アクセスログとは?取得する目的や分析する際のポイントも解説

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  • アクセスログとは、コンピューターやネットワーク上のユーザーの行動記録を指す
  • アクセスログを取得する目的には、セキュリティ対策・監査対策などがある
  • アクセスログを分析する際は、不正アクセスや不審なアクティビティがないか確認する

アクセスログとは、コンピューターやネットワーク上のユーザーの行動記録を指します。Webサイトにいつどこからアクセスされたのかが記録されており、セキュリティ保護などに利用可能です。この記事では、アクセスログを取得する目的や分析時のポイントなどを解説します。

目次

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  1. アクセスログとは
  2. アクセスログを取得する目的
  3. アクセスログを分析する際のポイント
  4. アクセスログを取得する際の注意点
  5. アクセス解析ツールでアクセスログ分析を効率化
  6. まとめ

アクセスログとは

アクセスログとは、コンピューターやサーバーにおいてアクセス情報を記録するためのファイルやデータベースのことです。システムやサーバーへのアクセスに関する詳細な情報を記録し、セキュリティ管理やトラブルシューティング、監査などの目的で利用されます。

アクセスログ上には、いつどこからアクセスされたのかといった情報が記録されており、システムにトラブルが発生した際などに、アクセスログを分析することにより、原因を特定することが可能です。

本記事では、アクセスログに記録される情報の内容や取得する目的、分析する際のポイント、アクセスログ分析が効率化されるアクセス解析ツールなどについて、わかりやすく解説します。

アクセスログに記録される情報

アクセスログに記録される情報は、アクセスを試みたユーザーのIPアドレスやアクセスが発生した具体的な日付と時間などです。また、リクエストの種類として、GETメソッドやPOSTメソッドなど、どのような方法でリクエストが送信されたかが記録されます。

さらに、リクエストとレスポンスに関連するデータ量(通常バイト単位)、どのサイトからリンクされてアクセスしてきたのかを示すURL、リクエストに対してサーバーが返したステータスコードなどの情報も保存されます。

これらの情報は、コンピューターやウェブサーバーなどのアクセスログに記録され、ウェブサイトのトラフィックや利用状況を分析し、トラブル時の原因の特定や、サイトのパフォーマンスをモニタリングする場合などに役立ちます。

アクセスログを取得する目的

アクセスログは、コンピューターやウェブサイトのトラフィックのモニタリング、トラブルシューティング、セキュリティ分析、およびウェブサイトの利用状況の評価など、さまざまな局面で使用されます。

ここでは、アクセスログを取得する主な目的として、以下の項目の詳細について解説します。

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セキュリティ管理のため

アクセスログには、ユーザーのIPアドレスやアクセス日時などの情報が記録されており、これをモニタリングすることで異常なアクセスパターンを検知できます。そのため、不審なアクセスが検出された場合に、即座に対処することが可能です。

また、アクセスログには、サイトへのログインに関する情報も記録されます。異常に多くのログインが行われた場合や、異なる場所から同時にログインがあった場合など、異常なパターンを検知し、不正アクセスや悪意あるサイバー攻撃などを防ぐことができます。

セキュリティ面でのトラブルなどが発生した際、アクセスログはその原因や範囲を特定する上で非常に有効です。アクセスログに登録された情報を分析することにより、トラブル状況を把握し、防止するための対処が可能となるため、セキュリティ管理の強化に繋がります。

コンプライアンス要件を満たすため

企業や組織は、特定のセキュリティ基準やプライバシー規制に従う必要があります。アクセスログは、セキュリティの実施状況やアクセス履歴を記録する手段として、監査や法令遵守に対するコンプライアンスの要件を満たすために重要です。

例えば、情報の漏えいなど、セキュリティ上の問題が発生した場合、アクセスログはその原因や経緯を究明する上で役立ちます。何時発生したのか、誰が関与していたのかといった詳細な情報を分析することにより、問題の調査や追跡を行うことが可能です。

そのため、アクセスログは監査や法的要件の遵守、法的な証拠の確保など、コンプライアンスの面で、企業や組織にとって重要な情報を提供するツールとなります。

エラーや障害に備えるため

アクセスログは、システムやサーバーに障害が発生した際などの、問題の解析やトラブルシューティングに役立ちます。アクセスログを分析することにより、エラーや障害の原因の特定、パフォーマンス改善、システムの最適化などを行うことが可能です。

例えば、障害発生時に、アクセスログを分析し、問題が発生したリクエストやエラーが発生した時点を特定することで、障害の迅速な診断や解決策を見つけることが可能となります。

また、パフォーマンスのボトルネックを判定する際にも効果的です。特定のリソースやページに対するアクセスのパターンや頻度を把握し、パフォーマンス低下の発生場所や時間帯を判断することにより、ボトルネックの解消に向けた対策を講じることができます。

アクセスログを分析する際のポイント

アクセスログを分析してコンピューターやサーバーの運用状況を把握することにより、障害への対策やセキュリティの向上、ユーザーの利用面での最適化など、いくつかの効果的なアプローチが可能となります。

ここからは、アクセスログを分析する際の主なポイントとして、以下の項目について詳しく解説します。

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不正アクセスがないかチェックする

アクセスログを分析する際には、不正なIPアドレスからのアクセスや、異常な回数のアカウント認証試行をチェックすることが大事です。特定のIPアドレスから異常に多くのアクセスが試行されている場合は不正アクセスの兆候となるため、注意する必要があります。

また、アクセスログを分析する際、通常のトラフィックと異なる地域からのアクセスがないか確認しましょう。特に企業や組織の主要なユーザーベースが存在する地域とは異なる場所や、海外からのアクセスなどは警戒が必要です。

さらに、アクセスログを時系列で分析して、特定の期間に異常なアクセスが発生していないか確認することもポイントになります。異常なトラフィックが特定の時間帯に集中していたり、経過とともに変化したりする場合、セキュリティ上の懸念を示す兆候となります。

不審なアクティビティがないかチェックする

アクセスログを分析して、通常のアクセスパターンと異なる大量のデータダウンロードが行われていないかをチェックしましょう。例えば、通常は数MB程度のダウンロードであるにもかかわらず、突如としてGB単位のダウンロードが実施された場合は注意が必要です。

また、通常ユーザーには制限されているディレクトリやファイルに対するアクセスが試みられていないかを確認しましょう。制限された領域へのアクセスは、不正な行為の前兆となり、セキュリティ上の問題を起す可能性があるので要注意です。

適切な保護対策を行う

アクセスログは、重要な証拠となる情報や監査情報などが登録されています。アクセスログが削除や損失されると、セキュリティ管理や法的な要件を満たす上で支障となります。そのため、定期的にバックアップを自動的に確保して、保護対策を講じることが重要です。

また、アクセスログへのアクセス権を厳密に制限し、不正な改ざんや削除を防ぐことも大切になります。アクセス権限を最小限に抑え、必要な管理者や担当者だけにアクセス権を与えることが重要です。

結果をレポートにまとめておく

アクセスログの分析において、結果をレポートにまとめ、定期的な監査に備えることは非常に重要です。分析結果から得られた重要な留意点やアクセスの傾向などに焦点を当て、これらをレポートにまとめます。

分析結果から得られる異常なアクセスや傾向、トラフィックの変動に注目し、これらがセキュリティ上の問題とならないかを確認してレポートにまとめましょう。異常なアクティビティの傾向を追跡し分析することで、問題発生への未然対処が可能です。

また、分析結果をまとめ、管理者や経営層に提供するためのレポートを作成します。これには、分析結果の要点や提言、改善点、セキュリティ強化のための提案が含まれ、将来的な意思決定の判断材料となります。

アクセスログを取得する際の注意点

ここまで、アクセスログの概要や目的、分析する際のポイントについて解説してきましたが、アクセスログを取得する際にも気を付けておきたい注意点が存在します。ここでは、アクセスログを取得する際の注意点を2つ解説します。

アクセスログへの不正アクセスに注意する

前述したように、アクセスログを取得する目的の1つはセキュリティ管理ですが、そもそも取得するアクセスログへの不正アクセスに注意しなければなりません。

アクセスログでは、アクセスがあったタイミングでのリアルタイムな記録が重要であり、この記録自体のデータを改ざんされてしまうと、コンプライアンスにおける法的要件の遵守や法的な証拠の確保ができなくなってしまいます

その他、エラーや障害の発見が遅れるなど、場合によっては企業の経営状況を左右する重大なトラブルが起こる要因ともなるため、アクセスログへの権限や保管方法などのセキュリティに細心の注意を払わなければなりません。

ファイルサイズや保存期間に注意する

ファイルサイズについて、多くの場合は、事前に指定した容量を超えると新しいログファイルに切り替わる仕組みです。ファイルサイズの大きさは、アクセスログの確認・管理のしやすさを左右するため、自社の要件に合わせて設定しましょう。

また、アクセスログは情報漏洩などのトラブルが起こった際に過去に遡って確認されるケースも多いため、保存期限にも注意する必要があります。自社のプライバシーポリシーなどを参考に、自社の要件に合わせた保存期限を設定しましょう。

アクセス解析ツールでアクセスログ分析を効率化

アクセスログ解析ツールは、コンピューターやサーバー、ネットワークデバイスが生成するアクセスログを収集し、効率的に分析するためのソフトウェア・サービスです。

アクセスログ解析ツールは、サーバーエラーなどをトラッキングし、異常なアクセスや問題が発生した場合に迅速な対応を可能にします。また、エラーの原因を特定し、サイトのパフォーマンスを向上させる手がかりとなる点がメリットです。

さらに、不審なアクセスや攻撃の兆候を分析し、セキュリティ対策を強化することが可能となります。これにより、異常なパターンや不正アクセスが早期に発見され、セキュリティリスクを最小限に抑えられます。

アクセス解析ツールとは?ツールの機能やメリット・デメリットを解説

アクセス解析ツールとは、WEBサイト内でのユーザー行動を分析するツールを指します。アクセス解析ツール導入の目的は、自社サイトの効果測定やコンバージョン率向上に繋げるなど様々です。本記事では、アクセス解析ツールの機能やメリット・デメリット、選び方を解説します。

まとめ

アクセスログには、コンピューターやネットワークにおけるアクセス情報が記録されており、いつどこからアクセスされたのかが確認できます。そのため、システムのトラブル時には、アクセスログを分析することにより、原因を特定することが可能です。

また、アクセスログを分析する際には、アクセスログを収集して効率よく分析できるアクセスログ解析ツールの利用をおすすめします。不審なアクセスや攻撃の兆候を分析し、セキュリティ対策を強化できるため、セキュリティリスクを最小限に抑えることが可能です。

そのため、サイトやネットワークの健全な運用やセキュリティ向上を目指す際には、アクセス解析ツールを導入して効率的な分析を目指しましょう。

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