状況を把握しておくことで、より効率的に営業活動の成果を得られます。例えば、ターゲットとした企業の経営層が、新たなサービス等への投資に消極的だったり、経営状況が悪い状態であったりする場合には、成果を得られないでしょう。

そのため、ターゲット層となる企業の経営状況を把握し、業績の伸び方をターゲット選定のポイントに加えることで、成果を得やすいターゲット選定を行うことが可能です。また、経営層の投資に対する熱意は、決算表のキャッシュフローを確認することで推測できます。

記載項目やルールを統一する

営業リストに記載する項目は統一することが理想的です。記載情報にバラつきがある営業リストは使い勝手が悪く、空欄になっている情報を営業の際に調べる手間などが加わります。

しかし、さまざまな情報収集の手段を通じて、時には想定外の重要な情報が取得できたり、基本情報の一部が取得できなかったりするケースは珍しくありません。

そのため、最低限記載が必要な情報と、可能なら記載すべき情報で項目のグループを分けたり、特記事項の欄を設けたりなど、フォーマットを工夫するのも一つの方法です。

記載項目の統一も大切ですが、ルールの統一はより重要です。データ入力の際の表記の一貫性を保ち、更新頻度を明確にすることで、正確な情報にアクセスしやすくなります。セキュリティ確保のために、アクセス権の適切な管理も行うようにしましょう。

アプローチする企業に優先度をつける

営業リストのさまざまな企業の中から、優先的にアプローチをすべき企業を見極めることは、営業活動の成果を最大化する上で重要です。これは、営業活動の成果に影響を与えるものとして、企業の置かれている状況やタイミングの重要度も高いためです。

優先度をつける基準はさまざまですが、例えば、高い収益が見込まれる企業を優先する場合、企業の規模・経営状態・市場シェア・過去の取引履歴などから優先順位をつけることができます。

他にも「成約に期待できるか」「既に関係性が構築されているか」「自社の目標に貢献する可能性があるか」などの観点で優先度をつけることも考えられます。

いずれにしても、優先度がわからないリストよりも、優先度がわかる営業リストの方が、機会損失のリスクを防げ、効果的かつ戦略的なアプローチを可能にします。

交渉履歴を記録する

顧客との関係を継続したり深めたりする上で、営業リストに交渉履歴を記録することが重要です。交渉履歴の情報に基づき、顧客のニーズ・課題・交渉条件などに適したアクションを起こしやすくなります。

交渉履歴には、基本情報として、交渉日時と交渉手段(電話・メールなど)を具体的に記録する他、交渉の要点や内容をまとめます。提案・価格交渉・合意点に関する具体的な情報や、顧客の反応・感想・意見なども記録すると、次のアプローチにつなげやすくなります。

また、進捗状況や次回とるべきアクションなども記録しておくことで、リスト全体の進捗の把握に役立ちます。こうした交渉記録の情報は、営業活動の効果を向上させるメリットがあります。

営業リストを作成する際の注意点

営業リストを作成する際には、気をつけなければいならないポイントもあります。重複への注意や更新への意識を怠ると、営業活動に不利益を生じさせる可能性があります。ここでは、営業リスト作成時の注意すべきポイントを解説します。

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誤った情報や重複がないか確認する

さまざまな担当者がデータを提供する場においては、適切に整理することが求められます。情報の不整合や重複は、リストの一貫性を損ない、営業活動においてミスやトラブルの原因になりかねません。場合によっては、企業の信用を損なう恐れもあります。

情報管理やExcelによる手入力での管理も手軽ですが、情報量が膨大になると誤った情報や重複が起きる可能性が高くなります。そのため、一元管理できるシステムを導入することがおすすめです。

通常、システムでは重複を検知することが可能なため、情報の正確性を保ちやすくなります。定期的に情報の重複や誤った情報がないかを確認する作業において、システムによる一元管理では、その手間を大きく軽減できます。

情報は常に最新の状態に保つ

営業リストの情報は、基本的に時間と共に変化する可能性があることを意識し、可能な限り、最新の状態に保つことが推奨されます。ただし、すべての情報が最新かどうかを定期的に確認することは、時間や労力の面から現実的ではありません。

手作業での確認・更新には限界があります。そのため、営業活動の上で特に重要な項目に絞って、正確かどうかを確認することが求められます。

例えば、顧客との交渉や対話の記録などの情報は、その都度更新するようにルール化し、確認時には更新日時と共に情報の信頼性を検討するようにしましょう。一方で、担当者や連絡先などの基本情報は、企業からの連絡・やりとりの中で変更がわかった場合に更新します。

すべての情報を自発的に調査までして更新する必要はないものの、連絡ややりとりがあったものに関しては、良好な関係性を維持するためにも必ず更新・確認しましょう。

情報を適切に共有できる体制を整える

有益な情報を一覧化した営業リストは、情報共有を適切に行うことで、高い効果に期待できます。一方で、情報共有の体制が整っていない場合、効果を望めないだけでなく、場合によっては営業活動に支障をきたすこともあります。

営業リストの情報は、社内で共有しやすいよう、共有ドライブ・管理ツール・システム・企業内ポータルサイトなどのプラットフォームを構築することが推奨されます。ただし、機密性の高い情報に関しては、アクセス権の設定を行うようにしましょう。

環境整備以外には、ルール化も重要です。営業リストの情報が更新された際には、更新担当者や責任者を明確にしておくことで、情報の信頼性について追跡しやすくなります。また、営業リストの使い方やポリシーも周知させることが重要です。

営業リストの管理方法を効率化する

営業リストは、企業の営業活動を効率化し、より効果的に成果に繋げるために作成するものであるため、営業リスト自体の管理に無駄な手間や人的リソース・コストをかけていては意味がありません

営業リストの効果を最大化できるように、管理の手間を軽減する工夫が必要です。管理項目が多すぎるとその分管理に工数がかかるため、必要に応じて厳選します。また、管理ツールを使用する際は、操作性がシンプルで誰でも使いこなせるものがおすすめです。

営業リスト作成にはツールの導入がおすすめ

営業リストは、Excel(エクセル)でも作成可能ですが、見込み顧客や項目が増えるほど、管理に限界が生じます。そのため、営業リスト作成ツールの活用が推奨されます。営業リスト作成ツールなら、情報を自動で収集・更新しながら、効率的な情報管理が可能です。

手作業で管理するよりも、迅速に営業活動につなげやすく、精度の高い情報を維持しやすいのが利点です。以下にツールを活用してできることやメリットについて解説します。

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企業の情報を自動で収集・リスト化

営業リスト作成ツールでは、企業の情報を自動で収集し、リスト化することができます。これにより、情報収集にかかる時間や労力を削減でき、迅速に営業活動へと役立てることが可能です。

また、リスト作成だけではなく、情報管理に役立つ機能もあり、データの正確性を保つための自動的な更新機能は、手動で更新する手間を省けて便利です。また、情報は一元化して保存されるため、部署間での共有もスムーズに行えます。

条件に基づいた確実性の高いアプローチ

営業リスト作成ツールは、大量のデータを効率的に処理でき、さらに、エリア・業種・企業規模などの条件を指定して、ターゲットを絞ったリストを作成することも可能です。これにより、効率的な営業活動ができ、商談成功率の向上に寄与します。

また、顧客情報の分析が可能なため、優れた見込み顧客や優先度の高い企業を見つけることが容易です。営業戦略を立てる際にも役立ちます。

まとめ

営業リストは、ターゲットとなる営業先を一覧にまとめることで、営業活動の効率化を支援し、新規顧客の開拓につなげられる可能性を持っています。単に業務を効率化させるだけでなく、顧客のニーズや課題に適したアプローチが可能で、成約率アップに寄与します。

営業リストの作成においては、ターゲット層や営業戦略を明確にすることや、アプローチする企業に優先度をつけることなどが大切です。これにより、成約が期待できる企業に対して、適切なタイミングで適切なアプローチをしやすくなります。

情報収集には、インターネットや名刺交換など、さまざまな手段がありますが、調査には時間と労力がかかります。そこで、自動でリスト化できる営業リスト作成ツールがおすすめできます。本記事を参考に、営業に役立つ効果的な営業リストを作成してください。

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