マネージドセキュリティサービスとは?メリットや選び方を解説

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  • MSSとは、自社のセキュリティを社外のセキュリティ専門企業に委託できるサービス
  • MSSの導入で、24時間365日の監視やセキュリティコスト削減が可能になる
  • MSS導入の際は、トラブル発生時の対応内容や法令遵守が可能かを確認する

マネージドセキュリティサービスとは、自社のセキュリティシステムの管理を社外のセキュリティ専門企業などに委託できるサービスです。「MSS」とも呼ばれています。本記事では、マネージメントセキュリティサービスのメリット・デメリット、選び方を解説しています。

目次

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  1. マネージドセキュリティサービス(MSS)とは
  2. マネージドセキュリティサービスのメリット・デメリット
  3. マネージドセキュリティサービスの比較ポイント
  4. まとめ

マネージドセキュリティサービス(MSS)とは

マネージドセキュリティサービス(MSS)とは「Managed Security Service」の頭文字を取った略称で、企業のセキュリティの監視・対策や運用を外部にアウトソーシングするサービスのことです。

マネージドセキュリティサービスは、コンサルタント・運用パートナー企業が請け負います。依頼する企業側が、セキュリティサービスをまとめてアウトソーシングすると、さまざまなメリットを実感できます。

たとえば、今まで自社でセキュリティ対策を行っていた場合、運用の負担や費用を減らすことが可能になるだけでなく、高品質のセキュリティ対策を受けられます。また、セキュリティの窓口をまとめることで、社員同士の情報共有にも役立ちます。

マネージドセキュリティサービスの重要性

各企業のシステム管理者は、ウィルス感染や顧客の情報漏洩などが起こらないように細心に対策を立てて実行する必要があります。ITの社会インフラが一般的になった社会的な背景がある現代においては、マネージドセキュリティサービスの導入と運用が重要です。

もし、自社でセキュリティ対策を行う場合、システムを構築するまでにかなりの時間とコストが必要です。また、必要な人材を確保し専門部署において念入りな準備もしなくてはなりません。

マネージドセキュリティサービスを利用すると、情報セキュリティにかかるコストを減らし、運用の負担や人員の軽減も可能です。

しかし、現代の日本国内においては、セキュリティ分野の専門家は不足していて経験がある優秀な人材を探し確保するのは、とても難しくなっています。

MSSとSOCの違い

MSSとよく比較されるSOC(セキュリティオペレーションセンター)も、企業内のセキュリティレベルをアップさせるシステムです。

MSSは、セキュリティシステムに何か異常があったときに、セキュリティ機器のアップデートなどの対応を行い、SOCよりも具体的な措置をとるという特徴があります。

一方のSOC(セキュリティオペレーションセンター)は、365日・24時間ネットワークの監視を実施し、企業の顧客情報や重要な資産などを保護する仕組みです。

また、ファイアウォールやウイルス対策ソフトなどのセキュリティ機能の監視も行い、危険や異常が検出されれば、すぐさま対策が取られます。SOCもアウトソーシングのサービスですが、主に不正アクセス防止やそのための監視が目的です。

マネージドセキュリティサービスのメリット・デメリット

現在多くの企業がMSS(マネージドセキュリティサービス)を導入しています。より自社に適したMSSサービスを選ぶためには、メリットとデメリットを最初に理解しておくことが大事です。

マネージドセキュリティサービスのメリット

ここでは、マネージメントセキュリティサービス(MSS)を企業で導入したときに得られる主なメリットについて解説します。自社で独自にセキュリティ対策を行う方法と比較し、今後MSSを取り入れるかどうかの参考にしてみてください。

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24時間365日監視が可能

マネージドセキュリティサービス(MSS)は、24時間365日のリアルタイムの監視が可能なものもあります。セキュリティ担当者が外出していて不在の場合でも、セキュリティ対策が万全になり安心できる点がメリットです。

自社でセキュリティ管理をすると、24時間365日の監視をしなければならず、常に緊急事態があったときに備えておくことが必要です。アウトソーシングのMSSサービスを取り入れると、この必要がなくなります。

セキュリティコスト削減

マネージドセキュリティサービス(MSS)を企業が導入すると、セキュリティの費用面でもメリットがあります。また、セキュリティのコストを最適化できるMSSサービスもあり、費用だけでなくセキュリティ部門の人材も大幅に削減ができます。

自社でセキュリティ対応をすると大変手間がかかり、長時間の注意力が必要な作業も多いですが、MSSの導入により省くことができます。MSSをアウトソーシングした場合、膨大なログから実際に危険であるものだけが検知され通知がなされます。

企業内で、セキュリティ機器や専門知識を持った人材の確保ができないような企業にとっては、セキュリティのコストを最小限に抑えた対策が取れるメリットがあります。

専門アナリストによる分析

専門のアナリストが監視・分析をする点も、マネージドセキュリティサービス(MSS)を活用するメリットの一つです。セキュリティ製品のログから異常を検知しセキュリティアラートが発生すると、その場で危険度を判断します。

また、誤検知かどうかの確認も実施して、今後どのような被害があるかの分析も行い、対策案をまとめて各企業担当者に連絡・通知します。

このようにMSSを導入すると、企業内で経験と知識がある専門の人材を採用して、常時監視できる体制をとる必要がなくなり、セキュリティのレベルが上がる点もメリットと言えます。

マネージドセキュリティサービスのデメリット

マネージメントセキュリティ(MSS)の導入を検討しているのであれば、活用するメリットのみならず、デメリットも考慮した上で判断を下すことが大事です。MSSを使うメリットとデメリットの両方を理解し、納得してから導入しましょう。

サービスの利用コストがかかる

マネージドセキュリティサービス(MSS)の導入をする前には、デメリットも同時に把握しておくことが大事です。当然ながらMSSを契約し使用すると、毎月利用コストが発生します。

また、異常ログを検知したときに、アラート送信のみならず実際の対処方法も行うMSSサービスもあります。このようなサービスはインターネットでリモートまたはオンサイトで対処を行う仕組みで、さらにコストがかかる点に注意が必要です。

しかし、高セキュリティの対策はそれに応じたコストがかかりますので、監視対象の範囲と監視システムの質を重視して選ぶことが、より大事と言えます。

マネージドセキュリティサービスの比較ポイント

MSS(マネージドセキュリティサービス)を提供している会社は数多くありますので、どのサービスにすべきか迷いがちです。ここでは、複数のMSSサービスを比較するときに、押さえておきたい比較ポイントについてご紹介していきます。

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トラブル発生時の対応内容を確認

MSS(マネージドセキュリティサービス)を導入する際には、普段の監視サービスはもちろんですが、トラブル発生時の対応方法と速さも確認しておきましょう。

異常ログが検知されたときには、アラートを送ったり担当者に連絡が来たりするだけでなく、適切な対処までしてくれるフルマネージメントのMSSなどもあります。

異常事態のみを通知してくれれば、あとは企業内のセキュリティ担当者が対処できるのでフルマネージメントは必要ない、という場合、通知に特化したサービスを選ぶとコスト削減になります。

どこまで守るか確認

MSS(マネージドセキュリティサービス)はサービスによって含まれる機能が違いますので、最初にセキュリティサービスが「誰から」「何を」「どのように」「いくらで」保護するかどうかを確認しましょう。

企業内の顧客情報や商品情報などの資産を一度棚卸しし、最もどれを守らなければならないのかを決定します。その後、それを保護するためのセキュリティ対策が含まれたMSSを選ぶと間違いが少なくなります。

また、トラブル発生時に、希望すれば専門家が駆けつけてくれるサービスがある点も選ぶ際の重要ポイントです。

使用しているネットワーク機器に対応しているか確認

会社内で既に使用しているファイアウォールや、マルウェア対策機器・IDS/IPSなどのネットワーク機器が、使用するMSSに対応しているかどうかの確認も最初に行っておきたいものです。

もしくは、多数のセキュリティ機器の取り扱いがあるMSSサービスに、実際に自社のセキュリティ機器が対応しているか相談をする方法もあります。

社内の機器を全部買い替えるとかなりのコストがかかりますので、既存の機器をそのまま使用できるMSSの導入をおすすめします。

自社のセキュリティポリシーに合っているか確認

どの会社のMSSサービスを利用するか迷うこともあるかもしれませんが、自社のセキュリティポリシーやデータガバナンスなどに合っているかを基準に選ぶことも重要です。

事前に自社のセキュリティポリシーを確認せずに導入してしまい、MSSに必要な機能が含まれていないと、せっかく導入しても適切なセキュリティ対策が行えなくなってしまいます。

たとえば、必要なときにログデータを提供してもらえるなどのオプションがあることも大事です。企業内のセキュリティポリシーそのものを見直して、変更せざるを得ない状態を避けるためにも、事前に確認しておきましょう。

費用対効果が見合っているか確認

MSSサービスを導入する際は、費用対効果を確認することが重要です。セキュリティ強度を考えるとなるべく広範囲を守れることが理想的ですが、広範囲かつサポートが手厚くなるにつれて、価格も膨らんでいきます。

まずは自社の現状のセキュリティ対策を見直し、守る対象の優先順位を付けた上で、必要性の高いものからセキュリティを強化しましょう。セキュリティ対策は継続的に行うことが重要であるため、長期的に運用できるようコスト管理を行わなければなりません。

法令遵守が可能か確認

情報セキュリティにおいては国や自治体が定める法令があり、企業はこのような法令を遵守していることを証明できなければなりません。詳しい内容は各法令により異なりますが、セキュリティ侵害が発生すると厳しい罰則を受ける場合もあります。

MSSサービスを提供するベンダーの中には、企業が法令を遵守していることを証明するデータの収集や、法令を遵守するためのより専門的な人材の整備を行っているものもあります。対応する内容はサービスにより異なるため、よく確認して選定しましょう。

まとめ

マネージドセキュリティサービス(MSS)とは、自社のセキュリティ管理業務をアウトソーシングし、セキュリティの専門企業に委託が可能なサービスのことです。

マネージドセキュリティサービスを活用すると、24時間365日の監視を実施できるだけでなく、セキュリティコストの削減が可能な点がメリットと言えます。

一方、マネージドセキュリティサービスを契約し導入すると、毎月の使用料がかかるため費用がよりかさむ点がデメリットです。

MSSでは、専門的な知識が必要となるセキュリティ対策を、外部に委託することで簡単かつスムーズにセキュリティを強化できます。ぜひ自社に最適なサービスを選択し、導入してみましょう。

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