アクセスログ解析とは?知っておきたい用語や活用方法も解説

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  • アクセスログ解析とは、Webサイトを訪れたユーザーの行動を解析すること
  • アクセスログ解析を行うにあたって、PV数・直帰率などの用語を知っておく必要がある
  • アクセスログ解析を行う際は適切なKPIを設定し、アクセス解析ツールを活用する

アクセスログ解析とは、Webサイトを訪れたユーザーの行動を解析することです。いつ・どこから・どのようにユーザーが訪問し閲覧したか把握できるため、Webサイトを改善するのに役立ちます。この記事では、アクセスログ解析の概要や活用方法などを解説します。

目次

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  1. アクセスログ解析とは
  2. アクセスログ解析の目的
  3. アクセスログ解析に関わる用語
  4. アクセスログ解析の活用方法
  5. アクセスログ解析を行う際のポイント
  6. まとめ

アクセスログ解析とは

アクセスログとは、自社Webサイトを訪れたユーザーの行動の記録で、ユーザーのIPアドレス・日時・アクセスページ・クリック記録など、数多くの行動情報が記録されています。そのアクセスログデータを解析することがアクセスログ解析です。

ネット社会が広がった現代の買い物は、自らWebサイトなどで商品やサービスの情報を得てから購入することが多くなり、ネット販売も盛んに行われるようになりました。そのような状況で、各企業は自社のWebサイトを開設し、情報発信と販売活動を行っています。

Webサイトの開設目的は、多くの人に閲覧してもらい、購買行動を起こさせることです。アクセスログ解析は、その目的の達成度を評価するために行われるもので、効果的なWebマーケティングには欠かせない作業です。

アクセスログ解析でわかること

自社Webサイトのアクセスログ解析を行うと、ユーザーが自社のWebサイトにどのようにしてたどり着いたのか、どのページの閲覧をしたのか、どれくらいの時間滞在したのかなど、数多くのデータの取得ができます

それらのデータをより深く解析すれば、自社Webページに訪れた時間帯・曜日・時期などの分布がわかります。また、人気のあるページやクリック状況などを把握して、ユーザーが何を求めて自社Webサイトを訪れたかなど、ユーザーのニーズの把握も可能です。

また、滞在時間の短い訪問者が多いページは、ユーザーの期待に応えられていないことを示し、改善が必要だとわかります。このように、アクセスログ解析は、さまざまな観点から自社のWebマーケティングの見直しを可能にします

アクセスログ解析の目的

アクセスログの解析を行う場合の目的には、主に、ユーザー行動・属性の把握と、Webマーケティング施策の効果測定の2つがあります。ここでは、その2つの目的について具体的に解説します。

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ユーザー行動・属性の把握

アクセスログ解析の目的の一つ目は、ユーザーの行動や属性を把握することです。行動把握のための取得データには、訪問回数・クリック箇所・閲覧ページなどがあります。また、属性把握のためのデータは、性別・年齢・居住地域・使用言語などです。

これらのユーザーの行動や属性を把握・解析することで、ユーザーのニーズや行動パターンが明確になり、Webサイトの改善やマーケティング施策の最適化を図るための資料となります。また、属性が明確になれば、特定の属性をターゲットにした施策を行うことも可能です。

Webマーケティング施策に対する効果測定

アクセスログ解析の目的の二つ目は、アクセスログ解析で明確化した課題の解決のために実施した施策の効果測定を行うことです。施策実施後に再度アクセスログ解析を行い、前回と比較して、どの程度の効果が出たか検証します。

このように、アクセスログ解析は一回行って終わるものではなく、PDCAサイクルを何度も繰り返すことが重要です。ユーザーのニーズは常に変化し、自社や同業他社が新製品を発売すれば、ユーザーの購買行動は変化します。

アクセスログ解析に関わる用語

アクセスログの解析方法や見方を理解するためには、基本となる用語を理解しておくことが大切です。ここでは、アクセスログ解析の基本となる用語について解説します。

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PV数

PVは「Pageview」の略であり、PV数とは、ユーザーが自社Webサイトにアクセスした回数を表します。たとえば、あるユーザーが自社のトップページを訪問して、異なるページに移動するとPV数は2になり、さらにほかのページに移動すればPV数は3になります。

したがって、一人の訪問で複数ページを閲覧すればPV数は多くなるため、10万PVあるWebページでも、実際に訪問したユーザーは3,000人である可能性もあります。PV数の増加はWebサイトの利用数向上を表し、顧客や見込み顧客の獲得が期待できます。

検索キーワード

調べたいことがあるユーザーのほとんどは、検索エンジンの検索窓に調べたいことに関わる語句を入力して、そこに表示されたサイトからWebページを訪問します。その際、検索窓に入力した語句のことを検索キーワードと呼びます

どのような検索キーワードが使われているかを知ることで、ユーザーニーズを把握することが可能です。たとえば「テレビ 4K」での検索が多ければ、4Kテレビのニーズが多いことがわかります。ユーザーのニーズを把握することは、Webマーケティングの基本です。

ユニークユーザー数

ユニークユーザーとは、一定期間内にWebサイトに訪問したユーザー数のことです。「Unique user」の略で、UU数とも呼ばれています。PV数とは違い、期間内に同一ユーザーが何回訪れても、何ページ閲覧してもユニークユーザー数は1となります。

したがって、ユニークユーザー数は、延べ人数ではなく純粋な訪問者数となり、Webサイトの人気度を示します。ただし、同一ユーザーであっても2台のパソコンや2種類のブラウザから訪問した場合は、ユニークユーザー数は2とカウントされてしまいます。

滞在時間

滞在時間とは、ユーザーがWebサイト内に留まっていた時間のことです。滞在時間には、1ページ当たりの滞在時間を示す「平均ページ滞在時間」と、Webサイト全体の滞在時間を示す「平均セッション時間」の2つがあります。

滞在時間は、Webサイトの内容によっては、長いから良いページとはいえません。読み物ページは滞在時間が長いのが普通で、短時間での離脱は最後まで読まれていないことになります。商品購入のページであれば、滞在時間は短くても購入に至れば問題ありません。

直帰率

直帰率とは、Webサイトに訪れたユーザー数に対する、1ページ見ただけでサイトを離れたユーザーの割合のことです。たとえば、1日に100人のユーザーが訪問して、その内40人がほかのページに移動することなく、サイトを離れた場合の直帰率は40%となります。

サイトやページの性格によって、直帰率が高くなる場合もあり、直帰率が高いことが全ての場合で悪いとはいえません。直帰率が高くても滞在時間が長い場合は、その記事に魅力を感じたユーザーが多いということです。Webサイトの目的によって使い分けが大切です。

回遊率

回遊率とは、Webサイトの訪問数(セッション数)に対するページビュー数のことで、「回遊率=PV数÷訪問数」で計算されます。PV数が1000で、訪問数が200だった場合の回遊率は5となり、一人当たり平均5ページを閲覧しているWebサイトだということです。

回遊率が高いECサイトは、ユーザーが商品やサービスを探しているサイトであり、購買行動が行われる可能性が高いといえます。また、回遊率が高い記事サイトであれば、ユーザーがそのサイトに興味を持っている可能性が高く、リピーター増につなげられます。

リファラ

リファラ(Referrer)とは参照元のことで、リンク元と呼ばれることもあります。すなわち、自社Webサイトを訪問する一つ前に閲覧していたWebサイトのことです。リファラの把握によって、自社Webサイトへの流入経路の傾向分析ができます。

リファラの種類には、Webサイトからの流入のほかに、どの検索エンジンからの流入かがわかる「検索エンジンリファラ」、どのようなキーワードで検索したかがわかる「キーワードリファラ」などがあります。

いずれも、ユーザーのニーズやWeb広告の有効性などの把握に利用されます。

セッション数

セッションとは、ユーザーがWebサイトを訪れてから離脱するまでの行動のことを指し、Webサイトを訪れた人数をセッション数(訪問者数)と言います。

ユニークユーザー数(UU数)と混同されやすいですが、違いとして、一度サイトを訪れた同じユーザーが時間を空けてもう一度訪れた場合、UU数は「1」ですが、セッション数は時間の経過など一定の条件の下でセッションが切れていれば「2」となります。

また、ユーザーがサイト内の複数のページを閲覧した場合、セッション数は「1」であるため、PV数よりも少ない数値が計測されるのが一般的です。もし、セッション数とPV数が似た数値を示す場合は、1ページだけで離脱しているユーザーが多いと読み取れます。

参考:[UA] ユニバーサル アナリティクスでのウェブ セッションの算出方法|Googleアナリティクスヘルプ

アクセスログ解析の活用方法

アクセスログ解析を行うと、自社のWebページやWebマーケティングの問題点や課題が明確化されます。その問題点や課題を解決するための対策を行うことが、自社のWebマーケティングを成功させる鍵になります。

下の表で、アクセスログ解析上の主な課題と、その課題が生じる主な原因と対策例を紹介します。

課題考えられる原因対策例
CVRが低い・サイト構造やコンテンツの質が悪い
・市場の変化に対応できていない
・市場に合わせたコンテンツ作成
・わかりやすい導線の確保
・入力フォームの見直し
・魅力あるファーストビューの作成
直帰率が高い・ユーザーニーズに合っていない
・ページの読み込みが遅い
・デバイスに最適化されていない
・導線がわかりにくい
・キーワード検索でユーザーニーズを確認
・Webページの最適化
・WebサイトをPC・スマホの両方に最適化
・わかりやすいページ移動
回遊率が低い・記事のクオリティが低い
・導線がわかりにくい
・サイトが使いにくい
・記事の質を高める
・ユーザーに期待する行動の明確化と導線の確保
離脱率が高い・ユーザーニーズに合っていない
・タイトルとコンテンツにズレがある
・サイトが使いにくい
・過剰な訴求が行われている
・SEO対策の見直し
・ヒートマップ分析の実施
・タイトルや見出しとコンテンツ内容の一致

アクセスログ解析を行う際のポイント

アクセスログ解析の最終目的は、自社のWebサイトを改善して収益に結びつけることです。しかし、その目標を達成するにはポイントを抑えたアクセスログ解析が必要になります。ここでは、目標達成のためのポイントを解説します。

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KPIを設定する

KPIは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では重要業績評価指標と呼ばれる、業務目標を評価して管理するための定量的な中間指標です。始めに、最終目標である達成目標(KGI)を設定し、KGI達成のための中間指標としてKPIを設定します。

たとえば、ECサイトでの売上をKGIにした場合、検索エンジンからの流入数やWeb広告からの流入数、訪問者のCV率などをKPIとすることができます。Webマーケティングでは、KPIのアクセスログ解析を行い、PDCAサイクルを円滑に回すことが重要です。

活用方法の重要性を理解する

アクセスログ解析を行うことを目標とせず、得られた結果をいかに活用していくかが重要であるという認識を持っておく必要があります。アクセスログ解析は、あくまでWebマーケティングにおける1つの手法であり、それ自体が改善策となるものではありません

アクセスログ解析は、PDCAサイクルの「Check(測定・評価)」にあたります。設定したKPIが達成されているかを確認しながら改善策に取り組むことが重要です。

適切なアクセス解析ツールを利用する

Webページを開設しただけでは、アクセスログの取得・解析はできません。また、ログが取得できても、解析には専門的知識が必要となります。したがって。アクセスログ解析には、ログを簡単に取得して解析できる、アクセスログ解析ツールの利用がおすすめです。

アクセス解析ツールには、サーバーログ型・パケットキャプチャリング型・Webビーコン型の3種類がありますが、最近はWebサイト内にタグを埋め込むWebビーコン型が多く導入されており、3つの中では、Webビーコン型のツールの精度が一番高いと言われています。

また、アクセス解析ツールには、コストをかけずに手軽に使える無料ツールと、機能が豊富で使い勝手のいい有料ツールがあります。自社に合ったアクセスログ解析ツールの導入は、Webマーケティングの効果的な運用におすすめです。

アクセス解析ツールとは?ツールの機能やメリット・デメリットを解説

アクセス解析ツールとは、WEBサイト内でのユーザー行動を分析するツールを指します。アクセス解析ツール導入の目的は、自社サイトの効果測定やコンバージョン率向上に繋げるなど様々です。本記事では、アクセス解析ツールの機能やメリット・デメリット、選び方を解説します。

まとめ

アクセスログ解析とは、Webサイトを訪れたユーザーの行動を解析することで、Webサイトを改善し、Webマーケティングの効果的な推進を行うには必須となる作業です。アクセスログ解析では、PV数やユニークユーザー数・直帰率など数多くのデータを取得できます。

アクセスログ解析には、簡単にアクセスログを収集して解析できるアクセス解析ツールの導入がおすすめです。手間をかけずに自社Webサイトの改善と、効果的なWebマーケティングの推進を可能にします。アクセス解析ツールには、無料で使えるものもあります。

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