SMS配信とは?配信の仕組みやメリット、利用時の注意点も解説

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- 企業によるSMS配信では、一斉送信が行えるSMS送信サービスが利用されることが多い
- SMSは電話回線を使用する仕組みのため、基本的に電話番号だけでどの端末にも送れる
- SMSで送れるのはテキストのみで、件名入力や画像添付はできない点に注意する
SMSとは「ショートメッセージサービス」のことで、電話番号を使って短いテキストメッセージが送れるサービスです。インターネット回線を使わないため災害などに強い連絡手段でもあります。本記事では、SMSの仕組みを交え、企業が行うSMS配信について解説します。
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SMS配信とは

SMS(Short Message Service)とは、携帯番号を使ってテキストメッセージを送れるメッセージ機能です。ショートメールとも呼ばれます。
近年では、企業でのSMS利用率が増加傾向にあります。メッセージの到達率・開封率がメールよりも高いとされており、顧客に向けたお知らせやマーケティングとして活用しやすいからです。また、セキュリティ対策の本人認証などにも利用されています。

SMSとは?送信方法、メリット・デメリット、送信時の注意点を解説
SMS(ショートメッセージサービス)とは、携帯電話番号宛にテキストメッセージが送れるサービスです。電話番号を知っていれば送信でき、開封率も高いですが、文字数には制限があります。この記事では、SMSのメリット・デメリットや送信方法、注意点などを解説します。
SMSの仕組みとメリット

メールの送受信にはパケット通信(インターネット回線)が使われますが、SMSは電話と同様の回線交換ネットワーク通信を使用します。ここでは、SMSの仕組みとそれによるメリットについて詳しく解説します。
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SMSの仕組みとメリット
別途アプリが必要ない
購入時の携帯電話にSMSの機能はすでに備わっており、電話番号さえあればメッセージが送信・受信できます。さらに、スマートフォンに限らずガラケーユーザーなど幅広い層にもメッセージの送信が可能です。
別途アプリが必要ないため送信相手が限定されにくく、電話番号宛てに送っていることからメッセージの到達率が高いのも特徴です。また、電話番号は変更されることが比較的少ないため、一度番号を提供してもらえれば継続的にアプローチできます。
プッシュ通知が届く
SMSは、もともと携帯電話に備わっている機能で、かつデフォルトで受信時にプッシュ通知される設定になっているため、ユーザーに気づかれやすく開封率も高まります。ユーザーが通知設定をオフにしない限り、わかりやすい形で通知されることに期待できます。
そのため、来店予約のリマインドや重要なメッセージなど、すぐに見て欲しい内容を送る場合に役立つでしょう。
電話回線を用いる
SMSは、電話回線を用いてメッセージを送受信します。これは、インターネット経由で送られるメールとの大きな違いです。電話回線は、インターネット回線に比べて安定性が高いのがメリットです。
メールに使われるインターネット上でのパケット通信は回線を複数人で共有するため、混雑時など利用者が多くなるほどに通信がしにくくなります。その点、SMS配信は回線交換ネットワーク通信を使用します。
回線交換ネットワーク通信は、1つの回線を占有してデータを送信することから、通信が安定しています。したがって、災害時のように多くの人が集中的に回線を使っている中でも、メッセージが届きやすいのが特徴です。
SMS配信にはSMS送信サービスの利用が必須

企業でSMS配信をする場合には、SMS送信サービスの利用が必須です。SMS送信サービスとは、大量のSMSを効率的に送信できるサービスです。
基本的にSMSでは、1日のメッセージ送信数に制限が設けられています。そのため、1度に多くのユーザーに対してメッセージを送りたい場合には、SMS送信サービスの利用が欠かせません。ここでは、SMS送信サービスを導入した際のメリットを解説します。

SMS送信サービスとは?導入のメリットや選び方のポイントも解説
SMS送信サービスとは、大手携帯キャリアの携帯電話にあるショートメッセージサービスを利用し、メッセージの一斉送信ができるサービスです。この記事では、SMS送信サービスの主な活用方法やシステム導入のメリット・デメリット、選び方のポイントなどを詳しく解説します。
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SMS送信サービスを導入したメリット
一斉送信が可能になる
SMS送信サービスを導入すると、一斉送信が可能になります。SMSは基本的に携帯電話から送信するメッセージであり、一斉送信はできない仕組みです。
よって、自社のサーバーから大勢に対するメッセージ送信をしたいと考えている場合には、SMS送信サービスを導入する必要があります。サービスを利用することで、1度に多くのユーザーに一斉送信ができ、業務の効率化にもつながります。
マーケティングに便利な機能が使える
SMS送信サービスでは、マーケティングに便利な機能が使えます。たとえば、予約配信やクリック率のデータ化といった機能が代表的です。SMS送信後の結果分析が行えることにより、効果的なマーケティングにつなげることができます。
特に、SMSは開封率が比較的高いことから、クリック率を分析できればターゲット層に合わせた改善を行えます。さらに、URLを添付して送信することもできるため、Webページへの誘導も容易に行えます。
低コストで運用できる
通常、専用のツールを活用したマーケティングでは人件費や広告費が発生します。一方、SMS送信サービスによるメッセージ送信では、1通あたりの費用を抑えながら比較的低コストで運用することができます。
また、ダイレクトマーケティングやテレアポなどでは、数と比例した費用対効果を得ることが難しいですが、開封率の高いSMSを一斉配信できれば効果的に費用対効果を高めることが可能です。
緊急の支払催促も行える
SMSは電話回線を使用することから、送信してすぐにユーザーの元にメッセージが届きます。そのため、家賃や水道光熱費、通信料の支払いにおける催促もしやすいです。
電話での支払催促では、電話を受け取った場合でないと相手に伝えることができませんが、SMS送信サービスを利用すれば同じ期限のユーザーに対して、まとめて緊急性の高いメッセージを送信することもできます。なお、送信履歴は証拠として残せる点も便利です。
本人認証に利用できる
SMSは、本人の携帯端末のみに直接届く仕組みのため、本人認証に利用することができます。たとえば、ログイン時のセキュリティ性を高めるために、ワンタイムパスワードの利用や2段階認証の手段として導入する企業も増えています。
SMSでの本人認証を活用するためには、企業の既存システムとSMS送信サービスのAPI連携が必要です。SMS送信サービスを導入すれば、企業とユーザー双方にとって安心できるサービス利用につながるでしょう。

SMS認証とは、SMS(ショートメッセージ)を利用して、ユーザーのスマホに認証コードを送信して本人認証を行うシステムのことです。メールアドレスよりもセキュリティ対策を強化でき、様々な場面で活用されています。本記事では、SMS認証のやり方などを解説しています。
社内向けにも利用できる
SMS送信サービスの活用は、顧客向けだけにとどまりません。社内の多数の従業員に一斉にメッセージを配信したい場合などにも活用できます。
例えば、全社的な業務連絡や災害時の安否確認連絡などが代表的です。特に災害時においては、メッセージが相手に送信済みであることを確認する送達確認もSMS送信サービスの管理画面を通してできるため便利です。
SMS配信に関する注意点

SMS配信を企業で導入する際には、いくつかの注意点があります。開封率を下げる要因ともなるため、導入前にチェックしておきましょう。
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特定電子メール法に準拠する
特定電子メール法とは、迷惑メールを規制する目的で施行された法律です。企業がユーザーに一方的な広告メールを送る際には、特定電子メール法に準拠しなければなりません。
広告メールを送る場合は、ユーザーに同意を得る「オプトイン」と、登録解除の方法をメールに記載する「オプトアウト」を設定する必要があります。オプトインは、会員登録する際に表示される「メルマガの受信を希望する」といったチェック欄のことです。
オプトアウトは「配信停止はこちら」のように、ユーザーがいつでもメール配信を停止できるような設定欄を設けておくことを指します。どちらも設定しない場合は、企業に対して罰金が課せられる可能性があるため注意しましょう。
参考:特定電子メールの送信の適正化等に関する法律|e-Gov法令検索
SMS送信サービスを選ぶ際は接続方式を確認する
SMS送信サービスを選ぶ際は、接続方式を確認しましょう。接続方式の違いにより、メッセージの到達率が変わってしまう可能性があるため、注意が必要です。SMSでのメッセージ送信方法は、国内直収接続と国際網接続の2種類です。
国内直収接続は、キャリア直収接続とも呼ばれ、国内の携帯キャリアを使って送信します。国内の回線であるため、送信が安定的で迷惑メールだと判定される可能性が少ない点がメリットです。
一方、国際網接続は海外の通信会社を使って送信する方法です。送信料が安価なため、送信数が多くコストを抑えたい場合には、国際網接続も選択肢として考えられます。ただし、迷惑メールと判断されることが多く、メッセージの到達率が低くなる可能性が高いです。
接続方式以外にもサービスごとに機能の差がある
サービスを選ぶ際に接続方式はまず確認しておきたいポイントですが、それ以外にもサービスによって異なる特徴や強みがあるので、多角的に比較検討しましょう。
例えば、督促といった重要な連絡や個人情報に関わる連絡に使う場合、誤送信を防ぐために電話番号変更の可能性を検知できる仕組みがあると便利です。マーケティングに活用する場合、URLのクリック率を監視したり、顧客情報の差し込みができたりすると良いでしょう。
このように、SMS配信の目的によってニーズが高い機能が異なるので、事前に自社での使い方を具体的にイメージしておくことをおすすめします。また、ベンダーのサポート体制なども確認しておきましょう。
送れるのはテキストのみで文字数制限がある
SMSではテキストのみしか送れず、文字数制限があることに注意しなければなりません。企業の広告メールと聞くと、目を引く件名や画像を添付した内容を思い浮かべるでしょう。
しかし、SMSでは件名・画像・動画が添付できない仕組みのため、テキストのみで魅力を伝える必要があります。
また、文字数の制限は全角で670文字(半角1,530文字)です。文字数を超過した場合は、メッセージが正しく送信されない可能性があります。そのため、伝えたい内容が文字だけで足りるのか、文字数に収まりきるのかを検討した上で、SMS配信の導入を決めましょう。
まとめ

SMSは携帯番号を使って送ることができるメッセージ機能です。到達率や開封率が高いことから、マーケティング戦略やセキュリティ強化として導入する企業も増加しています。
ただし、個人利用のSMSでは大量の一斉送信ができないため、企業で導入する場合はSMS送信サービスの導入が必須です。広告メールの効果を高めたり、セキュリティ面の向上を目指したりしている場合は、SMS送信サービスを導入してみましょう。
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